「よ〜し、煮えてきたぞ」
「フィー、よそってあげるわ」
「あ、うん」
サウンドワールドの住人ことロムビアコを元の世界に返すことが出来た。
何時もならば佐藤二朗似の誰かがやってくるのだが、仏があんな感じだったので迎えを寄越す事が出来ずに代わりに転生者ハンターがやってきた。あのままだともう一回歌い直さないといけなかったので中々にナイスなタイミングでやってきたと思う。
「……美味い」
「悔しいですが、この味……私には無理です」
「流石はヨコヅナと言ったところか。ちゃんこ鍋はお手の物だな」
天王寺の旦那がライブを終えた後に打ち上げとしてちゃんこ鍋と唐揚げを用意していた。
塩の鶏ガラベースのちゃんこ鍋は実に絶品でエレノアは悔しがっており、ロクロウは納得している。あの人、スピード出世で関取になったりするけど部屋頭として皆を上に上げるだなんだでちゃんことか料理を作ったりしてて料理上手なんだよな。
「この唐揚げも中々の物じゃぞ」
ちゃんこ鍋だけでなく唐揚げも美味い……皆がライブに向けて色々とやっている中でちゃんこ鍋と唐揚げの下拵えをしておいたってどんだけ完璧超人なんだろうか。
「ベルベット、どうだ?」
「……美味しいわね……セリカ姉さんよりも上じゃないかしら」
オレが作ったものじゃないのでオレが食べさせるとベルベットも悔しそうにする。女子力の塊であるベルベットが負けを感じるとは流石は天王寺の旦那というべきか。
「……」
「どうしたアイゼン、箸が全然進んでないぞ。口に合わなかったのか?」
「いや、このちゃんこ鍋は絶品だ……ただ少し心残りがあってな」
「心残り……その……ポロリは死神の呪いのせいでアイゼンが」
「それじゃない」
ちゃんこ鍋に箸があまり進んでいないアイゼン。
天王寺の旦那とちゃんと相撲が取れなかった事を気にしてると思ったアリーシャはフォローに回るがその事について気にしているのでなかった。まぁ、仮に死神の呪いが発動してなくても最初のブチかましの時点でアイゼンと旦那の間には大きな重さの差があったし、旦那の事だから修羅戦黒の相でも出してボコボコにしてただろう。
「最後にテンノウジとチヒロを連れて行った男に対してだ、あいつは意図的に異世界の移動を可能としていた。あいつならばリーゼ・マクシアと呼ばれる世界に移動する事が出来るかもしれん」
「あ〜……」
ジュードとミラの事が少しだけ心残りになっている。
あの人ならば別世界であるリーゼ・マクシアとやらに連れて行く事が出来るだろう。
「そういやアイツ、ハンターって呼ばれてたけどなんか狩人なのか?」
「あの人は外道を狩るのを仕事としている」
「悪人退治ですか?」
「いや、そういう意味の外道じゃない……第三者によって意図的に理の法則から外された奴が世の中には存在している。そいつ等を狩る奴がいる……世界界賊にキーブレードマスターと色々と」
「意味がよくわからないのだが」
「まぁ、滅茶苦茶分かりやすく言えばある日全く別の人間になっていた人を審判する役割を持っている」
これ以上言えば色々とややこしくなるのでこれ以上は言えない。
転生者ハンターはオレ達日本の地獄産の転生者以外の転生者を狩ったりするのを仕事としている。異世界の信仰もなにもしていない筈なのにある日突然、憑依もしくは転生していた別世界の人間が極々稀にいる……確かアニメのポケモンの世界で何故かサトシくんになってた人が居るってのは聞いたことがある。本人はなんでなったか気にせずに真面目にポケモンマスターを目指してて、スイクンとかラティアスとかゲットしてたな。
「……意味が分からない」
「分からなくていいことだ」
少なくともこの世界に転生している転生者はオレだけだと地獄の転生者運営サイドは言っている。
現代でも転生者と思わしき人物はいなかったし、例え居たとしても天王寺の旦那か墨村守美狐か磯野
「大変、大変ニャァアアアアア!」
「どうしたんだそんなに大慌てで」
ちゃんこ鍋を食べ尽くし、締めにラーメンを頂こうとしているとねこにんが大慌てでやってきた。
ロムビアコという災厄は去ったというのに、一難去ってまた一難か。ダークかめにんがニャバクラの代金を踏み倒したとかゼンライの爺さんが酔った勢いで雷を落としたとかそういうくだらない話だったら無視しよう。
「終末の使者がノルミン島に現れたニャ!」
「終末の使者……なんかどっかで聞いたような」
「イズルドで聞いたのではないか。終末を告げるペンギョンが居るという噂を」
