テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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バンエルティア商会

 

「おぉ、なんという事だ。雨が止まなかったペンドラゴに再び日差しが入るとは……」

 

「貴方は、セルゲイ!?」

 

 雨から晴れに天候が切り替わると綺麗な虹が掛かった。

 ああいう美しいものは大切にしておかなければならないと思っているとオレ達の前にセルゲイが現れる。セルゲイが現れた事をフォートン枢機卿は驚いた顔をしている。

 

「……枢機卿、この様なところで何をしているのですか?」

 

 枢機卿が色々と裏でやっていて怪しいとなにかと話題になっている。

 堂々と表立ってこの場にいる事を怪しむセルゲイだがフォートンは空を見上げた。空には綺麗な虹が掛かっている、とても美しい光景だ。

 

「あの空を見上げていた……雨の無いペンドラゴは実に美しいな」

 

「……そうか」

 

「何故教皇が、いや、マシドラが逃げたのか……処罰を」

 

「……アリーシャ、行くわよ」

 

「だ、だが」

 

「これ以上此処に居てもなにも意味は無いわ」

 

 向かい合うフォートンとセルゲイ。

 なにかをするわけでもない、介入する意思が無いのであれば此処に居る必要は無いと宿屋に向かおうとする。

 

「マオテラスの浄化の力は助ける為にあるものじゃない、やり直す為にあるものだ……元に戻ったというのならばやり直す機会があるんだろう」

 

 アイゼンもこの場から離れる事に賛成の意思を示す。

 浄化の力を用いて元に戻したのだが根本的な部分をどうにかする事が出来ていない……が、が……憑魔から元の人間に戻って頭が1つスッキリしたのならば改心する、改め直す可能性が大きい。

 これ以上は無理に介入するのは良くない事だとザビーダもベルベットも判断したのでアリーシャも渋々動いてくれる。言葉による改心が出来なかった事は悔やむべき事だが世の中には話し合いも通じず改心もしないどうしようのないクズが普通にいる。なんだったら転生者の死因が親が虐待して育児放棄したから死んだとかいう一例も普通にある。そしてロクロウみたいにそれが悪だと業だと分かってても道を歩む人間だって居ることを過去で学んだので無理は言わない。

 

「これからフォートン枢機卿はどうなるのだろうか……」

 

「罪を認めて改心……なんてのは都合が良すぎるだろうが、コレは人間社会の問題だからなぁ」

 

 宿屋に戻りフォートン枢機卿について気にするアリーシャ。

 ザビーダは此処から改心をしない可能性が大きいと考える。教皇のマシドラに処罰を与えなければならないと思っている……まぁ、仕事をほっぽり出して何処かに消えた教皇に非があるにはある。

 

「どうにかしたいのなら先ずは教皇を探しとかないと」

 

 そもそもでフォートン枢機卿がああなったのは強すぎる責任感からのもので教皇が居なくなったのが原因だ。

 問題を解決するには改心させたりする為には教皇をどうにかしておかなければならない。その教皇はゴドジンに居て、ゴドジンにはスレイ達がいる。難しい事を考えるのは後にしておいた方がいいとその日はペンドラゴの名物のドラゴ鍋を頂き、1日を過ごした。

 

「コレはローランスの通行許可証だ。コレがあればローランスの何処の街にも行く事が出来る」

 

 翌日、セルゲイから通行許可証が渡される。

 色々とすんなりとしているなと思いつつも通行許可証を受け取るとセルゲイはジッと見ている。

 

「なにか顔についているでしょうか?」

 

「いえ……その、フォートン枢機卿が人が変わったかの様にこちらに情報提供をしてきまして……枢機卿について調べていた我が弟ボリス達が帰還してきて色々とありまして……貴公らはいったい……」

 

 どうやら少しずつだがフォートンは変わろうとしていっている。良いことが聞けた。

 急に変わった枢機卿、裏でオレ達がなにかをしたんじゃないかと疑いの眼差しを向けるのでオレはまことのメガネを取り出した。

 

