エドナと「私で童貞捨てたくせに」と言われるぐらいの関係性と言う名のエロは浮かんだりします。
「…………ここだな」
ゴンベエがジジイ殿にかなり酷いことを言って、次に向かったのは滝だった。
巨大な瀑布と言ってもいいレベルの滝であり、ジジイ殿が言っている事が本当ならばこの滝の裏に水の試練神殿が存在している。
地図と現在地が合っているかどうかを照らし合わせてみるが間違いなく今、目の前にある滝の裏に水の試練神殿がある。
「……地下水脈の底にあるパターン?濡れなきゃいけない泳がなくちゃいけない系?」
「濡れるのは嫌よ」
「私もよ」
「エドナ様、ベルベット、もう少し緊張感を」
「つってもよ、オレ達はパワーアップをしに来たんじゃなくてどうすればいいのかと問いかけに来たんだぞ……極端な話、ヘルダルフを殺すのはオレが一瞬で出来る事だからな」
滝の裏にあるということは滝を通らなければならない。
水に弱くなっているベルベットや濡れる事を嫌がるエドナ様、コレから大事な事を話し合う場になろうと言う雰囲気を全くと言って醸し出していない。
「まぁ、そうだよな。意見交換ってのは大事な事だからな……」
ザビーダ様はゴンベエの言ってることに納得する。
あくまでもここに来た理由は私達と異なる考えがどういう考えなのか、ライフィセット、いや、マオテラスが試練神殿でどういう秘力を授けるのかは正直な話、あまりイメージが浮かばない。ただマオテラス達が人間とどうやって向き合うのか、そこが気になる点だ
「ロクな答えが帰ってこなければ、ぶっ壊す……これ以上は汚点を増やさない為にも負の連鎖を断ち切る。ただそれだけだ」
「壊して、いいのか?ここは導師をパワーアップさせる神殿だが」
「その結果が今じゃねえか。時代ってのは常に移り変わる、物事の考えも土地によって変わる……降臨出来るだけじゃなくて人間みたいに怒ったり泣いたり笑ったり喜んだりする喜怒哀楽を持った生き物だって言うならば伝統は守りつつも新しい発想を取り入れる姿勢じゃねえとダメだ、自分より地位が上な人が問答無用でダメって抑えつけるのは良くない事だ。頭と心で納得する事が出来なきゃ意味ねえだろ?もし、固執した考えを持ってて新しい発想を取り入れない、自分達の考えこそが絶対的に正しいと老害化しているならば…………討つ」
ゴンベエはサラリとだがとてつもない事を平然と言う。
ここになにが居るのか、なにが待ち受けているのかは分からない。だが、固執した考えを持ってしまってる老害になっているならばと言い切る。
「大体な、古代の神殿なんてややこしいのを残すんじゃねえよ。この国は宗教と政治が密接に繋がってるからまだマシだけど、壊すに壊せなくて扱いに困るんだぞ?日本なんて八百万柱も神様が居てそれに比例するかの如く神社が馬鹿みたいに存在してて神主掛け持ち多いんだぞ。過去に作られて現代まで残っている古代の城とか闘技場とかを観光名所にして銭儲けするなとは言わねえけども、シンプルに邪魔だぞ。遺跡にロマンが詰まってるとか言うけども、その時代を思いっきり生き抜いた奴等が目の前に居るんだからロマンもクソもねえよ」
「そういう身も蓋も無い事を言い出してどうするの。それ言い出したら、エドナ以外マオテラスの誕生に関係する重要人物よ」
遺跡にロマンを感じなくもないのだが、ゴンベエは身も蓋も無い事を言い出してベルベットは呆れる。
確かに、天族達はその時代を実際に生きていた……その時代の情勢を知っている。アイゼンは特にその辺りが…………ホントに身も蓋も無い話だ。
「…………こう、秘密の抜け穴とか導師の証的なのを翳せば滝が真っ二つに割れると言ったシステムではない、か……」
色々とああだこうだ言っているが、とりあえず滝の裏にある水の試練神殿に足を運ばなければならない。
流石にびしょ濡れになって入るのも色々と抵抗がある。パッと思いついた滝の裏に入る方法を口にするがそういう感じじゃない。
「天族の力を借りた導師が中に入る感じだから、術を使えばいいのよ」
「そうなのですか?」
「火の試練神殿もそんな感じだったわ」
この中で唯一、火の試練神殿を知っているエドナ様。
