テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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宙船とベルセリアはベストマッチだと思う


意思と穢れの無い世界

「はい」

 

 アイフリードは何時目覚めるのか分からない状態だ。死んではいないが誰かが常に見張らないといけない。

 団員達に栄養剤の注入方法をレクチャーしたので船の甲板に向かうとクロガネとロクロウが真剣に話し合っていたので丁度いいと折れた征嵐と折られた部分の征嵐を渡した。

 

「まさか金剛鉄(オリハルコン)の征嵐が折られるとは」

 

「相手が悪かったとしか言いようがねえよ」

 

 折れたオリハルコンの征嵐を手に取るクロガネ。

 とりあえずは返すことが出来たので、また新しく打ち直してもらう……とは行かなそうだな。

 

「いや、相手がシグレだった場合でも折られていた可能性が高い……金剛鉄はただ硬い、それだけだ」

 

「すまなかったな……無心になって打ったつもりが、まだ號嵐に届かなくて」

 

「気を落とすな。お前は紛れもない超一流の名工だ……號嵐に勝ちたいが為に業魔になったお前が迷って悩んだ末に出した一品を期待している……それとも諦めたか?」

 

「コレが諦めた男の顔に見えるか?」

 

「おいおい、顔ねえだろうが」

 

 既に顔が無くなっている憑魔の心情を読み取るなんて難しい。ただまぁ、やる気には満ちているだろう。

 

「そういえばお前さんの剣はまともに見た覚えはないが、どんなのだ?」

 

「お前等が逆立ちしても触れねえよ……ん」

 

 触れなくても見ることは出来る。

 退魔の力を震えばクロガネとロクロウを浄化してしまうので力を極限まで抑えて見せる。

 

「いい剣だ……コレなら號嵐にもかないそうだな」

 

「ああ……参考にまで教えてくれ。この剣はどうやって作られたんだ?」

 

「邪悪な魔王を倒して欲しいという女神の思いが込められてる」

 

「思いか……金剛鉄はただ硬いだけの代物。ならば硬くて強い思いが籠もった素材ならば、號嵐を越える征嵐を」

 

「思いが籠もった素材って鉱石は何処まで行っても鉱石だぞ」

 

 オリハルコンはこの世で最も硬い素材だ。

 オリハルコンがどれくらいの硬度かはしらねえが超合金よりも上の金属と見ている。そんなオリハルコンでも無理なら素材はないはず…………だよな。

 

「この折れた征嵐はどうすんだ?」

 

「俺にはもう無用な代物だ」

 

「オレもだ」

 

「だったら、普通の刀に打ち直してくれ……オリハルコンの武器なんて早々に手に入らない。それを加工する職人もお前しか知らん」

 

「ああ、任された」

 

 クロガネは頷いた……オリハルコンで出来た刀はロマンが溢れるな。日本刀だけど名前をアルテマウェポンにしようか。

 折れた征嵐をリサイクルすることが決まったのと自分の物になることになったので小さくガッツポーズを取る。

 

「……っ、なにかが来るよ!!」

 

 船が順調に、恐ろしいぐらいにスムーズにノースガンドに向けて向かっているとライフィセットがなにかに気付く。

 それに遅れてアリーシャの槍が、オレの手の甲にあるトライフォースが眩く輝いて光の膜の様なものをオレとアリーシャに貼る。

 

「これは」

 

「カノヌシの領域だ!!」

 

 前に似たような事があった事を思い出しているとアイゼンが分析し教えてくれた。

 

「おい、カノヌシは徹底的にシバき倒した。こんなに直ぐに領域展開出来るもんなのか?」

 

「それは分からん。だが、カノヌシの領域が展開しているのは事実だ」

 

「それはまずいんじゃないのか!?カノヌシは人間から意志を奪う力を持っていて私達は」

 

「いや、カノヌシは完全に覚醒していない。ベルベットの中の絶望を喰らうことが出来ていない……だが、それでも充分な力はあるようだ」

 

 一大事だというのにボーッと突っ立っているベンウィック達。

 先程まで見せていた活気は無くなっております、鎮まっている……世界中の人間をこんな風にするとかマジでクソみたいな事を企んでやがるな。

 

「あ……ぅ……」

 

「まだ完全に意識を奪われていない……ゴンベエ、なにか曲を弾け」

 

「いきなりだな!」

 

「魂に干渉しているならコチラも魂に干渉する、心を揺さぶるメロディをベンウィック達に聞かせるんだ」

 

 別に目覚めのソナタでもいいんじゃないかと思ったが、アイゼンからそう言われたのでギターを取り出す。

 魂を響かせるような曲……いきなり曲を弾けって芸能人に面白いことをやってと言われるぐらいの無茶振りだぞ。

 