「コレで世界をご覧ください」

 

「コレは……!?」

 

「む、それは……と言うことはオレ達が見え、聞こえているのだな」

 

「みたいだな」

 

 まことのメガネ越しでオレ達を見ると驚くセルゲイ。

 アイゼンとザビーダが居ることに驚いている。いったい何者なのだと考えるのだが直ぐに答えに至る。

 

「ま、まさか、天族の方々」

 

「……天族のご加護をあらんことに……返していただきますね」

 

 アイゼンとザビーダが天族だと分かればワナワナと震えるセルゲイ。

 十字を切ってまことのメガネを取り返すと大地の汽笛に乗っていく。

 

「らしくないことしてるんじゃないわよ」

 

「たまにはこういう感じも悪くはねえだろう」

 

 大地の汽笛を発進させてゴドジンの村に向かう。

 ベルベットは最後の行為をカッコつけの行為だと呆れているがこういうことの積み重ねが宗教では大事だ。特に信仰の文化を復活させる為にはこういう超常現象を何度か大衆の目に見せつけておかなければならない……そう考えると何時ぞやの偽の導師がやっていた事は宗教の信仰を得る為の布教活動の1つと捉えてもいい……まぁ、インチキ導師でヤバい薬を売ってたのには変わりはないんだけども。

 

「スレイと再会する事が出来ればいいのだが……」

 

「……そのスレイという導師はどんな奴なんだ?」

 

 今度こそスレイとの再会を果たしたいアリーシャだったがアイゼンはスレイについて聞いてくる。

 ちゃんとした意味で対面しているのはザビーダだけでベルベットもアイゼンもスレイがどんな人物かを知らない。過去の時代でも深くは語っていない、反吐が出るぐらいの絵に描いた様な善人とだけ言ってある。

 

「スレイはとても優しい人だ。私達が人質に取られた時には躊躇いなくハイランドに従属してくれて……あの時の件も謝罪しなければならないな」

 

 自分自身が枷となって余計な政治のゴタゴタに巻き込んでしまった事をアリーシャは申し訳無さそうにする…………。

 

「……スレイは覚悟は出来ていたのか……」

 

「覚悟?」

 

「オレの故郷は宗教は自由に決めてもいいと許されていて色々と緩い。だがその代わりと言ってはなんだが宗教と政治が密接に繋がっていない。この大陸、今の災厄の混沌とした世の中に導師と言うヒーローが、心の拠り所が必要なのは分かる。だがオレ達は見てきた、宗教と政治が密接に繋がって作られた聖寮と言う組織を。流石にこの時代に聖寮を作るのは不可能だが、この国はローランスもハイランドも天族を信仰する文化と政治が根深く密接に繋がっている。導師を政治の道具に使うのは良くない事だが、導師が政治に加担しなければならない程に世の中は混沌としている……導師のシステムは言い方を変えれば人柱だ。混乱の世を統べるとは言わないが平穏に導く為には政治に口出しを……う〜ん……なんて言えばいいんだろうな」

 

 言葉が上手く出ない。八木のおっさんとか天王寺の旦那みたいなヒーローが今の社会には必要だ。スレイはそれになる道を選んだ……筈だ。少なくとも導師になるという事はそういうことだ。やり方はともかくアルトリウスもその辺りの覚悟は出来ていた筈だ。だがスレイは……どうなんだろう。

 

「ゴンベエ、お前の言いたい事はなんとなく分かる……導師の坊主は人間と人間の世の中を知らない感が強すぎる」

 

「それは仕方ない事ではないのでしょうか?スレイは天族達の集落、イズチで暮らしていました。人の世に疎いのは当然の事です」

 

「アリーシャ、それは甘えだ。そのスレイという奴が導師になると決意をしたのならば人間の(さが)を知らない存じないはいけないことだ……アイフリード海賊団と災禍の顕主一行と旅をして色々と見てきたお前ならば嫌でも分かる筈だ。人間の性や業を」

 

「それは……そうだが」

 

 アイゼンに言い負かされているアリーシャ……マジでスレイは大丈夫なのだろうか?

