「ああ、くそ……3本か、そいつぁ予想外だ」
小太刀二刀流と太刀の一刀流を駆使してロクロウは遂にシグレに打ち勝った。
斬られたシグレは満足気な笑みを浮かべているがゆっくりと死に向かっていっている。
「遂に征嵐は征嵐になったか……クロガネへの花向けだ。號嵐を持ってけ……後なムルジムは見逃してくれや」
ブスリと地面に突き刺さる號嵐にシグレは目を向ける。
ロクロウは地面に突き刺さった號嵐を手に取り、落とした自分の二刀の小太刀共々、鞘へとしまった。
「シグレ」
「アルトリウスやゴンベエにってかなり頑張ったってのによ……悪いな、ムルジム」
自分の死を悟ったシグレは光を放つ。
猫の姿をしているがムルジムもまた天族である事には変わりは無い。器であるシグレが死ねば連鎖的にムルジムも死んでしまう。それを防ぐにはシグレが死ぬ前に器の契約を解除する……ムルジムはシグレとの繋がりを絶った。
「貴方らしい最後よ」
「そうか」
「シグレ……あの上意討ちは」
「どの道おん出たさ。飼い犬暮らしにウンザリしていたんだからよ……小難しい事を考えんじゃねえよ、バカ野郎が」
過去に思いを拭けて少しだけ悲しげな顔をするロクロウにシグレは笑う。
「斬れたら嬉しい、斬れなきゃ悔しい、斬られれば死ぬ……ただそんだけだ。だからこそ剣の世界は面白え」
「ゴンベエ、頼みがある……その剣をシグレに見せてやってくれないか」
間もなくシグレは死んでしまう。最後だとロクロウはゴンベエに頭を下げる。
ゴンベエは無言でシグレに近付くと背中の剣を抜いてシグレに見せるとシグレは満面の笑みを浮かべあげる
「ははっ……俺の、目には狂いは無かったな……そいつはスゲえ剣だ……號嵐と本気で撃ち合いたかった」
「そうだな……聖寮は勘違いしている奴等が多かったりしてクソ野郎の溜まり場に近い……でも、お前は違う……お前は、お前の魂は今から四聖主を目覚めさせる為に使う。輪廻の輪に入って生まれ変わる事はない……」
「もっと、別の形で会えたらってか……嫌だね。俺はあん時お前にボコボコにされて嬉しかったんだぜ、まだまだ高いところがあるってしれてよ」
「……オレはお前を供養しない。だが、ありがたくお前の魂は使わせてもらう」
「使いな、俺はもう満足だ……ああ、1つだけ気を付けとけよ。メルキオルの野郎はお前を殺すのにあの手この手を使ってくる」
「安心しろ、あんな雑魚がなにしてこようがオレは負けない……なにせ、オレは強いからな」
「……アルトリウスもお前、ぐらいに、あた、まが柔らか、かったら、な……」
シグレは満足気な顔で目を閉じた。
ムルジムを見れば俯いており、シグレは死んでしまった
「ベルベット」
ロクロウはベルベットに声をかける。ゴンベエが私達に貼っているバリアを解除するとベルベットは左腕を喰魔化させてシグレを喰らった。
シグレの最後の頼みを聞いてムルジムには手を出さない。ムルジムはシグレの最後を見届けて満足したのか私達が通った道と同じ道を通ってキララウス火山を降りていった。
「……っぐ……シグレ様……」
「エレノア……」
シグレの最後を見届けたエレノアは涙を流す。
シグレは最後は満足気な顔をして死んだのだが私達よりもシグレの事をよく知っているエレノアは悲しむ。兄弟同士で殺し合った結果が死だった。
「泣くな、とは言わん……だがな、否定はするな。シグレも俺も剣士なんだ、剣の道を生き、最後には斬られて死んだ。実に剣士らしい道を生きていた」
「……気持ちは少しだけ分からなくもないです、でも」
「なら泣いとけよ……それはお前の心の弱さなのかもしれない。でも、お前はそれを背負って生きていくんだろう」
涙の数だけ人は強くなれる。エレノアはシグレの死を悲しみ、大粒の涙を流す。
エレノアにかける言葉はない。ロクロウの言うとおり、心の弱さをエレノアは背負ってそれでも前に進んでいくのだから。シグレの遺体が完全に喰らわれて無くなると私達は次に進む。今度はメルキオル、ゴンベエの番だ。