「え~と、え~と……よし」

 

 あの曲にしよう。

 

「おらは死んじまっただ おらは死んじまっただ おらは死んじまっただ 天国に行っただ。長い階段を 雲の階段を おらは登っただ ふらふらとおらはよろよろと 登り続けただ やっと天国の 門についただ 天国よいとこ一度はおいで 酒はうまいし、ねえちゃんはきれ──」

 

「もうちょっとマシな曲にしなさい!」

 

「お前、こっち無茶振りだぞ」

 

 ベルベットから不服申立があったのでギターを止める。

 ベンウィック達の様子を見てみるとピクリとも反応していない。帰って来たヨッパライでは反応が悪いようだ……え~と、え~と……。

 

「I don't wanna know 下手な真実ならI don't wanna know 知らないくらいがいいのに Why... 気づけば I came too far 止まらない 感じる この予感は The new beginning 未知の領域 今を切り拓くんだ I gotta believe Turn it on 相当 EXCITE EXCITE 高鳴る EXCITE EXCITE 心が導くあの場所へ 駆け抜けていくだけ Hey I'm on the mission right now Hey I'm on the mission right now EXCITE EXCITE 答えは I. この手の中 II. 進むベき Life III. 生きていくだけ」

 

「っ……」

 

「一瞬だけ反応した……他だ、他の曲を……船乗りの曲はないのか」

 

 まだ目覚めないベンウィック達だが反応はあった。

 EXCITEはどちらかといえばベルベットに合う曲でベンウィック達に合わない。アイゼンは更なる曲を要求してきたのでなにかないかと頭の中を探り、ピッタシの曲が浮かんだ。

 

「その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな!!」

 

「っ!!」

 

 よし、ベンウィック達が反応した。

 

「その船は今どこに ふらふらと浮かんでいるのか その船は今どこで ボロボロで進んでいるのか 流されまいと逆らいながら 船は挑み 船は傷み すべての水夫が恐れをなして逃げ去っても その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな!!」

 

「副、長……っ」

 

「ゴンベエ、もっとだ!!もっと弾くんだ」

 

 意識を取り戻すベンウィック達。この歌は当たりだったか。

 

「その船は自らを宙船(そらふね)と 忘れているのか その船は舞い上がるその時を 忘れているのか 地平の果て 水平の果て そこが船の離陸地点 すべての港が灯りを消して黙り込んでも その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな!!」

 

「オレ達は……っ」

 

 ベンウィックの意識が戻った……が、戻っただけだ。

 カノヌシからの干渉を受けているのか頭痛がしているのか僅かながら苦しそうな顔をしている。歌い切るしかない。

 

「何の試験の時間なんだ 何を裁く(はかり)なんだ 何を狙って付き合うんだ 何が船を動かすんだ 何の試験の時間なんだ 何を裁く秤なんだ何を狙って付き合うんだ 何が船を動かすんだ その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるなぁ!!」

 

「ベンウィック、お前のオールは、お前の舵はお前が握るんだ!!」

 

「っ、はい!!」

 

 オレの歌でベンウィックの意識は覚醒した。

 ベンウィック達だけでなく他の船員達も目を覚ましており、オレはギターの演奏を止めるのだが、止めるとベンウィック達が若干だが虚ろな目をしている。くそ、手当り次第色々と曲を弾けってか。

 

「アイゼン、このままノースガンド領まで行くのか!」

 

「いや、予定変更だ。このままお前に曲を引かせ続けてたら限界を迎える。一度、休息を取るためにも何処かの港につける!!」

 

 曲を弾き続け、ベンウィック達の意識を保たたせている内に進路を変える。

 オレもフォーソードの力で分身を生み出して風のタクトを使い船が向かうべき進路へと風を吹かせ、曲を弾き続ける。歌も歌わないといけない。潮風にやられて喉がガラガラになろうが体の奥から声を出してなんとかゼクソン港に辿り着いた。

 

大丈夫か

 

「頭が……油断すると意識が持ってかれる」

 

「気をしっかりと持て。意識が集中できないなら歌かなにかを歌って気持ちを昂らせろ!!」

 

 なんとか港に辿り着いたオレ達だがカノヌシの領域から抜け出たわけではない。

 油断をすると意識を持ってかれそうなベンウィックはここに来るまでの間に歌った歌を口ずさむ。こういうときにレコードがあればいいんだが……あれ、そういえばアイゼンにレコードの作り方、何時教えるんだろう。

 

「コレは……」

 

