テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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皆そんなにロゼとスレイをぶっ飛ばしてほしかったのか……。


村か国か

 

「……導師達はゴドジンの村から出ていったみたいだ」

 

 宿屋に向かい宿の代金を支払い一室を借りて一息つく。

 ザビーダがスレイ達がこのゴドジンの村から出ていった事を教えてくれるのだが空気がどんよりとしている。ベルベットが穢れの領域を展開していると言うのもあるのだろうが、さっきの出来事が特に酷いからなぁ……。

 

「ベルベット、大丈夫か?」

 

「なにがよ?」

 

「穢れの領域が展開されてるんだ。今まで我慢していた部分があったのにな……無理させて悪かったな」

 

 この時代は過去とは大きく異なっている。殺すことを救いだと認めるわけにはいかない時代だ。

 確かに殺すことで救われたり負の連鎖を断ち切る事が出来るかもしれない……が、導師スレイはそれを認めてはいけない立ち位置の人間だ。お人好しに見えてまさか彼処までアホだとは思いもしなかった。暗殺者を改心させるならいざしらず暗殺者のままで殺しを救いと認識しかけているのは色々とまずい。一歩間違えれば大きく穢れてしまう。

 

「別に、はなっから期待なんてしていないわ。救世主だなんだの持て囃されても所詮はそんなものよ。だから謝らなくていいわ」

 

 ベルベットは口ではそう言っているが少しだけスレイに期待を寄せていた。

 個を全部選んでなんて綺麗事を言っていたがもしかすると出来るかもと淡い期待を寄せて結果的には痛い目に遇っている……返す言葉もない。少しだけ気持ちが落ち着いてきたのか展開していた穢れの領域が段々と弱まっていき最終的には穢れがベルベットの中に収まる……どういう原理なんだ?……まぁ、いいか。

 

「……」

 

「エドナ、離れろ」

 

「嫌よ」

 

 ベルベットが気持ちの整理がついたので他の事に意識を向ける。

 スレイに託されたエドナはアイゼンの背中に抱き着いている。アイゼンは困った顔をしてエドナに離れる様に言うのだがエドナはそれを嫌がる。アイゼン的には無理にでも引き剥がしたいのだが背中に抱き着いているので引き剥がすに剥がせない。

 

「アリーシャ、エドナを引き剥がしてくれ」

 

「えっと、エドナ様?」

 

「兄妹の団欒を邪魔するんじゃないわよ」

 

「……アイゼン、すまない。そう言われると私は返す言葉を失う。此処は大人しく受け入れるしか道は無い」

 

 思いっきりアイゼンに甘えているエドナ。

 アリーシャにSOSを送るのだが言い負かされたアリーシャは引いた……いやぁ、兄妹仲良く睦まじくてなによりだ。

 

「諦めなさい。今まで家族をほったらかしにしたツケよ」

 

「……エドナ、よく聞け。今は災厄の時代でそこかしこ穢れている。オレはアリーシャに力を貸すと決めている……お前はレイフォルクに戻ってだな」

 

「嫌」

 

「だが、死神の呪いが……」

 

「そういや、全く発動しねえな」

 

 アイゼンがエドナの側に居られない1番の理由は不幸を呼び寄せる死神の呪いだ。

 この辺りで1つぐらい不幸な事が巻き起こっておおかしくない。と言うよりは此処に来るまでに一度でも死神の呪いが発動したっけ……まさかと思うがドラゴンから元に戻すと天族の加護が消えるとかいうオチじゃねえだろうな。

 

「いいじゃない、ベッタリと甘えさせて……あんた達はこうして顔を合わせる事が出来るんだから」

 

「ベルベット……重い……」

 

「じゃああんたが軽くしなさいよ」

 

 ベルベットの言葉の重さが半端じゃない。

 アイゼンはとりあえずはとエドナを引き剥がす事に成功すると今度はベルベットの事をジッと見つめる。

 

