テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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※読む前の注意点

注意点

このサブイベントは本編とあまり関係ないもので、アリーシャが強くなるには結局なにが必要なの?とかを別の世界に転生した転生者に教えて貰ったり貰わなかったりするサブイベントであり、ゲーム的な話をすればサブイベントを進める事によりゴンベエの第三秘奥義が使えるようになり、最終的にある事を知ることが出来てアリーシャ達の好感度とかがなんかスゴい事になり更なるサブイベントが解禁されたりされなかったりします。
そしてこのサブイベントでアリーシャが槍を使える様になり精霊装擬きを使える様になるとかそういうのはない。所詮はサブイベントだから。


サブイベント 姫騎士アリーシャと導かれし愚者達 その5(FINAL)

「この辺りは大丈夫そうだね」

 

 チヒロさんとライフィセットを除く8人での必殺技により進路を作り、駆け抜けていった。

 木の魔物の様な生物が居ないところに辿り着いたのでフブキはホォっと一息ついて休んでいる。

 

「大丈夫か?」

 

 魔法の力で生み出されたであろう木の魔物をコレでもかとカチンコチンに氷漬けにしたフブキ。

 メイルシオでのふざけた姿とは一転して頼もしい味方だと感じさせるのだが、かなり飛ばしていた様にも見える。汗はかいていないが、呼吸が若干乱れている……実質一人で戦っていたものだから無理もないといえばそうなのだが。

 

「いやぁ、コレはキツい……けどまぁ、こんなの地獄の訓練に比べれば屁でもない」

 

「フブキはゴンベエと一緒に修行してたんだよね……どんな訓練をしてたの?」

 

「……うっ……オロロロエオ」

 

「は、吐いた!?」

 

 ライフィセットがフブキに質問をするとフブキは嘔吐した。

 

「お前、前にも似たような事があっただろう」

 

「ら、ライフィセット。可愛い顔をして平気な顔で人の心の傷を抉りに来たね……思い出したくない……色々とあった」

 

 感慨深く過去を思い出すフブキ。

 ゴンベエは強いけどいきなり強かったわけではない。色々と修行をして強くなった……フブキもまた同じであり、元々弱かった人間がこの領域に至るまでに本当に色々とあったらしい。

 

「まぁ……色々とあったな、色々と」

 

 ゴンベエも昔を思い出す。吐いてこそいないが足が生まれたての子鹿の様に震えている。

 普通の人間が今のゴンベエみたいになるには……いったいどの様な修行を積めばいいのだろうか。私には皆目見当もつかない。

 

「まぁ、僕達に関しては色々と辛いことがあったと思えばいいよ。君達の方こそどうなの……ロクでもない事を企んでるんじゃないの?」

 

「うむ!穢れなき魂を持った人間を生贄に捧げて神様の様な存在を叩き起こそうとしておるぞ!」

 

「それはまたロクでもない事だね」

 

「……まぁ、そう言われればそうなんだが」

 

「そのロクでもない事をする為には魔法の力が宿ったタロットカードを封印しないといけないのよ……緋の夜はまだだけど、余計な邪魔が入って起こせないだけはあってはならないわ」

 

 世界の平穏の為に生贄を捧げるとかそういうのじゃない。

 ベルベットが自分が自分であるために復讐を最後まで成し遂げる為に四聖主を叩き起こす……ロクでもないと言われればその通りなのかもしれない……この経験をなんとしても現代で生かさなければならない。一息つけたので私達は先を歩く。

 

「急遽こんな事になったけど、クロウカード(魔法の力が宿ったタロットカード)を回収したらさっきの続きをするぞ」

 

 さっきの続き、それは私の槍には宿っていない浄化の力を宿す私の槍を本当の意味で完成に至らせる最後の工程だ。

 それをすれば晴れて私はスレイと同じく浄化の力を手に入れて穢れを放つ憑魔を殺すのでなく浄化で元に戻すことが出来るようになる。四聖主を目覚めさせれば後はアルトリウスへの復讐を果たすだけとなり、それが終わればこの時代の旅も終わる。

