テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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異世界からの漂流者

「聖寮の奴等、ふざけんじゃねえぞ!!今まで堅苦しい規律を守ってやったってのに」

 

「対魔士達が業魔から身を護ってくれるから今までに我慢してたのに」

 

「そうだ。特等対魔士のメルキオルとシグレは災禍の顕主に殺された。マギラニカは行方知らず、オスカーやテレサといった有望株も殺されて……この国はもうおしまいなのか」

 

 ベルベットがネコアレルギーだと知った次の日のこと。

 メイルシオを出てアリーシャの提案した通りローグレスに向かうことを決めてゼクソン港に辿り着くと前とは違い、賑わいに溢れていた。

 アルトリウス達がやろうとしていた鎮静化がどれだけ残酷な事なのかが嫌でも分かる……例え悪態ついてても、胡座をかいてても、実に人間らしく生きているとオレは思う。

 

「いらっしゃい、待っていたわよ」

 

 ゼクソン港で鎮静化と今の状況がどうなっていたのか確認するとローグレスに向かった

 ローグレスの方も案の定、対魔士達に対する不満を愚痴っていたりする者が多かったり、こんなご時世だから明るく生きようと前向きになっていたりする人達が多数いた。本当に鎮静化なんて起きたのだろうかと思えるぐらいの豹変……鎮静化すれば人々は意思を奪われてしまう。それこそ歴史に誰も名前を残さないぐらいで……意識が無かった状態の事を覚えていないんだろうな。

 

「シグレとメルキオルを倒したそうじゃない」

 

「相変わらず早いな」

 

 シグレとメルキオルの2人を殺した情報を婆さんは知っていた。

 アルトリウス達を殺す過程でメルキオル達が立ち塞がるのは分かっていることでベルベットが宣戦布告したからある程度は情報が入ってくるが……それでも情報を手に入れるのが早すぎる。

 

「今こうして酒場を開いてられるのは、あの二人を倒したからでしょう」

 

「ま、ある意味間違ってはおらんのう」

 

 何事も無かったかの様に酒場を再開する事が出来るのはメルキオル達を生贄に捧げたから。

 少し考えれば分かることであり、血翅蝶の情報網を使えばこんなのあっという間に辿り着くわ。

 

「今日は奢らせて、貴方達にお礼をしたいわ。ピーチパイにマーボカレー、極上の心水もあるわよ」

 

「タダより高い物は存在しない、なんか裏があるだろう」

 

「コレは純粋な私のお礼よ」

 

「コレは、ね……」

 

 つまりはなにか裏があるということだ。他人の好意には時として甘えないものだ。

 ウッカリと口が滑った婆さんだが、別に口を滑らせても問題は無いのか何事も無かったかの様にジュースをオレ達に配る

 

「アルトリウスとカノヌシは聖主の御座に居るわ……鎮めの儀式とやらを行っているらしいけど……今はどうなっているのかが分からない」

 

「流石の血翅蝶でも聖主の御座は無理みたいね」

 

「いえ、違うわ。聖主の御座に結界の様な物が貼られていて入る事が出来ないのよ」

 

「結界?……もしかしてまたA級の聖隷を4人連れてこないとダメな結界なの?そうだったら……ザビーダに協力してもらわないと」

 

 1回目と同じタイプの結界が貼られているのかと考察するライフィセット。

 あの時と同じ結界を貼っている……いや、なんの為にだ?あの結界はA級の天族4人が居なければ突破できないもので、こっちには天族は3人しかいない。天族が対魔士達から離れていって何処かに行った今は探すのが難しい。それどころか協力を要請しても無理……でも、ザビーダならば確実に協力をしてもらえるし、最悪オレが結界をぶった斬って突破する事が出来る。

 

「……もしかしてアルトリウスは万全の状態で私達を迎え討つつもりじゃないだろうか?ゴンベエがカノヌシを死ぬ寸前までに叩きのめしたし、アルトリウスにも大怪我を」

 

「けどよ、シグレも同じぐらいにボコボコにされてる筈だぜ。そのシグレが何事もなく俺達の前に現れてくれたんだ、傷の完治はちょっと違うんじゃねえのか?」

 

