テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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やっと更新が出来た。

前にアンケートのところで出たワールドトリガーの小説書き始めました。


偽りの村

 なにもない真っ白な空間。その中にある窓……此処は私の夢の中だ。

 

「すっぱい……」

 

「味を感じるのですか?」

 

 手に持っていたリンゴを噛ると酸味を感じ、声に出す。

 すると1人の女性が……私が喰らった聖隷のシアリーズが声を掛けてくる。

 

「夢の中だけよ……」

 

「彼が作った場合もじゃないのですか」

 

 あのバカがどういう原理かは知らないけど、私のために作った料理だけは味がする。

 最近だとあのバカが作った料理を食べる代わりに、あのバカの分を作ったりするのが日課になってる。

 

「アレは例外よ……自分で食べた物の味は夢の中でしか分からないわ」

 

 喰魔になってからは食べなくてもいい様になった。

 私の見た目が限りなく人を維持しているせいか周りは食事に誘ってくる。けど、本当は食べなくてもいい……そう分かっているけど、元々が人間だから食べる癖がついている。食欲なんて、これっぽっちも無いのに。

 

「貴女はここが夢の世界だと?」

 

「分かるわよ……あたしがあんたを喰らったのだから」

 

「そうですよ。忘れないでください」

 

 っ!

 

「忘れられるわけないでしょう!!──の血の味を!!」

 

 忘れるなんて絶対に出来ない。

 シアリーズを──を殺した時に覚えた血の味は絶対に……。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

「……忘れられるわけないじゃない」

 

 夢は終わり、現実に引き戻される。

 私達はライフィセットが示すイーストガンド領の東にある地脈点に向かっていた。

 

「相変わらず、夢見が悪いみたいだな」

 

「……人の寝顔を見てるんじゃないわよ」

 

 起きて早々に、あのバカがやってくる。

 船上で寝ていた私の事を見ていたみたいで、相変わらずなその姿に少しだけ苛立つ。

 

「そうは言っても、今、そこそこピンチなんだよ」

 

「ピンチ?」

 

 船の上では騒ぎは起きている様子じゃなさそうだけど……。

 

「濃霧が発生した」

 

 周りをゆっくりと見てみると深い霧に包まれていた。

 辛うじて前が見えているぐらいだけど、この深い霧……またアイゼンの死神の呪いでも発現したのかしら?

 

「幸い、これぐらいなら乗り切れるとは言っているが問題はこの霧だ……ベンウィック達が言うには、この海域は霧が発生しないらしい」

 

「アイゼンの死神の呪いでしょ」

 

 ありえないこととかが海で起きるなんて今さらよ。

 なにかがあるかもしれないから意識はしておけと釘を刺すとあいつは私から離れていき、今度はエレノアとマギルゥがやってきたので、エレノアにはライフィセットはライフィセットであんたの物じゃないことを言い、マギルゥと私が折れるかどうかの賭けをした。

 

「霧もすっかり晴れましたね。迷わなくてよかったです」

 

「当然だ、オレ達をなんだと思っている?」

 

「違法で無法で、腕のいい海賊だと」

 

「……分かっていればいい」

 

 エレノアの答えに納得したアイゼンは微笑む。その横でベンウィックは頭を抱える。

 

「う~ん、この辺りの海域は霧が出ない筈なんだけどな」

 

「アイゼンの死神の呪いでも発動したんだろ……誰1人くたばってないし結果オーライでいいじゃねえか」

 

 ベンウィックの悩みをアイツはあまり気にしない。

 誰かが病に犯される事もなかったから、それでいいのに気にしすぎるのも良くないものね。

 

「しかし、今までの港町とは雰囲気が違うな」

 

「うん!お城みたいだね!」

 

 バンエルティア号を降りてタリエシンの港町を歩く私達。

 今まで立ち寄った港町とは雰囲気が異なる事をアメッカは感じ、ライフィセットははしゃぐ……。

 

「ここは貿易で悪どく儲けた一族の拠点でね、攻められた時に備えてこうなってるんだって……」

 

「成る程、城と言うよりは要塞に近いな……ん?」

 

「けど、栄えたのは昔の話。今はただの田舎町よ……それでもあたし達には憧れの都会だったけど」

 

「詳しいのですね」

 

「一応地元だから。この先のアバルって村が私の故郷」

 

「じゃあ、喰魔がいるのは」

 

「多分、私の村よ」

 

 だからかしら。

 喰魔に関して回収さえ出来ればそれでいいと何時もは思っているけれど、不思議と喋る気になる。

 

「いいのですか?」

 

「どうせ知り合いはいないわ……皆、私が喰い殺したんだから」

 

