テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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スキットのネタが全然浮かばねえ……


復讐と憎しみの連鎖

「そんな……」

 

 オスカーが新たに会得した術は神依だった。

 この時代に来てから今まで誰一人として使用していない術で、この時代の人と天族との関係性では無理だろうと考えていたが違った。

 スレイと違い姿が大きく変わったわけではないが今の私ならば分かる。オスカーは一瞬にして何段階もパワーアップを果たした。

 

「聖隷と一体化しただと!?」

 

 今までにない術にアイゼンは驚く。私も驚くしかない。巨大な拳も大きな弓も剣もないが、紛れもなく神依だ。

 

「どうして天族と心を通わせていないのに、名を読んでいないのに神依を使えるんだ!!」

 

 だからこそわからない事があまりにも多い。

 神依を発動するには天族の方の真名を呼ばなければならず、オスカーはそんな事を一切していない。神依は導師の秘術で天族と一心同体になるものだとライラ様から教わった。元々の力が弱い私では出来ないスレイにしか出来ない秘術をオスカーが使うとは

 

「アメッカ!!」

 

「……っ!!」

 

「色々と思うことはあるのは分かるが今は戦いに集中しろ」

 

 オスカーの神依に気が動転しているとゴンベエが私を現実に戻す。

 なんの因果か災禍の顕主と共に旅をするだけでなく神依を使う相手と戦うとは思ってもみなかった。ゴンベエに言われた私は宙に浮いているオスカーを見つめる。

 

「アメッカ、ゴンベエ、あれがなにか知ってるの!?」

 

 最初に反応を見せてしまったのでライフィセットは聞いてくる。

 

「アレは神依と言って天族と導師が1つになる秘術だ……通常では計り知れない程のパワーアップを果たす」

 

 神依の事をなんでも知っているわけじゃない。

 とりあえずは簡単に説明をするとアイゼンが怒りを表す。

 

「聖隷から意思だけでなく形を奪う技だと……」

 

「いや、本来はあんな使い方じゃない……筈だ……」

 

 過去の時代の出来事故に断言することは出来ない。

 神依はこの時代で生まれてこの時代ではこういった風に扱われていたかもしれない。色々と改良されたりして今の様になったのかもしれない。

 

「貴様、何故この神依を知っている!!」

 

「見たことがあるからに決まってる……と言いたいがソレははじめて見るな」

 

 とっておきである神依に対する反応が予想外だったのかオスカーは戸惑う。

 ゴンベエはあっさりと返事をするのだが、しっかりとオスカーを観察している……見たことのない……確かにそうだ。

 

「神依を見たことがあるだと!?バカを言うな、コレは聖寮が新たに開発した術だ」

 

「テメエのその翼は見るのははじめてだけど、巨大な拳骨と無駄にデカい弓と巨大な剣なら見たことがあんだよ」

 

 オスカーから聞き出せる情報を聞き出しつつ、ゴンベエは冷静に考える。

 私も冷静になって考える。確か巨大な剣を持ったのが火属性の神依、弓矢を使うのが水属性の神依、巨大な岩の拳で戦うのが地の神依だ。それに対してオスカーの神依は刃の翼が生えていて空を飛んでいるだけで特に変わったことはない……

 

「アレは恐らくは風の神依だ!」

 

 風の神依は唯一私が見たことが無い形態だ。

 

「ってことは、さっきの聖隷は風の聖隷だったわけか……ベルベット、アレをやれ!」

 

「分かってるわよ!!」

 

 向こうがパワーアップを果たしたのならば、こちらもパワーアップをするしかない。

 ロクロウに則されたベルベットは籠手から剣を出すと業炎を身に纏い、神依に似た姿へと形態を変化する。

 

「神依は日々の積み重ねとかの努力とは異なる明確なハッキリとしたパワーアップだ。しかも使ってる奴の基本スペックはスレイよりも上で1個だけ厄介な事がある」

 

「この上で更に厄介な事があるのですか!?」

 

「風属性の神依を見るのははじめてだけどよ、あの姿からして十中八九空飛べる!」

 

「ふっ、その通りだ!」

 