「なら……そうか、神依だ!!」

 

 アリーシャはアルトリウス達が貼った結界について色々と考察する。

 カノヌシは特にボコボコにしたがシグレとアルトリウスが受けた傷は大して変わらない、完治云々を考慮してもカノヌシはともかくアルトリウスの傷は治っている。

 

「神依がどうした?」

 

「思い出して、メルキオルが神依を使ってきたのを」

 

「……ありゃ驚いたな」

 

 地水火風の同時てんこ盛り神依。未完成だったとはいえやってきたのは驚いた。

 未完成の状態でてんこ盛りが出来るのならば完成された現代での神依を用いれば使用者には負荷が掛かるものの出来るという事が分かっただけでもありがたいことだ。

 

「ゴンベエとアメッカは完成された神依を知ってるんだよね、メルキオルの使っていた神依はどうだった?」

 

「どうと言われても私の知っている神依とは大きくかけ離れていた。私の知る神依は名前を呼ぶものだが……」

 

「あの四属性の神依も未完成……メルキオルはクソジジイではあるものの優秀な人間だ。そんなジジイですら未完成の術……まさか」

 

「うん。カノヌシの神依がまだ未完成なんだと思う」

 

 メルキオルのクソジジイが未完成の神依を使っていたからその線はありえるな。

 

「神依はカノヌシを制御する為の術だとメルキオルは言っていた……聖主の御座に貼られている結界はカノヌシの神依が完成すれば」

 

「自動的に解除されるってわけね……いいじゃない、乗ってやるわ」

 

 聖主の御座に貼られていた結界について1つの答えを出すアイゼン。

 全力でオレ達を迎え撃つつもりならばベルベットもそれに答えるつもりで今は聖主の御座に行かない様にする。

 

「タバサ、パーシバル殿下に繋ぐ事はできないか?……このままだと世界が本当に滅んでしまうかもしれない」

 

「随分と急ね」

 

 マーボカレーやピーチパイ等をいただいているとアリーシャは深刻そうな顔で殿下に話を繋げれるか婆さんに聞く。

 ライフィセット曰くカノヌシの方が若干上な状態で領域の力が拮抗している。その状態をより良くするもしくは維持する為には四聖主に対して祈りの力を送り届けなければならない。今後の事も考えればそれはとても大事な事で一人一人に聖主に信仰を捧げろなんて言っている暇は無いしめんどくさい。

 

「結論だけを言えばパーシバル殿下と会うのは暫くは不可能よ。ああ見えて行方不明に扱いになってて、国の要である聖寮は一気に弱体化、聖寮が上から抑えつけてたものが弾けて国の問題は山積みでそれを解決しないといけない……手紙を送ることぐらいなら簡単だけど」

 

 殿下に対して中身を見られない匿名の手紙を送ることが出来るって相変わらず血翅蝶凄まじいな。

 直接会うのは無理、アルトリウスを殺せばオレ達の旅はそこで終わりオレとアリーシャは現代に帰ってしまう……もうすぐこの旅は終わりを迎えようとしている。

 

「それで構わない」

 

「なら、代価を頂かないと。パーシバル殿下に匿名の手紙を送るのは高いわよ」

 

「お金ならば……いや、違うか。また誰かを殺せとでも言うつもりか?私は殺さず罪を暴く道を選んだ……暗殺は出来ない」

 

「分かってるわ、貴方の流儀に則った依頼がある……最近ね、ペンギョンを密猟してる団体が現れたのよ。そいつ等をどうにかしてほしいのよ」

 

 こんなご時世だから無闇矢鱈の乱獲は生態系に異変を与える。

 殺せという依頼じゃない、捕まえたら血翅蝶と繋がりがある憲兵にでも引っ張り出せばそれでOKとなんとも楽な依頼である。

 

「それだけじゃねえだろう」

 

 あまりにも楽な依頼だ。それだけで殿下に対して匿名の手紙を届けるのは安すぎる気がする。

 

