赤精鉱を原料とした偽のエリクシールの販売を阻止すべく出した答えがまさかの冷凍庫だった。
氷って高級品なんだなと改めてこの世界の謎を感じている。いやまぁ、昔は氷が高級品だったと聞いたことはあるけども。
「コレで最後か」
「ああ、赤精鉱と赤聖水は此処にあるので全部だ」
村長さんはアイスロッドで満足してくれたのか赤聖水をエリクシールと偽って売るのを止める。
口約束だと万が一があるので念には念を入れて現時点で取れる量の赤精鉱と赤聖水を一箇所に集めてもらった。
「あの時よりは少ないわね」
「いや、既に市場に回っている。コレの数倍はあると思わねえと」
何時かの倉庫の破壊に行った時の事をベルベットは思い出す。
あの時と比べれば赤聖水は少ない……が、既に赤聖水はエリクシールとして市場に出回っている。既に赤聖水の毒にやられて憑魔化した人間が居るかもしれない。そうなれば浄化の力で元に戻しても薬の依存性の問題で暴れ回る可能性が高い。危ない薬はホントに良くない。
「この赤聖水と赤精鉱は破壊させてもらう。何かの理由で売らなきゃならなくなったとか洒落にならないからな、念には念を入れさせてもらう」
出る杭は打たれる、念には念を入れておく。
右手に炎を、左手に冷気を放出して両手を合わせると弾けて光の矢に替わる。
「極大消滅呪文・メドローア」
オリハルコンすらも簡単に消滅させる事が出来る大魔導士の一撃を赤聖水と赤精鉱が入っている箱に向かって放つ。
触れるだけで問答無用に破壊する最強の呪文で確実に殺す文字通りの必殺技でこんな事に使っていいのだろうかと思うが、こういうとこでしか使い道は無い。メドローアを赤精鉱等が入った箱にぶつけると粉微塵と言えない文字通り跡形もなく消し去った。
「ふぅ……悪の根は根本的な部分から断っておかないと」
久しぶりに撃ったけどもやっぱり半端じゃない威力だな、メドローアは。完全に消し去った事を確認した。
「君はいったい何者なんだ?」
「災禍の勇者もしくは名無しの権兵衛だ」
村長さんの目の前でメドローアを撃ったので驚いている。
オレが何者なのかを問うので何時もの様に適当に答えておく。
「本当になんとお礼を言えばいいのやら」
「いや、あんたが元の鞘に戻ってくれればそれが1番手っ取り早いんだよ」
「すまない、それはできない事だ。私はもう教皇として戻るつもりは無い」
でしょうね。ここまで来て教皇に戻りますと言われてもそれはそれで困ったものだ。
ゴドジンの村に居るであろう教皇は見つける事が出来たが連れ帰る事は出来なかった……どの面下げてセルゲイやフォートン枢機卿に会えばいいんだろうな。連れ戻すと約束をしたわけじゃないけどもどうしたものか。
「罪滅びしとは言わないが、コレを」
「コレは、書状ですか?」
教皇のサインが入った便箋をアリーシャに渡した。
「無責任な人間だと言われようが構わない。だが、責任は果たさなければならない……セルゲイやフォートンに託してくれ」
「……分かりました。この書状、なんとしてでも届けます」
此処に来て良かったと言うべきか結果を上げる事が出来なかったと嘆くべきか。
アリーシャは村長から書状を受け取った。コレで一先ずは問題を解決する事が出来た……そう喜んだらいいのだろうか?まぁ、その辺はオレの管轄じゃないアリーシャが頑張らないといけない部分なので深くは気にしない。
「……ん?」
大地の汽笛に乗り込みいざゴドジンの村を出発だとペンドラゴを目指そうとするのだがその前に視線が向けられている事に気付く。
大地の汽笛が珍しいからとかじゃない。オレに対して視線を向けている。振り向けばそこには村の人達が沢山いる……が、違う。村の人達の視線じゃない。
「どうしたの?」
「いや……ちょっとな」
なにかに気付いているオレに気付くエドナ。
向けてきている視線が気になるがオレ達に対して直接害意を為すものじゃない。仮に攻撃してきたとしてもこのメンツに挑みに来るのはアホだ。