 ゴンベエの言葉に頷きながらオスカーは高く飛翔した。

 まずい……日頃の鍛錬を怠ったつもりはなく脚力に自信はあるが、それは陸での話。ゴンベエはその気になれば水の上を走ったりすることも出来るらしいが私には出来ない。

 

「っちぃ、飛ばれたら斬ることが出来ない」

 

 近距離戦闘が主体のロクロウは舌打ちをする。

 自慢のランゲツ流も刃が届かない。ジャンプをして間合いを詰めても恐らくは吹き飛ばされるだけだ。こうなるとエレノアもベルベットも戦えない。術を主体にして戦っているマギルゥとライフィセットが頼りだ。

 

「慌てるんじゃねえ!見たところオスカーもあの形態での戦闘ははじめてだ。使っている属性が風属性の神依と分かった以上は火属性の神依みたいな姿になれるベルベットを主体に戦うんだ。ライフィセットとマギルゥはファイヤボール的な火属性でぶっ放せるタイプの技でサポート、ロクロウとエレノアはベルベットのサポートでベルベットが攻撃できるように、アイゼンには悪いが補助に回れ」

 

 こんな中でもゴンベエは的確な指示を出す。

 当然の様に私は戦闘が出来る人数にはカウントされていない。悔しいが今の私では神依を使う対魔士を相手にする事は出来ない。

 

「吹き荒れろ、烈風!!」

 

「アメッカ、槍借りるぞ」

 

 風の刃を雨の如く降らせるオスカー。

 ゴンベエは私から槍を借りて刀身に炎を纏わせて全て切り払う。

 

「どうやらホントに風属性の様ね……」

 

 ベルベットは空を飛んでいるオスカーを見る。

 助走をつければ届くかもしれない位置に飛んでおり、どうやってそこに行くのかを考えている。

 

「エレノア、ベルベット、ロクロウの順に来い」

 

 ボールをトスする時と似たような構えをゴンベエは取る。

 自らが踏み台になることで跳躍力を増すつもりでゴンベエの言われた通り、エレノア、ベルベット、ロクロウの順番に飛んだ。

 高い、この高さならば空を飛んでいるオスカーとの間合いを一気に詰める事が出来る。

 

「ライフィセット、マギルゥ、アイゼン、準備はいいか!空中にいるベルベット達は上手く身動きは取れないから気をつけろ」

 

「分かっとるわい!」

 

 術を出すモーションを取るマギルゥ。

 ファイヤボールの様な術をオスカーに向かって飛ばすのだが、コレは牽制だ。当てるつもりのない攻撃で、空を自由自在に飛び回る事が出来ない様にしている。

 

「ナメるな!!剣を穿け!」

 

「来たぞ!」

 

「はい!」

 

 背中の翼に似た刃を無数に出現させてベルベット達に向かって飛ばす。

 ゴンベエが先に飛ばしたエレノアがベルベット達に向かう刃を槍で振り払う。それと同時にエレノアの動きが止まる。刃にぶつかった事で空を跳ぶ勢いが無くなった。

 

「そして爆ぜよ!」

 

「まずい!アイツ、突撃するつもりだ」

 

「いや、大丈夫だ!」

 

 オスカーはベルベット達に向かって突撃しようとしている。

 既に上昇する勢いがなくなって来ているベルベット達とぶつかりあえば確実にベルベット達が負けてしまう。アイゼンは危険を察したが、ゴンベエは問題は無いと動じない。

 

「いけぇ、ベルベット!!」

 

 ベルベットの背後に居るロクロウがベルベットの踏み台になった。

 新たに跳んだベルベットはオスカーに向かって跳んでいく

 

「シルフィードブレイズ!!」

 

「紅蓮爆炎剣!!」

 

 真紅の炎を纏ったベルベットと風に包まれたオスカーはぶつかり合う。

 属性の相性ではベルベットの方が有利だが空中ではオスカーの方が圧倒的に有利だ

 

「っく……」

 

「っち……」

 

 両者のぶつかり合いの結果、引き分けた。ベルベットの新形態よりも神依の方が上だったのだろうか。

 

「オスカー、もうやめて!!」

 