「実を言うとね、貴方達に色々と依頼したいのよ。聖寮の対魔士達は力を失って、現状業魔とまともにやり合える一団は貴方達しかいない……悔しいけど、私達では業魔に打ち勝つことすら出来ないわ」

 

 藁にもすがる思いか。ここで気安く請け負っておけば弱味につけこまれたのかもしれないな。

 この国も色々と大変なんだと感じつつもとりあえずはペンギョンの密猟をしている連中をボコボコにすればいいと依頼を受けた。他にもなにやら物騒な依頼があったが、それは後回しにし、依頼料の先払いだとして今後やっておくべき事を纏めた手紙を婆さんに託した。

 アリーシャからの手紙、効力はあるかどうかは……現代があのザマだからな……多分、焼け石に水かなんかだろう。他にも色々と依頼があったのでそれを受諾するとローグレスを出ていき、ゼクソン港に辿り着くとそこにはムルジムがいた。

 

「あら、数日ぶりね」

 

「そっちこそ、生き延びたみたいだな」

 

「おかげさまでね……號嵐はちゃんと使ってるの?」

 

「いや、號嵐はまだ使わん。この戦いが終わってから使おうと思っている。それまでの間は小太刀二刀流とクロガネ征嵐で戦うつもりだ」

 

「そう」

 

 ホントに敵の関係だったかと疑うぐらいにサラリと会話をするロクロウとムルジム。

 號嵐は大事にメイルシオで保管されている事を伝えると少しだけ何処か寂しそうにしている。それだけシグレの事を思っていた……聖寮は天族を物扱いしていた。だがシグレはそういう風にはしていなかった。ある意味天族と人間の対等な関係を築き上げてたのはこの二人かもしれない。

 

「そういえばカノヌシが居たらしい祠に地脈の裂け目みたいなのが出来たらしいわ。もし時間があるんだったら見に行った方がいいわよ、カノヌシ関係だからアルトリウスの事を知れるかもしれない」

 

「そうか……ムルジム、これから社会と世界は大きく変わる。シグレみたいなのもいればオレ達みたいなクズもいる、けど人間を見捨てる事は止めてくれよ」

 

「どうしたの急に……私はシグレが居たことを、貴方達が居たことを絶対に忘れないわ」

 

 ムルジムは見た目こそ猫だが天族で先の時代まで生きる。導師の道をめんどくさがって選ばなかったオレが出来ることといえばこれぐらいだ。

 ムルジムはこれからは気ままに生きていく。猫らしい……いやまぁ、天族だが。しかしこの時は知らなかった、ムルジムとは意外な形で再会をする……なんて事を言ってたら、ホントに現代で再会するかもしれない。

 

「とりあえずは血翅蝶の人達でも探すか」

 

 ムルジムから情報は貰ったがそれはそれ、これはこれである。先に頼まれている依頼であるペンギョンの密猟者を退治しにイズルドへとやって来た。この辺りでペンギョンが取れるので乱獲している密猟者の居場所を血翅蝶からもらう。ボコボコにするだけでいいのは実にシンプルだ……いや、ホントに暴力で物事を解決してもいいって素晴らしいな。

 

「あ……すみません」

 

 血翅蝶の面々はホントに何処にでもいる。

 船から降りたら赤いバンダナを腕に巻いた1人の男性が声をかけてくる。血翅蝶の一員だな。

 

「事情はパスカヴィルから聞いている、敵は何処だ?」

 

 オレ達を代表してアイゼンが敵の居所を聞く。このパターン……敵は憑魔化してるとかいうオチもありえるな。

 

「その、ホントにすみません。入れ違いになってしまいました」

 

「どういうことだ?」

 

「ペンギョンの密猟者達はもう捕まりました」

 

「え……じゃあ……私達、無駄足だったのか!?」

 

「すみません、こっちもあまりにも急な出来事だったので……宿を取っていますので今日はそこで休んでください」

 

 これはアイゼンの死神の呪いかなにかだろうか。

 結果だけを見ればペンギョンの密猟者達を捕らえる事が出来たのでそれで良しとするのだが、どうも違和感を感じる。

 

「ワシ達以外で誰がペンギョンの密猟者を退治したんか……その辺の対魔士、ではなさそうじゃの」

 