大慌てで報告してきてくれるねこにん。
何処かで聞いたけど思い出せないでいるとアリーシャが聞いた場所を教えてくれる。そういえばジュードの一件の時に聞いたな。
「おしまいニャ……この世界はもうおしまいニャ……終末の使者が世界を終わらせに来るニャ」
「……ベルベット、確かめに行こうよ」
「そうね……ホントに世界を終わらされたらアルトリウスも殺せないし、たまったもんじゃないわ」
とりあえずこれで次になにをするのかが決まった。
ノルミン島に現れたという終末の使者とやらに会いに行くこととなり、天王寺の旦那が作ったちゃんこ鍋の残り汁をラーメンにして〆るとオレ達はメイルシオに戻る。ノルミン島にはマーキングとかしていないのでベンウィック達には申し訳無いが、船を出してもらう。
オレ達はなんともないがアイフリード海賊団の面々はノルミンに骨抜きにされてしまうからな。
「……ホントに終末の使者は来ているのだろうか?」
「あら、一週間ぶりやなぁ!」
「また来はったんやね。いらっしゃい」
道中、なにかトラブルに巻き込まれる事もなかった。割とあっさりとノルミン島に辿り着くとノルミン達は出迎えてくれる。
危険な存在である終末の使者とやらが本当に居るのか思わずアリーシャは疑ってしまう程に平穏だった。もっとこう、殺伐としたのをイメージしていたのだがノルミン島は相変わらず平常運転だった。
「ここに終末の使者とやらが来てる筈よ。何処にいるのか教えなさい」
「終末の使者?……あ〜もしかしたらあの2人かもしれへんな〜」
「居るのか……何処にいる?」
「あっちやで」
割とあっさりと教えてくれるノルミン達。
本当に終末の使者が来ているのか疑問を抱きつつもこのノルミン島で一番高い場所に向かうとそこにはペンギョンとミラがいた。
「あんた達が終末の使者なの?」
どうしてここにいるかは問わない。ここにいるという事はそういうことなのだろう。
ベルベットが尋ねるとミラとジュードは首を横に振った。
「私達は終末の使者ではない、終末の使者から裁きの戦いを託された」
「つまり下請けの下請け業者か」
「その認識はどうかと……今から皆さんには僕達と戦ってもら──」
「デラックス・ボンバー」
「ぎゃあああああ!!」
「よーし、先ずは一人目だ。次はお前だ、ミラ」
「ジュードがまだ話をしているというのに、なんと無礼な」
「いやだって……暴力で物事を解決してよくて尚且オレが手を出してもいい案件なんだ」
やはり暴力、暴力は全てを解決する事が出来る。
つい少し前まで歌って踊って騒いで物事を解決しないといけなかった反面、こういう力技で解決していい案件は楽でいい。
戦わなきゃいけないのはなんとなく分かったのでベルベット達は構えるのだが、今回はオレに任せてほしい。ミラは話し合いは通じないと感じ構えるのだがオレはオリハルコンで出来た逆刃刀を手にして神速の居合抜きをする。
「これでいいのか?」
とりあえずミラとジュードをぶっ倒す事に成功した。
地面に這いつくばる2人を見下ろして、2人にこれで良かったのか確認を取った。2人はオレからくらった攻撃のダメージが酷いのか息が乱れており、返事をすることができない。
「貴方の勝利です」
「んだ、てめえ」
2人からの返事を待っていると光の球が目の前に出現した。
いきなり、予兆もなにもなく出現してきた存在にマスターソードを抜いて構えるのだがベルベットが攻撃するなと手で抑えてくる。
「あんたが終末の使者なわけ?」
「如何にも、我は終末の使者なり。そこの男は我が選んだ者との裁きの戦いに見事勝利をした。望みを叶えよう」
「え〜……じゃあ、2人を元の世界に返してやってくれよ。つか……ふん!」
「っがあ!?」
「終末の使者をぶん殴った!?」
「冷静に考えればお前が諸悪の根源じゃねえか」
ジュードとミラがリーゼ・マクシアとかいう世界からこの世界にやってきた原因は仏でなくこの終末の使者にある。
この二人はなにかやらなきゃいけない事があるってのに巻き込んでしまって、終末の使者だかなんだか知らねえけども神様仏様的な存在だったらなにをしても許される理由にはならねえ。2人を連れてきた事に対して詫びることもなければ元の世界に返してやると言わないので2人に変わって一発ぶん殴っておいた。
「ば、バカな。我に触れるどころかぶん殴っただと!?」