「コレでロクロウの目的も果たしたな」
「……いや、果たしたとは言えん」
シグレを斬って、號嵐に打ち勝ちクロガネ征嵐を本物の征嵐にする。その目的をロクロウは果たした……が不満そうな顔をしている。
あの戦いは見る者が見れば名勝負と言える戦いで、誰にも邪魔させない究極の一戦と言える……なにが不満なのだろうか。
「俺は俺の持てる全てをぶつけた……だがそれでも届かなかった。クロガネという刀とお前との僅かな時間の修行が無ければ、シグレの一刀流と號嵐に打ち勝つ事が出来なかった。俺だけの力でシグレに本当の意味で勝つことが出来なかった。あいつは最後まで最強の剣士だ」
「ここに来ての不満かよ……肝心のシグレは殺してしまった。魂もこれから四聖主に捧げて生まれ変わるとかも無い、どうやって越えるんだ?」
「決まってる。シグレをぶっ飛ばしたお前を斬るんだ」
「また随分とぶっ飛んだ目標だな……シグレですらまともに相手にならなかったのに、オレとクロガネの助力があってシグレを斬ることが出来たお前がオレを斬れるか?」
「なに、オレは業魔だ。かつてクロガネが號嵐に打ち勝つ為に数百年研鑽してきた、だったら俺もお前を斬る為に数百年腕を磨くだけだ……ま、その前にベルベットの恩を返さないといけない。俺は最後までこの戦いでベルベットの味方だ……號嵐と征嵐、2つの太刀を使った二刀流を極めてやる」
「その前にお前を倒す剣士が現れるかもしれねえけどな」
「そん時はそん時だ……その前に一杯、夜桜あんみつでやるか」
「酒と甘いものはデブの元だぞ」
現代では嵐月流の名前を一切聞かない。
元々異大陸の住人の剣術なのを考慮しても……きっとロクロウは1000年の間に誰かに……いや、考えるのはよそう。シグレが剣士として立派な最後を迎えた様にロクロウも剣士として立派な最後を迎えた筈だ。
號嵐は後で取りに来るとシグレの墓標代わりに地面に突き刺してキララウス火山を突き進む。
「暑い、暑い、あっっつうううい!!」
「暑い暑い言わないでください!余計に暑くなります」
「場所が場所だけに仕方ない」
キララウス火山を進むと暑さがより増してくる。
目の前には火口がある場所を歩いているのだから仕方がない事だがマギルゥは不満を零す。
「アメッカ、お主なんでそんなに平然とした顔をしておる!!」
「え……確かに暑いには暑いが、騒ぐほどのものでもない……?」
「いえ、あの、滅茶苦茶暑いですよ。マギルゥの様に口にしてませんがかなりキツいです」
私がおかしいのだろうか。暑いと感じているが不快感は無い。どうなっているのだろう。
「お前の槍を作る段階で炎のメダルとかぶち込んだからな……大方、熱に対する耐性でもついたんだろう」
「なんじゃとぉ!お主、ズルをしておるのか」
「しているというよりは勝手にこうなっているんだ」
一応は暑いとは感じている。ただ不快になるだけのものじゃない。
マギルゥは憎らしそうな視線を私に向けて槍を奪ってこようとするのだがこの槍は私の一部なので渡すわけにはいかない。
「ここ、吹き上がってくる地脈の力を感じる。ここがきっと地脈湧点だよ」
「そう、ここに魂を打ち込めばいいのね」
「……あれ、メルキオルのクソジジイがいねえな」
マギルゥ達と言い争っていると大きな場所に出る。
ライフィセットがこの場から力を感じ取った様だが……メルキオルが何処にもいない。
「まさか、逃げたのか!?」
堂々と待ち構えて心水を一杯飲んでいたシグレに対してまさかのメルキオルは逃亡。
今日の緋の夜さえ過ぎれば私達はカノヌシに対抗する手段は無くなり、今までのメルキオルの行動からしても逃亡はありえる。
「シグレまで喰らったか、災禍の顕主!!」
何処かに潜んでいる可能性があると辺りを見回してみると激昂するメルキオルの声が響いた。