「貴方、こんな便利な物を持っていたのね」
大地の汽笛を走らせる。目的地はペンドラゴだ。エドナは大地の汽笛に乗るのははじめてなので大地の汽笛の窓から覗き込む。
「便利だけどデメリットもある……って、アイゼンにも似たような話をしたか」
大地の汽笛はなんの問題も無く走っていく。道中、道を防いでいた落石は前日にアリーシャ達と共に破壊しているので邪魔が入らない。
このまま順調に行けばペンドラゴにあっという間に着くだろう。
「……どうしたものか」
「なにに悩んでんだよ?」
「スレイが使い物にならないのは流石に想定外だった」
スレイを祀り上げて天族の信仰文化等を復興して上手い具合に1つの形に納めたかったんだがな。
「あんた、そんなに導師が必要なの?」
「必要っていうか1つの形に纏めるのに必要なんだよ。何はともあれ1つの形に纏めて終わらせる……そりゃあ欲を言えばもっと綺麗な形で纏めたかったけどもとりあえず1つの形に纏めて終わらせてそこから色々と改善したりすればいい。そう思ってたんだけどな」
とりあえず1つの形に纏めて終わらせるんだとフェイスブックだかTwitterの創始者が言っていた筈だ。
とにかく1つの形に纏めて終わらせればそこから色々と改善点を見つけ出して変える事が出来る。その為には平和の象徴が必要なんだよな。
「もうあんな導師になんか頼らなくてもいいじゃない。今回もそうだし、今までだってなんだかんだで上手くやってるんだから……あんな導師はこっちから願い下げよ」
スレイの評価が元から低く、更にはあんな事があったので地の底を貫いている。
ベルベットはスレイになんか頼らなくていいというがそうなるとコレから先、導師じゃないと言い続けないといけない。
「導師に頼らず災禍の顕主が世界を平穏に導く、か……なんともおかしな話だな」
今まで導師が災厄の時代を救うのを見ていたアイゼンはボソリと呟いた。
導師無しで世界を救うという前代未聞の事態……あぁ、考えるだけで頭が痛い。
「ペンドラゴが見えてきたわよ」
色々と考えてみるものの導師不在は痛い。どうしたものかと思っているとペンドラゴに辿り着いた。
2回目だがペンドラゴの住人にとって大地の汽笛は未知の乗り物に近く、人が集っている……前回よりも多いな。
「皆の者、引け!ハイランドからの使者が参った!!」
「ホラホラ、全員退いた退いた」
大地の汽笛を物見山で見物しているペンドラゴの住民達をセルゲイが引かせる。
コレはチャンスだとセルゲイに便乗して大地の汽笛から降りて物見山の一団を引かせる。
「よくぞ舞い戻った……」
「詳しい話をしたいから何処か場所をお貸しください」
「ああ。騎士団の駐屯地で聞こう」
あくまでもアリーシャの従者である。その設定は貫き通さないといけない。オレには権力は無いのだから。
大地の汽笛を停泊させて騎士団が使っている駐屯地に向かう。そこには何時もの騎士達とフォートン枢機卿がいた。
「……仲直りでもしたの?」
「ん、ああ……ちょっと力技で解決したんだよ」
フォートン枢機卿がどちらかといえば敵側の住人である事をエドナは知っていて意外そうな顔をしている。
穢れの領域的なのを展開しているわけではないのでエドナは苦しい表情を浮かべない……力技とはいえ解決して正解だったのかもしれないな。
「セルゲイ殿、こちらを」
「コレは……教皇のサイン!?」
「中身をご確認ください」
教皇のサインが記された書状をアリーシャは渡す。
セルゲイは驚いた顔をしており中身の確認はまだだったので読んでくれとアリーシャが言うとセルゲイは便箋の中身を開いた。
「【先ず一筆、この度は申し訳ない事をした。ペンドラゴは騒動になっているだろう。しかし私は後悔はしていない、今の生活を手放すつもりはない。だがそれでは国の運営に携わっている……誠に申し訳無い事をした】」
「申し訳無いって、なにが申し訳無いのかしら?」
便箋の中身の手紙を読み上げるセルゲイ。