「ねぇ、貴女……もしかしてベルベット・クラウ?」

 

「あんたがアイゼンの妹でアイゼンから聞かされてるならその認識で間違いないわ」

 

「なんで生きているの?アルトリウスと、最初の導師と相討ちになったって聞いたわよ」

 

「それは偽の情報よ。アルトリウスはちゃんと殺して……永遠の眠りにつこうと思ったら災禍の勇者が横槍を入れてきたのよ」

 

「災禍の勇者って、最初の災禍の顕主の右腕だった男……どういうことなの?」

 

「ご想像にお任せするわ」

 

 ジッとオレに視線を向けてくるベルベットとエドナ。

 流石に時間を遡って1000年前でドンパチやってたとは言えない。過去に戻ることは原則NGで過去を遡る事が出来ると知られれば都合のいい歴史を作り出す阿呆が確実に出てくる。そこはもう気にしない方向で行きたい。

 

「今は災禍の勇者に責任を取って貰ってる真っ最中で……弟を助ける為にここまで来たのよ」

 

「弟ってマオテラス?」

 

「ええ、そうよ」

 

「ホントは甥っ子だけどな」

 

「あら、それを言えばあんた、嫁の甥っ子になるわよ?」

 

 おっと、今回はグーパンが飛んでこないか。流石に1日に何度もマオテラスの叔母とか甥っ子とかネタにすればベルベットも馴れてしまう。

 確かにその理論で行けばマオテラスは嫁の甥っ子になる……いや、マジでそうだな。マオテラスの叔母とか甥っ子とかネタにしてるけどもその線があるのを忘れていた。

 

「ところでスレイが居なくなったから器が無くなったけども大丈夫なのか?」

 

 グダグダとやりつつも意識は現実に戻す。

 スレイという穢れを生まない器の中に今までは居たからなんとかなっていたのだが、今はスレイが居なくなって器とか契約云々を解除してしまっている。つい先程までベルベットがキレて穢れの領域を展開していたので割と危ない状態じゃないだろうか?

 

「大丈夫じゃないわ……その……ごめん、なさい」

 

「……えっと、なにについて謝罪をなさっているのですか?」

 

 どうやら大丈夫そうではないが時間はまだ残されている。

 エドナはジッとアリーシャを見つめたかと思えば謝ってきた。アリーシャに対して謝罪をしているのだがなにに対して謝っているのか心当たりが無いアリーシャは困惑している。

 

「……ロゼを仲間にした際に早いとこアリーシャの事を忘れればいいと思っていたわ。まさか貴女がお兄ちゃんを元に戻すなんて思ってもみなかった」

 

「……私は特になにもしていません。全てゴンベエの助力があったからこそです」

 

「いやいや、アリーシャのおかげだよ。別にオレはアイゼンを殺すことに関しては別にそれも手段の1つだって認識してた。アリーシャが最後まで嫌だと粘ったからアイゼンを元に戻すことが出来たんだ」

 

 オレは別に殺しを救いだと判断する事を間違っているとは言わない、手段の1つだと認識している。

 足掻くのもまた1つの手段だと与えたチャンスを不意にする事なく生かす事が出来たのはアリーシャのおかげ。この事実だけはどう頑張ってもひっくり返す事は出来ない。

 

「……なにか望みはないの?」

 

「望みですか?私は別に見返りを求めて助けたわけではありません」

 

「呆れた。お礼ぐらい素直に受け取りなさい」

 

「ですが、私はそんな風に捉えられても困ります……」

 

「……ほんっとお人好しよね、貴女!!」

 

 根が善人のアリーシャに思わずエドナは呆れてしまう。

 

「お礼がしたいならば見守ってやればいいんじゃねえの?」

 

「見守る?」

 

「そうだよ。アリーシャちゃんの行く末を見守るんだよ……色々と波乱万丈な人生を送るから、ヒヤヒヤもんだぜ」

 