滝の裏に入る方法は導師としての力を振るって入ればいい……まず、この滝の裏に入るという発想自体が浮かび上がらない。神殿を作るのは構わないがあまりにも秘密の神殿すぎれば見つけることが難しくならないだろうか?いや、それ以前に導師をパワーアップさせる試練神殿の存在自体、知らなかった……ゴンベエの言っていたように、情報の独占をしている。いや、し過ぎている。
「ハイランドで誕生した導師がローランスに記録が残されているパワーアップする方法を知る……冷静になって考えてみればアホじゃねえの?な事だな……じゃあ、滝を凍らせるから下がってろ」
ゴンベエはそう言うと弓矢を取り出した。
ゴンベエがそういうのならばホントにそうするのだろうと私達はゴンベエから距離を置けばゴンベエは弓矢を構える。矢に冷気を纏わせており、空気中の水分が凍っているのか白い水蒸気が出ている。ゴンベエは矢を放てば……滝はカチンコチンに凍りついた。
「ふん!……このくらいだな」
カチンコチンに凍りついた滝を殴ってアイゼンは入口を作った。
言えることは確実にこの入り方は間違いだという事ぐらいだろう。しかし間違いでもなんでも私達は前を歩いていかなければならない。
ゴンベエが凍らせアイゼンが作った入口を通過すると明らかに自然界の物じゃない人工物の入口を発見する。
「こんな神殿1000年前には無かったわよね?」
「アヴァロストの調律と呼ばれる半神話の時代に作られた天族と人間が協力して作り上げた物で、それ等を一部再利用していて……地殻変動等で海の底に眠っていた物なんかもある」
ゆっくりと歩いて入口まで近付くが、この手の神殿を見るのは中々に無い。
1000年前の冒険でも見なくて自分が眠りについた後に作られた物なのかと疑問を抱くベルベットだが、アイゼンが教えてくれる。
アイゼンが言っているから一部は遭っている筈だが……そうなると元の大陸がどうなっているのかが気にはなる。
「ほぉ、導師がここに来るのは何時ぶりだ?」
「え〜っと…………誰だ?」
「神殿の試練を与える天族、マオテラスじゃなくて他の聖主に仕えてるわ」
1000年前ではお馴染みだった天族の衣装をしている人がいた。いや、人と言うのはおかしいな。恐らくは天族の方だろう。
いきなりの登場でありゴンベエは誰だと疑問を抱くのでエドナ様が教えてくれる……流石は2度目だ、物凄く手慣れている。
「そう、ここは水の試練神殿ルーフェイ。導師の来訪は久しぶ」
「違えよ、導師じゃねえよ」
「……なに?」
「私達は導師なんてロクでなしじゃないわ……ただ色々と意見を交換したり気になったりしたから来ただけの地方の男爵一行よ」
私達を導師一行だと勘違いをしているのでゴンベエとベルベットは訂正する。
ジッと私の事を見てきている。いったいなんなのだろうか?なにか粗相でもしてしまったのだろうか?
「女性二人から天族の力を感じるが?」
「……ねぇ、ホントにここ大丈夫なの?導師って聖隷の器になってる人間じゃないわよね?」
私とベルベットから天族の力を感じるので導師じゃないのかと尋ねる。
導師の称号とはそういうものではないと認識しているベルベットは思わず疑ってしまう。確かに、なにを持って導師とするか?浄化の力を持っているから?天族の器になってるから……分からないな。
「俺達がここに来たのはお前達が何を考えているのかを聞きに来ただけだ」
「…………どういう意味だ?」
「さっき導師がここに来たのは何時ぶりだって言った……過去に最低でも2,3回ぐらいは導師が来たんだろ」
「まぁ……過去に来訪してきたが、それがどうした?」
「それがどうした?じゃないわよ。あんた達がなにをしてるのか知らないけど、何度も何度も同じ歴史を繰り返してるんだからいい加減に別の方法を模索したりしろって言いたいのよ」
「むぅ……」
「つか、ここなにする場所なんだ?なんか神聖な儀式的なのを行っとぉ!…………物騒だな」
ザビーダ様やベルベットに言われて困った素振りを見せる天族の方。
ゴンベエがここが具体的になんなのかを聞いてみれば無数の剣が飛んできた……導師をパワーアップさせる試練の神殿なのに憑魔が居る?
