「…………」
「もしかして寿司を知らないのですか?」
「寿司ぐらい、知っている……だが何故寿司なんだ?奴は寿司が好物なのか?」
「いや、アイツは生魚は苦手よ」
ゴンベエがサイモンを試す為に寿司を握れと言った。私達は屋敷から外に出て市場に足を運ぶ。
サイモンは無言になってるから、アリーシャがもしかしたら寿司を知らないのかもしれないと言い出すけど寿司は知っている。だからこそ、どうして寿司を課題に出したのか?
「まぁ、サイモンを試す為の実技試験って事は心理テストとかだろう」
作った寿司は自分で食えってハッキリと言い切った。
味を審査するつもりは一切無い、サイモンだけじゃなくて私達も試す事で……ザビーダはコレを心理テストだと捉える。
「コレは算数みたいに正しい答えがあるわけじゃねえ」
「それってアレよね?出題者の意図を読み取れとか自分の意見と答えを極力合わせろって感じの文章問題よね……でも、アイツ、寿司嫌いって言ってるし」
「ゴンベエが望む寿司を作る、というのが答えじゃないんでしょ…………」
味を試すテストとはまた違うテスト、心理テストなのは間違いないと思う。
ザビーダやエドナもゴンベエが心理テストを出している事を自覚している。コレは100点がある問題じゃなくてゴンベエは色々と緩いところがある。ホントに越えたらいけない一線を越えない限りは緩い。
ゴンベエの望むものじゃない……読み切れないわね。ゴンベエがなにを望んでるのか?何を見たいのか?多分だけども私達なりの寿司を出せと言う意味でしょう。
「でもコレやっぱり私とアリーシャが不利じゃない。お兄ちゃんとベルベットが強いわ!」
寿司を握れという課題に対してエドナは不満を言う。
「寿司で失敗する人間なんて見たことが無いわよ……流石にアリーシャも失敗……しないわよね?」
「私はアイスキャンディーを炭に変えた事があるから」
「……アイスキャンディーは冷やす物であって火を通すものではないのでは?」
「うっ」
サイモンがツッコミを入れればアリーシャは視線を逸らす。
アイスキャンディーで失敗するなんて相当な料理下手、火を使わない関係の料理で失敗はないでしょう。
「コレだ、この鮪だ!」
「コレね……コレください」
魚の目利きをしていたアイゼンがやっと動いてくれたわ。寿司の主役とも言える鮪を見抜いて選んだ。
アイゼンが目に見えてないから市場の人に私が代理で買う。鮪だけじゃなくて色々と購入する。
「コレってズルにならないのかしら?」
アイゼンが目利きした魚介類、伊達に海の男やってたわけじゃないから審美眼は確かでちゃんとした物を選んでる。
だけどコレってズルにならないのかしら?アイゼンが目利きして選んだ物で、私達が自力で手に入れたわけじゃないわ。
「大丈夫だ。ゴンベエは寿司職人としての修業を終えた奴が寿司を握る場合どんな寿司を握ればいいのか?そう課題を決めている。飲食店に中には生産者に直接買い付けるわけでなく目利きに特化したり流通を操ったりして儲けている業者を挟むケースが多々ある。無論、本物の一流と呼ばれる料理人ならば自力で素材を調達するだろうが……1人前の寿司を作るためだけに部位を購入するのは難しいからな。ゴンベエもその辺は寛容だし、何よりも勿体無いと言うだろう」
キロ単位で鮪を購入する。私、アリーシャ、サイモン、エドナ、ザビーダ、アイゼン、この6人で寿司を握ると言われても確実に部位を余らせる。そんな事をすればアイツが怒るのは目に見えている。だからセーフだとアイゼンは主張する。
「それにオレも人のことを言える義理じゃない……シャリに関しては全員がある程度は一緒だ」
「まぁ、そう言われるとそうなんだけど」
素材を一通り買い終えた。後は調理の段階に入るだけだけど、ここで一番大事なシャリがある。