 港は何時もならば活気付いているのに今日は恐ろしく静かだった。

 あえて静かにしているのかと住居地区方面にアリーシャは視線を向けるのだが、そこにはさっきまでのベンウィック達の様に虚ろとなった目でブツブツとなにかを呟いていた。

 

これが鎮静化……アルトリウス達が目指した穢れの無い世界か

 

 ガラガラにな声になりながらもアルトリウス達が目指している世界を目の当たりにする。

 何時もの様に言い争っている人間は何処にもいない。静かさだけが感じ取れる

 

「あ、船止め料のおじさんだ!」

 

「鎮静化を免れていたのですね」

 

 何時もベンウィック達に船止め料をボッてくるおっさんがこちらに向かってやってくる。

 こんな状況だから顔を知っている人と会えるのはホッとするのかエレノアとライフィセットは側に近付くのだが船止め料をボッてくるおっさんはエレノア達に視線を向けていない。

 

「私は利を貪った。他人を蹴落とし利用した。特急手配犯を見逃すどころか手を貸して事業の拡大を測ろうとしていた」

 

 ブツブツと呟く船止め料のおっさん。

 エレノア達を無視して、船着き場の端っこにまで向かう……おい、待て、まさか……

 

「やめてください!!」

 

「私は穢れを生み出してしまった。私は死ななければならない」

 

 海に身を投げようとする船止め料のおっさん。

 エレノアは駆け寄って身投げを止めるのだがおっさんの方が力が強いのかおっさんは身投げをしようとする。

 

「死ななければならない、死ななければ」

 

「っ、違う!!」

 

 おっさんの行為を、言葉をエレノアは否定しようとする。だが言葉は届かない。

 おっさんの身投げを阻止する事が出来ずこのままではエレノアも巻き込まれると鉤爪ロープを取り出そうとするとベルベットがおっさんをぶん殴った。

 

「死ぬのは勝手よ。でも、死ななければならないってのは気に食わない」

 

「己が穢れを自覚したら自殺する……一度でも付いてしまった汚れは落ちぬのならば、最初から無かった事にする。実に理に適った理じゃの」

 

「舵を奪うどころか生き死にまで押し付けやがって」

 

 カノヌシの鎮静化にキレるアイゼン。オレはチラリとアリーシャを見つめる。

 

これがお前の描く理想の1つの終着点だ

 

 穢れのない世界を見たいと心より願っているアリーシャ。

 アルトリウスが今から作り出そうとしている世界は人から業を奪い、それでも業を持つものは間引く。

 

「違う……こんなの、こんなの私は望んでいない」

 

「お前がそう思っていなくてもコレも1つの答えだ」

 

 人間が人間らしく生きていない。代わりに穢れは放たなくなる。

 意識を抑制する事で世界を救う……人の意志とかそういうのを踏み躙ってまで生まれるのが穢れのない世界……全く、この世界はロクでもない……いや、こうすることで痛みを世界から無くすつもりだったのか。

 

「なにが起こってるのか調べるわよ……嫌なら船に」

 

「いや、残るつもりはない」

 

「ええ……現実は辛いかもしれませんが目を背ける事は出来ません」

 

 此処から先は地獄……痛みというものを忘れ去ろうとしている1つの天国でもあり地獄でもある世界だ。

 アリーシャ達はその現実を見ようとする。ならばとベルベットは次の行き先を……カノヌシの領域がどれだけの範囲なのか力なのかを確認すべくローグレスに向かうのだが、その道中は酷いものだった。

 自分のやっていた行為を愚かだと認めて出家しようとする土産屋、酒と赤聖水に溺れていた罪を反省し全ての酒を断とうとする船員、マギルゥ達を奇術団だと思っていた商人、自分が老いてしまったから世の中にはもう不要だとする老人、ペットを無駄飯ぐらいだと捨てた親子と口にするだけでも気分が悪くなる者ばかりを見てきた。地獄を見てなければ多分吐いてただろう。

 

「王都も見事に鎮圧化されておるのう」

 

 道中色々な人に会いながらもなんとかローグレスに辿り着いた。

 そこもゼクソン港と同じく意志を奪われている機械化していった人達で溢れかえっていた。

 

「全部カノヌシの力か。大した神様だ」

 

まったく神なんてロクなもんじゃねえな

 

 ローグレスの人達も意志を抑制されたのを見て圧巻される。本当にロクでもないものだ。

 ローグレスの街の人達は規則正しく生きよう、街の名物の噴水は無駄なもの、自分の部屋にある飾りは無駄なものと言っている事は一応は間違ってはいないが、それでも人間が自分らしく生きているとは程遠い行動や言動をしている。それ以外にも酒場は無くなって当然、心水()や赤聖水はなくなればいい、食事は味を求めるのでなく栄養と腹を満たすだけでいいなど色々と無茶苦茶を言っている。