 最初の災禍の顕主と最初の導師の骨肉の争いを見届けるのが私の使命であり、それが終わればゴンベエと共に元の時代に帰る……現代に帰れば、どうなるのだろう。

 名目上はゴンベエの知る国の文明を上げるための発明品を作る為に私と一緒にハイランドを歩いている。ハイランドとローランスは一度戦争を仕掛けてゴンベエがスレイに色々と押し付けた結果、現在は冷戦状態だ。何時戦争が起きてもおかしくない状況で、戦争の裏には災禍の顕主であるヘルダルフが糸を引いている。

 人間が背負う業を見てしまった以上は穢れを放つなとは今更言えない。だが、それでも平穏な世の中にはしなければならず、肝心の導師であるスレイには味方がいない。天族の方々だけが味方と言ってもいい。天族を見れる人間が、浄化の力を振るえる人間が側に一人でも居ればそれだけでも心強い筈だ。

 

「……ああ」

 

 その心強い仲間にゴンベエはならない、いや、なれない。

 導師になれる機会は何度もあったがめんどくさいと言って断り続けた……時折気紛れに私に力を貸してはくれているが、グレイブガント盆地でヘルダルフと対峙した際にライラ様からハッキリと邪魔者だと言われた。世界を救うつもりが無いのならば力を貸さなくてもいい、中途半端にするならばスレイの成長の妨げになる。

 

「浮かない顔だね」

 

「……そう、だろうか?」

 

「何処からどう見ても落ち込んでる顔だよ」

 

 顔には出してはいけないと思っていても、私は嘘が下手なのか顔に出てしまった。

 

「その……まぁ、もうすぐこの戦いが、ベルベット達との旅が終わるんだ。そうすれば私とゴンベエは自分達の国に帰るのだが、自分達の国も隣の国と何時戦争になるか分からない状況で平穏な世の中にしたいのだが……そのゴンベエが邪魔者扱いされていて。仕方ないといえば仕方ないのだが」

 

 私はなにを言っているのだろうか。

 過去の人間であるベルベット達には話すことが出来ないからと異世界の住人であるフブキに思わず愚痴を溢してしまう。

 

「ゴンちゃんと一緒に旅をしたいの?」

 

「いや……それは……いや、違うか……一緒に旅を続けたい」

 

 自分の気持ちに少しだけ正直になる。

 無論、頭では分かっている。平穏な世の中を築くには導師になる道を選んだスレイをサポートしなければならないし、邪魔と扱われたゴンベエが無闇矢鱈と力を貸さないように制御をしておかなければならない。

 私が浄化の力を物にしたらゴンベエはもう自分が側に居なくても問題無いと自分の道を突き進んでしまう……ゴンベエにはゴンベエの生活もあって無理に巻き込むのは流石に心苦しい。だが、一緒に来てほしいとも思っている。正しい答えがなんなのかが分からない。

 

「別にいいんじゃないかな。来てほしいなら来てくれって頼めばいいと思うよ」

 

「そんな簡単な問題じゃない」

 

「いや、簡単な問題だよ……僕も彼も暇人なんだからね」

 

「暇人……え?」

 

 悩みを打ち明けた結果、フブキから返ってきた答えは意外なものだった。ゴンベエが暇人?

 

「ゴンちゃんの強さは知ってるよね」

 

「ああ。ゴンベエは強い」

 

 災禍の顕主や最初の導師すらも圧倒的な力で叩きのめす強さと、世界の残酷な真実を知ったとしても前を歩こうとする心強さを持っている。

 

「だったらこう疑問を持ったことはないのかな……アレだけ強いのに、なんでナニもしないのかを」

 

「それは……」

 

 考えた事はなかったわけじゃない。

 ゴンベエは自分のことを勇者と言っている。正確には勇者の力を使っているだけと言っている……圧倒的な強さと心強さを持っているが、ゴンベエはそれだけで自分からなにかを成し遂げようとする姿は見たことがない。基本的には己の私利私欲を満たす為に力を使っている。

 

「僕もそうなんだけど、彼はね……生きることに意味とか意義とか見出す事が出来ていないんだよ」

 

「ゴンベエが?」

 

「そう。自分がなにかをするんだとか熱中するものが無かったりする……現代社会じゃよくいる夢も希望も無いけど絶望はしていない、マイノリティにならない様に皆がしている事をする、そんな若者的な闇を彼も僕も抱えている……思い返してみなよ。彼が自分のこと以外になにか興味を示したりやる気を出したりしてたかな?」

 

