テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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勢いと一時のテンションに身を任せて書いております。感想をお待ちしております、感想乞食です。
テイルズオブって言えば豪雪地帯でなんかイベントを巻き起こすよね。


テイルズオブ名物 雪国ラブイベント

「そういえば、なにを届けてたの?」

 

 異世界からの住人がやってきて一騒動が起きたけれど、なんとか丸く収まった。

 緋の夜までには時間があるので私達は自由に時間を過ごしており、フィーがアイゼンにベンウィックから届けられた物について聞いた。

 

「ああ、妹からの手紙だよ。返事がやってきた」

 

「そっか、よかったねアイゼン」

 

 たった一人の家族とのかけがえのないやり取り。

 アイゼンの手には返事の手紙が握られておりアイゼンは嬉しいのか微笑む。

 

「以前に手紙を送った際にアメッカとゴンベエ以外の事を書いた……会ってみたいそうだ」

 

「アメッカとゴンベエを……確かにあの2人は自分達の事を記録とか残さないようにしてって言ってたけど」

 

「あの二人は恐らく……」

 

 言葉をつまらせるアイゼン。ついさっきまで起きた出来事を考えれば多分……いえ、関係ないわね。

 彼奴等が何処の誰かは知らないけれどこの世界に足を踏み入れて、私の復讐に力を貸して最後まで見届けようとしている。例え違う住人でも仲間であり共犯者である事には変わりはない

 

「私達に会いたいだなんて物好きな妹ね」

 

 今の私達は世間を混乱に追い遣る災禍の顕主の一味。

 強い穢れを放っていて聖隷にとっては毒の様な存在で今だって聖寮とバチバチ争っていてハッキリと悪だって言えるのに

 

「物好きさ。あいつを傷つける死神と一緒にいたいなんて言うぐらいだからな」

 

「僕、会ってみたいな」

 

「……1つだけ言っておく」

 

「【妹に手を出したら殺す】でしょう。副長、妹さんの話をすると毎回言ってるんだよ」

 

 余程が妹が大事なのかただのシスコンなのか……どっちもね。

 

「何時か一緒に会いに行こうね」

 

「いい度胸だ」

 

「うん……自分の舵は自分で握っているからね」

 

 フィーは何時の間にか大きくなっている……まぁ、私からすればまだまだだけど。

 アイゼンは満足そうに妹からの返事の手紙を読んでいるから変に声を掛けたりせずにこの場を後にするとロクロウが民家の前でお酒を飲んでいた。

 

「この音は?」

 

 民家から金槌をカンカンと叩く音が響く。フィーは音の正体についてロクロウに聞いた。

 

「クロガネが刀を打ってるんだ……折れた金剛鉄(オリハルコン)の征嵐を超える刀を。ゴンベエに打った逆刃刀と刀を超えると意気込んでてな」

 

「また刀を打ってるんだね……でも、金剛鉄(オリハルコン)で出来た征嵐がダメだったから……なにを素材にしてるの?」

 

「クロガネ自身だ」

 

「え!?」

 

「大丈夫なの、それ」

 

 クロガネが自身を刀の素材にしている事については少し驚いたけど、自分の頭を小太刀にしたのを知っているから。

 けど、その時に作られた小太刀はあっさりとシグレの持つ號嵐に叩き折られた。頭で出来た小太刀が叩き折られたのなら残る足とかで刀を作ってもまた叩き折られるんじゃないかしら。

 

「大丈夫だ……金剛鉄(オリハルコン)は硬さは申し分無かったが、それだけだ。號嵐を征する信念が込められていない……號嵐に打ち勝ちたいと思う信念が籠もった素材はクロガネしかいない」

 

「なら、號嵐と征嵐の戦いは」

 

「ああ……これから生まれる新たな1本で俺がシグレに引導を渡す……酷いものだろう。連れを刀にして実の兄貴を斬ろうとしてるんだからな」

 

「人の事を言える義理じゃないわ」

 

 私は実の姉を喰らい、実の弟と義兄を殺す為に生きている。下手したらロクロウより酷いんじゃないかしら。

 