 オレとしては邪魔扱いされているからあまり深く関わるわけにはいかないのだろうが……でも、今の世の中に導師が必要なのもまた事実……ああ、クソ。ヘルダルフ及び加担者をしばき倒せばそれでいいなんて脳筋思考なオレにはこういうのホントに向いていないな。

 

「とりあえずそのスレイに会ってから考えればいいでしょう。間違った道を歩もうとしていたりするなら最悪ぶん殴ればいいし、導師っていう心の拠り所が必要ならスレイに任せるんじゃなくてゴンベエ、あんたとアリーシャが主導でなればいいじゃない」

 

「いやオレマスコミ受け悪いから……そういうの天王寺の旦那の方が向いているから」

 

「テンノウジ?……アリーシャはどうなの?」

 

「私は政治にああだこうだ口出ししても夢見がちな小娘と一喝されるだけで終わってしまう」

 

 世の中、特に政治関係は基本的には汚い大人だらけなんだよな。

 ベルベットはスレイがどんな人物なのかはオレ達の口から聞くよりも実際に見てから決めると言う……まぁ、スレイは反吐が出る程お人好しの阿呆だが悪人じゃない。オレみたいな秩序を持った悪人じゃないんだ……ベルベットは認めるだろうか?

 

「まぁ、生半可な覚悟でエドナを連れているならぶち殺せばいいだけだ……」

 

「お前、私情混じってない?」

 

「……エドナと神依までしてやがる野郎は許せん!オレは生半可な男は認めん!!」

 

 シスコンが……ん?

 

「道が塞がってる」

 

 大地の汽笛を走らせていくと道が塞がっていた。

 バイロブグリフ崖道と呼ばれるところで立ち往生してしまう……ま〜ためんどうな事になっているな。

 

「これもまた災厄の混沌とした世の中が原因で……」

 

「ついでだからぶっ壊すか……爆砕点穴!!」

 

 崖道が落石で塞がれているので土木工事用の技こと爆砕点穴を使って道を作り出す。

 なんか落石をどうにかしようとしている人達が居るみたいだが、そんなのを気にしている場合じゃないと爆砕点穴で破壊していく。

 

「猛虎高飛車!!」

 

「よし、私も!百歩神拳!!」

 

「ったく……ヘヴンズクロウ!」

 

 なんだかんだで手伝ってくれるアリーシャとベルベット。

 あっという間に道を塞いでいた落石は粉砕されていき道が開く。

 

「あ、あの、貴方達は!?」

 

「ただの通りすがりだ。アリーシャ、ベルベット、さっさと行くぞ」

 

「ああ」

 

「ええ」

 

 岩を破壊してくれたことに感謝したそうな人達がいるがオレ達の通り道で邪魔だったから開いたものだ。

 感謝するのは勝手だと大地の汽笛に再び乗り込み、ゴドジンを目指す

 

「ところでよ」

 

「なんだ?」

 

「このままゴドジンに辿り着いて大丈夫なのか?枢機卿は元に戻りはしたが何時また憑魔化するか分かったもんじゃねえ。裏で今の災禍の顕主が動いているなら何らかの手を使って憑魔化させてくるかもしれねえ……隠密に行動した方がいいんじゃねえのか?」

 

「そうしたいのは山々なのですが……大地の汽笛を見せびらかさなければならないのです」

 

 色々と悪目立ちしている事に対してザビーダは色々と言ってくる。

 確かに隠密に行動した方が良いのかもしれないが、大地の汽笛を見せびらかさないといけない。ハイランドはローランスに無い技術を持っていて豊かな国だと見せつけなければならない。隠密に行動しなければならないのはアリーシャも理解しているのだが、今後の事などを考えるとなぁ……うん。