「コイツは色々な意味で規格外なのよ。相手にするだけ無駄よ、それよりも2人を元の世界に返してやりなさい」
「……よいのか?我の力を使えばお前の過去を、因果すらも書き換えて時間を巻き戻す事も出来るのだぞ」
「いや、オレも同じことが出来るから……」
「なんと……」
この世の理を書き換えようと思えばオレは書き換える事が出来るし、過去に遡る事も出来る。
ただジュードとミラを元の世界に返すことは出来ない。仏関係のことじゃないので仏は導いてくれないし、転生者ハンターはもう現れる事はない。
「過去をやり直したいと思わないわ。私の業も罪も、私のものなのよ。逃げるつもりはない」
「だそうだ……終末の使者、お前がなにを企んでいるかはしらないしお前は凄まじい存在なのは確かだろう。だが、だからといって偉そうにしていると…………殺すぞ」
「っ!わ、わかった。このような事は金輪際しない。汝らを試そうとした無礼を許してくれ」
「おい、あいつ神様的な存在を脅してるぞ」
「ゴンベエらしいといえばらしいではないか」
オレの純然たる殺意とその気になれば終末の使者だろうが殺せる事を伝えると終末の使者は怯えた。
自分が壮大な存在であり上から見下ろすことが出来ると調子に乗ってる奴は神様だろうがシバき倒す、いや、神様だからシバき倒す。神様ってのは割とロクでなしの存在の集まりなのだから。オレの暴挙にロクロウとマギルゥはヒソヒソと話をしているが割と丸聞こえだ。
終末の使者は光を放つとペンギョンの姿だったジュードを元に戻した。
「ふむ……私達はベルベット達の意思を聞き出すつもりだったのだが」
「真剣になってるところ悪いが、あんたらは被害者なんだ。怒っていい立場だ……」
神様だろうが世界の秩序を守っていようがそれを理由に好き勝手していい理由にはならない……まぁ、この世の理の外に出てしまっている転生者が言えたことではないが。終末の使者はオレとこれ以上一緒にいれば本当に殺されかねないと恐怖と危機感を抱いたのかミラとジュードを元の世界に返すと消えていってしまった……根性無しが。ミラとジュードはオレ達にお礼を言ってきたがお礼を言われることはしていない。
「ねこにん達に終末の使者は居なくなったって教えないとね」
問題を解決する事が出来たのでノルミン島を後にする。
ライフィセットはこの出来事をねこにん達に報告することを口にする……力技で解決した事を言われるのは少しだけ恥ずかしいが、まぁ、仕方ない事だ。メイルシオに戻るとねこにんが居た。
「大変ニャ!」
「もう大丈夫ですよ。終末の使者は帰りました」
オレ達を見つけると大慌てで側に寄ってくるねこにん。
エレノアは終末の使者の一件を報告するのだがねこにんは落ち着かない。
「キララウス火山が大変な事になってるニャ!」
「キララウス火山が?……なにも違和感は感じないよ?」
また新しい厄介事が巻き起きたようだが、発生源であるキララウス火山からライフィセットはなにも異変を感じ取れない。
なにかおかしなことがあったら……ライフィセットが気付くだろうし……。
「まさか、ベルベットが四聖主を目覚めさせたのが原因で……」
「そうニャ!あんた達が悪いニャからあんた達が解決してくるニャ!!」
アリーシャは嫌な事を考えて顔色を青くする。
メルキオルのクソジジイが四聖主を目覚めさせると色々な事が起きるのを言っていたが、それが今になって巻き起きたとなると……オレ達で解決できる案件なのか?地震とかの災害に関しては人間一人で解決できる問題じゃねえぞ。
「とにかくこのニャスタオルをあげるからとっとと解決してくるニャ!」
「んだよ、1枚だけって……8枚用意しろや」
「残り7枚は他のねこにんに貰うニャ!とにかく異変を解決してくるニャ!!」
ニャスタオルを1枚だけ渡されてもな……。
とりあえず火山に異変が起きている事だけは確かなので、キララウス火山に向かう。もし火山が噴火とかしたらメイルシオにいるオレ達は冗談抜きで死んでしまう。解決できる案件ならば解決しておかなければならないと赤色の衣装に着替えて火山を歩く。
「暑い、熱い、あーつーいー!!」
「前も似たような事を言ってたぞ」
「仕方なかろう!四聖主を叩き起こしたせいか、前よりも熱いんじゃから」
煮え滾るマグマが熱いのでマギルゥは騒ぐ。シグレ達を殺りに来た時にも同じ事を言っていたのだがマギルゥの体感的に前よりも暑いらしい。