「お前は人間だよ……痛い苦しみも、誰かを思いやる心もちゃんと持っている。お前だけじゃないクロガネもだ……號嵐に対する憎しみだけじゃなく憧れもある。業を背負った業魔が無心になるなんて最初から不可能だ……だから全てをぶつける。これから作られる征嵐は今までの物とは比べ物にならない征嵐になるだろう……後は俺がシグレを斬るだけだ」

 

「やり遂げなさいよ」

 

「ああ、必ず斬る」

 

 あんたは私に借りた恩を返さないといけないかもしれないけど、自分の目的を果たさないといけない。

 四聖主を目覚めさせるにはなにがなんでもシグレの魂が必要でその為にはクロガネの征嵐が打ち勝たないといけない……きっとロクロウならなんとかするわね。

 

「もぉ〜いいかい!」

 

「もぉ〜いいよぉ!」

 

「よしっ……!?」

 

「ノリノリね」

 

 心水を飲んでクロガネの答えを待つロクロウを後にするとエレノアを見かけた。

 エレノアはモアナとかくれんぼをして遊んでおり、エレノアが鬼をしていた。意外とノリノリね。

 

「い、いえ、モアナがどうしてもと」

 

「エレノア様、モアナの後をつけたでフよ!あっちに隠れているでフ!!」

 

「……」

 

「子供相手に手段を選ばないんだ」

 

「ち、違いますよ!ズルはダメですよ、ビエンフー!!」

 

 テクテクと歩いてモアナの居場所をビエンフーは伝えに来る。

 あまりにも卑怯すぎるのでフィーも引くとエレノアはビエンフーを叱りつける。ビエンフーは驚いた顔をする

 

「ええ、マギルゥ姐さんとやってた時は何時もやらされてたんでフよ!」

 

「あの人は反面教師です!」

 

「エレノアー!なんで探しに来ないの」

 

「モアナ見つけました!ダイルも!」

 

「ええっ!!」

 

 自分の事を探しに来なかったのでプンプンと怒るモアナ。一緒に遊んでいるダイルも出てきてしまった。エレノアは見つけたと二人を指差す

 昔、ラフィと遊んだ時にも似たような事があったわね。

 

「ズルいでフー」

 

「ズルではありません。ビエンフーのズルを利用した知的な作戦です」

 

「……結果的にビエンフーのズルを利用してるからズルじゃないの?」

 

「うっ……」

 

 図星みたいね。若干ズルをしている感覚があったのかフィーの言葉はエレノアに深く突き刺さった。まったく、悪いことをするのには馴れていないんだから。

 

「あーあ、見つかっちゃった」

 

「ふふっ、どうですかモアナ。私も中々にやるでしょう……だから、心配しなくても大丈夫です」

 

「うん……モアナ、エレノアを信じてるよ。ビエンフーがメーワクかけないか心配なだけで」

 

「ボクのせいでフかー!?」

 

「ビエンフーの事は任せてください……私達はきっと帰ってきます」

 

「わかった、約束だよ」

 

 モアナとエレノアは小指を繋げて指切りげんまんを交わす。

 

「モアナ、安心したなら帰ろうぜ。寒すぎて冬眠しちまう」

 

「ダメ!次はダイルがオニなんだから、ダイルはワニだからオニだよ!」

 

「ワニじゃねえ、トカゲだよ」

 

「トカゲだから眠くなったんじゃないかな」

 

 爬虫類は冬になったら栄養を溜めて冬眠をする……もしかしたらダイルは冬眠したいんじゃないかしら。

 フィーのその一言で皆が笑う。

 

「ワニもトカゲも似たようなものよ」

 

「違う!トカゲは尻尾が再生するけど、ワニは再生しねえだろうが」

 

「……人と業魔、聖隷がどうやって生きていくのか、なにをすべきなのか……きっとある筈です」

 

 人間が背負いし業は切っても切れない、聖隷と人間も切っても切れない関係。

 これからどうやって残酷な世界と向き合うか……エレノアは折れずに前を見続けている。

 

「エレノアならきっと見つけることが出来るよ」

 

「何年、何十年、次の世代、そのまた次の世代……それこそ千年掛けても探して見つけ出してみます」

 

「気の長い話ね」

 

 けど、エレノアなら見つける事が出来るわ。

 エレノアはモアナの元に向かうと再びかくれんぼがはじまる……ここにいたらまたなんか言われそうだし、場所を移動するとアメッカがハープを手にしていた

 

「……っ……違う」

 

「なにしてるの?」

 

 今までオカリナを何度も吹いているのは見てきたけれど、ハープを弾いているのははじめて見る。

 ゴンベエは何回か別の楽器を弾いているのを見たことがあるけれど、なにをしているのかしら?