 

「アレがゴドジンじゃない?」

 

 ポッポーと大地の汽笛を走らせて崖道を通っていくと小さな村の様なものがベルベットの視界に入った。

 もうすぐゴドジンに辿り着くので大地の汽笛の速度を落としていく。

 

「な、なんだ?」

 

「また余所者がやってきたのか?」

 

 速度を落としていきピタリと大地の汽笛を止めると村の子供達と思わしき子供がアレはなんだとざわめきながら出てくる。

 

「アリーシャ、教皇探しに来たと言えば警戒される。取り敢えずオレが誤魔化すから色々と口裏合わせてくれ」

 

「ああ……だが、ここまでしておいて目立たないというのは無茶があるんじゃないのか?」

 

「物は言いようだ。ベルベットも合わせてくれよ」

 

「変な設定にするんじゃないわよ……あんた等はこういう時には便利ね」

 

「だろぅ。見えないからあんな事やこんな事は聞き放題だぜ」

 

 上半身裸の良い歳した大人が普通に居るのはシュールな絵面である。

 アイゼンとザビーダは見えていないので巻き込まないでおく……天族は見えないのが普通だ。1000年前のはじまりの時代の方が異常だったと認識を改めているとなんだコレと子供達が大地の汽笛を見つめて触れようとしてくる。

 

「こらこら、大地の汽笛に触るんじゃない」

 

「お兄さん達、誰なの?」

 

「おぅ、よくぞ聞いてくれた。オレ達はバンエルティア商会……って言っても発足したばかりで無名にも程があるがな」

 

「バンエルティア?」

 

「古代の言葉で富を意味するわ……あんたらはこの村の子供たちよね?」

 

 息を吐くように嘘をつく。ベルベットもそれに便乗して一先ずは情報を収集しようとする。

 

「そうだよ!」

 

「じゃなくて、そうですよだよ。目上の人にはちゃんと喋らないと、学校で習ったでしょ」

 

「学校?ここって学校があるの?」

 

「うん!そうだよ!」

 

「こんな辺境の地に学校だと?」

 

 村の子供たちから情報を聞き出していると意外な事が聞けた。

 この世界、というよりこの大陸では学校は大きな街にしかなく小さな村とかは暇をしている大人が文字の読み書きや計算の仕方を教えてくれている。ベルベットは村のお婆さんから勉強を教わっててアリーシャは家庭教師、オレは……オレ、最終学歴中卒なんだよな……地球が舞台の世界じゃないと学歴がな……でもまぁ、それ言い出したらブッキーとか深雪とか最終学歴小卒だからな。

 辺境の地に学校があることをアイゼンは怪しむ。学校があるってことはある程度は豊かな環境じゃないと出来ない筈だ……う〜ん、なんかオレの知らぬところで色々とあるみたいだな。

 

「村長さんが将来の為だって作ってくれたんだ」

 

「そう、そうなの……学校か……」

 

「どしたん?」

 

「ラフィがもしも元気だったら都会の学校に通うことが出来てたなって」

 

「……彼奴は学校では得られない経験や知識、知恵を得た」

 

 ライフィセットの事を思い出して感傷に浸るベルベット。

 過去の事だがやっぱり完璧には割り切る事が出来ていない……思うところは色々とあって当然といえば当然でしかない。

 

「お兄さん達、商会って事は商人だよね?なにを売ってるの?」

 

「う〜ん、ジャンルで言えば三次産業だな」

 

「三次産業……ってなに?」

 

「三次産業と言うのは第三の産業、飲食店とか金融とか教育とかに関するサービス系の産業の事だ。因みに一次産業は農業、林業、漁業の3つ、第二次産業は製造業、建設業なんかで農業で育てた作物や家畜なんかを自社の工場で加工して販売まで全てすることを六次産業と言う」

 