 例え穢れを放っても、業を背負っていても胸を張って生きていたほうが人間らしい……人間から人間らしさを奪った世界は醜いとかそんなんじゃなくなにもない世界だ。

 

「意識が残っている人達は居ないのかな」

 

ちょっと待ってろ……

 

 なんとも言えない世界に悲しそうな顔をするライフィセット。オレは気配探知能力を使う。

 オレの気配探知は人の感情を読み取ったりする事が出来るもので、加減がヘタクソで他人の頭の中まで読んでしまう。今は鎮静化されていて意識が奪われている連中ばかりだが……くそ。

 普通ならば色々な感情が入り乱れて気持ち悪い感覚に襲われるのだが、そんな感覚は一切入ってこない。それだけ意思が抑制されているのだろうが……!

 

あっちだ

 

 意思を残している人間を見つけた。

 オレが先導し走っていくのだが、途中オレ達をなにかの影が覆う。

 

「なんだ、アレは!」

 

 空を見上げて驚くアイゼン。

 天使みたいな天族が飛んでおり、オレ達が向かっている方向に飛んでいく

 

「ママぁ」

 

「っ、子供の声」

 

 静かすぎるが故に響く子供の鳴き声

 

「ママァ……マーマ~」

 

「っし!感情を出してはいけないわ」

 

「さもないと奴等が」

 

「アレはパーシバル王子とタバサ!」

 

 意思を抑制されていなかった人達の元に辿り着くとそこには殿下と婆さんと女の子がいた。

 数日ぶりの再会だと喜びたいのだがそんな暇は何処にもない。天使みたいな見た目をしているモンスターが殿下達の存在に気付いて襲いかかるのでアリーシャが飛び出す

 

「マオクス=アメッカ!!」

 

 自分の真名を叫び、神依の様な姿へと切り替えるアリーシャ

 天使みたいなのに攻撃をする、のではなく殿下達の居るところに槍を突き刺して結界の様な物を作り上げて結界から氷の槍を作り出し、上空にいる天使みたいな天族に当てる

 

氷帝舞踏陣(フリーズロンド)!!」

 

ったく、頼もしくなってくれたなおい

 

 相手は殺しても問題は無い存在なので無明乱れ切りで殺そうかと思ったが先にアリーシャがぶっ殺した。

 自分の使えなかった力が使えるようになってホントに頼もしくなった……と、喜んでる場合じゃない。

 

で、んか大丈夫か?

 

「ゴンベエ……生きていたのか!?」

 

「そういうのは後よ。タバサ、何があったのかを教えなさい」

 

「……殿下が逃してくれたのよ。聖寮が感情を残した人間を離宮に集めてるって」

 

「離宮に向かうわよ。なにが起きているのか確かめないと」

 

「攫われてしまった子供もいる。頼む……王族である私がこんな事を言える立場ではないが、助けてくれ」

 

「誰が助けるものですか……勝手に暴れるだけよ」

 

 なんだかんだでツンデレだなベルベット。

 タバサは女の子を連れて自力で逃げ切ってみせると言うので任せるとオレ達は離宮を目指す……最初、何処ぞの大司祭をぶっ殺そうとした時と同じ道を辿っていく。




スキット クソもやくにはたつ

グリモワール「あんた達、よく生きていたわね」

アリーシャ「危うく全滅仕掛けましたが色々とありまして……」

グリモワール「いい顔になってるわ、覚悟が決まった顔ね。彼は相変わらずだけど」

ゴンベエ「オレは早々に変わらねえよ……もうとっくに変わったって言った方がいいのか……そっちもなんだかんだで無事でなによりだ。特にあんたが死ぬと古文書の解読が出来なくなって詰む可能性がある」