 

「私の槍を完成に向けて弾いているんだ」

 

「そういえば……まだ未完成だったね」

 

 最後の一工程をアメッカの槍は残している。

 クロガネとゴンベエが共同で作った槍は今の時点でも充分な力を持ってる。それこそ私の剣に使った素材も含まれている……アレでまだ未完成ならなにが足りないのかしら。

 チラリとアメッカの槍を見ると地面に突き刺さっており、突き刺さっている槍を中心に三角形が三つ鱗のように連なって大きな三角形を跡が刻まれている。アメッカの槍には微弱だが青白い光が宿っている。この光はゴンベエの背負っている背中の剣と似た光を放っていた。

 

「穢れを打ち払う光を込めているのね」

 

「ゴンベエが言うには祈り唄らしい……2つの祈り唄を槍に捧げれば完成する。1つはハープで地神の唄らしいが、ハープなんて弾くのははじめてで」

 

「楽器なんて早々に触ることは無いわよ……ちょっと貸しなさい」

 

 アメッカからハープを借りると鳴らしてみる。

 ポロンポロンと音は鳴るけれども思った以上にリズムが取れない……難しいわね。アイツは平気な顔で楽器を弾いているけど、こんなに難しいとは思わなかったわ。

 

「アルトリウスに復讐を果たしたら、あんた達は帰るのよね……大丈夫なの?」

 

「……見なければならない現実も受け入れなければならない業も知った。そこからだ、私達の戦いは」

 

「私達、ね」

 

 ゴンベエも巻き込むつもりなのね……まぁ、アイツならなんだかんだでアメッカに甘いからついてきそう。

 

「これから問題は山積みだ、ローランスとハイランドの裏に潜んでいる災禍の顕主の手先を探したり、逆に戦争に反対をしている味方を見つけたり、スレイに再会したり……でも、やらなくちゃいけない、いや、私はやりたいんだ」

 

「頑張ってね、アメッカ」

 

「ああ……ライフィセットはどうするつもりなんだ?」

 

「僕……どうだろう……」

 

「……」

 

 この戦いはもうすぐ終わりを迎える。私達はなんとしてでも勝ってみせる。

 戦いが終わればカノヌシの一部であるフィーは……仮に生きていたとしてもフィーには今、目的が無い。自分の意思でカノヌシと戦う事を決めているけれどフィーには次はない……フィーを生かすには……。

 

「……終わってから考えるよ。僕は聖隷だから時間はたっぷりあるから」

 

「時間か……私とゴンベエに残された時間は後僅かだ……最後まで頑張らなければ」

 

 アメッカはハープの練習を続ける。アメッカならきっとハープを完璧にマスターする、穢れを打ち払う力を手に入れる。

 そうすれば……モアナやメディサの様な人が生まれなくなる。ダイルを元の人間に戻すことが出来るようになる……私は無理ね。この復讐の業はもう一生取り付いていて例え元に戻ったとしても直ぐに喰魔化するわ。

 

「……なんか変わってるわね」

 

 マギルゥにも声を掛けようかと思ったけれど、何処にも見当たらなかった。

 少し前の木の化け物との馬鹿騒ぎで思ったよりも疲れていたみたいで少しだけ仮眠を取ると自分の腹の中に意識は向かったけど、そこには何時もの長方形のテーブルじゃなくて丸い小さなテーブルと紅茶のセットがあった。

 

「ええ、消えるに消えれなくなってしまったから模様替えをしたのよ」

 

「一応、私のお腹の中なんだけど」

 

「私の器の中でもあります」

 

 シアリーズが私の中を勝手に模様替えをしていた。特になにか変な感じもしないし、気持ちの悪い装飾をしているわけじゃないからそれでいいけど。シアリーズは紅茶を私に入れてくれたので私は椅子に座って紅茶を頂く。普通だったら味がしないけれど、私の腹の中の為かしっかりと味を感じ取れる。

 

「貴女はなにか言う事はないの?」

 