一応は申し訳ないと思っているのか……まぁ、言うて他所の国の事情なんて知ったことじゃねえからな。エドナはなにに対して謝罪をしているのか些か疑問を抱く。
「【誠に勝手ながら教皇を辞任させていただく。コレから市場に出回る教皇の印が付いた物は全て偽物と思ってくれ。後釜は好きにしてくれ】……アリーシャ殿、教皇とお会いしたのですか?」
「ええ……私達にはどうすることも出来ませんでした。マシドラ教皇はもう元の鞘に戻るつもりは一切無い、覚悟を決めていました」
手紙の内容は教皇の辞表だった。教皇として最後のケジメをつける為に色々と書いてある。
もし導師達が現れたのならばこう語ってくれと導師の秘力についても残しており導師と名乗る人物がもし来たのならば力になってやれと言伝を残している。
「なんということだ教皇が行方知らずのまま辞任する等、前代未聞の事態……どうにかして連れ戻す事は出来ないのですか?」
流石の辞表に驚くフォートン枢機卿。
「それは無理です。誰が教皇代理を務めるつもりなのですか?」
フォートン枢機卿も教皇を連れ戻す事が出来ないかと尋ねるがオレ達は首を横に振る。
元に戻すことは出来ない。仮に無理矢理連れてきたとしても脱走するのが目に見えている。無理な事だとバッサリと割り切ると次に誰が教皇の代理を務めるのかと尋ねると視線はフォートン枢機卿に向けられる……まぁ、次点の人が目の前に居るのならば仕方がない。
「……いいでしょう。私が新しく教皇となりましょう」
「オバちゃん、まさかハイランドと戦争を仕掛けようなんて言うつもりはねえだろうな?」
また戦争が巻き起こるって言うのならばまたオレが動かなければならない。
ヘルダルフが裏で糸を引いているのは知っている。油断すればまた憑魔化する可能性もなくはない。
「その様な事はしません。現皇帝のライトと共にこのローランス帝国をハイランドに負けない程に豊かにしてみせます」
この国の皇帝、ライトって言うんだな。
ローランスもハイランドも情勢は知ったことじゃない、なんだったらハイランドの皇帝の本名もオレは知らない……どうでもいいことだからな。
「大丈夫なのだろうか。レオン第一王子やコナン第二王子は謎の死を遂げている……現皇帝ライトはまだ幼い」
セルゲイはこのままで大丈夫なのかと心配をする。
若い皇帝……パーシバルといいアリーシャといい王族は本当にめんどうな物を抱えてしまっているな。まぁ、オレの知ったことじゃねえけど
「ところでゴドジンの村に向かったのならば導師一行とお会いしなかったのですか?」
「導師は……見聞を広めるって私達に後を託したわ」
流石に殺し屋を従士にしていたとは言えない。
ベルベット的にはストレートに言っても良かったのかもしれないがせめてもの情けと言ったところだろうか。
「見聞を広める為ですと?」
「ええ。反吐が出るぐらいにお人好しで危うくとんでもない奴等に利用されかけてたわ……全く、どうしようもないアホよ」
ゴドジンの村に向かった事を知っているので気にするセルゲイ。
ベルベットは冷たい目でスレイの事を語る……あんな事があったのでなにも言うことは出来ない。無知だからって何してもいい理由にはならない。
「現皇帝ライトにハイランドとしては和平を結びたいと、その旨を伝えよう」
色々とあったものの平和の道を一歩進みだした……そう考えればいいんだろうな。
フォートン枢機卿が居なくなった教皇の正式な代理を務める事になりセルゲイと一緒に若き皇帝を支える……が、上手くは行かないだろうな。ローランスの中にいるヘルダルフと通じる者とか色々と見つけ出さないといけない。でなければセルゲイ達の身が危うい。
「いい感じの終わりを迎えるのはいいけどよ、肝心の地の主が居ねえんじゃ穢れから守れねえぞ」
色々と厄介な事を待ち構えているなと思っているとザビーダは意識を現実に引き戻してくる。
このペンドラゴに祀るべき天族は何処にもいない。エドナ達を祀り上げるわけにはいかないし、どうしたものか……ん?