全員が1人前だけシャリ用のお米を炊くわけにもいかないから私が纏めて、余った材料を孤児達が食べる分を含めてお米を炊く。だから、素材の部分は色々と平等……つまりは調理の段階で色々と分かれるわ。
「言っておくが穴子に関しては力を貸さんぞ」
「穴子?」
「穴子は煮汁が絶対的なまでに物を言うネタだ!その煮汁は何度も何度もできる使い回すことでゆっくりと染み出る穴子の旨味を吸収し、さらなる高みへ向かう!ベルベット、幾らお前が料理上手と言えども穴子の煮汁の様に時間を必要とする物にはどうしようもない!オレには自分で作った穴子の煮汁がある!」
「あんたそれ、腐ってないでしょうね?」
穴子に関しては自分自身でどうにかしろと言い切るアイゼン。
寿司に対する拘りが強いと思いつつ帰路についてお米を炊いて容器に分ける。此処から先は各自で好きなように調理する。酢飯もネタの大きさも種類も全て自由で1人前の寿司を作らないといけない。穴子は煮汁関係の問題で作らない方がいいから他でどうにかする……けど
「コレでいいのかしら?」
アイゼンが見抜いた素材で自分が炊いた米で酢飯を作って寿司を用意する。
自分好みの酢飯が出来て後はネタを切るだけなんだけども手が止まる。コレでホントにいいのか?……料理の腕に自信があるけど、極端な話年季で言えばアイゼンやザビーダの方が遥かに上よ。寿司は火加減とか水の量とか味付けとか隠し味とかをあんまり気にしない、綺麗に切った生魚を握った酢飯の上に乗せた物が寿司。ものは試しにと鮪を一貫握って自分で食べる。文句無しに美味しいけども、アイゼンが握った方が美味しい可能性が高い……ていうかそもそもで味は評価するところじゃないわよね?食べないって言ってるし。
「っぐ……」
「エドナちゃん、それじゃあおにぎりだぜ?」
エドナが苛立ってる。自分で料理しないと言い切ってるだけあって料理が出来ない。
握った酢飯の上にネタを乗せるだけのシンプルな工程だけなのにエドナは苦戦してる。酢飯が多くてネタも大きくてそれは寿司じゃないとザビーダは言い切る。
「別に一緒じゃない、お腹に入れば」
「それは極論だって……それとも自分には寿司を握ることが出来ねえから無理って言いに行く?」
「それは負けた気がするから嫌よ……」
「見えっ張りなんだから…………アリーシャちゃんみたいに挑戦しようぜ!」
「あ、いえ……私は人のことを言える立ち位置ではないので」
だからなんでおにぎりみたいな大きさになるのよ?
手の上じゃなくて指の上に乗せるレベルの量で酢飯を取るけどアリーシャもエドナもおにぎりの大きさじゃない。
「…………コレでいいのだろうか………」
「審査基準は味じゃないわよ?」
「……自分達の住んでいる国が寿司が郷土料理、伝統食だ。自分は学校で経営学や経済学等を学び老舗の名店である寿司屋で一人前と呼ばれるレベルの寿司を握れる様になった。寿司は伝統食で自分達の国に来たらとりあえず寿司は食べなきゃいけないぐらいの認識が持たれており、自分が職人としての修行を終えた頃にはそこかしこに寿司屋が並んでいる……というシチュエーションだったらどんな寿司を握ればいいのか?という設定をゴンベエは出してきた。この設定になにかしらの意味がある筈だ」
上手に理想的な寿司が握れないせいか俯いてるアリーシャ。
味は審査基準でもなんでもない事を言えばゴンベエが出したヒントや課題を言う……
「無理!もう無理!!」
一方でエドナは寿司が握れないことの苛立ちが限界に達した。
無理だと言ってる…………なにかしら……後もう少しで答えが出そうな気がするわ。
「……そうだわ、あの手があったわ!」
エドナは何かを閃いたのか巻き寿司の用意をする。
カッパ巻き?鉄火巻?なにを作るのかしらって……
「それはルール上ありなの?」
「ゴンベエは寿司を1人前用意しろって言ってたけど、ネタは指定してこなかったわ!」
「……そうか!そういうことだったのね!!」
アイツが見たい部分はなんとなく読めたわ!