「……そうね……」

 

「だったら琴を弾く役をしたらどうだ?」

 

 アリーシャに対して何らかのお礼をしたがるエドナ。

 ザビーダはアリーシャを見守る事を提案するのだがそれでも納得は行かなそうなのでオレは琴を取り出した。

 

「琴を弾く?……待って、貴方楽器を弾けるの?」

 

「ゴンベエの見た目で楽器を演奏する事が出来るか疑うのも無理は無い。だが、ゴンベエの演奏は中々のもので、中には不思議な力を宿した曲もある」

 

 オレが楽器を取り出したのだがエドナはオレに楽器が似合わないと疑いの眼差しを向けてくるのでアイゼンが補足する。

 エドナは地の天族だ。だったらこの曲しかないと地神の唄を弾くと背中のマスターソードとアリーシャの槍とベルベットの剣が反応をする。

 

「……悪くないわね」

 

「祈り唄だからな。アリーシャ単体で演奏するよりも天族が演奏した方がなんかご利益の1つでも付くだろう」

 

「……まぁ、それぐらいね。貸しなさい……どうやって弾くの?」

 

「この琴はですね」

 

 オレから琴を借りるとエドナは演奏のやり方をアリーシャから教わる。

 仲睦まじい光景で何よりだと思っているのだが、一周頭が回ってるのか冷静さを保っている。スレイが役立たないとは思いもしなかった。スレイを祀り上げて天族の信仰の文化を復興させて各地に天族を配置させる、一先ずの平穏を齎すには導師の存在が必要不可欠だ。

 

「お、いいね。だったら俺もなんか一曲響かせてくれよ」

 

「なら風神の唄があります。それはバイオリンを使ってですね」

 

 楽器に興味を持ったザビーダ。地神の唄だけでなく風神の唄も弾くとなればご利益がありそうだ。

 バイオリンなら持ってるぞとザビーダに貸してみるが素人がそう簡単にバイオリンを覚える事は難しい……まぁ、天族だから長い時間を生き抜く事が出来るのでその内覚える事が出来るだろう。

 

「導師無しで世界を明るい方向に導かないといけないのか……はぁ……」

 

 それはさておき憂鬱な気分になる。導師スレイを祀り上げておこうと思ったのだが頼ることが出来ないとは思いもしなかった。

 これから先、導師の存在が必要不可欠なのに頼ることが出来ない……さてどうしたものか。この国にも一応は天族の信仰の文化はあるんだよな。

 

「とりあえず教皇を探さないと」

 

「あら、教皇なら会ったじゃない」

 

 導師の事はさておいてゴドジンに来た本来の目的を思い出す。

 教皇であるマシドラを探しに来たのだがどうやら村長さんが教皇の様だ……オレが持ってるエリクシールがオメガエリクシールだと気付いていたし、当然と言えば当然か。

 

「村長が教皇……何故この様な村に?」

 

「教皇として頑張ったのに家庭を大事にしない非情な人間扱いされて嫌気が指して出ていったみたいよ……」

 

「あ〜……大変なんだろうな」

 

 マシドラ教皇は教皇として頑張った結果家庭を捨ててしまった。

 本人としては家庭も仕事も大事にしているつもりだったのだろうが……う〜ん……野原ひろしや荒岩一味みたいに家庭と仕事を両立するのって尋常じゃない程に難しいんだよな。地獄でキリトくんや上条当麻よりも野原ひろしや荒岩一味を目指して頑張れって鬱陶しくなる程に聞かされたからな。

 

「後、偽のエリクシールを売ってるのも教皇よ」

 

「はぁ!?マジでか?」

 

「ええ、マジよ。村の外れにある洞窟に教皇のサインが記された偽のエリクシールが沢山入った箱があるわ……この村って辺鄙なところで名産らしい名産も無いでしょ。穢れで作物も上手く育たないし学校を建てるお金や村を維持するお金は全て偽のエリクシールの売上金から出てるのよ」

