テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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フェニックス戦ってさ、難易度上げると終わらせるのに無駄に時間がかかる


フェニックスは何度でも蘇る

 ジュードと出会い、ペンギョンの密猟者退治の依頼は一応は終わった。

 バスカヴィルの婆さんは情報伝達のミスで間違った依頼を出してしまったことを詫びており、約束通り殿下に対して手紙を届けてくれる。しかしオレ達的にはちゃんと依頼を終えていない。それはちょっと筋が通らないと託された他の依頼を熟した。

 道中、嘗てロクロウやシグレが仕えていたギャスパーリーグだかキャスパーリークだかフォウくんだなんだか知らないがそんな感じの名前の人や憑魔化してしまったロクロウの母親を斬ったり、マジルゥと呼ばれる踊り子を助けたりと色々とあった

 

「トータス、トータス、アイゼンさんお手紙のお届け物っす!」

 

 他にも色々とあった。

 ライフィセットが出会った少年が読んでいた本にエリクシールとかいう例の胡散臭い万能薬の作り方が書いてあり、色々なところに出向いて材料を集めて最後にライフィセットの友達を思う心の底からの涙のおかげでオメガエリクシールと呼ばれる秘薬を完成させた。

 オレの記憶が正しければエリクシールという薬はマオテラスが作ったとされる物で……ライフィセットは白銀の炎を使っていた……恐らくは……いや、最後になれば答えがわかるか。

 

「っち……」

 

「請求書かなにかか?」

 

 幸せを呼ぶノルミン人形を集めているとかめにんがやってきてアイゼンに手紙を渡す。

 レイフォルクに居るらしいエドナに手紙を寄越しているのと思いきや舌打ちをしており、エドナからの手紙ではなさそうだ。となると今までなにか貯めていたツケかなにかの請求書かと思ったが違うようでアイゼンはオレに手紙を見せてくる。

 残念な事にオレはこの国の文字を読むことは出来ないのでアリーシャに読んでもらうべく手紙を渡す

 

「……えっ……コレって……」

 

「なんて書いてあるの?」

 

 手紙の内容を見て一瞬だけ固まるアリーシャ。

 なんかロクでもない事でも書いてあったのかベルベットはアリーシャに手紙を読み上げる様に言う。

 

「【一筆啓上、我の堪忍袋の緒は切れた。怒りの鉄槌を今下さん!監獄島に来るがよい】」

 

「……果たし状?」

 

「この感じ……」

 

 前に何処かで聞いたことがあるような内容だ……あ、アレか。

 アイゼンが受け取った手紙の内容に見覚えがある。多分だけど送り主は前にアリーシャに手紙を送ってきた奴だろ。

 

「【逃げても責めはせぬ。うぬが薄情かつ臆病な愚兄と判断するのみ】」

 

「おぉ、果たし状だな!面白そうだな、いこうぜ!!」

 

 手紙を読み終えるとテンションを上げるロクロウ。

 喧嘩を売られているのはあくまでもアイゼンでありコレはロクロウの喧嘩じゃない。

 

「単なる嫌がらせでしょう。放っておきなさいよ」

 

「ですが、アイゼンに直接手紙を送りつけています……アイゼンが来なければ、延々と手紙を送ってくるかもしれません」

 

「何処かでちゃんと対処しておかないと……アイゼンの妹にまで危害が及ぶんじゃないかな?」

 

 無視の姿勢を見せろというベルベット。

 ライフィセットとエレノアは今後の事を考えれば対応したほうがいいとの意見を出す。

 

「それだけは絶対にさせん……ベルベット、お前には悪いがカノヌシがいた祠に向かう前にタイタニアに行かせてもらう」

 

「別にいいわよ、時間はまだ残っているんだから」

 

 妹になにかあったら大変だとなんだかんだでシスコンであるアイゼン。

 

「コイツはオレに売られた喧嘩だ、お前等は手を出すんじゃねえぞ」

 

「なにやら大事になってきたのう」

 