これは……上から響いているな。
「だが、対魔士でも四聖主の覚醒の生贄になる魂はオスカー、テレサ、シグレ、後はこの儂ぐらいであろう」
「ったく、山頂にいるのかよ……ここが地脈湧点なんだからここに待ち受けとけよ」
「今のお前が喰らっている魂は3つ、それでは不完全に3つの聖主しか目覚めさせる事が出来ない。カノヌシの力を封じることは愚か地水火風のバランスが乱れてこの火山は爆発を巻き起こす。四聖主を同時に覚醒させたくば儂の魂を喰らいにくるがいい」
「……誘っているのか?」
「どう思う、マギルゥ?」
メルキオルはこの場にはいない。山頂にいるのが分かったが明らかに誘っている。
コレまでに何度も何度も辛酸を舐めさせられたので私達は警戒心を強め、ベルベットはマギルゥに意見を求める。
「そうじゃの、メルキオルの得意なのは氷……ここは灼熱の火口で、氷もあっという間に溶ける。幻術の仕込みの事も考えれば罠じゃろう」
「……凄く、今更な事だがマギルゥはメルキオルと知り合いなのか?」
これが明らかに罠だとしても私達は乗り込まないといけない。
シグレを譲った代わりだとゴンベエはやる気を出しているのだがふと気になったのでマギルゥに尋ねてみる。
「まったくもって今更じゃな……昔のワシの名はマギラニカ・メーヴィン、メルキオルの養女で破門された愛弟子じゃよ」
「マギラニカって、その名は欠番の特等対魔士!!」
「おぉ、名前を残しておったか。十年も前に破門されたというのに」
「マギルゥ、そんなスゴい人だったのか……」
「別にスゴくもなんともない。アルトリウスとベルベットの関係性に似ておるよ、恩も怨も……じゃから気にせずにあのジジイの鼻っ柱を叩き折れ、ゴンベエ」
「ん〜そうだなぁ……ぶっ殺すのは簡単なんだけどな……」
アルトリウスとベルベットの関係に似ているのならそれはかなり重要じゃないだろうか。
マギルゥは相変わらずどうでも良さげにしており、ゴンベエに八つ裂きにしてくれと言うが肝心のゴンベエはなにか悩んでいる。なにを悩んでいるのかは私には分からない。
「しかし、メルキオルの本気か」
ゴンベエを殺す為に色々と準備をしているとシグレは言っていた。
聞くところによれば監獄島でゴンベエを封印するつもりだったのだがゴンベエの圧倒的な強さの前に封印の術式は意味を持たず、ゴンベエは息を吐くのと同じぐらいの感覚で封印を打ち破った。未完成の神依を発動している対魔士の首をパキリと簡単に折ることが出来るゴンベエに対して仮に現代の様に完成した神依を発動したとしてもメルキオルがゴンベエに勝つイメージは無い。
メイルシオを拠点とし、緋の夜になるまでの数日だけゴンベエに修行をつけてもらったからゴンベエの強さは身に沁みている……私を人質にするつもりだろうか。
「まぁ、あのジジイならばあっと驚く事をするじゃろう。なにせ今の聖寮が使っている術の殆どがあのジジイが開発したものじゃ……ワシの術やエレノアの術、それにアイゼンや坊の聖隷術はぶつけても対処されるだけがオチじゃろうな」
「威張るだけの事はあるか……だからといって負けていい理由にはならない」
「なぁに、今回殺るのは災禍の勇者様……底を全くといって見せておらん化け物じゃよ」
「いいのか、マギルゥ……色々と因縁が」
「構わん。ゴンベエの奴に任せる……あやつなら、きっとメルキオルのジジイをあっと言わせるじゃろう」
色々と因縁があるのにも関わらずマギルゥはゴンベエに譲った。
マギルゥは色々と思うことがあるのだろうが、それでもゴンベエに任せる……ならば見届けるだけだ。きっとゴンベエならばなんとかする。
マギルゥが暑い事に対して不満を誑したりしながらもキララウス火山を登っていくと、豪雪地帯に辿り着き山頂に向かえばそこにはメルキオルがいた。
「デラックス……いや、やめとくか」