 あの日、私は全員を殺した。その時の事は今でも思い出せる。

 

「と、取りあえず情報を集めよう。喰魔が居るならば聖寮が管理をしている可能性がある」

 

 重くなった空気をアメッカは軽くしようと必死になる。

 別にそんな事をしなくても情報は集める……村が滅びているんだから、集まる情報なんてロクなもんじゃない。

 

「しまった!今日はニコが来る日だった!特製のキッシュを買い損なった……」

 

「えっ!?」

 

 その筈だった。

 

「でも、ニコもここに店を出せばいいのに何故わざわざアバルから通っているのかしら?」

 

「村を離れたくないんだとさ。行方不明になった友達を待ってるとかで」

 

「冗談は言わないで!!アバルは滅んだ筈よ!!

 

 中年の男性と女性の会話を聞いて私は声を荒げる。

 ニコは……私の友達は死んだ。私がこの手で喰らっていて、アバルはあの日全員が業魔になって滅んだのよ!!

 

「はぁ?縁起でもない事を言うなよ。確かにアバルは3年前に業魔に襲撃されたが滅んでいない。怪我人も多かったけどアルトリウス様の力のお陰で命拾いをしたのよ」

 

「う、うそ!?」

 

「嘘ってなぁ……現に毎週ニコって子がアバルから行商に来てるぞ」

 

「ウチの亭主も昨日アバルの雑貨に薬を納めたのよ。代わりにウリボアの肉を仕入れてきて」

 

「うそだ……みんな、あたしがこの手で」

 

 

 殺したんだ。

 

 

 あの日の事は今でも覚えている。

 あの日、喰魔になった私は皆を喰らった……それなのに、なんで、なんで。

 

「ット──ベルベット!!」

 

「アメッ……カ」

 

 ニコの事を聞かされて否定しようとしている私は汗を流していた。

 暑さも寒さも感じないなにも感じない筈の私が汗を……なんで?なんでなの?

 

「ほらよ」

 

 アイツが鏡を取り出して私の顔を私に見せる。

 何時もの無愛想な顔は写っておらず、怒りじゃない感情を強く表に出している表情で酷く醜かった。

 

「っ……」

 

「えっと……そうだ!」

 

 なにか閃いた顔をすると私に抱きついてきたアメッカ。

 何時もならば暑苦しいと振り払うけど、今はそんな気分にはなれない。

 

「……私では力不足で力にはなれない。けど、受け皿になることぐらいは出来る筈だ」

 

「……」

 

 普段は料理も下手でまともに戦うことすら出来ないアメッカ。

 本当は私よりも歳上なんだと抱き締められていると感じ、興奮して高ぶっていた気持ちが段々と落ち着いていく。

 

「ありがとう……」

 

「礼なんていらない……ベルベットはどう思っているかは知らないが私にとってベルベットは仲間だ。辛いことや苦しい事があるならば助け合う……まだ私の方が未熟で申し訳ないが」

 

 自分の行いを気にしないアメッカのお陰で気持ちが落ち着いた。

 アイツが持っている鏡に写る自分の顔はさっきより大分増しになっており、立ち止まることはせずにアバルに向かって再出発をする。

 

「そういえばベルベットはなんで監獄島にいれられていたんだ?今から向かうところがベルベットの故郷だったら、そこに閉じ込めるのが普通じゃないのか?」

 

 アバルまでの道はそれなりにある。

 その間にロクロウが疑問に思ったことを口にすると若干だが私に視線が集中する。

 

「知らないわよ。喰魔になって意識を失って、気が付いたら監獄島に閉じ込められていたわ」

 

 そう、私はなにも知らない。知らなかった……。

 

「大方、エサが無かったからじゃろう。ベルベットは村人を全員喰い殺したと言っておったからのう」

 

「っ……やはりその話が事実」

 

「だったら、今から向かう村の跡地に喰魔は居るのか?その、エサとなる憑魔達はもういないんじゃないのか?」

 

 私がどうしてアバルの跡地に閉じ込められなかったかの議論は続く。

 マギルゥの考えから村の跡地の現状を推測して苦々しい顔で今回は喰魔がいない可能性が浮上してきたことをアメッカはほのめかす。

 

「いや、そもそもでベルベットが最初の喰魔だとするかもしれん」

 

「まさか古文書の内容を確かめるために!」

 

「それだったらベルベットで成功した後で他にも幾つか監獄島みたいなのを作る筈だ……まだなにか根本的な情報が足りないから考察するのはここまでだな」

 

「そういうお前はなにか分かってるんじゃないのか?」

 