エドナが鉄火巻でもカッパ巻きでもなく具材が数種類入った太巻きを用意しているのを見て、なにを言いたかったのかをなんとなく見えた。
アイツがコレはいい答えだと頷くのに必要なのは高度な技術じゃなくて鮪1つあれば出来ることなのよ!私は自分が作るべき寿司が見えたから鮪を手に取り寿司を用意する。
「お前等、そろそろ出来たか?」
「ああ、渾身の寿司が完成だ!!」
「お〜……じゃ、口で言ってみろ」
「先ずはわさび巻き、市場に上物のわさびがあったかわネタでなくわさびを巻いた巻き寿司、次に炙り雲丹の寿司だが通常の雲丹は軍艦巻きだがコレは軍艦巻きではない、海苔を使わない雲丹の寿司、玉子焼きは山芋を擦り下ろした物、トロロを用いてふんわりと」
寿司の用意が出来たかどうかの確認に来ればアイゼンは出来たと渾身の寿司を見せる。口で説明させる。
いい素材を腕のいい職人が作り上げた寿司……職人としての技量が高いから生まれた寿司。
「以上に加えてブレンドした緑茶がオレの渾身の1人前だ、どうだ?」
「流石はアイゼン、いい腕をしているし徹底的に拘り抜いている……酢飯も普通の酢飯じゃなくて赤酢を使ったりした徹底ぶりに加えて茶もか」
「ああ」
アイゼンからの説明を受けて流石はアイゼンと頷くゴンベエ。
自慢げに語っているけども食べる素振りは見せない、けどアイゼンの作った寿司は認めている。
「……アイゼンの後にでは霞んでしまうな」
鮪、玉子焼き、カッパ巻き、イクラ、鮑、雲丹なんかが置かれている綺麗な1人前の寿司を出すサイモン。
アイゼンの完成度が高い拘りの寿司を見た後じゃ誰だって霞んじゃうけども、ゴンベエが見たいのはそこだと思う。
「エドナは?」
「コレ」
「ほぉ……」
アイゼンに寿司の内容の説明を聞いた様に説明を求める事はせずに今度はエドナの寿司を見る。
エドナの寿司は太巻き。鮪、鯛、胡瓜、イクラ、干瓢の5つの具材を巻いた太巻きだけでゴンベエは意外そうにする。
「文句あるの?」
「いや、逆だ……お前の事だから寿司を握る事が出来ねえから太巻きになったんだろうがありかなしかで言えばありの寿司を握ったな。オレは寿司を1人前握れと言ったがネタは指定してない。太巻き1つで1人前とカウントする事も出来る……ただまぁ、気付いてないか」
「?」
「……あんたが見たいのは固定概念から何処まで出来るか?でしょ」
エドナは腕が無いから色々と誤魔化しが効く太巻きで妥協したから気付いてないけども、見たかったのは固定概念から何処まで出来るかの発想力や想像力。
「まぁ、そこを見ている見ていないかで言えば見ているな。サイモンは予想以上に予想通りの事しかしてきてねえよ」
「……どういう意味だ?」
「サイモン、こんな質問をするのは元も子もないかもしれねえが…………寿司とはなんだ?」
「それは酢飯の上にネタを乗せた物だ」
寿司とはなんだ?
その問い掛けに関してサイモンは寿司という料理について言ってくる。酢飯の上にネタを乗せた物が寿司だとサイモンは答える。
「なら、鮪じゃなくて野菜ベースのタレで焼いた豚肉を乗せた物は寿司と言えるか?」
「それは……」
「それは寿司として邪道じゃねえんじゃねえか?」
「じゃあ、牛肉のタタキの寿司は?」
「それは……ありだろ?」
「豚肉を焼いたネタの寿司がダメでなんで牛肉のタタキの寿司はOKなんだ?豚肉が牛肉よりもランクが低いからか?それとも豚肉が半ナマで食べられないから?だったら豚肉をちゃんと焼けばいいだけだろ。薄切りのロースならばちゃんと火が通るんだ」
豚肉の寿司は寿司として邪道だとザビーダが言うけど、牛肉のタタキの寿司はありだという。
牛肉のタタキの寿司……物凄く高いお店には置いてあるって聞くけれども豚肉や鶏肉の寿司なんて聞いたことが無いわね。
「寿司、と言う1つの概念に対してお前達がどういう答えを出すのか?それが見たかった……アイゼンはまだいいとしてサイモンは普通の寿司を握った。自分達の住んでいる国が寿司が郷土料理、伝統食だ。自分は学校で経営学や経済学等を学び老舗の名店である寿司屋で一人前と呼ばれるレベルの寿司を握れる様になった。寿司は伝統食で自分達の国に来たらとりあえず寿司は食べなきゃいけないぐらいの認識が持たれており、自分が職人としての修行を終えた頃にはそこかしこに寿司屋が並んでいる……というシチュエーションだったらどんな寿司を握ればいいのか?と言う設定でだ」