 へ〜と子供達に知識を見せびらかす。

 ザビーダは意外そうな顔をしている……んだよ、オレがただの脳筋ゴリラかなにかかと思ってたのか?オレ、外国語以外の勉強はどちらかといえば出来る、真面目に授業さえ聞いていれば赤点は先ず無いと言えるぐらいには頭はいいんだ……まぁ、深雪とかブッキーとかの方が頭いい、1番賢かったのはアイツだったな。

 

「さて、小難しい話は此処までにして誰か大人を呼んではくれないか?色々とPR、交渉をしたいんだ」

 

「おやおや、でしたら私の出番ですかな?」

 

 お、丁度いいタイミングだったな。

 メガネを掛けた初老の男性が大人を数人連れてきた。

 

「もしや、貴方は村長さんかなにかですか?」

 

「ああ、私がゴドジンの村の村長だ……この村になにか御用ですかな?この村は見ての通り平凡な村だ」

 

「いえいえ、普通の村だから価値があるのですよ」

 

「普通の村だから価値がある?それはいったいどういうことだ?」

 

「我々の出す商品はズバリ、足です!この大地の汽笛程とは言えませんが別の村から村に行き来する際の乗り物を作ろうと思いまして……あぁ、自己紹介が遅れました。私はナナシノ・ゴンベエ。バンエルティア商会の長……と言っても会員は私とそこにいるベルベットしか居ないのですが」

 

「え、ゴンベエ、私は」

 

「この方は私達のスポンサー、出資者でしてね。遠くの田舎の村から都会まで列車という乗り物が有れば簡単に行き来する事が出来るのを知りまして……こういった僻地からペンドラゴの様な大きな街まで物流や人がスムーズになれば国の経済が潤うと思いますので」

 

「……なんで……」

 

 息を吐くかの様にペラペラと嘘を語る。こういうのは即興で思い付くのでノリと勢いに身を任せた方が良い。

 アリーシャが自分だけ仲間はずれにされている事を気にしているがお前から時折出てくるお嬢様オーラをどうにかする方法が無いんだから仕方がない事だ。

 

「ふむ、この大地の汽笛とやらで物資や人を運搬すると?」

 

「正確には大地の汽笛と似たような乗り物で、馬車の様に馬を必要としない乗り物です。此処だけの話、私異大陸の人間でしてね……異大陸のあんな技術やこんな技術を用いて色々と商売をですね……ただまぁ、物が物だけに出資者だけでなく私達の考えた計画に賛同してくれる方を増やしているんですよ……なにせ我々の技術は産業革命と言っても過言ではないのですから」

 

「お前、ホントにベラベラと出るな」

 

 列車に関して興味を示す村長さん。アイゼンは呆れている。

 大地の汽笛に似た乗り物を走らせるがその為にはその街や村のリーダーに許可を得ないといけない。地方領主的な権力とか立ち位置ならば内政に力を入れるが、爵位なんて貰ってもめんどうなものだからな。

 

「あ、ところでなんですが私達人を探しておりまして」

 

「人、ですかな……」

 

 列車に関して興味を示していた村長さん。人を探していると言えば表情が変わった。

 

「この爺さん、メガネつけてやがるな」

 

 ザビーダは村長がメガネを付けている事に違和感を抱く。

 工業用のクリスタルレンズは貝殻とかあれば簡単に作ることが出来るのでオレからすればなに言ってるんだろうと思うがこの世界の眼鏡は高級品である……まさかとは思うがこの爺さんが教皇……ありえそうだな……。

 

「こんな感じの人なんだけども見覚えは無いですか?」

 

「おぉっ!!これは」

 

「……ご存じなのですね」

 

 スレイの人相描きを見せると村長さんは反応する。いや、村長さんだけじゃない、村の人達が反応する。

 この感じの反応はスレイ達が此処を訪れたというわけ……ん?村長さんが大人達に目配りをして子供達を何処かに行かせてくれと指示を出しているな。

 

「……導師スレイは今頃試練を挑んでいる」

 