会って早々に不意打ちを決めようとするゴンベエだが手を止めた。
メルキオルに対して警戒をしているから、ではなくなにかの考えがあってやめた。
「クソジジイ、最後の言葉ぐらいは聞いてやるよ」
「……四聖主は本来地水火風の自然を調和させ、世界の秩序を維持する存在だ」
四聖主についてメルキオルは語る。
四聖主のアメノチを祀る文明が聖寮の手によって滅びかけていたがあった。四聖主は地の主をよりパワーアップさせた存在だ。
「お前達はそんな四聖主が眠りについた理由を考えた事はあるか?」
「四聖主は地の主の様な存在だ。人々が信仰すべき存在で、この時代の人達も天族の存在について疑心暗鬼になっていて信仰をしない。そうすれば天族は私達人間に加護を与えずに見捨てられる」
「ほぅ……知っていたのか、祈りの力を、加護を」
私の考えは間違っていなかった。四聖主は地の主をより大きくさせた存在であった。
「四聖主の力は祈りの力、だが人々は穢れを放ち聖主に対する感謝の祈りを捧げなくなった!その為に四聖主は眠りについた」
「はぁ……ここの時点で既にループに入ってるのか……5番目の聖主様であるカノヌシはなにやってんだよ。普通の人間に聖隷を視覚させる事が出来る力を持ってるだろう。なんでこんな人の尊厳を踏み躙る様な真似をしやがる」
「第5の聖主であるカノヌシは穢れごと人の心を喰らい、無に還す役割を担っている」
「……その言い方だとやはりカノヌシの鎮静化は何度かはあったのか」
あの本があるということは逆説的にカノヌシの鎮静化は何度かあった。ゴンベエの読みは大きく的中している。
「そう……お前達はおかしいと感じた事は無いだろうか?この国の歴史について」
この国の歴史……私からすればこの時代は私の先祖が生きている時代であり、本来ならば全く関与出来ない。
歴史……そういえば1000年以上も前の出来事は文献に記録されていない。今回みたいな事が起きれば歴史の闇に葬り去られるが、そうだとしても歴史が飛んでいて時代が異なれば文字も大きく異なっている。
「穢れの拡大とカノヌシによる精神の浄化は太古の時代より続いていた……人間の文明は一度滅び新たに作られてきた」
「まったく、どうしてこうもオレの勘は当たるんだ」
世界の歴史が途切れているのは偶然ではなかった。ゴンベエの予感が的中した。
カノヌシの鎮静化と人間の文明のリセット……ならば、過去に栄えていた文明が滅びたのもすべてカノヌシの鎮静化による力。
「カノヌシの鎮静化と人間の文明の発展は繰り返されている。このままでは人間は一歩も前に進むことは出来ない……だからこそ聖寮はカノヌシの力を制御し、世界を新しく生まれ変わらせる。穢れのない世界を」
「おい、それ結局は天族頼りじゃねえか。人間が人間の文明を開花させなくちゃ進歩しねえ、神秘的な力を一切無しで雷を巻き起こす装置とか石油で色々と作ってこその進歩だろう」
メルキオルの思想にゴンベエは異議を唱える。確かに今までと、いや、現代とはなんら変わりは無い。
人が天族に頼らなくてもいい様な技術を開発していない。カノヌシという天族を頼りきった状態である。
「貴様は今までなにを見てきた人が背負いし業の深さはどれほどのものか知っている筈だ」
「脳無しが、そんなもんじゃ原始的な文明から一歩も進まん……新しい道を作れるのは何時だって業を背負いし異端なんだぞ。ま、お前はここで死ぬからそれで終わりだが……神依を使ってくるんだろう。さっさとしろよ」
中指を突き立てて挑発するゴンベエ。そんなゴンベエをメルキオルは強く睨みつける。
「本来、神依はカノヌシを制御する術だ、その術を構築する為にザビーダの持つジークフリートの術式が必要だった……貴様等はここで儂が殺す」
そういうとメルキオルの前に兜をつけた何時もの格好をしている4人の天族がいた。
赤、青、緑、黄色の服を着ている天族……!