 血翅蝶と情報が入れ違いがあってので詫びの宿で休むのだがマギルゥも腑に落ちない。

 その辺の対魔士達がぶっ飛ばす事が出来るのならばオレ達にわざわざ依頼してこない。

 

「聞いた、あのペンギョンの噂」

 

「ええ……なんでも密猟者達を退治したんですってね」

 

「ペンギョンが密猟者を退治した?」

 

 色々と頭を悩ませていると他に泊まっている客から意外な話を聞いた。

 なんでもこのイズルドにはこの世の終わりを告げるペンギョンが居るとか居ないとかで、そのペンギョンは「ボクハリーゼマクシアノイガクセイデス」と呪いの言葉を発していたとか……リーゼ・マクシア、なんかどっかで聞いたことがあるような無いような……何処だっけな。

 夜になるとそのペンギョンは現れるそうだ。

 

「どうする?」

 

 一応はペンギョンの密猟者達を捕らえる事が出来た。目的は果たしている。

 ペンギョンの密猟者達を捕らえたという喋るペンギョンについては気にならなくもないが、厄介事が待っているのだけは確かな事だろう。

 

「勿論、探すよ!喋るペンギョン、見てみたい!」

 

「……はぁ、ちょっと夜風に当たってくるわ」

 

「要約すると私も一緒に探してあげるわよだ」

 

「はいはい、そうですよ」

 

「ベルベットがゴンベエを殴らない!?」

 

 なにに驚いてるんだ、アリーシャは。

 ライフィセット達も喋るペンギョンがなんなのか気になるので、宿を出てイズルドを歩いていると1体のペンギョンと遭遇する。

 

「こんばんは、気持ちのいい夜ですね」

 

「そんな、食べ物が喋るだなんて」

 

 気さくに挨拶してくるペンギョンにエレノアは驚くしかない。

 

「貴方達もペンギョンを食べるんですか?」

 

「……なんなの、あんたは」

 

「答えてくれませんか、これは大事な事なんです」

 

「あたしはなんだって喰らうわ、必要ならね」

 

 またツンケンしちゃって、変な誤解が生まれるぞ

 

「そうですか……貴方達も前の人達と一緒……なら、やめてもらわなきゃ」

 

「ほっほ〜う、ペンギョンの分際でワシ達とおっぱじめようというのか」

 

 明らかに悪い空気を醸し出しており、マギルゥは挑発する。

 するとペンギョンは高らかに声を上げると……人間の姿に切り替わった

 

「な、なんと!ペンギョンが人間に化けおった!」

 

「いや……これは多分……」

 

 元は人間でなんらかの事情でペンギョンになっていたんだろう。

 そういう前に人間の男の姿になった青年はオレ達目掛けて殴りかかってくる……ったく、しゃあねえな。

 

変化弾(バイパー)・火花」

 

 話し合いよりも殴り合いを一回挟まないといけない空気で全員が戦闘態勢に入っている。

 相手の青年、中々にやりそうな佇まいなので悪いけど本気で行かせてもらうと5×5×5×2に分割した250発の軌道が変化する弾を撃ち360度、全方向から青年に弾をぶつけると青年は膝をついてペンギョンに戻った。

 

「っく、またペンギョンに戻ってちゃった……でも」

 

「待ってくれ、なにか勘違いをしている。私達はその、ペンギョンの密猟者ではない。むしろそれを退治しに来た業者の様なものだ」

 

「え……」

 

 微妙に話が噛み合っていない事に気付いたアリーシャは対話の姿勢を見せる。

 案の定と言うべきか男はオレ達の事をペンギョンの密猟者かなんかだと思っていてキョトンとしている。

 

「でもその人がなんでも喰らうって」

 

「ああ、すまんすまん。こいつはなんでも喰らうんだ」

 

「私もペンギョンを食べますがちゃんと市場に出回った物しか口にしません!」

 

 あくまでも正規品だけで密輸品は口にはしない。

 話が微妙に噛み合っていなかったのを対話する事により認識を一致させる。

 

「すみません、まだペンギョンの密猟者が居ると思っていまして」

 