しかしそんなことを言っても暑いのをしのげるわけじゃない。マギルゥの愚痴を気にしていたらキリがないので火山の奥へと進んでいくと地脈の中に通じる次元の裂け目の様なものを見つける。
「あれは地脈の中に入れる裂け目……前に来た時は無かったものだな」
アリーシャは地脈の裂け目の様なものに近づこうとするのでオレは止める。
「アメッカ、不用意に近付くな」
「だが、コレが騒動の原因である事には変わりない。ここまで来た以上は調べなければ」
アリーシャの言っている事に間違いはない。物見遊山でここに来たわけではない、ただ
「ここは地脈点じゃなくて地脈湧点だ。何処に繋がっているか……」
前にカノヌシが居たとされる祠にある地脈の裂け目に入ったら最終的に監獄島に出た。
普通の地脈点でそれなのだから地脈が縦に繋がっている地脈湧点、ベンウィック達を呼び寄せる事が出来ないところとか海中とかに出る可能性がある。
「それを調べるのが僕達の仕事だよ」
「だな。ここまで来た以上は引くなんて事は出来ない」
オレが慎重になっている横でライフィセットとロクロウは地脈の裂け目に近づこうとする。
2人の言葉で目覚めたエレノア達も近づこうとするのでこれはもう言葉でどうこう出来るわけないなとオリハルコンで出来た日本刀に闇を纏わせる。
「零次元斬」
地脈の裂け目を空間ごと叩き切って、大きな穴を開き飛び込む。
目が開けられない程に眩く光を放っており目を開けれる様になった頃には何時もの様に地脈の中にいた。地脈湧点の中だから入り組んだ地形になっているかもしれねえと思っていたが何時も通りか。
「……!」
「なにか引き寄せられまフ!」
「ああ」
とりあえず何処かに出口がある筈だとオレ達は歩き出すのだが、ライフィセット達は天族はなにかを感じ取った。オレやエレノア、アメッカは特になにも感じ取る事は無いが……天族だから感じ取る事が出来ているのか?確実になにかがある事だけは確かなので警戒心は強めておく、地脈の中には憑魔もウジャウジャいる。シグレ達と比べれば雑魚なので割とあっさりと倒していくと出口と思わしき地脈の裂け目を見つけたので零次元斬で道を作り、外に出ると……また火山だった。
「あれ、火山に戻っちゃった?」
「いや、違う」
「……なんかここ違うな」
色々と歩いたのに火山に逆戻りしたと驚くライフィセットだがアイゼンとオレは感じ取る。
先程までいたキララウス火山に似ているが違う場所だと……ただここが何処なのか具体的には分からない。
「そうニャ!ここは天への階梯ニャ!」
ここが何処か分からないでいると目の前に現れたねこにんが教えてくれる。
「天への階梯?……それはどういうところなんだ?」
名前を教えてくれてもアリーシャは何処か分からない。アリーシャだけでなくオレ達もよく分からない。
「世界の機密が隠された空間ニャ!」
「世界の機密って……まだなんか隠されてるのか?」
穢れと憑魔化のシステムにドラゴン化に四聖主に世界の鎮静化と文明のリセットとこの時代に来てから色々と見てきた。その上でまだなんか隠されてるのかよ……。
「なにが隠されてるかはアチシ達も知らないけど、聖隷を引き寄せる力を持ってるみたいで他のねこにん達が奥に吸い込まれていったニャ」
「ねこにんはやっぱり聖隷だったんだ」
「ねこにんはねこにんニャ。奥へ行ったのは単なる好奇心ニャ」
「ならば自業自得じゃろう」
「それはそうだけど封印されていたこの場所を開いたのはおニャーさん達にも責任があるにゃ」
「そう言われればそうなのですが……ここが封印されていたということはなにか危険な力があるのでしょうか?」
「それは……奥に進めば分かることだろう。その為に私達はここまで足を運んだんだ」
今更引き返すことは今のアリーシャには出来ない事だ。
ねこにんもオレ達が原因で封印が解き放たれたから責任を取って調べてこいと言っているので前に進もうとするとオレ達の前に光る球が出現する。
「よしなさい」
「っ、誰!」
突如として現れた光る球にベルベットは警戒心を剥き出しにする。
「世界の仕組みを識る者、とでも言っておきますか。進んでも無駄です、この奥には絶望しかないのだから、せめて自分の世界で生をまっとうしなさい。進めばそれすら出来なくなってしまうのだから」
「また随分と偉そうなのが出てきたな……どうする?」
「世界の仕組みなんて知ったことじゃないけど、無駄と言われるのは気にくわないわ……行くわよ」
ベルベットはやる気を出してくれた。何者かは知らないが、ベルベットを煽ってくれた事に関しては感謝しないとな。