「光あれば犠牲という影もある。世界の為の贄になるのならばこの身は喜んで捧げよう」
「まさか、やるのかアレを!!」
「なによその、アレって」
「地水火風の天族を全て使った神依だ!」
ヘルダルフに撃ち破れたスレイに対してゴンベエが送った助言、地水火風の天族4人と同時の神依。
地水火風、4人の天族の器となり自身の中に納める事が出来るのならば理論上は出来る……だが
「完成された普通の神依ですら肉体に負荷が掛かるというのに未完成の状態で4つ同時の神依なんて、死ぬぞ!」
メルキオルは文字通り本気でゴンベエを殺しに掛かろうとしている。
4人の天族はメルキオルの中に入るとメルキオルは眩い光を放っている。
「……そこか!!」
「なにを……!?」
4属性の神依を発動しようとしているメルキオルではなく背後に向けて無明斬りをゴンベエは放つ。
何処に撃っていると思えば、無明斬りは空中でなにかに激突をしてメルキオルが姿を現す。
「貴様、何故……」
「お前は臆病な人間でもあるからな……グダグダとオレ達に話をしている隙になにかやってくる。案の定、オレ達が話していたお前は偽者でお前は姿を幻覚で隠していた……オレは学習する人間で、アメッカ達と違って人を疑う事の大切さも知ってるんだよ……ま、流石にその形態は予想外だがな」
赤、青、黄色、緑と各属性の神依の特徴が出た姿へと切り替わっている。
力が安定していないが紛れもなく四属性同時の神依を発動しており、流石のゴンベエも驚いている
「この姿は長くは持たん……だが、その前に貴様を」
メルキオルは神依の状態を維持したまま穢れを集める。
「空裂斬……ロクロウ、さっきは譲ってやったんだ……オレの思うようにやらせろよ」
「ああ、お前の本気を見せてもらう」
ゴンベエは背中の剣を抜いて穢れの塊に向かって斬撃を飛ばし、浄化した。
「何故だ……何故貴様は」
「こんな力を持ってるかって聞かれれば……災禍とはいえ勇者なもんでな」
ゴンベエの浄化の力を目にし表情を変えた。
この時代ではまだ存在しない穢れを打ち払う事が出来る浄化の力は持っている方がおかしい力で、ゴンベエは力の出処について答える。
「どうした……穢れをぶつけてみろよ。それともこの程度で終わりなのか?」
「抜かせぇ!」
穢れの塊をゴンベエにぶつける。
ゴンベエは剣を使って穢れを打ち祓う事はせずにそのまま穢れを受け入れると同時にお面を取り出して装備すると穢れはより強く凝縮していくと顔に模様が浮かび上がった鬼神……ではなく、角の生えた人型の狼の様な姿に変貌していた。ゴンベエが憑魔化した
「
憑魔化したゴンベエだが何時も通りのゴンベエで理性は保っていた。だが、何処かつまらなさそうにしており浄化の光を放つと元の姿に戻った。
その姿がメルキオルは我慢が出来なかったのか激昂する。
「貴様は何故それほどまでの力を持っているのになにもしない!貴様には業魔を打ち払うどころか元の人間に戻す事さえ可能だ!何故だ!世界が背負いし業を、穢れを打ち祓わん!勇者を名乗ると言うのに世界を救おうとしない!世界の真実を、理を知っていて何故嘆かん!!」
ゴンベエの力に対してメルキオルは不満をぶちまける。
確かにそうだ。あれだけの力があればゴンベエは世界だって救う事が出来る。あくまでもここは過去の時代だ……そう一線を敷いていて浄化の力を使おうとしないが、現代でも力を振るう事は無かった。コッソリと私をサポートするだけに終わっていた。それこそ導師になれる機会も何度もあったのにゴンベエはなにもしなかった。
「なんだ、そんな事か」
「そんな事だと?ならば、答えてみろ!!貴様は何故なにもしない!」
メルキオルは問う、ゴンベエになにもしない理由を。
「……めんどくさい」
ゴンベエから返ってきた答えはあまりにもシンプルだった
スキット 配役
モアナ「ズールい!ライフィセット、ズールーい!」
ライフィセット「ええ……僕も好きでやってたんじゃないんだよ!!」
モアナ「だったらモアナにやらしてよ!モアナの方が似合うもん!!」
エレノア「なにを言い合っているのですか?」
マギルゥ「ライフィセットの魔法少女の格好の事をモアナが知っての、自分が着たかったと駄々をこねておるんじゃよ」
エレノア「あぁ……」
モアナ「モアナの方が上手に魔法少女が出来るもん!ピリカピリララ!」