「ペンギョンの密猟者は貴方が倒してそれでもういない」

 

「そうか……よかった、ペンギョン達に恩が返せた」

 

「……結局、あんた何者なわけ?」

 

 認識の違いやズレを修整し終えて一息つくとベルベットはペンギョンについて尋ねる。

 

「僕はジュード、ジュード・マティス。リーゼ・マクシアの医学生です」

 

「ほう、医者の卵か」

 

「え、分かるんですか!?」

 

「リーゼ・マクシアの名前もどっかで聞いた覚えはある……何処かは忘れたけど」

 

 ホントに何処で聞いたのか覚えてない。つい最近、聞いたはずなんだが……うん、思い出せないから諦めるか。

 

「僕はこことは違う世界の住人なんです」

 

「違う世界の住人……ゴンベエ、なにか知っているんじゃないのか?」

 

「もしかして貴方も別の世界から」

 

「あ〜……H78,A84,B78、C109、D85、S100。X=H78、A130、B111、C130、D85、S100……ではYのHABCDSは?」

 

「……あの、それはなんの問題ですか?僕、どちらかといえば勉強は出来る方だと思いますが……さっぱりです」

 

「いや、普通は答えられないものだから……そうか……お前、完全に異世界の住人なんだな」

 

 ジュードはオレが言った数字についてちんぷんかんぷんだった。

 もしこれが地獄の転生者養成所で訓練している転生者ならば答えが分かっていた。そうでない転生者的な存在でも分かる奴は分かる答えだが、ジュードは答える事は出来ていない。

 

「仲間と一緒に旅をしていたんですが急にこの世界に飛ばされて

 

「ホトケ、出てきてください!ホトケ!……出てきませんね」

 

「エレノア、違う。これ仏関係の事じゃない」

 

 仏がやらかして別世界の転生者を漂流させてしまってる一件じゃない。

 ジュードはマジでなんかが原因でリーゼ・マクシアとかいう異世界から飛ばされた異世界転移者だ……多分。転生者ハンターとか出てこないよな。相手にするの嫌なんだけど。

 

「ホトケ関係の時は余震がある……どうやらジュードはそれとは別件でこの世界に飛ばされたようだな」

 

「僕もなにがなにやら……1人寂しい思いをしている時、ペンギョン達が僕を励ましてくれたんです」

 

 そこから語られるのはジュードの身の上話。

 ペンギョン達に優しくしてくれたお礼にペンギョン達にどうにかしたいと思っていて密猟者を退治したらしい。

 

「あんたお人好し過ぎない?勝手が違う世界に飛ばされて、その上で人助けだなんて」

 

「よく言われます」

 

「結局あんたがこっちの世界に来てしまった理由は分からずじまいだし、どうするのよ?」

 

「仲間を探しているんです。僕がこの世界に来た際にはぐれちゃって……皆さん、僕以外の喋るペンギョンを見ませんでしたか?」

 

「……見てないわね。そもそもで喋るペンギョンについて聞いたのは今朝なのよ」

 

「そう、ですか……」

 

「大事な仲間なんだろ……もし見かけたら声をかけてやるし、居場所も教えてやる」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「気にするな、お前は時空の漂流者、漂流者を助けるのは船乗りの流儀だ……それでそいつの特徴は?」

 

 チラリとオレを見るな、アイゼン。オレは転生者で異世界の住人だけどもこの世界に根差している人間だよ。

 ジュードから仲間の情報を、ミラ=マクスウェルについて色々と聞くとオレ達は別れた……厄介事がまた1つ増えたが、何時もの事か。




スキット 物の価値

ライフィセット「……ゴンベエってホントは色々と深く考えてるんだね」

ゴンベエ「お前もか、お前もかライフィセット……そりゃ日頃の行いが悪いのは認めてやるけどよ……まぁ、でもアレだぞ。めんどくさいとか色々と思うようになったのは頭の方を鍛えられてからだからな。いきなりこんな怠惰な人間が生まれたわけじゃねえ。そこだけは勘違いするな。昔はもっとフレッシュだったんだ」