「分かってはいるが、たかが知れてる……言えば事態を混乱させるだけだ。今でさえ頭がこんがらがった状態なのに、やってられるか……ただまぁ、義弟や義妹を躊躇いなく生け贄にしたり喰魔化させたりと色々とやってるんだ。ロクでなしな理由に決まってる」

 

「……なんでそこまでの事が出来るんだろう」

 

 アイツが話を終わらせるとライフィセットは考え込む。どうしてアルトリウスはこんな事をしているのか。

 

「そうまでして救いたい世界があるのか、そうまでしないと救えない世界か……」

 

「え……」

 

 マギルゥが言っている言葉でライフィセットは更に考え込む。

 例え後者だとしても私は変わらない。ラフィを殺したと言う事実は絶対に変わることが無い。

 地脈点に関する考察は終わり、今度はどんな遺跡が待ち受けているのか気になったりするライフィセット達。アバルの村の事をよく知っているからか会話に混ざる気はなく適当に話を聞き流し、先に進んでいく。

 

「きゃあああ!!」

 

「悲鳴!?」

 

「すぐ近くからだ!」

 

 アバルの村の跡地に向けて更に進んでいくと悲鳴が聞こえる。

 エレノア達は悲鳴が聞こえた場所に向かって走っていくとそこには巨大な虫の業魔がいた。

 

「おい、あそこに誰か倒れてるぞ!!」

 

「……あ、あれは……」

 

 巨大な虫の業魔の直ぐ側に倒れている私と同じ年頃の女性……ニコだ。

 私の親友で、ついさっき生きていると話題に出ていたニコで間違いはない……なんで、なんで。

 

「ベルベット!!」

 

「しまっ!!」

 

「問題ねえよ」

 

 倒れているニコに戸惑い、戦うことに集中する事が出来ずにいるとライフィセットは大声で叫ぶ。

 何時の間にか巨大な虫の業魔は私の目の前に来ており、私を喰らおうと掴んでくるのだが咄嗟にアイツが私を抱き抱えて回避する。

 

「ベルベット……」

 

「分かってるわよ……分かってるわ!!」

 

 コレは幻だ。私は質の悪い夢を見ている。

 こんな夢ごときに惑わされはしない。こんなところで使う相手ではないのは分かっているけど、このまやかしから抜け出すには力が必要だ。

 身体を炎が包み込むと何時もの服装とは異なる炎をイメージしたかの様な姿に変わっており、体の底から力が溢れ出る。

 

「この姿でやるのははじめてだけど、容赦はしないわ!!」

 

「ちょ、それを今するのはまずいだろう!!喰魔との戦いもあるんだぞ

 

「じゃあ、どうしろって言うのよ!!」

 

 左手に黒い炎を出現させると止められる。コレを撃てば私の体力の殆どは無くなるけど、コレを撃つぐらいの気持ちでないとこの先には進めない。

 

「それを剣に纏え」

 

「剣に?」

 

 骸骨から授かった邪王炎殺黒龍波は喰魔化した左腕から龍の形をした炎を放つ技。

 応用する方法はまだあるのだと試しに剣に纏わせてみると剣自体が禍々しい炎の様なオーラを纏う。

 

「これならいける……邪王炎殺剣!!」

 

 邪悪な炎の様なオーラを纏った剣はバッサリと虫の業魔を倒す。

 分かっていたことだけど、この力は強い……アルトリウスに届きうる力。

 

「……!」

 

「無理するなよ」

 

「まだ、大丈夫よ」

 

 最初に撃とうとした技とは異なるけど、それでも疲労感を感じる。

 この技が諸刃の剣なのは分かっているけど、本来撃とうとした技よりはマシ。まだ体を動かす事が出来る。

 

「なんで……うそ……」

 

 きっと見間違いだと心の何処かで思いたかった。

 横たわっている私と同じ年頃の女は何処からどう見ても私の友達のニコだった。

 

「うう……ベル、ベット!?」

 

 目を覚ましたニコは私を見て驚いた。

 

「どういうこと!?なんでアンタが生きて──」

 

「こっちの台詞だよ!!今まで何処にいたわけ!?」

 

 剣を突きつけようとすると怯える事なくニコは叫ぶ。

 

「突然いなくなって、村の皆は業魔に食べられたって言っていたけど……あたしはそんな筈がないって……ベルベットは強いんだから……やっぱり、やっぱり生きてた」

 

 涙を流し、一歩また一歩と私に歩み寄るニコ。

 そんなニコを私は拒むことは出来ず、ニコに抱き締められる。

 

「うう……うわ~ん!!」

 

「……」

 

「……全く、酷い夢だな」

 

 さっきまでの態度から一変してなにもしない私を見て、アイツは呆れる。

 夢……確かにそうなのかもしれない。私は質の悪い悪夢を見ている……っ……。

 

「……ごめん、お連れの前でみっともないとこ見せちゃって」

 

 泣き止んだニコは私から離れて、少しだけ恥ずかしそうにする。

 

「早く皆にも知らせないと!ベルベットが帰ってきたって!!」

 

 ニコはアバルに向かって走っていった……。

 

「ニコが、生きている……」

 

 なんで?