 

 詳しい事情を教えてくれるエドナ。スレイ達と一緒に居たから見たのか。

 

「……結局歴史は繰り返されるだけじゃない」

 

 依存性のある赤聖水をエリクシールとして売る。

 1000年前のはじまりの時代でもキデオン大司祭を暗殺しに行った時にも同じ理由だった。ベルベットは結局世界は同じ事を繰り返している事に呆れている……いや、諦めているのだろう。あんなのを見せられたのならば尚更だ。

 

「どうするのよ?血翅蝶みたいな組織がこの時代に存在するなら何時かはあの教皇を殺しにいくわよ……似た理由で殺しにいった私達が言えた義理じゃないけど」

 

「そうなんだよな……大地の汽笛を走らせて此処にやってきたから直ぐにバレる。教皇を探している教会の人や騎士団の人達は此処に教皇が居るのだと知れば力づくで村長さんを連れ戻す……村長さんは戻るつもりは無い……」

 

 放置すれば風の骨みたいな組織が動く可能性が高い。

 教皇が殺されましたは洒落にならない……キデオン大司祭の時と違って割り切っているのか村長さんから穢れの1つも放たない。病気っぽかったっけど、オメガエリクシールで治っている筈だ。

 

「どうにかして偽のエリクシールを、赤聖水の販売をやめさせなければ……一般市民にまで偽のエリクシールが購入出来る様になってしまえばそれこそ風の骨の様な組織が動いて教皇の抹殺を目論んでしまう」

 

「なら本物のエリクシールを売れば良いじゃない。貴方達、作り方を知ってるんでしょ?本物のエリクシールが売られるなら偽のエリクシールは不要になるわよ」

 

「いやぁ……最後の素材で詰むし教皇が本物だと認めた偽のエリクシールと本物だけど教皇のサインが無い品薄のエリクシールだと偽のエリクシールの方が需要がある」

 

 エドナの言っている様に本物のエリクシールを売りさばく事が出来ればそれが1番なんだろう。

 だが、オメガエリクシールは最後に天族の祈りが、涙が必要だ。今の人間社会を見て涙を流してくれる天族が居るのだろうか?

 

「少し待てば本物のエリクシールが手に入るっていうのに人間って強情ね」

 

「そうですね……とにかく、偽のエリクシールの販売をやめさせなければならない。風の骨が情報を掴んだのならば直に偽のエリクシールの出処も判明する……だが、偽のエリクシールを売ることをやめれば売上金が出ない。そうなればこのゴドジンの村の生計に関わってしまう」

 

「……村という個を救う為に国という全を捨てるのか、国が混乱しない為に全を選び、村という個を捨てるのか……」

 

 またまた1つの選択に迫られてしまう。そのことにベルベットは感傷に浸る。

 偽のエリクシールが出回れば世の中がおかしくなる。偽のエリクシールを売るのを止めればゴドジンの村の生計に関わる。全を選ぶか個を選ぶのか……。

 

「とりあえず地の主になってくれそうな天族を探さそうぜ。加護の1つでも与えればなにか変わるかもしんねえ」

 

 八方塞がりでどうしようもないこの状況。ザビーダは空気を入れ替えるという意味合いを込めて地の主探しを提案する。

 此処でグダグダとやっていたとしても意味は無いので地の主になってくれそうな天族を探すことにする。ザビーダ曰く近くに大きな穢れの塊を感じているので宿を出てそこに向かえば大きな憑魔が居た。

 

「魔神剣・槍牙!」

 

 が、この程度の憑魔ならば過去の時代に当たり前の如くウヨウヨといた。

 アリーシャは退魔の力が宿った槍を取り出し、新しく会得した技を使い撃退すると憑魔は元の姿に、天族に戻った。

 

「大丈夫ですか?」

 