 フブキにそう言われたので過去を振り返ってみるが……ゴンベエは基本的には自分の私利私欲で動いている。

 ヘルダルフの時もそう、税金の免除の為で今もアルトリウスと戦うのはムカつくからと言う理由でだ……ただ、そうなると私の頼みをよく聞いてくれるのが分からない。

 

「彼は暇人で、騒ぎを起こして誘ってくれる子には甘いんだよ……まぁ、可愛い子限定だったりするけども。だからもし、彼を巻き込んでいる事に対して罪悪感を抱いているなら気にしなくてもいい。どうせ暇人なんだから、生活基盤を整えるとか生活費を稼ぐとかしかしてないでしょう。君みたいに巻き込んでくれる人間は実は助かってるんだよ」

 

「そう……なのか……」

 

「そうそう。彼は暇なんだから君はどんどんと巻き込めばいい、暴力という戦いにおいては右に出る者がいない天才だ……きっと君の力になってくれるよ。僕が彼女の力になった時みたいにね」

 

 ゴンベエの意外な一面を教えてくれるフブキ……ゴンベエが暇人で、ゴンベエは巻き込んでいる事に本当は感謝をしている。

 そう言われるとそうなのだろうかと考えてゴンベエを見るのだが、ゴンベエは私達の会話を聞いていない……暇人なのか……

 

「君が困ってるなら助けてって言えばいいんだ。彼はどちらかといえば悪人よりの人間だけど、優しいから助けてくれる……かつて何度も何度も心が折れそうな僕を助けてくれたみたいに」

 

 色々と悩んでいる私にフブキは色々と教えてくれたので私は少しだけ吹っ切れる。だが、今は魔法の力が宿ったタロットカードを回収する事に集中をしなければならない。ホトケの話が本当ならばこのままだと地脈湧点を経由して四聖主を目覚めさせる事が出来ない

 

「おいおい……ロクロウの倍ぐらいはあるんじゃねえか」

 

 ライフィセットの地脈を感じ取る力を頼りに先を進むとロクロウの倍ぐらいの大きさの木の魔物がウジャウジャといた。

 その背後には私達が拠点としている宿以上の大きさではないかと思える木の魔物が堂々と立っていた。

 

「あの1番大きな木から違和感を感じるよ」

 

「つまりはアレがクロウカードなんだね……ライフィセット、鍵を本来の姿に戻すんだ」

 

「うん」

 

 魔法の力が宿ったタロットカードの居場所を見つけたライフィセット。

 後は封印をするだけだとホトケから受け取った鍵に手を翳す。

 

「闇の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ。契約のもとライフィセットが命じる。封印解除(レリーフ)!!」

 

「……ゴンベエ」

 

「なんだ?」

 

「ライフィセットが持っている鍵、ゴンベエの紙芝居に出てこなかったのか?」

 

 ライフィセットが鍵を杖の形に変化させた。ゴンベエが描いていた魔法のカードを集める女の子の物語に出てくる杖にそっくりだ。

 

「そうだ……アレはクロウカード、説明をしたいところだがやるぞ」

 

 刀を抜いて闇を纏うゴンベエ。

 ロクロウの倍ぐらいの大きさを持つ木の魔物達が私達の存在に気付き、襲いかかってくる。どうやら戦わなければならないようだな。私も槍を取り出し、襲いかかってくる木の魔物を切り裂いていく。

 

「クロウカードを封印しない限りは木の魔物は永遠と湧いて出てくる、ライフィセット、君はなにがなんでも封印をする事だけ集中するんだ」

 

「うん……でも、このままじゃ」

 

 フブキはライフィセットのすべき事を伝えるが、ライフィセットの杖が木の魔物までに……魔法の力が宿ったタロットカードまで届かない。

 私達が攻撃をして吹き飛ばしたりしていくのだが地の底からウヨウヨと木の魔物が出てきてキリが無い。

 

「分かっている……ゴンちゃん、オーバーライドだ」

 

「ブッキー、オレに合わせれるのか!?」

 

「オーバーライド?」

 

「必殺技と必殺技を掛け合せて新しく生み出す必殺技だ……ただオレとブッキーの間には大きな力の差がある」

 

「ゴンベエが力を調整すればいいのではないのですか?」

 

「それだと威力が弱まるんだよ」

 

 ゴンベエがフブキに合わすのでなく、フブキがゴンベエに合わせなければならない。

 聞く限りはかなり高度な技術を要する技の様だが……大丈夫なのか。

 