「強い穢れを感じるな」
領域は展開されていないがそれなりに強い穢れを感じる。憑魔……何処に天族達が居るのか分からないし、手当り次第やってみるのが吉か。
「このペンドラゴで奇妙な噂が立っていたりしませんか?」
「奇妙な噂ですかな?」
「一応は気になったので……無いのでしたらそれに越した事は無いのですが……」
「いえ、確か夜になると獣の様なうなり声が何処からともなく響いていると騎士達や街の住人達が噂をしておりました」
「……アリーシャ様、本日はこのペンドラゴで休み明日にハイランドに帰りましょう」
「え、ゴンベエ、今からで……ああ、そうか。分かった」
そのうねり声の正体を確かめるしかない。
とりあえず今日はペンドラゴで一泊する事を決めると礼か詫びかは知らないがペンドラゴで1番の宿屋の1番高い部屋を用意してくれた。
「さて、探すか」
「噂の正体を確かめに行くのね」
宿屋で美味しい食事を食べ時刻は夜になった。吠える様なうめき声が聞こえて化け物が人を襲う、うめき声の季節がどうのこうのと言っていた。
ウーノ達の一例があるのでもしかしたらの可能性に賭ける。
「別にお前等来なくてもいいぞ。オレ1人で解決出来そうな案件だし」
「行くわよ。あんた1人で任せてやったらなにが起きるか分からないし……どちらにせよこの地の主とやらになる聖隷を探さないとペンドラゴが本当の意味でどうにかなるわけじゃないんでしょう」
また人をそんな問題児みたいに言って。
ベルベット達も着いてきてくれる事になったのでとりあえず宿を出る……夜のローグレスを何度も歩いたがペンドラゴとなった今と大して雰囲気が変わりはないな。1000年前と同じ町並み……う〜ん、進歩しない人類ってどうよ。
「あ、あれは!」
強い穢れが感じる場所に向かえばそこには巨大な人型の虎顔の憑魔がいた。
グルルと吠えており、何時でも戦闘出来ると言いたげな雰囲気を醸し出している。穢れの領域が展開されていないが強い憑魔である事には変わりはない。
「ゴンベエ、此処は私が……百花桜乱!!」
何時もの様にデラボンで解決するかと考えているとアリーシャは槍を取り出して桜吹雪を舞わせる。
オレが教えたわけでもないのに木属性の力を上手く使うことが出来ているなと感心しつつ桜吹雪は虎の憑魔を包み込む
「ガアァアアアアア!!」
「まだ届いていない」
「アリーシャ、さっさと宿に戻りたいからアレやるわよ」
「アレ、と言うとアレの事ですか!?」
「ええ……今なら出来るでしょ?」
「アイゼン、いいの?」
「まぁ、野郎じゃないしアリーシャなら信頼は出来る」
アレをやろうとしている事を気にするベルベットはアイゼンに確認を取る。
男とのアレは認めないがアリーシャならばと眉にシワを寄せて妥協に近い感じの渋々認めるといった感じで認められる。
「「『ハクディム=ユーバ!!』」」
許可が降りたのでアリーシャはアレを……地属性の神依を使う。
オレンジっぽい色に髪の色が変わったと思えば巨大な拳も出現する。
「アリーシャ、パッと開かずグッと握ってダン!ギューン!ドカーンだ」
「わかった!パッと開かずグッと握って」
「って、その格好でそれはまずいわよ!」
足を大きく上げるアリーシャ。
この技は足を大きく上げて腰の支えが大事な技でパンツ的な物は見えないがアリーシャの背後から巨大な拳骨が飛び出て畝りを上げながら虎の憑魔を殴り飛ばした。
「正義の鉄拳、一発で成功するか」
「正義の鉄拳……中々に悪くない技だ」
正義の鉄拳の撃ち方を教えると一発で成功した。
殴り飛ばされた憑魔からは黒い靄が、穢れが大量に溢れ出ており完全に浄化しきれていない。まだまだ力が足りていないんだなとアステロイドを出して虎の憑魔を撃ち抜いた。
「はじめてだから……まぁまぁね」
「まぁまぁ、ですか?」
「ええ、まぁまぁよ。一発で殴り倒すことが出来なかったもの」
意外と脳筋思考なところあるよなエドナは。