ライフィセット「頭を鍛えた……前にゴンベエが言ってた世界一美味しい食べ物はなにかって問題……アレから色々と考えてみたけど、やっぱり僕はタバサのマーボカレーかベルベットが作るキッシュが一番かな」

ゴンベエ「お前なぁ、世界中の人間がベルベットのキッシュと婆さんのマーボカレーを食う機会が無いだろう。そんなのもし出したらアホかと言われるだけだ。食料供給率のデータとか宗教上食べられないとかベジタリアンの事も考えて言えよ」

ライフィセット「夢が全然無いね……でも、そういう風に考える、考える力を鍛えるのがこの問題の意味なんだよね。他にはなにをしたの?」

ゴンベエ「ん〜100円(税抜き)で100円以上の価値を作れとか」

ライフィセット「100円?」

ゴンベエ「うちの国の通貨はガルドじゃなくて円だ……1000円で1000円以上の物を作れとかもある」

ライフィセット「……どうやってやるの?」

ゴンベエ「それを考えるのがお前の役目だ。オレに答えを聞いてそっかと納得するよりも自分で試行錯誤繰り返して答えを出さないといけない……とまぁ、普通の人ならば言うだろうがオレはクズなので幾つか答えを教えてやる」

ライフィセット「うん!」

ゴンベエ「1つは色紙を用意して……アイフリード辺りにサインをもらう。あいつなんだかんだで海賊達のカリスマ的存在だからな、サイン1つでバカ高い値打ちになる。もう一つは紙を買って、それを折った物を売る。後は安物のトランプを買って手品をする」

ライフィセット「えぇ……なんかズルい気がする」

ゴンベエ「ここで大事なのは発想の転換だ……オレ達からすればたかがな物かもしれないが、それに対して価値を見出す奴等はちゃんといる。人によってはくだらない物かもしれないが、別の人だととても重要だったりするかもしれない。ならば、どうやって価値を決める?」

ライフィセット「……!そっか……お金って物の価値を決めるのにも大事な役割を示してるんだね」

ゴンベエ「そうだ。お金という概念は馬鹿には出来ない。全員の物の基準を決めるモノサシにもなってくれる、金のありがたみと存在意義をよく知れる……とまぁ、こんな感じの頭を使う勉強をさせられたわけだ」

ライフィセット「僕もそんな授業、学校とかで習ってみたいな」

ゴンベエ「無理無理、学校ってのは決まった定説を教える場所でこういう感じの頭を鍛える授業なんて滅多にしない。下手にすればPTAだ教育委員会だ鬱陶しいのが出てきたりする……1人の個性よりも団体を選ぶ場所だ」

ライフィセット「なんか偏見が混じってない?」

ゴンベエ「事実だ」


スキット 仏はほっとけい

アイゼン「異世界からの漂流者か……どうにかしてやりたいものだ」

ゴンベエ「そうは言うけどよ、あいつ完全に異世界から来てるっぽいよ」

アイゼン「お前も同じじゃないのか」

ゴンベエ「オレは若干違うんだよ。ジュードは完全に異世界から来ている……ああ言うのは関わらない方が身のためだ。リーゼ・マクシアなんて世界、聞いたことない。下手に厄介事に首を突っ込むとロクな事にならない」

アイゼン「そんなのは今更だ……にしてもお前でも知らない世界があるのか」

ゴンベエ「世界ってのはそれこそ星の数ほど存在している……ゴーカイトピアとか忍界とかサウンドワールドとか色々とな」

アイゼン「ホトケならジュードを元の世界に返すことが出来るか?」

ゴンベエ「出来るか出来ないかで言えば出来るがやってはくれない。仏はあくまで仏教の人間で、仏教徒やそれに準ずる人間にならば手を差し伸べてくれるがそうでない人間には力を貸さない……宗教が違えば神も違うんだ。異世界の住人が仏教徒なら話は別だが」

アイゼン「そうか……っち……」

ゴンベエ「それにアイツ、色々と込み入ってる……アイツがいた世界も世界で色々とあるんだ。オレ達はまずオレ達の問題を片付けてからだ。他人の心配をするのは勝手だけどよ」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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