「エレノア、諦めろ……食うか喰われるかだぞ」

 

「でも、あの術は未完成で体に負担がかかるのですよ!」

 

 力比べは引き分けに終わったが、オスカーの疲労具合はベルベットの比ではない。

 神依はするだけでも疲れるものでスレイが使った時よりも遥かに疲れている。未完成の術で身体に尋常でない程に負担がかかる代物だとテレサは言っていた……ここから更に改良が加えられるのか。

 

「まともに動けなくなるぐらいにボコボコにしなきゃあの手のタイプは嫌でも動く……ベルベットがそうだろう」

 

 ゴンベエは両手から光る立方体の弾を2つ作る。

 何時もの様に放つのかと思えばその2つの弾をくっつけて合成し、1つの弾に作り上げる

 

「ハウンド+ハウンド……強化追尾弾(ホーネット)

 

 何時もとは違う呼び名の弾をゴンベエは撃つ。

 

「っ、追尾弾か!!」

 

 オスカーは避けようと移動するのだが弾もそれに合わせて動く。

 追尾機能を持った光る弾はオスカーを追い掛けるのでオスカーは避けようと空を飛ぶのだが、追い掛けていく。

 

「5、4、3」

 

 カウントをはじめるゴンベエ。

 視線の先にはオスカーが写っており、撃った弾が当たるタイミングを見つけようとしているのか

 

「っ、消えた!?」

 

 オスカーに向かって追尾していた弾は急に消えた。

 流石にずっと出続けるものでもないのだが、オスカーは消えた事に少しだけ驚く。

 

「コレで詰みだ」

 

 ゴンベエがそう言うと私は気付く。オスカーの逃げた先にベルベットが待ち構えていたのを。

 最初から撃った弾を当てるつもりはなく、ベルベットの元へと向かわせることこそが狙いだったのを

 

「しまっ──」

 

「邪王炎殺剣!!」

 

 オスカーもベルベットに気付いたが、1手遅かった。

 穢れを放つ黒い炎を纏った剣でベルベットは攻撃をし、オスカーを斬り飛ばす。

 

「致命傷にはなってはないけど、コレでおしまいよ」

 

 強い……神依のオスカーはハッキリとパワーアップをしたが同じくパワーアップをしたベルベットの方が上だった。

 ゴンベエのサポートがあったからという事もあるのだろうが、それでもベルベットの勝ちは勝ちである。

 

「テレサは連れて行くわ」

 

「っ……姉、上は……渡さない!!」

 

「もうやめて!オスカー、これ以上動いたら貴方が死んじゃう!!」

 

「これ以上はもうやめるんだ。ベルベットは命までは取らない」

 

 オスカーは立ち上がろうとする。オスカーから感じ取れる心の力の強さを深く感じつつも諦める事を言う

 エレノアも止めに入るがエレノアも私も分かっている。オスカーはなにを言っても立ち上がる。誰の言葉を聞かない。

 

「姉上を……傷つけた……お前は……許さん!!」

 

「っは、元から許しなんて得てねえんだ─っ」

 

「がぁあああああっ!?」

 

 立ち上がったオスカーは眩く光を放つ。

 ここから更にパワーアップを果たしたのかと一瞬だけ考えるが違う。オスカーの力は暴走をしている。意思を抑制した天族と無理矢理神依をしたツケが、未完成の神依の限界がここに来て暴走をはじめている。

 

「いかん、聖隷の暴走か!」

 

「まずいぞ!!このままだとドラゴン化する可能性がある!」

 

「ゴンベエ!!」

 

「天族の意思を開放する事が出来ない以上はもうどうすることも出来ねえよ」

 

「ベルベット、喰らって止めい!!」

 

「待って、この人は」

 

 このままでは本当にオスカーは死にかねない。

 ゴンベエに頼ってみるもののゴンベエもどうすることも出来ずに、マギルゥがベルベットに喰らう事を指示する。

 

「ぬぅおおおお!!」

 

 力が暴走しつつもオスカーはゴンベエに向かって突撃をする。

 ゴンベエは背中の剣を触れるのだが、その前にベルベットが出てきて攻撃を防いだ。

 