「ここに居る業魔を倒せばパワーアップをする、もしくはパワーアップさせる感じなの?」
「いや、違う……憑魔を倒すのでなく何故憑魔化してしまったのかを知るのがこの神殿の試練だ」
「え〜……もうオチが読めるよ。オチが読める展開ほどつまんない事は存在しねえよ。どうせアレだろ?真っ直ぐで純粋だったけども人間に絶望したとか力を手に入れて正義の味方になったと天狗になったり、こうするしか道は無かっただなんだでなんだかんだで闇堕ちという名の憑魔化してしまった嘗ての導師の成れの果て的なのだろ?高潔で純粋な人間が堕ちる時はとことん落ちるのを見てきたばっかなんだから、もうそういうのいいよ。どいつもこいつも覚悟もなにも無いのに
「…………お前、なにしに来たんだ?」
「やっぱりそういうオチじゃねえかよ。導師の秘力って天族と人間をどうやって導けばいいのか向き合う場じゃねえのか?導師を人間と言う意味合いで成長させる場所なのか?それで1000年以上も文明リセットとか色々とやってたのか?」
ゴンベエが殆どと言うか答えを言ってしまったみたいなのか天族の方は本音を呟いた。
アルトリウスの様に堕ちる時はとことん堕ちる高潔な人間も世の中には居る……それを教える試練神殿ならば、絶対に今の私達には不要だ。
私達、いや、私は過去の時代で人間が人間として生き抜く姿や業を見てきた。ならば今更、アルトリウスの様に堕ちる時はとことん堕ちる人間を見たところでこの人も同じく純粋が故に絶望をしてしまった等と考える程度で終わってしまうだろう。
「とりあえず、オレに攻撃してきたのと大して意味の無い場所だから武器を投げてきた憑魔消すぞ」
「ま、待て!」
「嫌だね」
導師の秘力を授ける試練神殿の天族の方は慌てる。
ゴンベエを襲ったのが悪い。理由は何であれ、人を殺したり傷付けたりする事は基本的にはよくない事だ。ゴンベエは天族の方を無視して一歩ずつ足を踏み入れていくのだが試練神殿というだけあってか仕掛けが施されている。目の紋様に姿が映れば元の場所に戻される
「デラックスボンバー」
のでゴンベエは仕掛けを破壊した。
前方から物凄い勢いで壁が迫っているので何時もの事をやった。仕掛けを力技で解くどころか壊している。
「ねぇ、こういうのってちゃんとした手順を守らないとダメじゃないの?」
「……ゴンベエはそういうのをしませんよ」
力技どころか神殿の仕掛けを破壊していくゴンベエ。
エドナ様がちゃんとした手順を守って試練の神殿の仕掛けを突破していくものじゃないのかと聞くが、ゴンベエは真っ直ぐに破壊しながら行く。
そういうのを守っていくのが普通だが、ゴンベエはそういうところに関しては慈悲は無い。話し合いが通じないと分かれば相手がなんであれ殺す、それがゴンベエのやり方だ。
「武器、武器、武器ぃいいいいいい!!」
「クロガネの親戚かなにかか?」
「アレはアシュラだな。怒りによって凶暴化した人間がなる憑魔だ」
遺跡の仕掛けを破壊しながら突破し、一番奥の祭壇の様な場所に辿り着いた。
そこには6本の腕の巨大な憑魔がいて武器を求めて憑魔を倒しているので思わずクロガネの親戚かなにかかと聞いてしまい、アイゼンが答えてくれた。
「憑魔が憑魔を襲うの?」
「……え、普通じゃないのですか?」
「普通よね?」
「エドナ、こういう時にはボケを挟まない方がいいぞ」
「エドナちゃん、今はそういう感じじゃねえって」
「なにを今更な事を言ってるんだ?」
アシュラは憑魔を襲っていた。首の無い憑魔だ。
持っている武器に固執しており、武器を寄越せと言わんばかりに首の無い憑魔を斬り殺せば持っていた剣を奪った。
「人を斬りたいで業魔になった人間と、刀を越えたい一心で業魔になった人間と……今度はなんなの?」
「武器を、武器を寄越せぇえええ!導師のオレが使うんだぁああああ!!」