グリモワール「私が居なくなってもあの子が古文書を解読するわ……けれど、古文書を解読したところでカノヌシに対抗出来たかどうか……」

アリーシャ「古文書にはカノヌシをどうにかする方法が書いてなかったのですか?」

グリモワール「カノヌシが喰らわないといけない穢れは量じゃなく質とか色々と読み解けたけど、どうにかする方法は無かったわ」

ゴンベエ「アイフリードが居てくれて良かったか……四聖主を叩き起こして地脈から追い出す以外に道はなさそうだな」

ロクロウ「そういや、気になってたんだが四聖主を叩き起こしてカノヌシを地脈から追い出したらカノヌシはどうなるんだ?」

エレノア「どう、とは?」

ロクロウ「そのまま本体であるベルベットの弟がヒョッコリと地面から飛び出てくるのか、それとも別のなにかが飛び出てくるのか」

グリモワール「聖主と言っても基本的な構造は聖隷と変わりはない筈よ。この場合だと……器を無くす、のが正しいのかしら?」

エレノア「器をなくす……折角地脈からカノヌシを追い出しても新しい器を見つけられれば厄介ですね」

グリモワール「その心配は無用よ。カノヌシは大地レベルの物しか器にしか出来ない。その辺の清らかな清流の水とか希少な鉱石で出来たコインとか器にする事は出来ないわ……この大地以外で器になりそうなものだと月ぐらいじゃないかしら?」

ゴンベエ「おいおい、月かよ。ロケットでも作れってか!?」

ライフィセット「ロケット?」

ゴンベエ「分かりやすく言えば月に行く事が出来る船だ。滅茶苦茶訓練しないと乗る事が出来ない代物で……月に行かれると、行くまでに10年ぐらい掛かる」

グリモワール「あら、10年あれば行くことが出来るのね」

ゴンベエ「軽いな、おい……宇宙飛行士の訓練みたいなの修行の一環で受けさせられたけど、精神擦り減らすぞアレは」

グリモワール「貴方達人間は先を急いでるけれど、聖隷にとって10年なんてあっという間のものよ……因みにだけどどうやって行くの?」

ゴンベエ「作用反作用の法則を使ってガスを噴射して船を飛ばすんだ」

グリモワール「そんなガスあったかしら?」

ゴンベエ「アメッカのウンコから作れる」

アリーシャ「ウン──ゴンベエ、なにを言っているんだ!?」

ゴンベエ「バイオ燃料って言ってな、ウンコとかが腐って出すガスが燃料になるんだ」

ライフィセット「石炭とかじゃダメなの?」

ゴンベエ「いや~無理無理、石炭は物理的に重いし燃料としての質が低い。だが安心しろ。アメッカ1人がコレから出す生涯全てのウンコを用いても足りない。エレノアやマギルゥ達にも協力してもらう。皆のウンコをもらう」

エレノア「絶対に嫌です!!なにが悲しくて自分の出した物を他人に渡さないといけないんですか!!貴方、それセクハラよりも酷いですよ!」

ゴンベエ「でも、真面目な話、月に行くならば10年ぐらいかけて準備しないといけねえし、バイオ燃料でロケット飛ばさねえと効率悪いぞ」

エレノア「……カノヌシを地脈から追い出したら即座に倒しに行きましょう!10年も掛けてられません」

グリモワール「私も流石にウンコを動力にした船はパスするわ」

スキット 一大プロジェクト

アイゼン「お前、月に行くことが出来る船を作ることが出来るらしいな」

ゴンベエ「作れなくもない……ただし最低でも十数年は掛かる。素材を集めて作ってだけじゃなく、乗組員も鍛え上げなきゃならねえからな」

アイゼン「ならば船はどうだ?異大陸の更に先に行くことの出来る船ならばどれくらいで出来る」

ゴンベエ「素材さえあれば直ぐに作れるには作れるんだが……ただなぁ……」

アイゼン「なにが問題だ?別にオレはウンコを動力にした船でも構わない」

ゴンベエ「いや、そうじゃなくてな……この国の造船技術を考慮しても、オレの知っている船を作るんだったら、1つの団体とか商会の組合が作るのは無理だ」

アイゼン「無理だと……何故出来ん?」

ゴンベエ「シンプルに素材と金と人が足りない。船に必要な素材である鉄鉱石が埋まっている鉱山が。船を組み立てる為の人が、乗組員が、物の流通の要である金が……バンエルティア号がこの大陸でもトップクラスの造船技術ならオレの知っている船を作るには、国がスポンサーになってもらわないと作り上げる事は不可能だ」

アイゼン「普段からベンウィック達をパシリに使っているが、それでもダメなのか」

ゴンベエ「ベンウィックをパシらせて作ったのは個人や複数人で作れる物でオレの生活を快適にするものだ。異大陸を越えるレベルの船を作るとなれば工業の世界に入る……それでもどんなのかみたいって言うなら設計図だけでも書いてやろうか?」

アイゼン「いや、生殺しは勘弁だ。設計図があってもお前が居なければ作ることは出来ないだろう?」

ゴンベエ「まぁ、エンジン関係はな……」

アイゼン「……異大陸に行くには国の一大プロジェクトレベルの船を作らないといけない。その為には希少な鉱石に人材に金……鉱山……鉱石か」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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