「あ、やばい」

 

 ゴンベエは異変に気付く。いや、それは異変と呼べるものではない。

 ベルベットは襲いかかるオスカーに対して刃を向けるのだが、オスカーはそれを寸でのところで躱すのだが先程受けた攻撃でのダメージで動きが鈍くなっており、ベルベットはその隙を逃すわけもなくクルリと宙返りをしつつオスカーの背後を取りつつ喰魔化した左腕で切り裂き、血が飛び散った

 

「!!!」

 

 攻撃をくらったオスカーは神依が解除された。パタリと倒れてしまっている……

 

「……」

 

 ベルベットは血に濡れた自分の手をジッと見つめて固まっている……オスカーは動かない……これは……

 

「……殺した、な……」

 

「ち、違う」

 

 ゴンベエに両手両足がやられて倒れていたテレサは涙を流しながらベルベットを睨む。

 睨まれたベルベットは何時もならば気にしないが弱々しくなっており、震えている。

 

「……いい子だったのよ?誕生日にイアリングをくれて」

 

「……はぁ、めんどくさ」

 

「本当は婚約者に渡す物なのに私にくれて……一番大切な人に渡す物だと教えたら、それは姉上だって渡してくれて…………オスカーを……オスカーを、殺したな!!」

 

「大事な弟が殺されたか……」

 

 ゴンベエはボソリと呟く。

 なによりも誰よりも大事で裏切り者になろうが構わないと言った、それほど大事な弟を殺された……ベルベットと同じ憎しみを抱いている。

 ゴンベエのその呟きはベルベットの意識を暴走させるのに充分すぎるトリガーだった。

 

「うわぁああああああああ!!」

 

 ベルベットは我を失いながらテレサに向かって突撃する。

 

「ダメ!!」

 

「殺すな!!」

 

 ライフィセットとアイゼンは止めに入ろうとするも言葉は届かない。

 ベルベットはテレサに向かって突撃し、体を浮かす事が出来るようになったテレサもベルベットに向かって突撃をする。

 結果は言うまでもない。ゴンベエに手足を折られ砕かれたテレサはまともにベルベットを攻撃する事が出来ず、ベルベットに左腕に切り裂かれてオスカーの元へと飛ばされる。そしてテレサは喰魔の姿から元の人間の姿へと戻った。

 

「酷い、怪我……直ぐに、手当てを……」

 

 テレサはオスカーに向かって手を伸ばそうとする……

 

「泣かないで……貴方は強い、子よ……」

 

 オスカーとテレサの手は重なり合った。そこでテレサは力が尽きて……死んだ。

 

「テレサ……オスカー……」

 

「こんな事って……こんな事が……」

 

 まかり通っていいのか……誰も報われない絶望でしかない。

 テレサもオスカーも死に、ベルベットはアルトリウスと同じ事をしてしまう……浄化の力も無ければ飢餓も続く絶望の時代だが……コレは……

 

「うっ……」

 

 なにも出来ない自分に絶望し、耐えられなかった私は嘔吐した。この時代に来て色々と覚悟を決めていた筈なのに一瞬にして全てが砕かれた。

 

「……喰魔の回収は失敗じゃの」

 

「先にやったのはそっちよ……」

 

 ベルベットは櫛を取り出した。その手は震えている

 

「だから、あたしは……ラフィの為に…………弟の為に」

 

「っと、限界が来たか」

 

 限界を迎えたベルベットは意識を落として、地面に倒れた。

 テレサとオスカーを同じ目に、いや、それ以上に酷い目に合わせてしまった罪悪感に囚われてしまった。

 

「アメッカ……ここで投げ出すことは許さん」

 

 絶望な悲劇を見せつけられてなにもかも投げ出して逃げたいと思う気持ちを潰す。

 

「ベルベットは……気絶をしているだけか」

 

 ゴンベエはベルベットの首筋に触れる。

 ベルベットは何時かの船の様に限界を迎えて気絶をしただけだが……ホッとしない。ベルベットは目覚めると変わっていそうで怖い。

 

「阿呆が、最初から喰魔を引き渡しておけばこんな事にならなかったのに」

 