 それぞれが決戦に向けて意気込み、準備をしている。

 シアリーズもなにか思っている事はないのか尋ねてみると首を横に振った。

 

「私はもう貴女に託すべきものを託したわ……だから器にしている剣から出てこない様にしている。でも……彼にはお礼を言いたいわ」

 

「彼って……ゴンベエ?」

 

「ええ……彼は貴女とずっと接してきた。災禍の顕主としてでなく一人の女性として……あの子が生きる希望を作ったけれど彼だけは最初から最後まで貴女の味方でいてくれた……お礼を言いたい」

 

「だったら、出れば……なんて無理よね」

 

 シアリーズは剣の中から出てくるつもりはない。

 自分がすべき事をすべて成し遂げた……私に力を貸してくれるけどそれだけでそれ以上は深く踏み込んで来ない。

 

「貴女はいいのかしら?」

 

「……なにが?」

 

「この戦いが終われば彼は元いた場所に元いた世界に帰ってしまう……最後に思いを伝えるべきだと」

 

「は、はぁ!?な、なにを言ってるのよ!!」

 

 話が急に変な方向へと切り替わる。

 ゴンベエに思いを伝えるべきって、確かにあいつのおかげでパワーアップする事が出来たし、アルトリウスの真実を知ってもなんの迷いもなく私に味方するって言ったりしてくれたけど、別にアイツの事なんてこれっぽっちも思ってないわ。

 

「貴女、彼が鞘になろうかと聞いた時に満更でもないって思っていたわよ」

 

「なにを言ってるのよ!大体ね、ここまで穢れた業魔を女として好きになるなんて」

 

「業魔を理由に女を捨てないで!!」

 

 なんでこのタイミングでセリカ姉さんになるのよ!

 

「貴女と出会って間もない頃に貴女が絶世の美女だって彼は何度も言っていたわ。彼は貴女を女性として見てるわ」

 

「そんな目で見ないようにしているって言ってたわよ」

 

「そんなに否定して……貴女がツンデレに成り代わったのは知っているけど、少しは自分の気持ちに素直になったらいいわ」

 

「男なんてもう懲り懲りよ」

 

 義理の兄にも実の弟も信じて騙されてしまった。今更恋なんてしたいなんて言えない。

 それにあいつにはアメッカがいるわ。アメッカは口にはしていないけれどゴンベエの事を思っている。横取りなんてするつもりは無い。

 

「他に誰か好きな人がいるの?ダイル?ロクロウ?アイゼン?ベンウィック?」

 

「違うわよ。てか、身内で固めないで!」

 

 別に誰かを好きになっていないわ。

 セリカ姉さんの姿になったシアリーズはジッと私の事を見つめてくる。

 

「貴女はセリカが死んでからライフィセットの事にばっか目が向いていて女を磨く事を出来なかった……少しぐらい、自分の幸せを見つめてね」

 

 シアリーズはそう言うとセリカ姉さんの姿から元の姿に戻る。

 ここで私の意識は途切れて目を覚ます……疲れを取る筈の仮眠なのに、逆にドッと疲れたわね。

 

「……」

 

「これでいいか」

 

 外の風に当たろうと外に出るとゴンベエは雪だるまを作っていた。

 1つや2つじゃない、私達をモチーフにした雪だるまを作っており今は私の分の雪だるまを作っていた……

 

「1発ぶん殴らせなさい」

 

「急に唐突だな!?……なにかあったのか!?まさかメルキオルのクソジジイが不意打ちでも」

 

「いいからぶん殴らせなさい!」

 

 私はゴンベエに一発ビンタを叩き込む。

 結構本気で叩き込んだのだけれどゴンベエは何事もなくケロッとした顔で立ち上がり、私が満足をしているのが分かったのかなにも言ってこない

 

「……ゴン、ベエ……」

 

「なんだ?」

 

「あんた、なんで私の味方でいるの?災禍の顕主はアメッカやあんたの敵でしょ」

 

「そりゃヘルダルフの事だ。あの野郎はどうしようもないクズだがお前は違う……お前は家族思いの立派なお姉ちゃんだ……大好きな時間を奪った、世界の為になんて大義名分があってもよ……どうしてもムカつくだろ」

 