ライフィセット「そういう感じの魔法じゃなかったよ……フブキのゴミみたいな魔法だった」
ゴンベエ「モアナ、ライフィセットは魔法少女ではあるがカードキャプターと呼ばれる種類に分類されているんだ」
ライフィセット「そんな細かに分類されてるの!?」
ゴンベエ「そうだ。魔法少女の魔法って色々とあるんだよ」
モアナ「ゴンベエ、モアナも魔法少女になりたい!!」
ライフィセット「モアナもって、僕は男の子だからね!!」
ゴンベエ「ブッキーが言っていた男の娘だろうが……モアナが魔法少女ね……既に変身してる状態じゃねえの?」
モアナ「違うもん!モアナは本当は滅茶苦茶可愛いんだよ!」
ゴンベエ「今の時点で充分に可愛いだろう……配役的に言えばモアナとライフィセットが魔法少女として他はどういう感じのポジションになるんだ?」
マギルゥ「なんだかんだでノルんじゃな」
ゴンベエ「こういう語り合いは大事なんだよ。子供の夢は大切にしねえと」
マギルゥ「ふむ、ならばワシは魔法少女達の大元である大魔女じゃのう!」
エレノア「でしたら私は」
マギルゥ「エレノアは坊とモアナの先輩に当たる魔法少女じゃ」
エレノア「ええっ!!」
ゴンベエ「おい、おいなに言ってる。ブッキーと色々と言ったのを忘れたのか、女は16で熟女、18でババアになる世界なんだぞ!!エレノアはキュアメロディになる素質はあるがあるだけで既に老け入るババキュアSilverSoulなんだぞ」
マギルゥ「他に先輩役はおらんじゃろう。ベルベットは悪の女幹部、ロクロウは武人肌の悪の幹部、アイゼンは目的の為に悪の組織にいる一員なポジションじゃ」
エレノア「悪の組織役、多くありませんか!?」
ライフィセット「基本的に僕達悪人だからね……アメッカは?」
ゴンベエ「アメッカは……ライフィセットとモアナが通う学校の担任だな。元魔法少女の新米教師ってところか」
エレノア「私はどちらかと言えばそっちの方がいいのですが」
ゴンベエ「アメッカにキュアババアは荷が重すぎる。ババキュアはホンマにアカンって。キュアメロディの素質があるエレノアが代わりを務めないと……まぁ、そんな感じだな」
マギルゥ「お主、サラリと自分の事を外しておらんか?」
ゴンベエ「いやいや、オレはほら……いい感じの役割が無いからさ。百万歩譲って、頼りになるお兄さん、正体は不明だが手を貸してくれる謎のマスクマンがお似合いだ」
エレノア「自分だけズルくありませんか!貴方は…………ダメですね。ロクな役が浮かびません。普段が普段だけに、まともな役が……」
モアナ「だったら皆で魔法少女になろうよ!」
ゴンベエ「ベルベットとマギルゥとアメッカとエレノアは大きなお友達に許されるけど、メディサとかは完全に魔法熟女」
メディサ「ふん!」
ゴンベエ「だよなぁ……」
メディサ「そんな、効いてないの!?」
ベルベット「ゴンベエをぶん殴るのにはコツがいるわ……変な妄想してるんじゃないわよ。気持ち悪い」
ゴンベエ「いや、流石に見てていたたまれない気持ちになるのは妄想しねえよ」
アリーシャ「次回【それはそれはめんどくさい】……ゴンベエのめんどくさいは本当は──」
ゴンベエ「それ以上はネタバレだぞ」
ゴンベエが憑魔化した姿はガオレンジャーの狼鬼をイメージしてください
番外編
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続 異世界プルルン転生記
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ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
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ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
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まゆゆんの貧乏くじ
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スペシャルスキットの続き