「おぉ!船か!」
黛さん達が言うには最高品質の石油だが、ホントかどうかは分からねえ。
オレの転生特典はそういうのを教えてくれねえからホントに使えるかどうかを試す、どうするかと聞かれれば小型のエンジン付きの船を作る。よく釣りとかで使われるレベルの船だ。
「コレが船?……帆がないわよ?」
「風と海流が無いとどうしようのない船なんざ不要だ。っと、入ったか」
ガソリンを船に注入した。理論上では……まぁ、100kmぐらいが限度だろ。この世界の海は地殻変動が原因でコロコロと変わりやがるから。ガソリンをエンジンに注入すれば船に乗る。操縦方法を知っているのはオレだけなのでオレが動かす。
エンジンを灯すとゴゴゴと音が鳴るが直ぐに消える……それと同時に素早く動き出す。
「ホントに動いている……ゴンベエが元から持ってる物でなく後から後天的に作ることが出来る物で、素材はガソリンとやらを除けば特別じゃねえ」
アイゼンが船が動いているのを見て笑みを浮かび上げる。
確か当時の異大陸の最新技術とかそういうのを詰め合わせたのがバンエルティア号で、そのバンエルティア号は蒸気機関なんかの外輪で動いてねえ船で今乗っている船はモーターボートだ。一気に文明のレベルを進歩させた。
「ガソリンを牛耳る事は出来ているから、コレを出せば上は文句言わないわね」
「…………」
「どうしたの?」
「これからの事を考えればクソめんどくせえ……」
ベルベットがエンジン付きの船で上が文句を言わないと頷いているがそれから嫌な事が浮かんじまう。
エドナがオレの変化に気付いていて声をかけたが、これからの事を考えればクソめんどくせえ……マジでめんどくせえ……。
「めんどくさいって……いや、何時もの事だが……なにがあるんだ?」
「オレ、アイゼン、ザビーダ、エドナ、アリーシャ、ベルベット……穢土転生でよみがえってるエレノアとロクロウとマギルゥはノーカンとして孤児の奴等を含めても100人にも満たない。ここから先は工業の世界に入る、とにかく健康で普通な人間が多く必要になる。そいつらと雇用契約をしてインフラを整備をして土地開発……」
「お、領主らしい仕事じゃねえか」
「その辺の技術のノウハウを1人で伝えないといけない……クソめんどくせえ!!」
屁以下に届ける物とかは完成したが、そこからが問題だ。
この世界の文明を豊かにしたりインフラ整備をしたりしねえとハイランドがローランスより豊かな文明国だと証明出来ねえ。勿論、1日や2日でどうにかなる技術なんて早々に無い。科学の進歩は何世代も重ねて行われるもので、オレの中にある技術は現代日本レベルでこの世界の技術と組み合わせての新しい技術開発は出来ねえ。そもそもでオレは戦闘タイプの転生者でそっち系の才能は皆無だ。
「めんどくさいがそなたがやらなければなにも変わらぬぞ?」
「分かってるよ……クソ、国を育てる考え方を放棄したい。税を毟り取ってそれを疑問に思わせない愚民政策したい。外から金で技術買って終わらせたい。こんな地位に誇りも名誉も要らねえ。見果てぬ夢も見たくない。次の代に憂うことをしたくない。オレの享楽を追い求めてその為の法律を敷いたい」
「ゴンベエ……一歩間違えれば……いや、真面目にしてくれるのならばそれでいいのだが」
一歩間違えれば色々と手遅れなクソみたいな政策をするオレを見てアリーシャは言葉を失っている。
めんどくさいと言いながらも真面目にやっているのでそれはやらないといけない…………けど、ここからがホントに大事な事だ……それはどういう風にすればいいのかがオレには分からない。
「文明を何処まで進歩させていいのか……」
石油は手に入った。ハイランドは日本よりは小さい国だ。天族達がアリーシャに力を貸すと加護領域云々も解決している。
そうなると、どういう風に社会を動かせばいいのかだ。この世界は信仰を無くせば痛い目に遭うのはあの時代で見ている。そうなると下手に便利な物を作れば大変なことになる……閻魔大王は言っていた、若者の◯◯離れとかの社会問題は文明を発展させ過ぎたのが原因だと。昔はクソまずいと言われていた回転寿司も今ではミシュランで星を貰ってるレベルの料理人が美味くて合格とかを出すレベルになっている、そのせいで普通の回転寿司じゃない寿司屋なんかは一気に閉店している。今時の若い奴らは個人経営店の高くない普通の寿司屋の寿司を食ったことが無いのが意外と多いって言っていた……まぁ、オレは寿司が嫌いだから寿司屋とは縁遠いが。
「そんなに大事なことなの?」
ボソリと言った文明を発展させることについてベルベットは聞いていた。
「大変なことだぞ……アイゼンとザビーダは見てきたんじゃないか?昔は良かったけどこの時代ではもう影も形も無い物が」
「……色々と見てきたな、新しい技術に追いつけない人達を……そういう人間の救済措置が無かったのも」
「でもよ……進歩させなきゃどうにもならねえ事はあるんだろ?大地の汽笛を量産出来りゃハイランドの物流は良くなる、そうすりゃハイランドは豊かになるそこから生まれる余波は大きいんだろ?」
「…………あ〜もう、知らない!オレ、知らない!天族達が後で色々と愚痴を零すオチは見えてるけども!やってやるよ!!」
知らん!この後にこの世界が地球みたいになったとしてもオレは知らん!!