「ったく、完全に闇堕ちしてしまったパターンじゃねえか。アレか?導師になっちまった責任感から来る穢れか?責任を感じるぐらいならば最初から諦めとけって。諦めるのは諦めないのと同じぐらいに大切な事なんだ、ぞぉっ!と……はい、終了」
最早、見慣れてしまった光景だ。
ゴンベエは特にアシュラに対してなにかを思うわけではない、その辺の雑草を邪魔だから見栄えが悪いから引き抜くのと同じぐらいの感覚でアシュラをオリハルコンで出来た刀で斬った。幸いにも浄化の炎を纏っていたので殺すのでなく浄化された……が、元の人間に戻ると言った事は無かった。長い間思えば憑魔になっていたのか元の人間に戻らなかった。
「……お兄ちゃん、これ絶対に間違ってるわ。もっとこう、色々とあるじゃない」
「いや……ゴンベエが少しだけ真面目にやってる時はこんな感じだぞ?」
殆どというか完全に、最初から最後まで力技で通した。
やり方が間違い、正規の手段でするべきじゃないのかとエドナ様が気にするが、アイゼンからすれば見慣れてしまった光景だ。
「ったく、試練の神殿がなんの為にあるのか来てみればこんなオチかよ。精神的な意味合いでの成長を促す系?そういうのはとっくに終わってるんだよ。アリーシャも成長したしベルベットも割り切ってる。ザビーダにとって良い方向の道を教えたしアイゼンを元に戻したし……」
試練神殿の実態を知ったゴンベエは呆れる。
「ゴンベエ、ゴンベエにとってはこれぐらいの事と認識しているかもしれないが普通の人はそうじゃない。真っ直ぐで純粋が故に穢れてしまった。そういう人も居るのだと教える場所だ」
ゴンベエにとってはこれぐらいの事と思うのも仕方がないのかもしれない。
だが、普通の人はそうは思わない。普通の人はゴンベエの様な考えを持っていない。いや、そもそもでゴンベエも元々はそんな風に考える人じゃなかった。心を鍛えたから今みたいに色々と割り切る事が出来ている。
「……まぁ……そう言われればそうか……オレがおかしいだけでスレイ達がその辺を認識してないだけか」
ゴンベエの方がおかしいのだと言えばゴンベエは否定することなく頷いた。
……こういうのを見れば時折、私やベルベットがしっかりと手綱を握っておかなければならない、ゴンベエはちゃんとしている様に見えて一部が狂っている。いや、成長し過ぎているかもしれない。
「アシュラを秘力無しで倒したのか!?」
「あの程度の雑魚ならば何回戦っても結果は同じだ……多分、アリーシャでも余裕で浄化する事が出来る……しかしよ、導師を人間的な意味合いで成長させる場所みたいだが、人間的な意味合いでの成長をしたとしてどうしろって言うんだよ?ライラはあんまり政治と密接に関わるなとか言ってたけど、政治と深く関わらなきゃ平和な世の中を築き上げる事が出来ねえぞ?そもそもで導師って派閥的に言えばローランスなのか?ハイランドなのか?どっちなんだよ?」
天族の方が居た場所に戻ってきた。
アシュラを秘力無しで撃退した事に関して驚いているがゴンベエは特に気にすることはせずに問いかける。
「導師は導師で、それ以上でもそれ以下でもない」
「だからそれがダメや言うてるやろが。導師が権力を得た結果、めんどくせえ組織が生まれた。それを危惧してかパーシバルで、んかは導師に下手に権力を持たせるなとか言ってるだろう。実際問題、宗教が権力や暴力を持てばロクな事にならねえ。導師って結局のところどういう感じの立ち位置になっとけばいいんだよ?犯罪を犯しても揉み消せる国の重役クラスになっとかなきゃ、今の時代じゃ天族なんて存在しないとか天族に祈りを捧げてこの空腹を紛らわせる事が出来るのか、重たい税金を免除してくれるのかとか言ってくるだろう」
「…………」
「導師を人間的な意味合いで成長させるのは構わねえけども、もうちょっと世の中の情勢を見てくれよ。時代によって在り方が変わって人間ってのは基本的にはエゴでクズな生き物なんだから」
ゴンベエは言いたいことをハッキリと言った。
天族の方はどう答えればいいのかが分かっていない。少なくとも私達もどう答えればいいのかが分からない。