「まぁ、いいんじゃねえの?どっちにせよ電話とか色々と回収しておかないといけないし、監獄島には一度行かなきゃ」

 

 ただそのタイミングがアイゼンに果たし状を出した男と一緒だったというわけだ。

 ノルミン人形をかめにんに押し付けるとオレ達はバンエルティア号に向かって監獄島、タイタニアへと向かう。

 

「ゴンベエ、手紙の差出人は」

 

「ま、同一人物だろうな」

 

 過去に似たような感じの手紙を受け取っているアリーシャ。前に受け取った手紙と見比べても筆跡は似ており、明らかに同一人物だ

 ここは過去の時代で長生きな天族はこの時代も生きている。現にザビーダはいたし、エドナもいる。ゼンライの爺さんだっている。後、個人的な勘だが現代にムルジムとかいそうだ。色々と後回しにしていた監獄島にオレ達は再び舞い戻った。

 

「……パクられてはなかったな」

 

 通信聖隷術とかいう電話的な術があるがオレが作り上げた電話はかなりの価値がある道具だ。

 いちいち手紙や会談のやり取りをしなくてもいい実に便利なものだ。現に電話の普及で手紙の文化が滅びたと言っても過言ではない。

 

「そういえばゴンベエ、この電話は最終的にどうするつもりだ?メイルシオに置いておくのか?」

 

「……ハイランドに献上するよ」

 

「いいのか!?その、コレを作るのにかなりの時間を掛けたのに」

 

「いいんだよ。手柄の一個でも立てておかないとハイランドの上の奴等も黙っちゃいない」

 

 たかが2個とはいえ電話の便利さは嫌でも分かる。

 

「だが、そうするとゴンベエの価値は益々高くなってしまってハイランドの上層部がなにかを……」

 

「そん時はそん時だ。最悪ローランス帝国とやらに逃げるか北の国にでも逃亡する」

 

「だ、ダメだ!それだけは絶対にダメだ……私が、私がなんとかしてみせる」

 

 そうは言うけどもアリーシャに出来ることってなんかあるのだろうか。

 ハイランドの上層部、特にバルトロ大臣とやらにはアリーシャは目の敵にされて嫌われている。どうにもならない……いや、ホントにお姫様は大変なこと。オレはもう現代で力を貸す必要は無いからゆっくりと遊んでおく。

 

「ゴンベエと一緒になれる方法……」

 

「そういうのは後にしろ」

 

「何処だ!!オレはお前の言うとおり、監獄島に来てやったぞ!!」

 

 それぞれが自分の部屋に置いてあった物を回収し終えた。

 後はアイゼンに果たし状を出した奴を見つけるだけだと大広間と呼べる部分に出るが、そこには不自然な箱以外はなにもなかった。

 

「ほぅ、どうやら我の果たし状を受けたようだな!」

 

「そこか!」

 

 不自然に置かれている箱に向かって蹴りをかますアイゼン。

 箱はあっさりと壊れて中からノルミンが飛び出してクルリクルリと空中で回転する。

 

「とう!」

 

「アレは、ノルミン聖隷!?」

 

「盟約の時、そして断罪の時は来たり!」

 

「あんた、何者なのよ」

 

「ふっ、いいだろう。冥途の土産に教えてやる」

 

「ビエーーン!フェニックス!!ノルミン聖隷最強の男が関わっていたんでフかぁ!?」

 

「おぉ、自称ノルミン聖隷最強の男ではないか。通りで暑苦しい手紙だったわけだ」

 

 ベルベットの問いに答えようとする前にビエンフーが露骨に嫌そうな顔をした。マギルゥもお前だったのかと僅かばかり嫌そうな顔をしている。

 

「自称に非ず!我はノルミン聖隷最強の漢、フェニックスなり」

 

「……あのノルミン、確か傘に」

 

「ああ、ついていた」

 

 何処かで見覚えのある見た目をしている。まぁノルミン達って色以外に見分けがつきにくいと言えばそこまでなんだが

 

