テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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醜き骨肉の争い

 殺した……

 

 真っ白な空間、私の腹の中。

 なにも無かった世界には草原に咲いている花と倒れているオスカーとテレサがいる……

 

「死んだ……」

 

 アイツを殺そうとする勢いだったオスカー。

 暴走をしていて誰も止めることは出来ない状態だった……そんなオスカーを私は殺した……オスカーは私が殺してしまった。

 

「私が殺した……」

 

 あの日からずっとアルトリウスを憎んでいた。ラフィを殺したあいつを殺してやりたいとずっと憎んでいた。

 その為には利用できる奴等は利用した。なんの見返りもなく協力しているアイツだって利用して利用して…………

 

「あたしはアルトリウスと同じ事をした」

 

 テレサは本当にオスカーの事を大事に思っていた。弟の為ならば裏切り者の汚名だって被るし、私達を騙して殺そうとする。

 オスカーもそうだ。テレサの為ならばどれだけ不利だと分かっていても私達に立ち向かう……全ては姉の為に、弟の為に、立ち上がった。

 そんな姉弟を殺した……大事な物を全て奪った、命すらも奪った……

 

テレサ(あいつ)の前で弟を」

 

 殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

 

「同じじゃないよ」

 

 私の中のラフィは否定をした

 

「同じよ!!けど、仕方なかった!」

 

 私はアルトリウスと同じ事をしてしまった。でも仕方なかった。あの時はああするしかなかった。

 

「仇を討つにはああするしかなかった!あんたの為よ!!あんたの為にあたしは─っ!!」

 

 私の中のラフィを掴むとピクリとも動かなくなった。

 私の左腕は知らない内に喰魔化しており、手を離した途端にラフィはパタリと倒れた。

 

「ああ……あ……もう、こんなの」

 

 嫌だ……どうしてこうなるの。私はラフィを、ラフィの為に戦ってたのに

 

「どこにも逃げ道はないのよ」

 

 セリカ姉さんは逃さない

 

「お前も、俺もな」

 

 アルトリウスも逃さない……そうだ……殺さなきゃいけない。

 私はラフィの敵を討つために、なにがなんでも……殺さなきゃ……

 

「ベルベット!」

 

「ラ、フィ……」

 

 目を覚ますとそこにはラフィが……いいえ、違うわね。ライフィセットが心配そうな顔で私の顔を覗き込む。

 オスカーとテレサを殺した罪悪感から限界を迎えた私は気絶をしてしまった……

 

「彼奴等は?」

 

 ライフィセットだけがこの場に居る。ロクロウもエレノアもアイゼンもマギルゥもアメッカもアイツもこの場には居ない。

 何処に行ったのかを聞くとライフィセットは私とは違う別の方向を向いた……あっちに彼奴等が居るのね

 

「だ、大丈夫なの!?」

 

「……心配される程、弱くはないわ」

 

 立ち上がった私をライフィセットは心配をするけれど、怪我らしい怪我はしていない。私は歩くことが出来る。

 何処に居るのかライフィセットに道案内をさせるとパチパチと炎が燃え盛っており、炎の前に彼奴等はいた

 

「なにしてるの?」

 

「火葬だ……オレの国は棺桶になんか遺体は入れない。死んだ人間は焼いてしまう」

 

「……」

 

 アイツは合掌をして目を閉じている。

 何時もの様に淡々としているけれど、アイツなりに弔っているつもりだ……私は……

 

「お前、もう大丈夫なのか?」

 

「ただ一気に喰べすぎただけよ」

 

 目覚めた私をロクロウは心配をする。

 けどもう私は大丈夫だ……そう、ただ一気に喰べすぎた。あまりにも一気に喰べすぎたから消化不良を起こして調子を崩した

 

「……あの二人は本当に仲の良かった姉弟でした。幼い頃から支え合って」

 

 エレノアは涙を流す

 

「やられたことをやり返しただけよ!!」

 

「それで誰かが救われるのですか!」

 

「ええ……ラフィの魂が救われるわ」

 

「……」

 

「……」

 

 エレノアはなにも言い返さない、フィーはなにかを言いたそうな悲しげな顔をしている。

 なにか言いたそうな顔をしているだけでなにも言わない。言わないならそれ以上の話は無駄よ。

 

「エレノア……お前はなにか勘違いしてんじゃねえのか?」

 

「勘違い?」

 