「大丈夫だ、僕を信じてくれ」

 

「ったく……失敗したら承知しねえぞ」

 

 刀を鞘に納めるゴンベエはフブキの隣に立つ。

 フブキは自分の靴に触れるとカチカチと音が鳴り発光した。

 

「おいおい、キック力増強シューズかよ」

 

「コレぐらいしないと君のパワーには追いつけないんだ……」

 

 フブキはボールを足に挟んでジャンプをしながら宙返りをすると足に挟んでいたボールを蹴り飛ばし、ゴンベエは飛ばした先に飛んでおり蹴り飛ばされたボールに踵落としを決めるとボールは空中で制止して冷気を漂わせる。

 

「いくよ、エターナルブリザードと」

 

「エターナルブリザードのオーバーライド!!」

 

 二手に分かれると冷気を纏いながら体を回転させてボールへと近付く。

 

「「ホワイトダブルインパクト(エターナルブリザードCC)」」

 

 2人が力を合わせて、強烈な冷気を纏ったボールを蹴り飛ばす。

 フブキとゴンベエの息の合わさったツインシュートは見事なもので、辺り一帯の木の魔物を氷漬けにされていき1番大きな木の魔物に目掛けてとんでいき、命中した。

 

「ブッキー、今なんつった?」

 

「エターナルブリザード(クリスタル)(クラッシャー)だよ……ホワイトダブルインパクトはダサいからね」

 

「まぁ、ファイヤトルネードDDならエターナルブリザードCCの方がいいかもな……ライフィセット、道は切り開いた!いけ!」

 

「うん!汝のあるべき姿に戻れ、クロウ」

 

「───あゝAA!!!」

 

「うわぁ!?」

 

「フィー!!」

 

 ゴンベエ達が切り開いた道を駆け抜けていき、ライフィセットが杖を振りかざそうとした。その瞬間に巨大な木の魔物は暴れだしてライフィセットを吹き飛ばすのだがベルベットが受け止める。

 

「エターナルブリザードCCでもダメなの!?」

 

「練習無しのぶっつけ本番だから思ったよりも威力が出てねえんだろう……ホワイトダブルインパクトがダメならトリプルブリザードといきたいが3人目が居ないから出来ない……アレをやるぞ」

 

「アレって……でも、アレは君の体に負担が掛かるよ!!」

 

「んなの気にしてる場合じゃねえだろうが……痛いのは馴れている」

 

 倒れない木の魔物に対してまだなにかの技があるようだがフブキはあまりいい顔をしない。

 状況が状況だけに使うしかなく、フブキはベルトのバックルからボールを出してゴンベエにパスをすると走っていく。

 

「いくぞぉ!うぅるぅぁああああ!!」

 

 ゴンベエが叫ぶとゴンベエの周りに氷の柱が出現し、ゴンベエは氷に包まれるが直ぐに脱出すると冷気を纏ったボールを蹴り飛ばす。

 

「この一撃、ゴンちゃん、君の思いは無駄にしない」

 

 足に力を纏わせてグルリグルリとバク転をするフブキ。

 回転の遠心力を加えた蹴りをボールに叩き込むと*マークの氷が出現し、ボールは貫いた。

 

「「氷結のグングニル!!」」

 

 槍の様な形状の力を纏ったボールは1番大きな木の魔物に向かってとんでいく。

 これならば確実に木の魔物を貫くことが出来る。そう期待を抱いたが、木の魔物は学習をしてきたのか巨大な根っこを出現させて敢えて貫かせてゴンベエとフブキの必殺技である氷結のグングニルの威力を弱らせていく。

 

「クソっ、アレじゃあダメだ」

 

 根っこの壁に阻まれて氷結のグングニルの威力は弱まった。

 巨大な木の魔物に激突した時には貫く事は出来ず、木の魔物を後退させるだけの威力だった。

 

「……これでも駄目か」

 

「アイツがこの騒動の原因なら、破壊すれば」

 

「地脈に根付いているから力技はダメだっつってんだろ」

 

 左腕を喰魔化させてベルベットは1番大きな木の魔物に突撃しようとするがゴンベエは制止する……だが

 

「クロガネの征嵐が完成していたらあんなの一刀両断出来たんだがな」

 