「手紙を寄越したのはてめえか。いったいなんの真似だ」

 

「全ては天の導きなり。過日、我は兄への想いが綴られた手紙を拾った。差出人を探し出し、密かにそこを訪ねてみるとそこには1人の可憐な少女がいた」

 

 まぁ、見た目は可憐な少女だな。見た目は。

 

「兄からの贈り物と出せなかった手紙の山に囲まれてな」

 

「出せなかった手紙……?」

 

 一応はエドナと手紙のやり取りをしてるんじゃなかったっけ……いや、そういう感じのじゃないのか。

 

「一文字、一文字に込められた兄への想い。便箋に落ちた涙の数に我も涙を流した」

 

「てめえ、拾った手紙を勝手に読んだ挙げ句人の部屋に侵入しやがったのか!!」

 

「我が道徳に反した非は認める。だが、我の正義が汝の非情を許さない。使い古しの手袋を握り締め、広い海にいる兄の身を案じる少女の瞳にかけて」

 

「わけが分からん、テメエはいったいなにがしたいんだ!」

 

「その言葉、そっくりそのまま貴様に返してやる!上っ面の言葉を重ねた手紙とおまけのガラクタでなにが伝わるというのだ」

 

 アイゼンは死神の呪いを気にしてホントは心配だけど、側にいたいけれどエドナの元を離れている。フェニックスはそれが気に入らない。

 

「妹を心配する汝も、海賊と共に生きる汝もどちらも本物であろう。ならば何故それを正直に伝えん!汝の流儀なのだろう。それともなにか。お前の愛する妹は兄の流儀1つ許すことの出来ない器の小さい過小な女なのか!!」

 

「てめえに説教される筋合いはねえ」

 

「ならば我に力を示してみせよ。我が勝った暁には即座に妹に会ってもらう。我が汝に敗れた時は煮るなり焼くなり好きにするがいい」

 

 掛かってこいと構えるフェニックス。

 ノルミンのせいか動くたびにキュポキュポ可愛らしい音をたてているのでなんとも盛り上がらない。

 

「お前等、手を出すんじゃねえぞ」

 

 これはあくまでもアイゼンに対して売った喧嘩だ。

 アイゼンと繋がりはあるけれどもアイゼンの問題であり、アイゼンは邪魔をするなという。

 

「だ、大丈夫なのか」

 

「大丈夫だろう。フェニックスの目的はアイゼンをボコボコにしてエドナの前に連れてく事、命を奪えばそれこそ本末転倒だ」

 

 アイゼンとフェニックスが戦うのを見守るのだがアリーシャはハラハラする。

 こういうのは殴り合いの青春の1ページ的なのだ。オレも昔は道を間違おうとしていた奴を体を張って止めたこともある……あん時はマジで死ぬかと思った。アイツ、マジの天才だからな。道間違うのだけはいけない。

 

「覚悟はいいな!」

 

 アイゼンはフェニックスをぶん殴る。

 今まで対魔士や憑魔を相手にしているだけあってその拳は物凄く強い……のだがフェニックスは耐えきっている。戦闘力皆無に等しいノルミンがアイゼンの一撃に耐えてるとか冗談抜きで強い……だが、勝負はあったな

 

「寝てんじゃねえ、気付けの一発くれてやる!アブレイド・ベノム」

 

 大地から溢れる力を一点に集中させた最大級の拳を叩き込む。あの一撃は中々の一撃で並大抵の奴には耐えられない。

 

「ここで果てるわけには、いかん!!今こそ羽ばたきの時!」

 

「なんだと!?」

 

 アイゼンの一撃は見事に決まっていた。

 フェニックスも並大抵の奴じゃないのは分かってきたのだが、それでもアイゼンの一撃で倒せる筈だった。それでも立ち上がり、炎を纏う。その姿はまるで不死鳥の様でフェニックスは蘇っていく。

 

「マギルゥ」

 

「なんじゃ?」

 