 あの日、全員死んだ筈なのに、殺した筈なのに……。

 

「気を許すな、嫌な予感がする」

 

「そうじゃぞ、死神が一緒じゃしな」

 

 ありえない。明らかに裏があるはず。

 アイツを除いて全員が気を引き締め直す中、私は考える。

 

「こんな筈、無いのに。私があの日……」

 

 殺した筈なのに何故か生きているニコ。

 ニコだけじゃない、聞いていた話が本当だったらアバルの村の皆が生きている。全員殺した筈なのに……。

 

「ベルベット、大丈夫?」

 

「……ええ」

 

 ライフィセットは私を心配してくれるけど、歩みを止めるわけにはいかない。

 

「こんなことがある筈が無いなんて分かっているんだから」

 

 これは嘘だ、偽りだ。質の悪い夢だ。

 あの時、殺した血の感覚は紛れもない本物で……そう、きっとニコ達に誰かが化けている。今まで喰魔を警備する聖寮が居たのだから怪しまれない様に演じているのよ。直ぐにボロが出てくるわ。

 

「ゴンベエ……!……ベルベット」

 

「なに?」

 

「……いや、なんでもない」

 

 何かを言おうとしたアメッカだけど、途中で言うのをやめる。

 チラリと狼の姿になったアイツを見ているけれど、なにが言いたいのかしら?

 

「……今は見るべきか」

 

 アイゼンもなにか言いたそうな顔をしているけれど、何も言ってこない。

 言いたいことがあるならハッキリと言えばいいけど、今はそんな事を言う気分になれず一先ずはアバルの村を目指すと、そこは廃虚……ではなく小さなのどかな村があり、村の住民が一箇所に集まっていた。

 

「ベルベット、本当に無事で」

 

「ああ、よかった……」

 

 村のおじさんやおばさんがそこにはいた

 ニコやおじさん達だけじゃない。村に住んでいる見覚えのある人達がそこには立っており、私の事を見て喜んでいる……。

 

「そんな……あたしは、あの日村は滅んだって」

 

 滅んだはずなのに何故か皆が生きている。

 

「ああ、全滅するところだった」

 

「危ういところをアーサー……アルトリウス様が救ってくれたのよ」

 

「違う!あの男がやったのよ!あいつがライフィセットを生贄に」

 

 村の住人が死んだのは……あの男が全員、業魔にして……ライフィセットを生贄にしてカノヌシを。

 

「……ライフィセットの事は残念だったな」

 

 残念そうにするおじさん。

 そう、どれだけ偽ろうともライフィセットが死んだ事実は変わりはしない。私は騙され──

 

「だが、希望は捨てないでくれ」

 

「そうよ、まだ生きているわ!」

 

「──生きて、る……」

 

 なにを言っているの?

 私はあの時、ライフィセットが……ラフィが死んだのをちゃんと見ている。血の味を覚えている。

 

「あんたの家にいるわ。安心して、皆で面倒を見ているから」

 

「……」

 

「皆、少し落ち着こう。あんな事があったのだからベルベットが動揺するのも無理はない……先ずはライフィセットに挨拶していきなさい」

 

 おばさんは私にライフィセットの挨拶を勧めると、その場にいた全員を解散させる。

 私達はと言うとそこに取り残される……。

 

「……ゴンベエがいない?」

 

 何時の間にかアイツが居なくなっている事にアメッカは気付く。

 何処に行ったのか気にはなるけれど、今はそんな事を気にしている場合じゃない。アイツはその気になればアルトリウスと渡り合う程の強さは持っているのだから、倒されることだけはない。

 

「……オレ達の目的は喰魔を探すことだ。ここがなんであれ、喰魔が居る可能性は高い……」

 

 アイゼンはそう言うと私から離れていく。

 

「ラフィが……生きている……」

 

 そんな事があるわけない。

 でも、ニコ達はここにいる……確かめる必要があるわ。




 ベルベットの術技


 邪王炎殺剣
 
 説明

 邪王炎殺黒龍波の邪悪なる炎を纏いし剣による一閃。
 邪王炎殺黒龍波よりも威力は劣るものの、穢れを持った炎を纏った剣で並大抵の生物はその穢れに当てられるだけで混乱し意識を失う。


 キャラの設定のまとめみたいなのを書きたいが物凄いネタバレになるのでかけない。ちくしょう。
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