「コレは明確に見える悪を倒す勧善懲悪の英雄(ヒーロー)の物語じゃない。醜く血みどろな骨肉の争いで、憎しみの連鎖が起きている」

 

「ですが」

 

「今までだって命を奪わなかったわけじゃない。そいつ等にだって大事な家族がいたかもしれない。大事な友人がいたかもしれない。己の信じた道や信念があったかもしれない。それでも殺した、酷い目に合わせた」

 

「っ……」

 

「お前は知り合いだったから深く感情移入して涙を流して、酷い女だよな」

 

「ゴンベエ!!言っていい事と悪いことが」

 

「事実だ」

 

 アイツは何時も通りだった。

 私の復讐に対して強く責めるどころか、今まで見捨てた人達が居ることをエレノアに教える。アメッカは激怒するが気にしてはいない。

 

「復讐と憎しみ、憎悪が渦巻く残酷な世界に足を踏み入れている。人が1人死んだところでああだこうだと叫んでたらキリが無い」

 

「っ!!」

 

 エレノアはキレた。涙を流すのをやめてアイツに平手打ちを決めようとするが軽々しく避けた。

 アイツは普段バカな事を言って私に殴られてるけど、それはわざとだ。避けられるのにわざと殴られている。けれど、今のアイツの目には殴られない。それどころかエレノアにデコピンを入れる。

 

「言っとくがベルベットだって先にくだらねえ情けは見せたんだぞ。テレサの生首を晒してオスカーをキレさせてからぶっ殺す事が出来た……チャンスを不意にしたのはあの2人だ」

 

「……ええ、そうよ……彼奴等が言うとおりに大人しくしておかないのが悪いわ」

 

 向こうが自分を人質にしろって言ったのに、平然と裏切ったわ。そうでなければ人質だけで済ませていた。

 アイツの言葉に賛同する様に頷くとエレノアはなにも言えなくなる

 

「終わった事をこれ以上掘り返したとしてももう遅いぞ。それよりも喰魔の回収じゃ。喰魔化したテレサを殺してしまった以上は喰魔の回収は失敗で、何処かで新しい喰魔が生まれておるじゃろう」

 

「……ゴンベエ、港に戻してくれ」

 

「ちょっと待て」

 

 マギルゥが今後について語り、アイゼンがアイツに戻るように頼むがアイツは手を止める。

 喰魔を失った以上はこの場にはもう用事は無いが、アイツは足元にある灰を掻き集めて小さな壺の中に入れた。

 

「これはもう正義とか悪とかの戦いじゃない、人間の意思と意思のぶつかり合いだ。オスカーもテレサもその戦いに負けた……悔やみもしない慈しみもしない。だが、供養だけはしてやる」

 

 ブスリとオスカーの剣とテレサの杖を地面に突き立てた。灰が入った壺をアイツは杖と剣の前に置くと私達の方へと振り向いた。

 

「じゃ、いくぞ」

 

 そこには何時もとなにも変わらないアイツがいた。

 エレノアが悲しげな顔で剣と杖を見ていたがそれ以上はなにもせずに、私達は港へとワープをした。

 

「ああっ、副長、ちょうど良かった!!」

 

 ワープをするとそこにはベンウィックがいた。

 シルフモドキが近くで飛び交っていて、私達を見つけると一目散に飛んできた。

 

「なにかあったのか?」

 

「数十人の対魔士を乗せた船がゼクソン港に向かって出港!目的は災禍の顕主の討伐だって!」

 

「っ!」

 

「ふしゅ〜隠れ家がば〜れ〜た〜」

 

 大慌ての理由をベンウィックが伝えるとマギルゥは露骨に落ち込む。

 コイツのこんな姿は何時もの事だけれど、内容が内容だけにふざけている場合じゃない。私達の拠点がバレてしまった。

 私達がタイタニアを拠点にしているのを知っているのは極々一部で、外部で知っている連中もアイフリード海賊団達と手を組んでいる連中だ。私はエレノアを強く睨みつける

 

「違う!密告なんかしていません」

 

「だったら、手伝ってもらうわ。喰魔達を救出しなきゃ」

 

「させません、モアナにあんなことは二度と」

 

 エレノアがやると言ったのならやるはずだ。

 私は早速船に乗り込もうとするがアイゼンが止める。

 

「待て、その情報は血翅蝶からか?」

 

「いえ、何時も利用している商会からの情報です」

 