「それは……他にはない奇抜な発想をしろって事なの?」
「それは違う……アイゼンみたいに皆の中にある寿司の王道を極めるのもありなんだ。素材を選びに選び抜いて職人が魂を込めて作り出す、至高の一品の寿司はある。料理を極めた結果の1つだ」
他にはない奇抜な発想を求めているのかとエドナは聞くけどゴンベエは首を横に振る。
アイゼンの作り出した拘りの寿司もありなこと、悪いことじゃない。けども、他にも色々とあると言いたげね。でも、それこそが求めてるもの。
「1つの固定概念に対してどういう答えを出すのかを見たいんだ……奇抜な発想も大事だが、例えばマシュマロの上にフォアグラを乗せて海苔で巻いた物を寿司と言えるか?」
「流石にそれは言えないな……」
「じゃあ、なにを持って寿司とする?」
「それは……」
アリーシャは言葉が出ない。寿司という皆が知っている物の筈なのにコレだという物差しが何処にも無い。
自分の中に物差しはあるけれども、それを全て基準にしていいわけじゃないのをよく知っているからコレこそが寿司なんて言えない。
「上手く、説明が出来ない…………でも、フォアグラとマシュマロの寿司は絶対に寿司じゃないと言える」
「その曖昧な境界線上を上手く行き来するのが、コレから求められるものなんだ……肉の寿司があるが寿司として王道か邪道かと聞かれれば絶妙なまでに微妙なラインの立ってる。牛肉の炙り寿司はお高い寿司屋で取り扱ってるのをそれなりに見る。だが豚肉を焼いた寿司を扱っている寿司屋は見ない。鶏肉を握っている寿司屋も見ない……だからこそ、作る。豚肉を焼いた寿司を作ったら成功した。鶏の唐揚げを使った寿司を作ったら成功した。王道を真っ直ぐ行くのもありだし奇抜な発想をするのもありだ。どっちもありなんだ。問題は動かねえ事だ」
サイモンが作った寿司を、アリーシャが作った寿司を、ザビーダが作った寿司をゴンベエは見る。
ネタに少しの違いがあれども普通の寿司屋に置いてそうなお寿司で代わり映えがない。別にそれが悪いことかと聞かれれば別だけれども、アイゼンの作った拘りの寿司を作り上げるのが理想的な答えね。
「1つのあやふやな様で固定している概念に対して、どういう答えを出すのか?奇抜過ぎる発想をすればそれは違うと否定される。だったら王道を極めるのが1番だろうが皆が同じ事をしようとする。その結果や最終目的地がアイゼンの寿司だ……だが、奇抜に見えるが王道を行く物もある。ベルベットの1人前がそれだ」
ゴンベエがそう言えば私の寿司に視線が向いた。
私が作ったのは赤身、漬けマグロ、鉄火巻、中トロ、大トロの炙り、ネギトロ、ツナマヨ軍艦の鮪だけの寿司。奇抜な発想に見えるけども、ツナマヨ以外の鮪の寿司はどんな寿司屋に置いてあるわ。
「鮪だけの1人前の寿司、太巻き1本だけの寿司……奇抜だが受け入れる事が出来る王道だろう……因みにだがツナマヨ軍艦ありなし議論も大事だ。ツナマヨに必要なのは鮪、卵、酢、油だ。素材は寿司を作るのに必要不可欠な物だが、寿司じゃない邪道だと認識するかしないか?調理法がやり方が違うだけで殆どが一緒の筈だ……天族の信仰による加護領域展開の形は変えられない。でも、やり方は幾らでもある。王道を行くやり方じゃないだけで今まで色々と試していない方法は幾らでもあるはずだ。奇抜に見えて柔軟な発想だと思えること受け入れる事が出来る納得させれることを考えることが出来るのかも見ている」
「……そんな物があるのか……」
「サンドイッチの店があるんだが、その店はたまごサンドとかBLTとかのサンドイッチを注文するだけじゃなくてサンドイッチの中に入れる具を選ぶ事が出来る店なんだ。中の具材を自分の好みで選ぶ事が出来る店で、割と好評でヒットしている。コレを応用すればそうだな、中に入れるネタを決める事が出来る持ち帰り専門の太巻きの店も作れるかもしれない」
「奇抜……いや、奇抜じゃない……」
中の具材を自分で決める事が出来るサンドイッチの店。言われてみれば見たことがない、けどその店が存在していたら利用する人は多い筈よ。