船を港に向かって走らせた。船はあっという間に港に戻ったのでエンジンも石油もなにも問題は無いのが分かった。
ハイランドとローランスは……ギスギスしているのだが、それでも和平の道を歩もうとしている。農耕の様に時間をかけないとどうにかする事が出来ない物でない、その上でハイランドが独占する事が出来た石油がある。
ローランスの皇帝とハイランドの皇帝が対談をする。なんかスゴく偉い人達が居てアリーシャが場違い感を感じてる。ベルベット?社交界ならともかく、そういう場所には行きたくないと言って来なかったよ。
「……そなたは?」
「あぁ、失礼。私はゴンベエ、ハイランドのとある領地で男爵をしている者で技術者でもあります」
「……技術者が何故ここに?」
「ええ、その疑問は最もでしょう。私めは今後のハイランドの都市開発に関して色々と任されておりまして……ローランスもハイランドも国ということにはお変わりありません。そして為政者が居るとなれば国を豊かにし民を飢えさせない様にしなければなりません。しかし知っての通り昨今不景気であるので……まぁ、色々とありますがハイランドの土地開発についてご説明を」
ローランスの皇帝、コナンだったか?
なんでここに見たことが無い人間が居るのだと最もらしい疑問をぶつけたので、オレはハイランドの土地開発及び都市開発を任されている人間だと軽く自己紹介し、アリーシャに声を掛ける。アリーシャは分かったと部屋の窓のカーテンを閉めた。いきなりの事でなんなのかと疑問を抱き警戒心を強めている。意識が集中しているから良いことだ。
「まず、ハイランドはこれから24時間働ける様にします」
「24時間?……闇夜でなにが出来る?」
「闇夜を眩く明るくする道具は既に作り上げ、量産を可能としました」
オレは懐中電灯をつける。
火を使っているわけでもなんでもないのに眩く光を放つ道具……エジソンが大量生産に成功した物だが、改めて考えれば恐ろしいなエジソンは。
「ロウソクは24時間持てば立派な物ですがコレはそれの数百倍、1000時間は余裕で持つでしょう……それらを用いて街全体に明かりを灯し、更には各地の重要な道を整備。明かりを灯すだけで安全性は何百倍も向上し、大きな街に駅を用意し列車を開通させます」
「…………」
「なにを言っているのかが分からない、そんな顔ですね……口で語るよりも実際に見たほうがよろしいですね。アリーシャ」
「ああ」
オレの言っていることがなんなのかハイランド側もローランス側も理解出来ていない。
理解出来ているのはアリーシャとアリーシャの中に居るサイモンだがその2人も若干だが怪しい。口で説明するよりも見たほうが早いなとアリーシャがサイモンの力で会得した相手の頭の中を映像化する術を使った。
ハイランド側とローランス側の間に映像が出現した。屁以下や国の偉い人達はコレは聞いてねえと視線で訴えかけるのだが、そんな事は知ったことじゃない。
「私めの土地は僻地です、名物と言える物も特に無いのですがこれから色々と変化を起こします……こんな感じに」
そこからはまぁ、現代の日本では極々当たり前の物を見せる。
いや、現代日本で当たり前は少し違うか。昭和中頃、両津勘吉が若かった頃をある程度はキープしている。新しい技術と言えば冷蔵庫や洗濯機……昭和なんて全く知らないから何処までが正しいかは分からねえな。
「っ……」
ローランスの面々も屁以下以外の重役も言葉を失っている。なんだコレは?と。
貴族制度云々を撤廃してないのでなんとも言えないのだが今までの中世のレベルの文明から明らかに逸脱している。蒸気機関を通り越して内熱機関を突っ込んでおり、こんなのがあっていいのか?とオレを見ている。
一応は星の開拓者になれる転生特典を貰っているが、このレベルの文明の人間になれば近代化が進んだ昭和レベルの文明ですらありえないと思えんだろ。
「……よかったのだろうか?……ローランスにこれからのハイランドの経営方針教えて」
「まぁ、あんまりよくねえことだろ」
アリーシャが見せた土地開発及び都市開発をしたハイランドを見て言葉を失い対談は一旦休憩になった。
アリーシャはローランスにハイランドがこれからどういう政策を取って国を豊かにするのかを教えた事に疑問を抱くが、教えていいか教えてはいけないかで言えばよくねえことだ。
「ハイランドと言う国が技術を独占する、そうする事で他国に素材でなく技術を売る貿易が出来る。とは言え、技術ってのは何世代もかける癖に進歩する時は恐ろしい速度で進歩する、ちょこっと教えれば化けるだろ。カースランドの石油を独占するのに成功しているから、まぁ、屁以下がくたばるまでの間はハイランドは他所の国よりも豊かで外国が貿易してくれと頼み込むだろ……大きな問題は抱えているが」