「っ、貴方はこんな時にまでそんな事を言うのですか!!」

 

 ゴンベエはオスカーとテレサの遺体に近寄る。

 何時もと違う冷たい目ではなく哀れんだ目をしているのだが、不用意な発言にエレノアは怒る。

 

「事実を言ったまでだ。テレサが余計な事をしなければ最初からこうはならなかった」

 

「テレサが悪いと?弟を思う姉の気持ちを踏み躙るのですか!!」

 

「んな事は言っちゃいねえ……ただ大人しくしていればそれで良かったのに、余計な事をしたんだ。過ぎたるは及ばざるが如しだ」

 

「何故、何故貴方はそんな事を言えるのですか!!」

 

「決まってるだろ……くだらねえ世の中の仕組みや人間の醜さを嫌という程に知ってるからだよ」

 

 表情こそ変えてはいるものの、ゴンベエはエレノアほど激しく感情を動かしていない。

 あまりにも非情に見える姿だが、それこそがゴンベエである……だが……。

 

「全く、世界が変わろうが人間の醜さと社会のゴミな部分は変わらねえよ」

 

「なにをするつもりですか!」

 

 ゴンベエはオスカーとテレサの遺体の前で正座をした。

 これ以上死体蹴りの様な事は許さないエレノアはゴンベエに槍を向けるのだが、ゴンベエは気にせずに合掌をする。

 

「……観自在菩薩 行深般若波羅蜜多 照見五輪皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是 舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界 乃至 無意識界 無無明 亦無無明尽 乃至 無老死 亦無老死尽」

 

「な、なにを言っているのですか!?」

 

「オレはこの国の人間じゃねえ……だからこの国の弔い方は知らねえ……遺体は火葬で終わらせる」

 

「や、焼くのですか!?」

 

「悪いがオレに出来るのはコレぐらいだ……以無所得故 菩提薩埵」

 