 悲しい過去とか壮大な意思とか、そんなものをゴンベエは持ち合わせていない。

 ただ私を悲しめたアルトリウスに対してムカついているからゴンベエは私の味方になってくれる……コイツは私が何者でも普通に接してくれる。左腕を喰魔に変えても一切怯える様子はない、それどころか逆に触れてくる。

 

「一人の女性が世界に立ち向かってるんだ、頑張れって応援させてくれよ」

 

「……それアメッカにも同じことが言えない?」

 

「かもな……でもお前はお前でアメッカはアメッカだ。オレはお前の復讐を見届けるし味方で居るつもりだしアメッカは自分の足で歩ける様にはする……裏切ることはしない。もし裏切ったら残りの人生の半分をくれてやる」

 

「そこは全部でしょう」

 

 クスリと私とゴンベエは笑い合う

 こんな時に思ってはいけない感情かもしれないけれど楽しい、面白いと思っている……そっか……そうね……。

 

「ねぇ、ゴンベエ」

 

「なんだ?」

 

「好きよ」

 

「そうか………………え?なんて」

 

「だから、好きって言ってるじゃない」

 

 ゴンベエと一緒にいると調子が狂っていたけど不快な思いはしなかった。

 今なら分かる女性として素敵だって言われたから嬉しかった……女性らしくしようとは思っていないのに、女を捨てたと思ってたのに。揉まれた時とか顔に挟まれた時とかぶん殴ってもいいって言われた時、女として見てもらえなかった事が若干苛立ってた。

 恋なんて色々とあるから偏にコレが恋なんて言うのは難しいかもしれない……けど、言葉にしたら凄く肩の力が軽くなった。今までにないぐらいに気持ちいい心地になった。

 

「私、あんたの事が好きなのよ」

 

「あぅ……おぉ……いぇ……」

 

「気持ち悪い喘ぎ声を出さないでよ……いきなりで迷惑なのは分かってるわ」

 

「いや、迷惑じゃねえ。迷惑じゃねえけど……なんだ……うん……あまりにもいきなり過ぎて気持ちの整理が追いつかない」

 

 どう答えればいいのか悩むゴンベエ。

 私だって気持ちの整理は追いつかない……ゴンベエが好きだって事が分かっただけで、そこからなにかが急激に変わるわけじゃない。何時も通り私はカノヌシとアルトリウスに対して復讐の憎悪を抱いて、ゴンベエは横から色々とバカな事を言ってくる。ただそれだけ。

 

「気持ちを受け入れろなんて言うつもりはないわ。ただ知ってほしかっただけ……あんたにはアメッカが居るから」

 

「オレはアメッカをそんな目で見てねえしそんな関係じゃねえよ……ただ、その、なんだ……オレみたいなのを好きになってくれてありがとう」

 

「みたいなのは止めなさい……あんたはいい男よ」

 

 近くの階段に座るゴンベエの横に座り、肩に寄りかかる。

 過去に女性でトラブルでも起きたのかは知らないけど、変なところで自己評価が低かったりする……けど、立派な男よ。

 

「もし、もしあんたがあの時に側に居てくれたなら……なんて妄想ね」

 

 過去をやり直したい気持ちはなくはないけど、それでも私達は前に進まないといけない。過去をやり直す事が出来てもそれはしてはいけないこと。ゴンベエともっと早く出会えればなんて考えるけれど考えるだけで、そこから先は考えない。ただの妄想よ。

 

「ゴンベエ……」

 

 ギュッとゴンベエの左手を握る。

 喰魔になってから熱を感じにくくなったけど、熱の感覚は覚えている。コレはきっと暖かいもの。

 

「……」

 

「……その……今までありがとう」

 

 私はそう言うとゴンベエにキスをした。




ベルベットの称号

恋する乙女

説明

実の弟や義理の兄に騙されて男なんてもう懲り懲りと思っていたが肩の力を抜いた結果、彼の事を愛している事に気付いた乙女。
彼の事が大好きだと気付いたからと言って劇的になにか変わるわけではない。しかしそれでもちょっとぐらいは乙女な一面を見せて彼には甘えてみる。


盛大なまでの告白よりもこういう感じに流して言うのが好きな作者は捻くれ者です。もうちょっと盛り上げようと思えば出来るんだけどここまでにした。

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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