それこそ1000年前の様に全ての人達に天族を認識出来る様にすればいい、というわけにもいかない。仮に穢れと憑魔化と浄化のシステムを公開した場合、どうなるのか……
「せめてオレが生きている間に比較的に平穏な世の中を築き上げるシステムの基礎を作りたかったんだがな……わかってた事だけど永続的な平和なんて早々に存在しねえか」
ゴンベエは困ったことだと大きなため息を吐いた。
どうにかして、平穏な世の中を築き上げる。私達が生きている間だけでもいい、そのシステムの基礎を築き上げる。永続的な平和なんて何処にも存在しない。だからと言って今までの様に世界中に地の主を置いて天族の信仰をし続けても無駄だろう。天変地異が起きて同じ事を繰り返すだろう。
「…………導師が今までの様に世界を救うのはいけないこと、そう言いたいのか?」
「いや、導師が世界を救うのは別に構わねえ。災禍の顕主という化け物を殺せるのは何時だって英雄だけだから……ただし、そんな英雄は民衆に殺される。英雄とは人間でありながら人間でない存在だ。英雄が化け物を倒した後にどうやって平和な社会を築き上げるのか、オレ達はそれをお前達天族に聞きに来ただけだ……ただ普通に天族に祈りを捧げて加護領域を広める。そこに更になにか1手費やさないといけねえ。ただ問題はその1手がオレにはあんまり浮かばねえ」
スレイの様に何もしなくても天族を見ることが出来る人も稀には居る。
霊応力と呼ばれる力が高くて強い人を何名か人柱にすれば天族を認識することが出来ない人達に天族を認識させることが出来る。そういう手もゴンベエは知っているのだが、私とベルベットが絶対に反対にする……犠牲無しで平和を目指している、ゴンベエからすれば甘えたこと、ふざけた事だろう。
「……残念だが、その問いの答えはここには存在しない……そういった事は導師が人として成長してから自力で答えに至るものだ」
「その答えが間違ってたら?」
「それは……」
「暴論と言われても構わない。でも、100人中100人が納得する答えを出し続けなきゃならない。英雄ってのは基本的にはそんな存在だ、勝ち続ける存在だ……英雄は一歩間違えれば化け物なんだ、ただ向かっている方向性が違うだけでヤバい存在である事実は変わりはねえ」
ゴンベエは自分が言っている事の一部が暴論である事を認めている。
だが……世間はそれを求めている。それほどまでに今の世の中が荒んでいる……ピンチを助けてくれるヒーローの存在が必要だ。
「…………人と天族はどう向き合えばいい?」
「それが分からねえから聞きに来たんだよ……この問題は答えが存在していない問題だ。自分の物差しで納得する事が出来る様な答えを導き出さなきゃいけねえ……犠牲は極力無しの方向性でだ」
目の前に居る天族の方も人間と天族はどう向き合えばいいのかが分からなくなっている。
数学の様に正しい答えが一切存在してない。自分の心で納得する事が出来るか出来ないのか、それだけの問題だがそれだけの問題が故に難しい。ただ純粋に上から押し付ければ確実に反発が起きてしまう……難題だ。
「お前達は導師ではないのだな?」
「誰がそんなめんどくせえ役職なんかしてるかよ……ただの辺境の地方領主(男爵)だ」
「……人と天族の向き合い方は分からない。今のままでいいのかどうかすらも……君達にコレを持っていってほしい」
ゴンベエが導師でないと言い切れば、天族の方は禍々しい闇を纏った剣を取り出した。
「ミスリルと呼ばれる金属で出来た剣だ、きっと君達の役に立つだろう」
「いや、オレはマスターソードとフォーソードがあるから要らない」
「私もこの武器あるから要らないわ」
「私もこの槍があるので必要ではないです」
「……いや、あの」
「オリハルコンで出来た武器とも対等以上に渡り合える武器を持ってるから要らねえよ」
「ならば、そのミスリルの剣、私が頂こう」
………え?