コレだけの文明を自分の国に取り込むことが出来れば大きく国は発展すると簡単に想像が出来る。
幸いにも北の国とローランス以外に大陸が繋がっている国は無いが、コレが大陸に囲まれていたら軍事面を強化しないといけない。
幸いにもオレはジジイになっても戦闘能力の低下は無いから……ホントにオレが生きている間にどれだけ文明を制御出来るかが重要だな。
「流行り病ならば世界全体で対抗するが技術とか開発とかになれば独占はな……」
その後に対談は続くが、ローランス側はあまりいい空気を出していない。
電球という未知の物を見せた。その上で今後、ハイランドがどういう方向に文明を発展させていくかを示した。ローランス側はなにかあるのか?秘匿しているだけでなにかスゴい技術が、それこそザビーダのジークフリートの様なスゲえ物を作れるかと聞かれれば無理……そういう事が出来る奴が居るならばとっくの昔に導師として名乗り出ている。
「さて、屁以下……アレを見せた以上はもう引くに引けない、オレの領地の土地開発の為に金を寄越せ。ここからは工業とかの世界だから各地から働き手の募集、新しい技術を取り入れるから新しい技術を受け入れる事が可能な思想の人間の選別、孤児とかそういうのにも声をかけろ。テメエの事だからそういう裏で黒いことをしてたりしなきゃいけない立ち位置の子供とか人間とか色々居るだろ」
対談を終えたので本格的に土地開発なんかをしないといけなくなるが人と先立つ物が圧倒的に少ない。
幸いにも今は不景気でこの世界では肉体労働系で働きたくない云々を言う現代っ子は居ない。働き口を用意すれば割と来る。仕事の場を与えて給料と休む時間をしっかりしていればある程度はついて来る。
「ああ、出資しよう」
「出資じゃねえ。為政者として国の発展の為に金を出せ」
「………食えないな。だが、アレを見せられてはそうもいかないか」
屁以下は出資すると言っているが出資は最終的には返済しないといけねえ。
投資云々で最初に借金を抱えるのが悪いとは言わねえが、借金なんて抱えたくはない。国を発展させる経費として処理する、出資じゃない経費だ。屁以下の首を縦に振らせるレベルのものを見せているから屁以下は出資でなく国営費として金を出してくれると言ってくれた。
「土地開発云々はさておいて、個人資産を用いてカップラーメンを売る……カップラーメンを作る工場は1つにする?いや、複数の村に分ける?……カップラーメンの容器とかそういうのを運ぶコストを無視するならば何処かにデカいカップラーメン工場を作るのがベストで社員寮を周りの村に建ててそこから土地開発、工場行きの電車の用意……あーっ!!もう、あーーっ!!」
向いてない!マジで向いてない!
オレは暴力関係で物事を解決するのは得意だけれども、こういう領地開発とかそういうのはホントに向いてない。
カップ麺工場を作りさえすれば一応は個人資産は潤うからいいけど…………あ…………
「……アリーシャ、サイモン」
「なにか閃いたか?」
「ごめん……1回倒れるわ」
「え?……え!?ゴ、ゴンベエ!?」
その日が来るのは分かっていたことだが、思っていたよりも早かった。
肉体的疲労ならばまだしも精神的な疲労がここ最近洒落にならねえ程にやってきていてとことん追い詰められている。そしてやっとハイランドとローランスの和平協定を結び……オレに限界が迎えた。眠ればなんとかなるか?いや、無理だろうと思える心労でぶっ倒れた。
光のゴンベエ 青峰大輝
闇のゴンベエ グリムジョー・ジャガージャック
氷のゴンベエ 跡部景吾
緑のゴンベエ アラマキ
原初のゴンベエ サイコマン
とか考えたり
ゴンベエ→ジークフリート
ベルベット→モルガン
アリーシャ→ディルムッド
社長→オジマンディアス
ベルベット&アリーシャ→クリームヒルト
とか考えたりしてた。
そろそろゼスティリア編を終わらせたい。こんなクソみたいな作品でも2000人は登録してくれてるから頑張らないと。
どれにしようか
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デカマスター
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アバレキラー
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ウルザードファイヤー