「ノルミンって確かにノルミンって名前の後にその個体名があるんだろ。もしかしてフェニックスはノルミン・フェニックスで不死鳥の様に蘇る力があるのか?」

 

「うむ、あやつはあんな見た目じゃが風のノルミン聖隷で例え倒したとしても不死鳥の如く蘇る、それがノルミン・フェニックスじゃ」

 

「不死身、そんなのを相手に勝てるのか!?」

 

「まぁ、ここはアイゼンを信じよう」

 

 フェニックスはやはりチート、キュウレンジャーしかり聖闘士星矢しかり、フェニックスはとてつもない力を秘めている。

 不死身の敵を殺すには不可逆の呪いの攻撃を当てるとか弱点の属性で攻撃するとか色々とあるけれども……見た感じフェニックスの不死鳥の力はフェニックスの意志の力で起こしてるもので限界がある。ならばその限界をアイゼンが越えればいい。

 

「春はあけぼの!」

 

「っち、並大抵の技じゃダメか」

 

 フェニックスの乱打を受けながらもアイゼンは考える。どうやってフェニックスに勝つのかを。フェニックスが不死鳥の力を発動する事が出来ない程の強烈な一撃を叩き込めばフェニックスは倒せる……オレならば闇纏・無限斬り 煉獄 で永遠のダメージを与え続けてぶっ飛ばす……だが、アイゼンには

 

「コイツは危険だが使うならここしかねえ!今ここに再誕する!」

 

「汝の本気ならばこちらは全力で答えよう!」

 

 アイゼンは灼熱の熱風と激震する雷鳴を纏う。フェニックスは鳥の形をした炎を全身で纏う

 

「グレートマックスなオレ!!」

 

「強欲天翼!」

 

 火の鳥となったフェニックスと灼熱の熱風と激震する雷鳴を纏った一撃必殺のアイゼンの蹴りはぶつかり合う。

 

「ったく、オレ達が周りで見てるの考えとけよ」

 

 監獄の破片やらなんやら飛んでくる。アイゼンのグレートマックスなオレとフェニックスの強欲天翼はぶつかり合う。

 

「っぐ……」

 

「なんの……っ!!」

 

 2つの攻撃がぶつかりあった結果、互いに膝をついてしまった。

 どちらの力も拮抗している……マジで強いな、ノルミン・フェニックス。

 

「2人とも膝をついてしまった……この場合は引き分け?」

 

 ぶっ倒すの定義が決まっていないのでアリーシャは首を傾げる。

 

「バカを言うな」

 

「笑止!漢同士の戦いに引き分けはない!勝つか負けるか、勝者か敗者のみだ!!」

 

 まだ戦うと立ち上がるアイゼンとフェニックス。

 

「これだから男ってのは」

 

「同じ目を向けるな……オレならば確実に仕留める」

 

 殴り合うフェニックスとアイゼンを見て呆れるベルベット。

 オレも同類な視線を向けてくるがオレならばこんな情けない結果には終わらせない。確実に勝つ、オレの取り柄は戦う事だけなんだからな。

 

「これで、しまいだ!!」

 

「ふぐぅ!?」

 

 立ち上がっては殴り合い、時には膝をついたりして30分ぐらいは戦っているんじゃないだろうか。

 ボロボロになるアイゼンに対してフェニックスは完全回復する。長期戦はアイゼンの方が不利だがアイゼンはそれでも折れる事なく信念を貫き通し、フェニックスを倒した。

 

「長すぎだろうが」

 

 30分ぐらい戦っていたアイゼンとフェニックス。

 決着はついたのでライフィセットがアイゼンに駆け寄り治癒の術を施す。それと同時にフェニックスは立ち上がった。

 

「お前の持つ力は不死鳥、オレの死神の呪いと真逆の性質を持つ加護の力」

 

「真逆……もしかして不死鳥(フェニックス)の力があればアイゼンの死神の呪いはアイゼンの妹にいかないんじゃ」

 

「断る」

 