 決定打にかける。ロクロウもそれを感じているのかクロガネの征嵐があればと思っている。後一手、後一手が足りない。

 ゴンベエになにかないかと視線を向けるがゴンベエは先程自分を氷漬けにした寒さが襲ってきてクシャミをしている。

 

「っ……もう限界だね……こうなったら、アメッカ!!」

 

 強烈なシュートを何発も撃ったフブキも遂に限界を迎えた。

 痛むのか足を抑えており、苦しい表情を見せるのだがまだ諦めておらず私の名前を呼ぶと背中から黒い靄の様なものを出現させる

 

「豪雪のサイア 零式!受け取れぇえええ!!」

 

 巨大な槍を持った女性型の魔神を背中に作り出したフブキは魔神で木の魔物を襲いかからず私に攻撃を……いや、違う、これは

 

「力が、湧いてくる」

 

 フブキの力を託された。髪型が少しだけ変わっており体の底から力が湧いてくる。

 ノースガンドの寒さなんて気にしない程に力が湧いており、私はフブキやゴンベエを見習って背中に巨大な魔神を作り出す

 

「キングス・ランス!!」

 

 三叉の鉾を持つ魔神を動かし、巨大な木の魔物を貫いた

 

「今だ、ライフィセット!!」

 

「やるならば今じゃ!!」

 

 封印をする隙を作り出した。

 巨大な木の魔物は再生をしようとするが私が出している魔神の槍を突き刺して再生を防ぐ

 

「今度こそっ……汝のあるべき姿に戻れ、クロウカード!!」

 

 2回目の失敗は許されない。ライフィセットは杖を振りかざし、木の魔物に当てると木の魔物に波紋が広がり巨大な木の魔物は収縮していき1枚のタロットカードに戻った。

 ライフィセットが木の魔物をタロットカードに戻すと増殖していった木の魔物はピタリと動きを止め、光の玉となってライフィセットが手にしたタロットカードへと戻っていった。

 

「……うん、地脈から感じる違和感は無くなったよ」

 

「そうですか……一時はどうなるかと思いましたがなんとか封印が出来てよかった」

 

 完全に脅威が去ったのでエレノアはホッとする。

 

「こんなカード1枚であんな騒ぎを起こしたのか」

 

 アイゼンはライフィセットが手にしたタロットカードをマジマジと見る。

 タロットカードには樹をイメージした女性が描かれており、さっきまで激闘を繰り広げていたのが嘘の様に見える。しかしこれも事実だ

 

「あ……」

 

「強制ミキシマックスはここまでだよ」

 

 やっと戦いが終わったとホッとすると私の中にあるフブキの力が出ていき、フブキの中に戻った。

 一時的なパワーアップはこれでおしまい……だが、今のでなにかを掴めた。キングス・ランスをもう一度使えと言われれば使えるだろう。

 地脈の中に眠ってしまっている異物である魔法の力が宿ったタロットカードを回収し終えたので私達はメイルシオに戻った。

 

「僕、何時までこの格好なんだろう」

 

 目当てのタロットカードは回収を終えたがライフィセットはそのままの格好で、フブキは残っている。

 何時もならばホトケに似た誰かが迎えに来るのだが、姿を現さない。

 

「もう大丈夫だよ」

 

「ありがとう……一発ぐらいならいけるか」

 

 ホトケが出てこない事に少し不安を抱いているとライフィセットの治癒術を受けたフブキは足首を動かす。

 氷結のグングニルとエターナルブリザードCCがかなり足に負担を掛けていたようでライフィセットの治癒術でも完治はしていなさそうだ。

 

「さてと……暫くすれば仏も勝手に出てくるだろうし……ゴンちゃん、僕と勝負をしてよ」

 

「いきなりだな」

 

「確かめたいんだよ。あれから僕がどれだけ強くなったのかを、君の強さを」

 

「PKの1本勝負だ……それ以外は受けん」

 

 フブキはゴンベエに挑戦状を叩きつけた。

 ゴンベエはそれを受けるとここでは危険だからと人気も民家も無い場所へと移動をする。

 

「さてと……ミキシトランス、川神舞!」

 

「アレはさっき私にやった」

 

 自分の力を他人に譲渡する技術を発揮するフブキ。

 オレンジ色のポニーテールに髪型は変化し、風格が漂う。

 