突如として鳴り響いた声……その声を知っている。この場にいる誰よりも私は知っている。だからこそ固まった。どうして?何故?そんな疑問が尽きなかったが黒い穢れの塊がミスリルの剣を奪っていった。
「……何故……何故ここに……何故ここに居るのですか、マルトラン
穢れが一箇所に集約したかと思えば、そこには敬愛する我が師匠、マルトラン
スキット 愛が重いのは
ザビーダ「ベルベットって……重くねえか?」
アイゼン「実の弟が殺されたと思って復讐鬼になり最終的には己の為に世界を滅ぼす魔王の道を選んだ女だぞ……重くない方がおかしい」
ザビーダ「いや、確かにそう言われればそうだけどよ……ゴンベエ、辛くねえか?束縛が強すぎるとか赤ちゃん欲しいとか普通にぶっ飛んだ事を言ってるじゃねえか」
ゴンベエ「あ〜……別にいいぞ……ベルベットが手遅れなブスでなく絶世の美女だから許される」
ザビーダ「辛いとか思わねえの?」
ゴンベエ「愛の形なんて人それぞれだしよ……ベルベットがマジで手遅れなクズや外道じゃないからいいんだ……世の中にはどうしようもないクズが居る。オレはそれを見たからベルベットの束縛が強すぎるとか愛が重いとか思うことはあるけども、それが嫌だって言わねえよ。だって、あんな立派な女性に愛される事の方が難しいんだから」
ザビーダ「スケール大きいな……」
アイゼン「その割には一部渋ってるところが……まぁ、流石に子供を強請るのは早いと言うか重いと言うか」
ゴンベエ「数年間はベルベットとイチャイチャしたいから……後、親になるのって相当な覚悟とか色々と大事な物があるから」
エドナ「育児ノイローゼとかマリッジブルーとか言うのにならない為に?」
ゴンベエ「それもあるけど……環境を用意しておかなきゃダメなんだよ」
エドナ「環境?」
ゴンベエ「親になる上で、特にお父さん側がしてあげなくちゃいけねえ事がなんなのか分かるか?」
ザビーダ「……子供を愛する心を持つ?母親ってのは腹を痛めて命懸けで子供を産むから愛情が湧くものだ。だが、父親は腹を痛めて産んでねえ。その辺の覚悟の違いが」
ゴンベエ「そういう精神的なのも大事だが……………金が大事なんだよ」
エドナ「お金って……また随分と俗っぽいわね。もうちょっと精神的なものはないの?」
ゴンベエ「精神的なものよりも金の方が大事だ。生活的な環境で子供を産んでも問題無い環境を作り上げる、子供が習い事をやりたいのならばその金を出せるようにする。子供が夢ややりたい事を持っていないのならばとりあえずはいい企業に就職してほしいからいい学校に入って欲しい……その為に1番大事なのは、金だ。金が無けりゃなにも出来ねえ。勉強をする為の参考書1つ買うのにも金が要るんだ」
ザビーダ「言いたいことは分かるがよ……もっと他に色々とあるだろう」
ゴンベエ「コレだけは譲れねえな……金が無いから習い事が出来ない、貧乏だからいい学校に通うことが出来ない、とにもかくにも金が全てだ。人間の社会や文明は金によって成立している。今の人間の築き上げた文明や社会全てを否定する覚悟があるならばともかく、無いんだったら金は大事だ。どれだけ立派な信念や勤勉さがあっても『うちにそんなお金は無い!』の一言で終わる……お前達は世間とは離れている風来坊に近いからその辺は深くは理解出来ねえだろう……でも、それだけはあってはならねえ事だ。ベルベットとアリーシャにお金の面で苦労させたくねえんだ」
エドナ「……意外としっかりと考えてるのね」
アイゼン「子育てに必要なのは愛情ではなく金か…………ゴンベエらしいと言えばゴンベエらしいが……だが、間違いだと言い切れない」
ゴンベエ「子育てが課金ゲー厶?上等だ。無課金でガチ勢に勝てるゲームなんて存在しねえ。馬鹿みてえに課金してガチャを引きまくって最強装備を揃えてやるよ、それでも腹を痛めて命懸けで子供を産んでる母親には敵わねえがな」
ザビーダ「愛が重いのってホントはベルベットとアリーシャちゃんじゃなくてゴンベエの方じゃねえか?」
アイゼン エドナ「確かに」
???「読者諸君、よくぞここまで来た。例によってQ&Aのコーナーだ。転生者の設定じゃない転生者の素朴な疑問に答える1問1答だ。質問は待っている」
Q ゴンベエと仲良くなる女の子はなぜヤンデレになるの?