「うぅ……貴女は?」

 

「オレ達はバンエルティア商会の者だ」

 

「その設定で通すのね」

 

 意識を取り戻した女性の天族。何者かと聞かれるのでとりあえず適当に言えばベルベットは呆れる。一応はこの設定の方がなにかと便利だ。

 

「導師じゃないの?」

 

「導師じゃないな……少なくともそこまで高尚な存在じゃねえ」

 

 あくまでもオレはエゴや矛盾の塊みたいなものだ。

 導師じゃないけど助けてもらった事実には変わりはないのだとお礼を言ってくるので地の主になってくれと頼み込むとあっさりと承諾してくれてゴドジンの村に戻る。

 

「穢れが多いわね」

 

「ちょっと待ってろ……焼くわ」

 

 穢れが多いことを気にする女性の天族。

 仕方がないディンの炎を展開すると穢れのみが焼き払われ、ゴドジンの村にあった淀んだ空気は消え去ってしまう。

 

「……貴方、ホントに何者なの?」

 

「名無しの権兵衛もしくは災禍の勇者だ」

 

 ベルベット達はこの光景を見馴れているので驚かないがエドナにとっては謎だらけなので聞いてくるので答える。

 オレが何者かと聞かれれば名無しの権兵衛でそれ以上でもそれ以下でもない、極々普通の一般人、ではないな。災禍の勇者なんて異名も持ってしまっている……蒼き戦乙女よりはマシである。

 

「この学校を器にしようと思うわ」

 

「そうか……じゃあ、村長さんに挨拶しないとな」

 

「私がどうかしたのかね?」

 

 女性の天族は学校の壁に触れる。

 この地の主になってくれるのならば挨拶の1つでもと思っていると村長さんが姿を現した。

 

「大丈夫なのですか?」

 

「あぁ。オメガエリクシールの効能があったのだろう。おかげさまで赤聖水の毒が抜けた」

 

「……隠さないんだな」

 

 村長さんは自身が教皇である事を隠さない。それどころか赤聖水の中毒性にやられていた事を自白する。

 

「此処に、このゴドジンの村に来た目的は導師達と同じなのだろう」

 

「そうですが……」

 

「例えなにを言われようとも私は戻らん。このゴドジンの村で残りの人生を終えるつもりだ」

 

「……そうか」

 

 穢れの1つでも出るかと思ったが村長さんから穢れは出てこない。それだけ覚悟を決めているというものだ。無理に連れて行くわけにもいかない。

 

「だが、赤聖水を売るのはいけねえ事だ。今はまだ大丈夫かもしれないが何れは一般にも流通して中毒患者が出て世の中を悪くする可能性がある。そうなれば風の骨の様な暗殺者があんたを殺しに来るぞ」

 

「……この村を救う為ならば命を捧げる……この村は私になにも言おうとしてこない。私に与えてくれたのだ」

 

「……この村が豊かになれば赤聖水の販売をやめてくれますか?」

 

「なに?」

 

 覚悟ガンギマリの村長さん。

 なにを言っても動こうとはしないと思っているとアリーシャは別の案を提案する。

 

「この村の為に汚れるならばこの村が豊かになれば汚れる必要は無いはずです……この村を豊かにします」

 

「馬鹿な、こんな辺鄙な土地では作物もまともに育たないのだぞ」

 

「……ゴンベエ」

 

「ま〜た、オレ頼りかよ。まぁ、いいんだけどよ」

 

 この辺りの土地は枯れていると言いたい村長さん。

 とりあえずは眼鏡を取り出して渡すと女性の天族を認識した。

 

「貴女は?」

 

「そうね。この地に祀られる天族と言っておこうかしら」

 

「!……コレは失礼しました」

 

「いえ、いいのよ。それよりも貴方、大分無茶をしているみたいね。一歩間違えれば憑魔化してしまうギリギリのラインを歩いている……」

 