ゴンベエが例にあげた店なんかを言えばありなしで言えばありな方向で今まで見たことがないけども奇抜過ぎる発想じゃない。かと言って王道を行くわけでもない絶妙なまでのラインにあるわ。
「新しい柔軟な発想をするのか、王道のど真ん中を走る事が出来るのか、それともコレだと固定概念に囚われてしまって同じ事しか出来ないのか……王道のど真ん中を走る事が出来るのと固定概念に囚われてしまって同じ事しか出来ないのは大きく異なる。少なくともオレが出したシチュエーションでは周りにそこかしこに寿司屋がある。不味い寿司屋なんて流行らない。味にのみ拘る完全予約制や一見さんお断りや家に出張する寿司屋もある。街に馴染みやすい寿司屋としてお客が釣ってきた魚を安値で買い取ってその場で捌いて寿司にする寿司屋も存在している……同じ事を繰り返したいんだったら人間や天族は不要だ。最適解や同じことの繰り返しなんてAIなんかにでも任せりゃいいんだよ」
「エーアイ?…………」
サイモンは無言になっている。
寿司を作れと言われて普通の寿司しか作らなかった。他にも色々とあったのに普通の寿司しか作らなかった。
アリーシャもザビーダも自分で作った寿司を見ている。普通の寿司を作ってしまった……それは間違いじゃないけども最高ではないある意味妥協の一品よね。
「んじゃまぁ、とりあえず評価するけど…………お前、結局のところはオレ達依存だな……」
「…………私にも出来ることはある」
「夢見せるだけの加護だろ?吉兆を知らせるのはいいことだが実際に福が訪れるわけじゃねんだ、歓楽街でしか使い道はねえぞ」
「いや、例えばお前を殺すことが出来る……こんな風にな」
「あ?」
「っ!?」
「ストップ!ストップ!それはほんとに洒落にならない!!!」
「落ち着きなさい!!それはやったらマズイわ!!」
サイモンが軽く威圧してなにかをしようとしたと思えば濃密な殺気が純粋な殺意がサイモンに降り注ぐ。
ホントに少しだけだけど私とアリーシャがゴンベエがサイモンに対して向けた殺気を感じ取って止める。ゴンベエが殺気だけで、威圧だけでサイモンを気絶させそうになる。そのイメージをすることが出来るぐらいに恐ろしい殺気を感じた。
私達は手を出すんじゃないとゴンベエを抑える。
「安心しろ、殺らねえよ……オレは殺す事が決まれば躊躇いは無いが殺すことに決まるまでは躊躇うタイプだから……お前、なにしようとしたんだ?飯を作ってる場で炎を出すのか?水を出すのか?風を吹かせるのか?地面を割るのか?」
「ぁ……ぃ……」
「落ち着いてください……その、ゴンベエが色々と言い過ぎた部分というか酷いのは今に始まった事じゃないと言いますか……」
「ほら、立てる?」
尻餅をついて怯えているサイモンに手を差し伸べる。
どんだけ純粋な殺気を送ったのかしら?私の差し伸べた手を握る手は血の気が引いているのがよく分かるわ。
「コイツは災禍の顕主クラスの相手を片手間で倒すことが出来る強さを秘めている、なにをしようとしたかは知らないがくだらない所で命を無駄にすんな」
ゴンベエの恐ろしさを知っているザビーダもフォローに入る。
ゆっくりと深呼吸させてサイモンの呼吸を整えさせているとアイゼンが険しい表情をしていた。
「どうしたの?あんたの寿司、やられたの?」
「……サイモン、お前もしかしてメルキオルのジジイと同じで幻術使いか?」
「は、ぃ……」
「……マジで?」
サイモンがメルキオルと同じで幻を見せる事が出来ることにアイゼンが気付いた。
コクリと頷くサイモン。それを聞いて驚くゴンベエ
「アレってメルキオルの老害特有の術とかじゃねえの?」
「いや、正確に言えばメルキオルだけの術じゃない。オレの死神の呪いの様に変わった能力を持った天族が稀に生まれる、メルキオルのジジイはそいつを使役して幻術を使っていた」
「……………………メルキオルのジジイって、確か五感にも作用する系の幻術使えてたよな?」
「ええ……プティングの味で幻術だって分かったけどアレが無ければ、幻術だって理解しなかったわ」
「……………それ使って天族を見えるようにできねえの?」
…………え?
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