それはさておきアステロイドで虎の憑魔を撃ち抜くとみるみる内に虎の憑魔から穢れが消え去っていき……猫になった。
「あんたは!!」
「うぅ……どうやら憑魔化してたみたいって貴女達は!!」
「ムルジムか……何時ぶりだ?」
猫が元になっている憑魔じゃない。猫の見た目をしている天族こと元シグレの聖隷であるムルジムが噂の憑魔の正体だった。
ベルベットは元に戻ったムルジムを見て驚く。ムルジムは憑魔化していたのかと頭がボンヤリしていたのだがベルベットを見て意識を覚醒し、アイゼンが何時ぶりの再会か懐かしむ。
「久しぶりね……あんたからしたら途方も無い時間よね」
「どういうこと?貴方はアルトリウスと相討ちになって終わったんじゃなかったの?」
「災禍の勇者が横槍を入れてきたのよ」
ギロリとオレを睨むベルベット。オレはあの行いに関しては後悔はしていない、反省もしない。
「えっと……ムルジム様、元に戻ってなによりです」
「貴女は……アメッカの子孫?にしては似すぎているわね……」
何時も通りの接し方で天族に接するアリーシャ。
ムルジムはジッとつぶらな瞳で見つめてくる。アリーシャはチラリとオレを見てくるのでオレは両手の人差し指で☓を作る。そう簡単にポンポンと過去に遡って歴史に介入しただ何だの話をしていいわけない。
「そうそう、オレも驚いたんだよ。アリーシャちゃん、アメッカとあまりにも瓜二つでよ」
言うことが出来なければ誤魔化すしかない。
ザビーダはアリーシャがアメッカという人物の子孫という設定を盛る。バンエルティア商会に過去の自分自身の子孫ととにかく色々と設定を盛っているな。
「アリーシャは恐らくだがアメッカの子孫だ」
「だったらどうして彼女が、ベルベットがいるの?」
「今の今まで封印されていたのよ……それにしても随分と時代が変わったものね」
オレ達の事を怪しむムルジム。ベルベットは適当にはぐらかすとこの時代について語る。
「アレから色々とあったのよ……聖隷は天族と呼ばれる様になりマオテラスは浄化の力を齎してやり直す事が出来るようになったわ」
「ええ、ザビーダ達から色々と聞いているわ。フィーが色々と頑張ってる……それなのにどうしてこんな時代になっているのかしら?」
「それは……どうしてなのかしらね」
人が天族への感謝の念を忘れたからだけじゃない、地殻変動を始めとする様々な天災が巻き起こり文明がリセットされかけている。
元々カノヌシが文明をリセットしていたりしてたし、割とマジでどうしてこんな時代になっているのか謎でしかない。
「ムルジム様、憑魔から戻ってこの様な事を頼むのも急なのですが」
「地の主ね、だったら碑文が刻まれている石を器にしてみるわ」
「よろしいのでしょうか?」
「ええ。元々そのつもりで此処に来たのでしょう?」
「ま、そう言われるとそうなんだけどよ」
「ただ問題はあるわ。この街は大都会で穢れが多い……加護が本格的に発揮するにはそれなりに時間が掛かるわ」
「そこは仕方ねえことだ」
上流階級のドロッとした部分はそう安々と解決することは出来ない。
ムルジムは導師の秘力が記された碑文が刻まれた石碑を器としに向かった……コレでやることはもう終わりだとオレ達も宿屋に戻っていく。
スキット 嵐月流の行方
ゴンベエ「そういやロゼの奴、ロクロウと同じ嵐月流の技を使ってきたな……まさかロゼはロクロウの子孫?」
アイゼン「いや、ランゲツ家は1000年前のシグレの代で血筋は途絶えている」
ゴンベエ「エレノアとの間に出来た隠し子的な存在の子孫じゃないんだな」
アイゼン「ロクロウと昔再会した時に酒で盛り上がってな……お前がメルキオルのジジイをめんどくさがり屋と言ったのが話題に出たんだ。ロクロウもその時の事はハッキリと覚えていて、何時か現れるであろうお前を倒す為の武者修行の旅の途中、偶然に立ち寄った小さな村でな……お前が言っていた事を思い出したんだ」
ゴンベエ「オレが言ってたこと?」