「な、何故だ!我がいれば、我の加護さえあれば汝ら兄妹は手を取り合い幸せになれるというのだぞ」

 

「自分の舵は自分で取る、それがオレの流儀だ……そのせいで妹に寂しい思いをさせている事も身勝手な流儀だというのも分かっている。だが、オレはこういう生き方しかできない」

 

 フェニックスの力で会えたとしても、それは自分の流儀に反するものだ。頭ではそれがおかしいと思っていても心ではそれが正しい……実に人間臭い。そういうところ好きだぞ。

 

「オレはお前に命令はしない。自分の舵を奪う真似はしたくはない……だが」

 

「だが?」

 

「出来るのならばお前の力で妹を守ってほしい。穢れや業魔から……何時かあいつを襲うドラゴンから」

 

「ドラゴン!?汝、まさか……」

 

 フェニックスの言葉にアイゼンは目を背ける……アイゼンはこのまま行けば自分がどうなるのか分かっている、か。

 

「……友よ、その願いしかと受け止めた。ならば、汝の友として頼もう……どうか一筆、一筆だけでいい。妹の為に手紙を書いてはくれまいか。汝の本当の思いを書き記してほしい。その為ならば我は幾らでも待とう」

 

「手紙ならある……!?」

 

「そりゃあんだけドンパチやればな」

 

 手紙と思われる物を取り出そうとするアイゼンだが黒焦げの消し炭だった。

 あんだけドンパチやり合うのとアイゼンの死神の呪いが合わさればそれはもう手紙は消し炭になってしまうだろう。

 

「少し待ってろ、1から書く」

 

「……アイゼンはどうしても妹と会うつもりは無いのですね……会える道があるというのに、自分の流儀に反するからと」

 

「それがアイゼンという男だ」

 

「ええ……分かっています。でも、顔を会わせる事すら出来ないのは……せめて通信聖隷術が私に使うことが出来れば、アイゼンに教えることが出来れば……会わなくても会話する事が出来たのに」

 

 アイゼンの流儀は認めるけど少々納得がいかないエレノア。

 

「そうだね……アイゼンの妹さん、アイゼンの声を聞くことが出来ればそれだけでも嬉し……ゴンベエ!」

 

「なんだ?」

 

「電話って、今の僕達には必要が無いよね……妹さんに譲ってくれないかな?」

 

「却下だ、却下。これ1個作るだけでも結構大変なんだぞ、暇なアイフリード海賊団総出で作ったんだ」

 

「でも、ゴンベエならもっとスゴイのを作ろうと思えば作れるんでしょ……お願い、電話をアイゼンとアイゼンの妹に譲って」

 

「ダメだって、この電話はハイランドに献上する……でなきゃ、オレとアメッカの首が危うい」

 

 ハイランドを回るついでに便利な発明品を作ったと言っておかないとマジで向こうがなにをしてくるか分からん。

 現代で問題は色々と山積みでそれを放置してる……アリーシャが自由に動く為にもオレは凄いものを作れるよってアピールしとかねえと。

 

「大体、電話には電気が必要なんだ。アイゼンの妹は山に暮らしていて水車による発電が出来なきゃバッテリーが電池切れを起こす……あ……」

 

「なによその『あ』は?」

 

「……別に電話とか天響術を使わなくても声を残す方法ならばあるぞ」

 

 そうか……そうだったのか……ここだったのか。

 

「あるんですか、そんな方法が!」

 

「有るには有るんだけど……アイゼン、どうする?」

 

 今やっと答えに辿り着いた。ここだったのかと納得をしつつもアイゼンに尋ねる。

 このまま文字だけでいいのかそれとも言葉を送るのか、それを決めるのはアイゼンだ。

 

「……送れるならば、送りたい」

 

「そうか……じゃあ、道具取ってくる」

 

 アイゼンは言葉も送ることを決めた。ならばオレは教えるだけだ。

 オレはバンエルティア号に戻るとアイゼンが使っている部屋に入り、アイゼンが大切にしている上物の酒を取り出してアイゼンの目の前で割ってやった

 