オレ達は天への階梯を突き進んでいく。
スキット 重ねている
グリモワール「前から気になってたのだけれど、なんで貴方はあの子に力を貸すのかしら?」
ゴンベエ「ベルベットならばアルトリウスがただただムカつく野郎だからだ。それ以上はなにもない」
グリモワール「ベルベットの事を聞いているんじゃないわ。アメッカの事よ……貴方は自分の事は自分でどうにか出来る人間だけど導く先導者に最初からなるつもりはないのでしょう……なら、どうしてあの子に力を貸しているの?中途半端に加担するのは一番よくない事よ」
ゴンベエ「……色々とあるからな。恩義があるとも言えるし、頑張っているから応援したいとも言える……後は間違ってほしくないって思いもある」
グリモワール「あの子が道を踏み外すと思ってるのね」
ゴンベエ「ああ、あいつは間違った道を歩んでしまう。強さを得たのと力を得たのをごちゃまぜにして一時期勘違いしていたし、正義が存在していると思っていた。この世は諸行無常、あるのは意思と意思のぶつかり合いだ」
グリモワール「この世に悪があるとすればそれは人の心、といったところかしら?」
ゴンベエ「いやいや、悪と正義を分ける唯一無二な身勝手な生き物、それが人間だ……今は信念を貫いて前に進もうとしているけど、また何時間違いを侵すのかヒヤヒヤもんだ」
グリモワール「アドバイザーになっているのね」
ゴンベエ「そんな高尚なもんじゃねえ……違う人と重ねたり色々と失礼な事をしているんだ」
グリモワール「前にも似たような事をしたの?」
ゴンベエ「アメッカと出会う前までは修行していた。人並み以上の幸せを掴み取る事が出来る様になる為に。数人一班で修行していて、オレは班の中で最年長で、1番才能がある奴が最年少の男だった……そいつの心には悲しみと憎しみしか宿っていなかった。どうする事も出来ない自分の弱さを悲しみ痛みしか与えないと世界を憎んでいた……だから誰よりも必死だった」
グリモワール「その子は……道を間違えたのかしら?」
ゴンベエ「どうだろうな。そいつは弱さを受け入れるんじゃなく、乗り越えるものだと1つの結論に至った。それが間違った道かどうかは分からないが、強くなる代わりに大事なモノを失おうとしていた。誰もが怯えて畏怖するライオンになろうとした。大事なモノを失ってまで強さを得てはなにも意味は為さない。だから体張って、目覚めさせた……たった1つの小さな幸せすら見えなくなるのは心が痛む。冗談抜きで死にかけたけど」
グリモワール「……その子も幸せ者ね。貴方がアドバイスを送ってくれるもの」
ゴンベエ「いや、そいつを目覚めさせる事は出来てもどうにかする事は出来なかったんだ。どうにかする為のピースはもう無くなってしまったから……へそ曲がりで捻くれ者で、憎悪と悲しみの念は未だに燃やしている。世界に対して復讐でもしようと思っている。でも、暴れまわる勘違いしたライオンじゃなくて野獣の獰猛さと賢者の知恵を持つドラゴンになろうとしている……道を踏み間違える事はもうしない……アリーシャも、強くなったと強くなろうとライオンを目指してはいけない。愉快なカバにならないと、大事なものを失う。特に笑顔を」
グリモワール「……貴方、あの子の事が好きなの?」
ゴンベエ「恋愛対象として見ないようにしている……アリーシャは今、必死になって頑張ってるんだ。異性としてみたり色々とやるのは失礼だろう」
グリモワール「あんたにノルミン・ハッピーアドヴァイスとしてアドバイスを送るわ。女の幸せについて考えてやりなさい」
ゴンベエ「勘弁してくれよ……表面や面白さだけで男は選んだらダメ、将来なんの約にも立たない魅力だって
グリモワール「変なところでチキンになるわね。もっと堂々としなさい。あんたはいい男よ」
ゴンベエ「だってオレ……戦闘以外の能力とか育ちとか基本的には一般人なんだよ。天王寺の旦那みたいな男前じゃねえんだ……恋愛は厳しい」
アリーシャのアタッチメント
ゼロの仮面
説明
世界中の憎しみを引き受ける為に撃たれる覚悟を持った男達の一世一代の大芝居をする為の仮面
番外編
-
続 異世界プルルン転生記
-
ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
-
ザレイズ 総力戦 決戦KCグランプリ
-
まゆゆんの貧乏くじ
-
スペシャルスキットの続き