アイゼン「憑魔に作物を荒らされててロクロウにとっては武者修行を兼ねて斬り倒すのは簡単だがそれだと村の為にはならない。だから、ランゲツ流の剣を教えたらしい」
ゴンベエ「あ〜そういやそんな事も言ったな……ってことはランゲツ流は残っているんだな」
アイゼン「ああ、とはいえランゲツ流に欠かせない肝心の號嵐と征嵐が無ければ真の力を発揮する事が出来ない」
ゴンベエ「だろうな……そういやその2本は何処に行ったんだ?現代では噂の1つも聞かないんだが」
アイゼン「2つの太刀はロクロウが持っていた。そのロクロウは武者修行の果てに殺された……恐らくだがこの大陸でなく異大陸の何処かに眠っているのだろう」
ゴンベエ「また厄介な事になってるな……まぁ、あの2本を使いこなせる人間は早々に居ないだろうから問題は無さそうだけど」
アイゼン「そもそもでちゃんと残っているかの保証すら無い……もし、あの頃と変わらぬまま保存されているのならば神の刀と呼ぶに相応しい一品だろうな」
スキット 立会人
アリーシャ「そういえばなんですが、ザビーダ様が立会人になれば色々と聞くことが出来るとノルミン天族の方から聞いていたのですが」
ザビーダ「んん、ああ、それな……あの戦いはよ、人が人として生きているって証明する戦いみたいなもんである反面人が絶望して限界に辿り着いた、そんな感じの戦いだ。歴史の闇に葬り去らなきゃならねえことだ」
アリーシャ「だから立会人が必要だと?」
ザビーダ「ああ、歴史の闇を暴く奴等は何時かは現れる。もう一つの天遺見聞録を見つけても尚世界の歴史を、真実を知りたいって奴が居るのならなそれに答える……俺が歴史を包み隠さずに話す予定だったんだがな……」
アリーシャ「なにか問題でも?」
ザビーダ「いや、アリーシャちゃんが悪いんじゃねえよ。まさか過去に遡って歴史に介入しただなんてにわかには信じがたい事をするとは思ってもみなかった。アイゼンの野郎、アリーシャちゃんとゴンベエが未来から来たのを気付いていてこんな役割を押し付けやがって」
アイゼン「いや、それは違う。万が一を想定してゴンベエ達に伝える役割を担わせたんだ」
アリーシャ「万が一?」
ザビーダ「おいおい、まだなんかあるって言うのか?」
アイゼン「それが起きていないのならばそれに越した事は無い……1000年前のはじまりの時は都合良く作られた歴史のままでいい。無理に踏み込めば骨肉の醜い争いを見ることになってしまう……教えなくていいのならばそれに越した事は無いんだ」
アリーシャ「万が一……アイゼンはなにを危惧しているのだろうか?」
番外編
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続 異世界プルルン転生記
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ちょっと昔のゴンベエ達(地獄)
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攻略戦 決戦KCグランプリ
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まゆゆんの貧乏くじ
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アルピ交通事務局オリジナルのネタ
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んなのより早く続き書かんかゴリラ作者
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他の書く暇あるなら他の小説を更新しろ
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ちょこっとテイルズオブザレイズ編