 ゴンベエはゴンベエなりのやり方でオスカーとテレサを弔おうとしている。

 聞いた事の無い言葉を沢山並べて合掌をしているので私もその隣で正座をして合掌をする。どうか2人が生まれ変わり次の人生では幸せになれる様に




スキット モアナと遊ぼう3

ベンウィック「お〜い、頼まれた物を買ってきたぞ〜」

ゴンベエ「あんがと、コレ代金な」

ベンウィック「にしてもお前、結構熱心だよな」

ゴンベエ「なに言ってるんだ。ベルベットやエレノアと比べたらオレなんかまだまだだよ……」

モアナ「あ、ゴンベエ!!」

ゴンベエ「おう、ちょうどいいタイミングで来たな。新しいおもちゃが入ったぞ」

エレノア「新しいおもちゃですか。あまり買い与えてはモアナがワガママになってしまいますからやりすぎも程々にですよ」

ゴンベエ「んな事を言ってるお前は前回なにしたか忘れたとは言わせねえぞ」

エレノア「あ、アレは仕方がない事です!ああでもしなければ私の強さをモアナに教えられないんです」

ゴンベエ「だからって製造業者に乗り込む事は無いだろうが。コンマイでもそんな事をしねえわ」

エレノア「それで今度はなにを購入したのですか?最近、流行っている世界中を巡って土地や資産を購入して遊ぶ双六ですか?」

ゴンベエ「ちげえよ、コレだ」

エレノア「紙……ですか?」

ゴンベエ「折り紙だよ」

エレノア「折り紙……なんですかそれは?」

ゴンベエ「え、マジで言ってるのか?」

エレノア「上質な紙自体が量産できない希少な物ですから……そういえば貴方、紙芝居で使っている紙は何処で手に入れてるのですか?」

ゴンベエ「その辺の雑草で作った」

エレノア「作れるのですか!?」

モアナ「ねえねえ、お絵描きなら筆がないとできないよ?」

ゴンベエ「コレは折り紙する為の紙だ……この紙をこうやって折って……はい、飛行機の完成」

モアナ「ひこうき……イカじゃないの?」

ゴンベエ「あ〜この国には蒸気機関が無いレベルだったな、悪い……ふっと」

エレノア「綺麗に飛びましたね」

モアナ「モアナ、お絵描きがしたいよ!!」

ゴンベエ「まぁ、待て……ここをこうしこうして…こうすれば……ドラゴンが出来る」

エレノア「ええっ!?ちょ、ちょっと待ってください。今、どうやってドラゴンを作ったのですか!?」

ゴンベエ「2回目は金取るぞ」

モアナ「すごいすごいすごい!!ゴンベエ、他にも見せて!」

ゴンベエ「ここをこうやって折ってこうして……鎧武者」

モアナ「わぁ、クロガネだ!」

ゴンベエ「更にここをこうしてこうやってこうすれば、エレノアだ!」

エレノア「やめてください!著作権の侵害ですよ」

ゴンベエ「いいだろう別に……本気を出せば大体の物は作れる」

エレノア「貴方が手先が器用なのは知っていますが、コレは……ハッキリと言って気持ち悪いです」

ゴンベエ「おし、言ったな。後でエレノア一人一個分ぐらいにまで量産しておく」

スキット オレに勝てるのは

アリーシャ「ふっ、せい、はっ!!」

ロクロウ「221、222、223」

ゴンベエ「頑張ってるな」

アリーシャ「ああ……共に戦う事はまだ出来ないが何時かはこの槍を使いこなしてみせる。その為には訓練を積まねば」

ロクロウ「アメッカの槍捌きは中々の物だ……ゴンベエ、どうだ?お前もやってくか」

ゴンベエ「かったるいからパス」

アリーシャ「そういえば……ゴンベエがまともに修行や訓練をしているところを見たことは無いが、何時修行してるんだ?」

ゴンベエ「お前と出会う前だ」

アリーシャ「それは知っている。そうでなく、私と出会ってからだ。ほぼ毎日会っていたから気付かなかったが、修行しているところを見たことない」

ロクロウ「言われてみれば、監獄を改造するだなんだと色々とやってるところを見たことはあるけど修行してるところは見たことねえな」

ゴンベエ「んなのしてねえからな……嫌という程やってきたし、別に今の実力でもどうにでもなる」

アリーシャ「そうやって慢心をしていると酷い目に遭うぞ」

ゴンベエ「ばっか、コイツは慢心じゃねえ、自信だ……それにな、修行してる方がキツい事が多いんだよ」

ロクロウ「そりゃあ修行ってのは汗水たらすからキツいだろう」

ゴンベエ「バカ、そういうのじゃねえんだよ……ホントにめんどくせえことになる」

アリーシャ「なにかあったのか?辛いことがあったのならば、私に話してくれ。力になる」

ゴンベエ「無理だな……コレばっかりは共感する奴の方が圧倒的に少ない。お前はどうあがいても共感しない絶望する側だよ」

アリーシャ「なっ、そんな事を言わなくてもいいじゃないか。それに相談をするだけで気が紛れるかもしれない」

ゴンベエ「はぁ……別に大した事じゃねえよ。あんまいい感じの思い出じゃねえ、ただそれだけだ」

ロクロウ「トラウマってやつか?」

ゴンベエ「そこまでのもんじゃねえ……ただ単に才能が開花して、誰もオレに追い付けなくなった、ただそれだけの事だ」

アリーシャ「追いつけない……」

ゴンベエ「別に珍しくもなんともない話だ。オレには戦う才能があった。だけど周りにはそこまで才能が無かった。だから言われた、お前とは違うって」

ロクロウ「そんなに、か……」

ゴンベエ「特訓もなにもやってないのに見ただけで魔神剣を出来るレベルだぞ……会得難易度が高い螺旋丸は30分ぐらいで覚えたし、極限無想も半日で会得した。回復系とか補助系はあんまだったけど、戦闘に関する事はアッサリと覚えれる。ロクでもねえ才能だ。周りとの疎外感は辛いもんだ」

アリーシャ「そんな事があったのか……すまない」

ゴンベエ「別にいい。世界は広いし、オレより強い奴や同格が居ることは知っている。それでもコレぐらいの事は言える……オレに勝てるのはオレだけだ」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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