「……作戦の内容については聖寮の中でも機密情報の筈だ。それが一般的な組織に漏れているだと」

 

「……罠ってこと?」

 

「退く理由にはならないわ」

 

 アイゼンは警戒心を強め、ライフィセットは首を傾げる。

 例えそれが罠だと分かっていても退く理由は何処にもない

 

「……オレ達がここに居るのを知っているから情報を流した感じだな」

 

「私達の情報は筒抜け、ということか」

 

 明らかに私達を誘い込む為の罠だとアイツは考えてアメッカは納得をする。

 今は考えるべきじゃないけれど、この中の誰かが裏切り者である事には変わりはなさそうね。

 

「俺達と真正面からやり合おうってのか?」

 

「……神依!」

 

 並大抵の対魔士では今の私達の相手じゃない。その事を疑問に思ったロクロウだけどライフィセットは直ぐに答えを出す。

 神依……アイツが作った剣を用いてのパワーアップが無ければ確実に負けていたかもしれない新しい脅威。

 

「今度の対魔士達は神依を使ってくるかもしれん」

 

「アレは危険じゃぞ。業魔手でも引き剥がせんわ、アメッカのオカリナでも意思を解放する事は出来ん。完全に儂達の天敵じゃ」

 

「なら殺すだけよ」

 

「だな、絶対に勝てないという相手ではなさそうだ」

 

 今まではアメッカの好きな様にやらせてきたけど、それが出来ないなら殺すまでだ。殺す覚悟はとっくの昔に出来ている。

 

「オスカーの神依か……アレは未完成だったようだが、アメッカ。お前が知っている神依とどう違う?」

 

 アイゼンは神依についてアメッカに尋ねる。

 

「先ず大前提として意思を抑制した天族と共にするのではない。ライフィセットとエレノアの様に心を通わせた天族と人間がやる奥義の様なものだ」

 

「意思を解放のぅ……見たところあの術は聖隷の方にも大きな負担が掛かり、限界を迎えればドラゴン化する為に器ごと崩壊する」

 

「そんな術式なのか!?」

 

「どうやらアメッカが知っている完成された神依と未完成の神依では大きく違いがある様でフね。因みにですが、どんな感じだったのでフか?」

 

「まず名前を」

 

「無駄話をこれ以上するならばさっさと船に乗るわよ」

 

 ビエンフーが神依の詳細について聞くけど、早くタイタニアに戻らないといけない。

 アメッカの知っている神依と私達の見た神依の違いは船の上でも語る事が出来る。

 

「監獄に戻るんだったら疾風の唄を使うけど」

 

 船の上に乗り、直ぐに海に出るとアイツはタクトを取り出す。

 

「それはダメよ」

 

 タクトの力を使えば一瞬でタイタニアに戻ることが出来る。

 けど、それと同時に船に乗っている面々が使えなくなる。前回、竜巻に乗ってタイタニアに戻ったら体が言う事を聞かなかった。

 

「タクトを使うのは最終手段だ。それを使えば竜巻に乗って船が移動する。聖寮が先に辿り着いていたのならば、聖寮にオレ達がやってきたことを知らせる事になる……それよりも電話での連絡はどうだ?」

 

「向こうもてんやわんやしてるのか一切応じねえ……確実に相手側の方が先に辿り着いているな」

 

「そんな……もっと船を早くする方法はないのですか!?」

 

「無茶を言うな、バンエルティア号は帆船だ。風や海流を頼りに動く物で、風の唄で風を操ってなるべく早くしてるがこれ以上は船の構造上無理だ。蒸気機関もエンジンもなにも積んでねえんだから」

 

 モアナの事が心配なエレノアは一刻も早くと言うが今出している速度が最高速度。

 こればかりはどうすることも出来ない事……

 

「監獄についたら即座に戦闘に入る事を頭に入れとけ。神依を使う以上はベンウィック達が戦えば無駄死にするだけだ……戦える戦力はここにいる7名って、マギルゥはどうした?」

 

「そういや、いねえな」

 

 真剣な顔でこの後について考えるけれど、マギルゥがこの場に居ないことに気付く。

 ついさっきまでは直ぐ側に居た筈なのに急に居なくなった事に対して不信に思ったので私達は探すと、ビエンフーと一緒に居た。

 

「やれやれ驚きじゃの……流石はお師さんか」

 