「はぁああああ!豪雪のサイア 零式!アームド!!」

 

「魔神を纏ったじゃと!?」

 

 そのままの状態でも充分な強さを持つ魔神をフブキは鎧の様に身に纏う。

 

「いくぞ……吹き荒れろ……エターナルフォースブリザード(インフィニティ)!!」

 

「この冷気、絶対零度か!!」

 

 エターナルブリザードよりも遥かに冷たい、絶対零度の冷気を纏ったボールをフブキはゴンベエに向かって蹴り飛ばす。

 アレは受けるだけでも危険な力を持っている。避けなければならないが……ゴンベエは勝負を受けた以上は逃げることは出来ない。手に氣を集中させて盾の形に形状を変化させる

 

「王家の盾っ!!」

 

 渾身の王家の盾でフブキのエターナルフォースブリザードを受ける。

 絶対零度の冷気はピキピキと王家の盾を凍らせていくのだが、ゴンベエは一歩も引くことはしない。

 

「いっけぇええええ!!」

 

「止まり、やがれ!!」

 

 ぶつかり合うゴンベエとフブキ……勝負に勝ったのはゴンベエだった。

 若干だ氷漬けにされてしまっているがゴンベエはフブキの蹴ったボールを掴んでおり、フブキのエターナルフォースブリザードをキャッチした。

 

「ふぅ……久々に焦った」

 

「君を焦らせるぐらいには成長したって喜べばいいのかな……はぁ……悔しいな。アレから滅茶苦茶努力したんだよ、僕」

 

「強くなったからいいじゃねえか」

 

「君の強さに憧れてるんだ……僕も君みたいに強くなりたい……でも、コレが限界みたいなものかな」

 

「お前にはお前の強さがある……お前は強えよ」

 

 フブキと語り合うゴンベエは何処か楽しそうだった。

 フブキがこの世界に居られるのも残り僅かである為に私達は余計な口を挟まずゴンベエ達を見守る

 

「ゴンちゃん……いや、ニノ」

 

「なんだ?」

 

「……あの時はごめん」

 

「……気にしてないって言ったら嘘になるが、謝られる事じゃねえよ……オレがおかしかったのは今になって嫌でも分かるんだから」

 

「そっか……」

 

 ゴンベエとなにかがあったのかフブキはゴンベエに頭を下げた。

 なにをしたのか気にはなるが横槍を入れるわけにはいかず、ゴンベエもその事については特に恨んでもいない。

 

「お、迎えが来たっぽいぞ」

 

「ホントだ」

 

 私達が居る方向を見るゴンベエとフブキ。

 ホトケが来たのかと私達も振り向けばそこにはゴンベエが乗っていたマスターバイクによく似た形の乗り物に乗ってホトケによく似たスキンヘッズの男がやってきた。

 

「今回も……ホトケじゃないのか」

 

「ゴンちゃんこうして君と再会出来たのもなにかの縁だ、このサッカーボールをあげるよ」

 

 毎回ホトケにそっくりな人が迷い人を連れて帰る。今回もホトケにそっくりな人がやってきた。

 フブキはゴンベエにボールを託すと雪の上を走る乗り物に乗っているホトケにそっくりな人に向かって歩き出す。チヒロさんもだ。

 

「ほらよ、クロウカード回収したぞ」

 

「いやぁ、ごめんごめん。ホントにごめんね、厄介事を押し付けちゃってさ」

 

「面白いものが見れたからそれでチャラにしてやる……帰るか」

 

「そうですね」

 

 魔法の力が宿ったタロットカードとそれを封印する闇の力を秘めし鍵をスキンヘッズのホトケにそっくりな人に渡すとチヒロさんとフブキは雪の上を走る乗り物に乗っていき、走り去ると瞬く間に消えていった…………。

 

「僕を元の格好に戻すのは!?」

 

 ライフィセットをそのままの格好にしてだ。

 色々とあったものの、今回もなんとかなって良かった……それにしても、ゴンベエが暇人か……意外と言えば意外かもしれないがそうと言われればそうかもしれない……この旅の続きについてきてほしい。




ライフィセットの衣装

カードキャプター

説明

多くの大きなお友達をロリコンの道へと突き落とした小学生の魔法少女のアニメの最初のOPで着ていた格好。
ライフィセットは男の子だが男の娘でもある為に一切の違和感無く着こなせれている。