ゴンベエには女の子をヤンデレにする呪いでもかけられているの?
???「ふぅん、奴の恋愛事情か……色々とメタな発言だが答えてやろう。結論だけ言えば奴が女をヤンデレにさせているのは奴でなく奴に好意を持っている女が地雷を抱えているだけだ。ヤンデレにならない時も存在しており作者がそれをあまり書かないだけだ」
一例その1 アリーシャ・ディフダ
???「先ず現在絶賛重くなっているアリーシャだが奴にも悲しい過去や重たい環境、そして力を持っていない。アリーシャという女は信念は高潔だが力を持っておらず現実とのギャップに悩んでいる女だ。そんな中で奴は様々な道を教えて自力で答えに至る様にした。本来であれば救いの手が無い存在に対して対価を求める事なく道を教えた……アリーシャにとっては救いのヒーローに見える、憧れるだけでなく恋心を抱くのも当然であり、ベルベットというライバルが現れたのならば嫉妬して自分だけの物だと言うのも普通な事だ」
一例その2 ベルベット・クラウ
???「災禍の顕主ついては語らなくてもいいだろう……奴は最初から最後まで災禍の顕主の味方であった。復讐鬼である災禍の顕主を否定する事をせずにずっと受け入れ続けてた。無論、時折色々と言ったりしたが真摯に向き合ってきた。対話の心を持っていた。上条の如くそげぶをしなかった。奴は秩序を持った悪人が故にあの様な事が出来る……元々災禍の顕主の愛は重くて、それを向ける対象が弟から夫に変わっただけに過ぎない」
一例その3 アンジェリーナ・クドウ・シールズ
???「こういう事を言うのはアレだが、読者に共感したり感情を向けて貰う為に厨二病とも言える過去を背負っている悲劇のヒロインが多かったりする。アンジェリーナ・クドウ・シールズは兵器として扱われたりしている中で普通の人間として女性としてあの馬鹿は接している。ただそれだけの事がとても嬉しいのだろう。魔法師は普通の人として接してくれない化け物は化け物同士でしか生きることが出来ない基本的にはクズしか登場しない魔法科高校の劣等生の世界観ならば尚更だ」
一例その4 アクア(キングダムハーツ)
???「コイツに関してはよくあるパターンだ、悲劇のヒロインを救済した。泣いてはいけない叫んではいけない。辛くて苦しい環境でも前に進まなければならないのだと折れずに前を進み続けていたが、折れかけてしまった女に対して辛かったことや苦しかったことを心の底からぶちまけさせた。ただそれだけに過ぎない。だが、人間本音を打ち明けられる家族以外の相手は早々に存在しない……故に依存する」
結論
???「ただ単純に奴に好意を持っている女が元から重かっただけに過ぎない。なにせ創作物の世界のヒロインは重たい過去を背負わせておけばいいという安易な考えがあって重たいものを背負っているからな……身も蓋も無い話だがな」
Q じゃあ、逆に重たくない時ってあるの?
???「メガネがガオーンとかは普通にしてある」
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