 純粋に心配をする女性の天族。村長さんは全て覚悟の上なので申し訳ない顔はしない……覚悟は決まっている人は良くも悪くも強いな。

 この人が今度からこの辺りの土地の地の主になった事を教えると十字を切った……キリスト教でもないのに十字を切ったりするってこの世界は相変わらず曖昧でおかしいな。

 

「この土地を豊かにする事が出来るのならば赤聖水の販売を止めよう」

 

「はぁ……ホントに向いてない事をやらせやがって」

 

「よし、早速この辺りの土地、を」

 

「アリーシャ!?」

 

 いざ行かんと歩こうとするとアリーシャはバランスを崩す。

 咄嗟の事だったが直ぐ近くにベルベットが居たのでベルベットはアリーシャを掴むとアリーシャの異変に気付く。

 

「スゴい熱……なんで今まで黙ってたのよ!」

 

「ちが、う……おそらくこれ、は……」

 

「私がアリーシャを器にしたからよ」

 

「……今日はもう休むぞ」

 

 エドナがアリーシャを器としたからアリーシャは高熱を出した。

 導師との最悪な再会から今に至るまで色々とあった。アリーシャの体調が元に戻るまでここは一旦休みだな。




スキット 1つの側面


エドナ「ねぇ、お兄ちゃん」

アイゼン「なんだ?」

エドナ「ゴンベエって災禍の勇者なの?」

アイゼン「ああ。彼奴は歴史に残る最初の災禍の顕主の右腕的存在だ」

エドナ「その割には穢れの1つも放ってないけど」

アイゼン「ゴンベエの奴は色々とそれはそれ、これはこれと割り切ってるところがあるからな」

エドナ「そうなの?」

アイゼン「ゴンベエ曰く自身は秩序を持った悪人だそうだ」

エドナ「秩序を持った悪人ね……そうは見えないのだけど、演技の1つでもしてるのかしら」

アイゼン「それは彼奴の持つ一つの側面に過ぎない。ゴンベエは殺すことに対して躊躇いというものはない。現にザビーダがオレを殺すことに対して躊躇いは無かった。オレがあいつを殺した時やメルキオルを殺した時もだ。彼奴は世界を滅ぼす可能性を秘めている赤子が居るならばなんの躊躇いもなく殺すことが出来るほど非情な側面を持っている」

エドナ「そんなに残酷なのにスレイ達に色々と言ってて……おかしな人間ね、ゴンベエは」

アイゼン「人間という生き物は色々な側面()を持っている。基本的にはゴンベエは素らしいが何処まで素で何処までが別の顔なのかオレにも分からない……ただ、それこそが人間の本質だとオレは思っている」

エドナ「人間の本質?」

アイゼン「美しいものしか受け入れようとしないのは人間の悪い癖だ。だが、ゴンベエは良くも悪くもすべてを受け入れている。人間が背負っている業がなんなのかも十二分に理解している……元々は何処にでもいる一般人だったらしいが、彼奴に物事を教えたのは相当出来た奴なんだろう」

エドナ「変な人間なのね」

アイゼン「否定はしない……だが、ちゃんと物事は理解している。なにか問題があるとすればやる気が無いことだ。世界を嘆き憂いている男をめんどくさがり屋だと言いやがったとんでもない男だ。それこそちゃんと真面目にやればあのクソ導師みたいな事にはならない……現にアリーシャを正しいかはどうとして導く事は出来ている」

エドナ「……変なの」

アイゼン「ああ、筋の通った変人だあいつは」

番外編

  • 続 異世界プルルン転生記
  • ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
  • 攻略戦 決戦KCグランプリ
  • まゆゆんの貧乏くじ
  • アルピ交通事務局オリジナルのネタ
  • んなのより早く続き書かんかゴリラ作者
  • 他の書く暇あるなら他の小説を更新しろ
  • ちょこっとテイルズオブザレイズ編
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