 マギルゥはビエンフーに向かって手をかざすとビエンフーを中心に術式の様な物が浮かび上がり崩壊する。

 

「まさかお主が最初に逃げた時からあのジジイの策だったとはの。ワシをタイタニアに捕えたのも全てはベルベットに出会わせる計算……見事すぎるわ」

 

「ゆ、許してほしいでフー!メルキオル様の術式には逆らう事が出来なかったんでフー!!」

 

「……どーでもいいわい」

 

「……あんた達」

 

 ずっと見ていた私とライフィセットにマギルゥとビエンフーは気付く。

 

「マズイとこを見つかってしもうた〜儂が聖寮の密偵だという事がバレてしまったぁ〜」

 

 体を揺らしながらマギルゥは棒読みで叫ぶ……こいつ……

 

「聞いてたわよ、全部」

 

 そう言うとマギルゥは目の色を変えた。あからさまな嘘で人を騙せるとでも思ってるのかしら

 

「なんじゃつまらん……煮るなり焼くなり好きにせい」

 

「元々信用なんてしてないわ。密告が無くてもいずれはこうなるはずだったわ。どうせ反省もなにもしてないんだからせめて戦力として戦いなさい」

 

「……随分と甘く残酷な事を言うのぅ」

 

「あんた達にいちいち構っていたらキリがないわ。それともお望みなら全部が終わった後に喰らってやるわよ」

 

 今はマギルゥに構っている場合じゃない、ただそれだけよ。

 

「……のぅ、ベルベット。悪いとはどんな気分なんじゃ?どれほど辛い?どれほど苦しい?」

 

「どんな感情か……そうね……」

 

「身を焦がすほどの憎悪は生きている実感を、意味を与えてくれるのか?」

 

 先程までのおちゃらけたマギルゥとは一変し、真剣な顔で聞いてくる。憎悪が生きている実感を意味を与えてくれる……

 

「答えを知りたいのならば力を貸しなさい。アルトリウスを殺す瞬間に見せてあげるわ」

 

 私が今こうして生きている意味は復讐の為だ。マギルゥが答えを知りたいのならば、最後まで私を見届けさせる。

 後もう少しでアルトリウスの首に刃が届く……その瞬間を見せてやるわ。

 

「タイタニアに着く……ああっ!!聖寮の船が表の港についている!」

 

「だったら裏につけなさい」

 

「そんなボロボロの姿でまだ尚歯向かおうというのか……ムカつくやつじゃぜ」

 

 マギルゥとの対話はここで終わる。

 私達が目視出来る程にタイタニアへの距離が近づいている……

 

「アメッカ」

 

「なんだ?」

 

「……私はアルトリウスを殺すわ」

 

「……ああ、知っている」

 

「だから先に言っておくわ。立ち塞がるのならば、邪魔だと思うのならばなんの迷いもなく殺す」

 

 相手が神依を使ってくる以上はアメッカのオカリナの演奏による聖隷の意思の解放は無理。

 今までは黙っていたけれど、ここから先は私の復讐黙っていたけれど邪魔立てはさせない。

 

「まともに戦えないんだから船に残っていなさい」

 

「……それは出来ない」

 

「なにを言ってるのよ!アイツもさっき、戦える頭数に数えていなかったわ!怪我したくなければ後ろに下がって船の残っていなさい」

 

「怪我が怖いなんてそれこそ今更だ……それに」

 

「それに?」

 

「ここで逃げたのならば、ここに来た意味は無くなってしまう……」

 

 アメッカは知る為に私達の戦いに同行している。

 

「私達の戦いは勧善懲悪の物語じゃないわ」

 

 さっきアイツが言っていた。この戦いはそんなキレイなものじゃない。

 ただ弟の為にアルトリウスを憎しみ、殺したいと思うだけでアメッカの思い描いている騎士道や夢物語とは大きく違う。醜い争いで、見せ物じゃない。

 

「それでも……いや、それだからこそだ。私が見なければならない、知らなければならない世界はそこにある」

 

「そう……言っておくけど、助けたりはしないから」

 

 アメッカはアメッカなりに覚悟を決めているみたい。それならば後は好きにすればいい。

 最後の最後になって私の事を止めようとするならばそこで切り捨てればいい。その覚悟はとっくの昔に出来ている

 

「あんたは来なさい」

 

「言われなくても行くっつーの」

 

 コイツが船に残ることは許さない

 