「試練……そうか!ライラ様が言っていたパワーアップをしに行っているのだな!」

 

 重苦しい口を開いた村長さん。

 スレイが試練という事はライラの言っていたパワーアップを果たそうとしているのだと納得している。

 

「なるほど、この村にあったのか」

 

「なにか知ってるの?」

 

「マオ坊の配下の天族が試練を与えてパワーアップさせてくれる神殿がこの大陸のどっかにある。地の試練と風の試練の場所は心当たりがあるんだがよ……こんな僻地にあるとはな」

 

「ふ〜ん……」

 

「あの、先程から何処と話を……ま、まさか!」

 

「ええ、そのまさかよ」

 

 天族と対話する事が出来ているベルベットを見て慌てふためく村長さん。

 こういう時はコレしかないなとまことのメガネの破片を用いて作り上げた眼鏡を取り出して渡すと村長さんはメガネを取り換えた

 

「て、天族の方々!?」

 

「お、その眼鏡でも見えるのか。よぅ、爺さん。はじめましてだな」

 

「……ジジイ、この村にこの男が来たのか?」

 

「は、はい!導師はこの村に参りました……あの、貴方達は」

 

「バンエルティア商会の者だ……そうか……」

 

 導師がこの村に来たことを確認するとアイゼンはポケットからコインを取り出し……姿を消した。

 ザビーダはやれやれとアイゼンが立っていた足元に落ちてあるコインを拾った……アイゼンの持ってたコインはアイゼンが器としているコインだ。魔王と女神が裏表で彫られているコインだった

 

「逃げてんじゃねえよ、死神の旦那」

 

「……」

 

「まためんどうな……」

 

 アイゼンはコインの中に引きこもってしまった。

 

「貴方は導師の仲間かなにかなのですか?」

 

「ん〜……どうだろうな。平穏な世の中にしたいっていう気持ちは一緒だが……オレはとりあえずアイツに貸した20000ガルドを取り立てに来たんだ」

 

 忘れちゃいけない、アイツに20000程貸しているのを。

 過去の時代を行き来して別れてから何日経過しているのか分からないけども20000ガルドは返してもらわないと困る。

 

「借金をなさっているのですか!?」

 

「そうだ……とにかくスレイが帰ってくるのを待たせて」

 

「ああ、ゴンベエ!アリーシャ!!」

 

 貰おうと思ったが噂をすれば影がさす。

 何日ぶりだ?過去の時代で冒険をして色々とあったから数カ月ぶりの再会だろう。導師スレイと……確か、セキレイの羽だかなんだかの商会ギルドのロゼとエドナ、ライラ、ミクリオ、そして1000年前にザビーダが着ていた衣装と似た衣装を着ている男がいた。

 

「スレイ!」

 

「よぉ、久しぶりじゃねえか……いや、ホントに何時ぶりだ?」

 

 見知った顔を見つける事が出来たのでアリーシャはホッとする。

 久しぶり……オレとアリーシャの体感時間だと何日ぶりの再会なんだ?……1か月以上は会ってないからな。

 

「ゴンベエさん、ご無事でしたのね」

 

「あんなクソ雑魚ライオンに遅れを取る程じゃねえよ……お前等の方は順調そう、じゃなさそうだな」

 

「うん、色々と問題が山積みで……あ、でもパワーアップをする事が出来たんだ!」

 

「そうか、それはなによりだ」

 

 具体的にどの辺りがパワーアップしたのかは知らないが、パワーアップしたと言うのならばパワーアップしたのだろう。

 久しぶりの再会で互いに無事に元気に過ごしている事に対してホッとする。あの後お互い色々と大変だったんだろうな。

 

「よぅ、無事にパワーアップを果たせたみたいじゃねえか」

 

「っ、ザビーダ!?」

 

「あ〜待て待て、そう身構えるな。お前等とは喧嘩しに来たんじゃねえんだからよ」

 