「てめえ、人の大事な逸品を」

 

「黙れ……この酒瓶の底が声を残す道具になるんだ」

 

「……そもそも声ってどうやって残すの?声って目に見えなくて形に残らない物だよ?」

 

「目に見えないが声ってのは形にはなってるんだ……声ってのは空気を振動させて出てるもので、その振動を記録しておけばいいんだ」

 

「……どうやって?」

 

「まぁ、見てろ」

 

 こんな日が何時か来ると思っていて蓄音機は作っている。

 電気を使わない手回し式のアナログな奴だが電気が通っていないレイフォルクで使うには充分すぎる程の物で、物は試しにと別のガラスの瓶底に針を突き刺して、オカリナで曲を演奏し音を録音し、そのまま再生すると全員が驚いた顔をする。

 

「闇を照らし、消え去るはずの音を記録し、現実をありのままに映し出す……そんな装置をオレは作り出す事が出来る」

 

「改めて凄まじいな、お前の技術力は」

 

「ああ、なにせ人類の叡智の結晶が詰まってるからな」

 

 そんなこんなでアイゼンにエドナに対して向ける言葉を録音する。

 オレ達が妹に向けての言葉を聞いているのをアイゼンは些か不満そうだったが、オレが録音担当にならないとちゃんと録音が出来ない。

 

「フェニックス、頼んだぞ」

 

「わかった。このフェニックス、汝の妹にしっかりと汝の声を届けてみせよう」

 

 こうしてフェニックスはエドナの元に手紙とレコードと手回し式の蓄音機を届けにかめにんに送られていった。




スキット 爆発って最高

アリーシャ「これでまた1つ、いや、2つの謎が解けたな」

ゴンベエ「フェニックスがアリーシャやオレの事を子孫だと勘違いしたのもここで出会ったから。アイゼンがレコードの作り方を知っていたのはエドナに声を送り届ける様にしたから……なんだかんだで繋がってるんだな」

アリーシャ「後はダークかめにんとザビーダ様ぐらいか」

ゴンベエ「残るところはそれぐらいだな……なんでアイゼンがレコードを残したかは謎のままだがな」

グリモワール「なんの話をしているの?」

ゴンベエ「あんたがもっと長く生きたら意味が分かる話だよ……にしても表に全然出てこようとしなかったな」

グリモワール「仕方ないわ……フェニックスがいたもの」

アリーシャ「苦手、なのですか?」

グリモワール「好き嫌いで判断できる関係性じゃないわ……私達が砂糖水なら向こうは塩水かしら」

ゴンベエ「天王寺の旦那と赤司の関係性みたいなものか……もう二度と、監獄島に来ることは無いだろうな」

アリーシャ「ここには憑魔も多く存在している。聖寮も迂闊には近付けない……喰魔であるベルベットも穢れを送る事をしなくてもいい」

ゴンベエ「よしっ、じゃあ自爆!スイッチ・オン!」ドガァアアアアン

アリーシャ「……え?」

グリモワール「あら……見事に崩れ落ちていったわね」

ゴンベエ「いやぁ、良かった良かった。自爆機能を使わないままこのまま終わるんじゃないかと思っていたが、使えてよかった」

アイゼン「おい、今監獄島が爆発したぞ!」

ゴンベエ「おう!自爆スイッチを押して遠隔操作で大爆発を巻き起こした」

ロクロウ「やっぱお前の仕業だったか……爆破するなら一言ぐらい言ってくれよ。酒のツマミにしたかった」

アリーシャ「ツマミに出来るものなのか?」

アイゼン「ああ……あの壊れ具合、散り様、中々に見ものだった……」

ゴンベエ「アメッカ、芸術は爆発なんだ……良いものが見れたな」

アリーシャ「いいものなのだろうか……ところであそこにはまだかめにんが居たんじゃないか」

ゴンベエ「……あ」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • スペシャルスキットの続き
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