「あんたは私の下僕……だから命令よ、アルトリウス以外の邪魔な対魔士達を殺しなさい」

 

「なっ!?」

 

「随分とまた物騒な命令だな」

 

 これから先、戦う対魔士達は神依を使ってくる。オスカー程の脅威は早々に無いけれど手を焼く可能性が高い。

 アルトリウスは強い。ただ無闇矢鱈に突撃した一度目の時にそれは痛いほど知っている……それでも挑む。その為には途中で邪魔をしてくる対魔士達に無駄な力を使ってはいられない。

 

「殺すって、ゴンベエ」

 

「一応はオレはベルベットの手下でもあるからな……ベルベットの腕でも目覚めのソナタでも無理っぽいし、普通に戦っても暫くすれば向こうは自壊して死んじまう……もう気絶させて云々のレベルじゃねえ。殺るしかねえだろう」

 

「……躊躇わないのだな」

 

「オレは勧善懲悪な英雄(ヒーロー)じゃねえ。勇者の力を持っているがそれだけだ……殺す時は殺す」

 

 アメッカは殺すのはとアイツに視線を向けるけれど、アイツは非情になっている。

 今まではアメッカを優先していたけれど、今回は私の事を優先的にしてもらう。数十人の対魔士達の相手になってもらう

 

「納得がいかなくても構わないが理解だけはしておけ。オレはお前みたいな人間じゃねえ……本質的には悪人だ」

 

「……」

 

「必要とあれば手は汚す……そんな残酷な姿が現実が見たくないと目を逸らすならば最初から船に残ってろ。未完成とはいえ神依が出てきた以上は槍を自在に操る事が出来ないお前はハッキリと言って邪魔だ。オレの弱点にしかならない」

 

「……私はついていく」

 

「なら、見届けろ。そして悔やめ。どうすることも出来ない自分を。どうにかする方法を試行錯誤して模索するのが今のお前に与えられた試練だ」

 

 アメッカに厳しい言葉を投げ掛けつつも、考えさせる。アメッカにだけは甘い。

 なにも出来ない自分に悔しそうな顔をするけれど、それは弱いアメッカが悪い……強くないとなにも出来ない。




スキット 次の世界は……

深雪「しかし貴方も随分とまた厄介な世界に転生したものですね」

ゴンベエ「……テレビも無けりゃ冷蔵庫も洗濯機もねえ。食とか衛生面が僅かだが現代レベルに発展してる以外は西洋の中世並のレベルの文明の世界なんてやってられねえよ」

深雪「そこを気にするのですか」

ゴンベエ「当たり前だろう。ゲームもなけりゃラジオもなんにもねえ……普通の現代っ子ならば発狂してるぜ」

深雪「まぁ、確かにそうですね。吉幾三の歌もビックリなぐらいの世界……事前に訓練をしていなければ発狂ものです」

ゴンベエ「お陰様で転生して直ぐに水力発電所を作る羽目になった……胸糞悪い事も多いし、ホントに仏の野郎、ロクでもない世界に飛ばしやがって。もうちょっとなんかあっただろう」

深雪「転生先はどう頑張っても選ぶことは出来ないです。コレばかりは運としか言えません、ハズレの世界でも頑張らなくては」

「ハズレってのはこんな生易しい世界じゃねえ」

ゴンベエ「ぬぅお!?黛さん、居たのか」

「割と最初の方から居た……この世界があまり優しくない世界なのは事実だが、まだそれでも救いはある……FGOの世界と比べれば生易しい、いや、冷水だ」

ゴンベエ「あんたが言うとホントにそうだから否定出来ねえ」

深雪「ソシャゲの世界はコミュニケーション能力が大事ですからね」

「そういう次元じゃねえよ。コミュニケーションを取ろうとしたら私の酒が飲めないのかって酒瓶でシバかれたんだぞ」

ゴンベエ「アレはホントに傑作だったわ……最終的にセ○クスしないと出られない部屋に閉じ込められて全員に逆レされたり女マーリンに君の子だよって妊娠したお腹を見せられて迫られたり」