 ザビーダが声を掛けるとスレイ達は身構える。

 この様子だと憑魔を狩っているところで遭遇したっぽい様だがザビーダは敵対する意思は無いと両手を上げる。

 

「ゴンベエ、何故ザビーダと一緒に旅をしているんだ!そいつは」

 

「憑魔狩りのザビーダだろ。知ってるよ、コイツが殺しを救いだと思っているのも……そしてそれが間違いだって言うことも」

 

「……」

 

 ミクリオはどうしてザビーダと一緒に居るのかを聞いてくる。ザビーダがどういう人間もとい天族なのかは重々承知している。今から良い行いをするから今までの罪がチャラになるわけでもないのも知っている。それを知った上でザビーダと一緒に居るのでミクリオは開いた口が塞がらない。

 

「ミクリオ様、ザビーダ様も色々とあったのです……殺しを救いだと思わなければならない程の出来事が」

 

「言っとくが今までの行いを反省するつもりは無いからな」

 

「っ……あの時、狩った事は忘れないぞ!」

 

「ああそうだな。文句なら受け付けてやる……っと、無駄話をしに来たんじゃねえ」

 

 警戒心を剥き出しにしているミクリオ。

 ザビーダは憑魔云々が関わりなければ話が合う頼りになる天族……だと思いたい。コレばかりは信じるしかねえな。

 

「あんたが導師ね」

 

「えっと……誰?」

 

「ああ、紹介しよう。ベルベット・クラウ……マオテラスの叔母──ぎゃあふ!?」

 

 それは見事だった。

 スレイがベルベットの存在に気付き聞いてきたので答えるとベルベットは見事なまでのコークスクリューをオレに叩き込んでオレを殴り飛ばした。




ゴンベエの術技

爆砕点穴

説明

万物に存在する「爆砕のツボ」を押し、爆破するように砕いてしまう。

猛虎高飛車

説明

勝ち気や強い思いの気を放出して相手をぶっ飛ばす百歩神拳の応用技。

スキット どの面下げて

アイゼン「エドナは今、何をしているんだ?」

ゴンベエ「お前を元に戻す方法を探しに導師達と一緒に旅に出た」

アイゼン「そう、か…………」

ベルベット「あんたをどうにかしようとしてる。あんたに心を奪われてる……ゴンベエがどうにかしたけど浄化のシステムとかが完成されたこの現代でもドラゴンは」

ザビーダ「ああ、無理だ。過去に何人か挑戦した奴等も居るが結果は散々だった」

アリーシャ「今回成功したのは奇跡と言っても過言ではないか……」

ゴンベエ「まぁ、オレ達も大分無茶をしたからな……他のドラゴンを元に戻せていないし問題は山積みだ」

アリーシャ「だが、こうしてアイゼンを救い出す事に成功した!難易度はあまりにも高いが決して出来ないという訳では無い。前向きに行こう」

ベルベット「まぁ、そうね。ここでウジウジしたりしてもなにも始まらないわ」

ザビーダ「そうだな……エドナちゃん、アイゼンを見たら驚くだろうな」

アイゼン「……オレに、エドナに会う資格はあるのだろうか……」

ゴンベエ「そこで逃げるんじゃねえ。コレから生きてく上で1回は嫌でも顔を合わせる事になるんだ。元気に復活したって言っただけでも救われる奴だって居るんだ……あんまり意地を貼りすぎるな」

アリーシャ「そうだ、エドナ様はアイゼンを元に戻す方法は無いのかと必死になっている。元に戻った事を教えれば、きっと」

アイゼン「っ……」

ザビーダ「あ、コラ!コインの中に逃げるんじゃねえぞ!」

ゴンベエ「強情なシスコンめ」

アリーシャ「エドナ様はどう反応するだろうか……」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • 攻略戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • アルピ交通事務局オリジナルのネタ
  • んなのより早く続き書かんかゴリラ作者
  • 他の書く暇あるなら他の小説を更新しろ
  • ちょこっとテイルズオブザレイズ編
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