友情のサッカーボール

説明

戦闘においては最強とも言えるゴンベエと一本勝負をした際のサッカーボール。
かつてフブキは戦闘の才能に開花したゴンベエに「君が強すぎるんだよ、おかしい事を自覚してくれ」と言ってしまった事を深く反省しており、その件に関して謝罪をした事により更に友情が深まった。


ゴンベエの術技

サモン・リバイバル(with吹雪)


説明

ゴンベエ版サモンフレンズ。*マークのクレストに入ると発生。
転生する度に宮野真守キャラになる男である吹雪士朗を呼び出し、スノーエンジェルで氷漬けにし、豪雪のサイアによるアイシクルロードで相手を貫き、トドメと化身アームドをして究極進化したエターナルフォースブリザードで全てを氷漬けにする

ゲーム的な話をすれば即死技である。

ホワイトダブルインパクト(エターナルブリザード(クリスタル)(クラッシャー)

説明

2人で撃つエターナルブリザード。
ゴンベエの方が吹雪よりも遥かに強い為に本来ならばゴンベエが手加減をして撃つのだが、吹雪の履いているキック力増強シューズの力で脚力を上げた事によりゴンベエの本気になんとかくらいつく事が出来た。
ホワイトダブルインパクトと言う名前が好きではない吹雪は勝手にエターナルブリザードCCと呼んでいる。

氷結のグングニル

自分を中心に氷の柱を複数出現させ、自らも氷漬けにして直ぐに脱出すると冷気を纏ったボールを蹴り飛ばし吹雪が足に力を纏わせてグルリと何回もバク転を繰り返し、遠心力を加えら蹴りを加えると*マークの氷が出現してボールに螺旋回転するエネルギーが纏わされとてつもない威力を持った一撃となるが使用者の身体に大きく負担が掛かる必殺技

アリーシャの術技

キングス・ランス

説明

槍を携えた巨大な魔神を呼び起こし相手を貫く巨大な敵にも対応できる必殺技

吹雪士朗の術技

エターナルフォースブリザード

説明

絶対零度の冷気を纏ったエターナルブリザード。
吹雪はこの技を究極進化させており、この技とキック力増強シューズと化身アームドとミキシトランスを組み合わせた一撃が最も強い吹雪の必殺技。



スキット 鎮静化の影響

ベルベット「そういえばあんた達、大丈夫なの?」

吹雪「え〜と……なにが?」

ライフィセット「この世界は今、カノヌシっていう神様みたいな存在が人間から意思を奪おうとしてるんだ……普通の人は油断をすると意識を奪われるんだけど……」

ベルベット「大丈夫みたいね」

「なんか頭の中に変なのが語り掛けてくる感覚があってうっとおしい」

吹雪「僕はそんな感覚が無いよ」

ライフィセット「2人とも強い心を持ってるんだね」

吹雪「……僕は君が思っているほど強い人間じゃないよ。人の意思を奪おうとするのはマインドコントロールの一種だと思うから多分……化身かな」

ライフィセット「化身?」

「オレはまぁ……この程度の事ならば日常茶飯事だからな。こうすれば正しいとか押し付けてくるのはウザくて仕方がねえ」

ベルベット「カノヌシの鎮静化をウザいの一言で片付けるって、あんたどんな日常を送ってるのよ」

「カードをカツアゲされたり、強い英霊達の中間管理職をしたり、天の御使いと思われて影の薄さが異質だと思われて試し斬りをされたり……」

吹雪「黛さんは貧乏くじを引く星の元に生まれてるんだ、トラウマを抉るのは可哀想だよ」

ライフィセット「チヒロさんも色々とあるんだね……フブキは?」

吹雪「僕はそんなに語るほどの人間じゃないよ。黛さんみたいな突然変異でもなければゴンちゃんみたいな戦闘特化のタイプじゃない。凡人と呼ぶに相応しい人間だよ」

ベルベット「あんだけ暴れておいて、凡人なんて言うわけ?」

吹雪「そうだよ。僕は所謂凡人に分類されている……ホントに情けないぐらいにね。だから強く嫉妬しているよ、黛さんの様にオンリーワンの才能を持っている転生者()を、ゴンちゃんの様に誰にも負けない圧倒的な強さを持っている転生者()を。彼女が僕には僕の良さがあるなんて言ってくれるけどどうしても妬む」