「言うな……」

深雪「因みにですが黛さんは今、どの世界に転生しているんですか?」

「多分、真だと思う恋姫の世界」

深雪「思うとはまた随分と曖昧ですね……いえ、それよりもまた女性関係の世界ですか。女難の相でも持ってるのですか?」

ゴンベエ「そいつぁ、言えてる。あんた女性関係の噂が絶えねえ人だからな」

「あのな、別にオレは結婚がどうとか思ってねえんだよ。独身貴族、童貞のままでいい。楽しくおかしく面白く人生を過ごせればそれでいいんだ」

深雪「その結果、毎回貧乏くじを引いてるじゃありませんか。転生者をやめたいとは思ったことはないのです?」

「はっ、あんなクソみたいな現実二度とごめんだ。今の方がハッキリと自分らしく生きれてるって断言できる」

ゴンベエ「ま、それに関しては少しだけ同意だな……なんか前にも似たような会話をしたな」

深雪「昔のことはあまり語らないでおきましょうよ。それよりも未来を見ましょう……次、どんな世界が良いでしょうか?」

「次か……お前等に次なんてあるのか?」

ゴンベエ「やめてくれ、その事は……次がある事を期待して、オレは他にも転生者が居る地球を、現代の地球を希望する」

「そういうことを言っていると十中八九、ロクでもない世界に飛ばされる……オレは赤司が居る世界は勘弁してほしい。彼奴の相手は一苦労だ」

ゴンベエ「の割には楽しそうだな」

「気の所為だ」

スキット 愛とか恋とか彼女とか

ゴンベエ「ふぅ、今回はなにもおかしな事が起きずに終わったな」

ライフィセット「でも、野球をやらされたり不思議な島がやってきたり……またなにかしたかったな」

ゴンベエ「オレは死にかけるのは二度とゴメンだ。こっちの世界に来てる黛さんだって普通に迷惑で困ってるんだぞ……」

アイゼン「チヒロの奴は見た目は貧弱だが中々に話のわかる人間だった。異世界に関して色々と面白い話を聞くことが出来た」

ゴンベエ「オレ等が買い物に行っている間にそんな事をしてたのか」

ロクロウ「おう、刀を使わない自分が刀になる虚刀流の剣士とか面白い話が聞けたぜ」

ゴンベエ「そうか……コレが後何回か続くんだよな」

ライフィセット「また誰かが来る……そういえばゴンベエの知り合いって女性が多いよね」

アイゼン「言われてみればそうだな。マスク・ド・美人も深雪も女性でお前の事を知っていたな」

ロクロウ「今回のベルベットとの買い物といい、お前は中々にプレイボーイなんだな」

ゴンベエ「あくまでも彼奴等は知り合いなだけだ!男の知り合いの方が多い……筈だ」

ライフィセット「最後の方、揺らいだ?」

ゴンベエ「いや、ホントだからな。修行時代の知り合い女性よりも男性の方が多かったから。途中で才能が開花して殆どの奴がついて来れなくなったり化け物とかおかしいとか言われて敬遠されたりもしたけど、普通に男性の友人居るから」

ロクロウ「でもお前が会った異世界から来た奴等、チヒロを除けば女でお前の事を知ってたよな」

ベルベット「あんた、女癖が悪いの?」

ゴンベエ「人聞きの悪いことを言ってるんじゃねえ。こちとら彼女いない歴=年齢だ」

アリーシャ「ゴンベエ、彼女が居なかったのか……そうか……」

ゴンベエ「嬉しそうにすんじゃねえよ……そもそもでお前等も浮いた話ねえだろう。エレノアがナンパされているのはちょくちょく見るけど、お前等にその手の話は無いだろう」

ロクロウ「俺は恋愛をしたりする暇があるなら剣の修行に打ち込むな」

アイゼン「趣味が合わん奴と一緒に居ることは出来ない」

ゴンベエ「彼女を作らない居ない典型的な理由だな、おい」

ベルベット「そういうあんたは作ろうとは思わないわけ?」

ゴンベエ「オレは……自分の生活をするのに忙しいからな。金ねえし、休みの日はぐーたらしてるし、ハッキリと言って地雷物件だぞ」

アリーシャ「お金ぐらい別に用意出来るが」

ベルベット「別に豪邸に住みたいわけでも億万長者でなくてもいいし、問題ないわよ」

ゴンベエ「いやいや、そういう油断をしてると酷い目に遭うから」

ライフィセット「ゴンベエって普段はズボラだったりするのに、こういうところが奥手だよね」

アイゼン「逆に考えるんだ……それだけ女という生き物は恐ろしいんだ」

エレノア「ライフィセットになにを教えようとしているのですか!!」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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