ライフィセット「それがフブキの業……分かっていても諦めきれない、認められないもの」

吹雪「世の中には努力とか思いとかが届かない領域がある……僕の望んでいるものはその世界にある」

「一旦肩の力を抜けよ……無理に苦しんでも意味はない。つまらない事ばかり求めていてもそれは苦しいだけだ……自分が気持ちよく心地良く生きれないと、なんの為に生きているのか(転生しているのか)分からなくなる」

ベルベット「あんたはあんたで我が強いのね……ゴンベエがあんたを慕う理由がなんとなく分かる気がするわ」

スキット 背徳感

吹雪「う〜ん、大丈夫かな」

ライフィセット「なんの心配をしてるの?」

吹雪「僕、ここに来る前に彼女とサッカーをする約束をしていたんだ。急にこの世界に飛ばされたから……怒られないかな」

ライフィセット「……フブキ、彼女居るんだっけ……意外だ」

吹雪「言っとくけど僕はどちらかと言えばモテる方だからね。去年、バレンタインで結構チョコ貰ったりしたし」

ライフィセット「バレンタイン?」

吹雪「異性に親愛か性愛のチョコを渡すイベントみたいな物だよ……1個でも食べたら浮気認定するって言ってくるから1個も食べずにいたけど」

ロクロウ「愛が……重いな……」

吹雪「そもそもで去年のバレンタインデーの時点で恋人の関係だったのにチョコを渡してくる方が正気の沙汰じゃないよ」

アイゼン「それは渡してきた女の方が悪いな」

ライフィセット「フブキの彼女ってどんな人」

吹雪「写真あるよ」スマホ見せる

アイゼン「おぉ、滅茶苦茶美人だな」

ロクロウ「愛の重さも納得がいくな……どうやって知り合ったんだ?」

吹雪「野暮だな貴方も……誘われたんだよ」

ライフィセット「誘われたって……クラブ活動に?」

吹雪「僕の居る世界はアホな大人達が色々とやらかした結果、ファントムっていう妖怪とか幽霊とかがいてね。それらに対抗出来る能力を若い世代の人間が持っていて彼女は生活費とかを稼ぐためにファントム退治をしてるんだけど、ファントム退治ばっかしてて金の亡者に近い状態になってて誰もついていけなくて相棒的な存在が居なくてね……たまたま僕が強いのを知ったから一緒に退治しないかって誘われてそこから仲良くなったんだ」

ロクロウ「なんかゴンベエとアメッカの関係に似ているな」

吹雪「僕も彼も似たような人間だからね……僕的には暇潰し感覚で付き合ってたんだけど、向こうは僕に好意的になっててね……見事に一服盛られたよ」

ライフィセット「一服?」

ロクロウ「ふん!!」

吹雪「ぐふぅ!?」

アイゼン「ここには幼い純真で純粋な少年であるライフィセットがいる……言葉は選べ」

ライフィセット「もう、子供扱いしないでよ!一服……毒でも盛られたのかな」

吹雪「痺れ薬をちょっと……いや、可愛いんだよ。絶世の美女って言っても過言でもないし、バリボーなんだよ。でも僕は下心とかなんもなしで一緒にやってたんだよ。せめてもうちょっとデートとかの段階を踏みたかった」

アイゼン「ゴンベエと似たような事を言っているな」

吹雪「まぁ、最終的には結婚するの前提で恋人の関係になったんだけどね……色々と強請られてこの前なんかシスターの格好でね、シスターとやってる背徳感と彼女が魅惑的なバリボーなのも合わさって滅茶苦茶出た──」

ベルベット「ヘヴンズクロウ!!」

吹雪「なぁう!?」

ベルベット「あんた、フィーになんて話をしてるのよ!ていうか、シスターの格好でそんな事するな!」

ロクロウ「いや、シスターといけない関係になっている背徳感は凄まじい、それと同時に快楽も色々と……ふ」

ベルベット「納得してるんじゃないわよ!!」

アリーシャ「シスターの格好……いや、ダメだ。そういう誘惑は天罰がくだる」

アイゼン「いや、だからこそする価値があるんだ!」

エレノア「威張りながら猥談をしないでください!!」

ライフィセット「……なにが出たんだろう」


尚、黛と吹雪を迎えに来たのは仁に出てた佐藤二朗です。

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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