「……なんで……」
「イクス、君は読めるのか?ゴンベエが書いたゴンベエの国の文字を」
「日本の文字……あの、読ませてもらってもいいですか?」
「ああ、正直なところ一部なにを書いているのかが分からなくて読めないところだったんだ」
何故か書かれている異世界に召喚された時のマニュアル(笑)をアリーシャさんに借りる。
殆どがこの世界でも使われている文字だが一部は日本語であり……異世界に召喚された時の対応方法等が書かれている。
「異世界に何かの拍子で召喚された時にすること、1つなんの為に自分は呼び出されたのかを知る。1つそれは協力していい事なのかを考える、明確な魔王という存在でももしかしたら対話することが出来るかもしれないので下手に暴力で解決してはいけない。1つ、帰る事が出来ないのならば国を脅して帰る方法を探すべし……そして日本という国から転生した者が居るならばコレを読ませるべし……」
「そこまでは翻訳出来ている、だがそれ以降はゴンベエが翻訳していないんだ……なんと書いてある?」
「コレを読めているということはそこに日本人が居るということ、コレを読ませているということは近くにオレが居ないこと……アリーシャ、ベルベット、ごめんなさい。ヘルダルフをぶっ飛ばしてこれから世の中を良くしていく、暴力で物事を解決する時代を終えたから2人とは1,2年ほどイチャついてから子供を作りたかった。オレは2人を守りたいし守らなきゃいけない、今まで散々と苦しい目に遭ったのに……2人を守ることも力を貸すことも出来ない不甲斐ない自分を許してくださいなんて都合の良い言葉は使いません……もし、異世界で魔王の様な存在を撃退しろと言う感じの展開ならばホントにごめんなさい。2人にまた暴力で物事を解決させなければならない案件を処理させようとしている。オレの時間は前に進んでいるのだからなんの迷いもなく2人を守りたいのにごめんなさい……コレを日本人もしくは日本人の魂や人格、意識を宿した異世界人が読んでいると思うからどうかオレの妻達を守ってあげてください、もう暴力で物事を解決しなければならない事に巻き込まないでください、オレを探してください。オレの力なら暴力関係なら大体はどうにかなりますから……」
「……ゴンベエ……」
異世界に召喚された時を想定して作り上げられたマニュアル、アリーシャさんが解読出来なかった日本の文字で書かれていた部分を読み上げた。アリーシャさんを暴力で解決しなければならない事に巻き込まないでほしい、そういう事をするのならばと自分を見つけるように言う……翻訳されていなかった部分を読み明かせばアリーシャさんは悲しそうな顔をする。
「待った、アリーシャ……ゴンベエって……異世界の住人だったの!?」
「え、あ…………ああ………………ゴンベエが言うには私と出会う前は出雲の国と言うところにある黄泉比良坂を越えたところで修行していたらしい………」
ゴンベエが異世界の住人だったことをスレイさんは知らなかった。
アリーシャさんに聞けばアリーシャはしまったと言ってはならない事を言ってしまったがこうなってしまった以上は正直に話すしかないと言うが……
「そこ……あの世ですよ?」
「……え?」
「いや、だから黄泉比良坂ですよね?そこを越えたところってあの世ですよ」
アリーシャさんがゴンベエと出会う前に居たところは黄泉比良坂を越えたところという。
黄泉比良坂って確かこの世とあの世の境界線上にあるところでそこを越えた先にはあの世がある感じ、聖闘士星矢で学んだぞ。
「待て、黄泉比良坂を越えた先と聞いているぞ……ゴンベエはそこで修行したとも」
「………………………何者なんですか、そのゴンベエは?」
「……聞かない様にしている。ゴンベエはふざけていて根は悪い人だ……でも、強い人でもある。だからゴンベエは私達を何時も助けてくれた……ゴンベエは語らないだけで新しい自分になる代わりに今までの自分を捨てたと言っていた……だからゴンベエが異世界の住人でも構わないしなにかがあったとしてもゴンベエは乗り越えた。古傷は時には触れない優しさも大事なんだ」
大人だ、スゴく大人だ……スゴく大人な対応をアリーシャさんは見せた。
ゴンベエが何者なのか、異世界との住人に出会っていてゴンベエはあの世からやってきている……と言うことはゴンベエは世に言う転生者?異世界転生を果たしたのか?……
「なにか、なにか書いてないか……」
「それで私達を呼び寄せた理由は?帰る手段はちゃんとあるのか?」
「実はですね」
ゴンベエの手掛かりになるものはないのかとゴンベエが残した異世界に召喚された時のマニュアル(笑)を確認する。
日本語で書かれているものを誰かが翻訳した後がある。日本語でしか書かれていない部分はさっき読み上げた部分だけであり……ゴンベエに関する情報は書かれていなかった。
「成る程、エネルギー不足の為にか…………」
「はい……まさかアリーシャさんの世界にも影響を及ぼしているだなんて……ごめんなさい」
「……それ以外に世界を救う方法は?」
「……無いです……いえ、正確に言えば調べる時間すら無かったんです……」
「……そうか……」
ティル・ナ・ノーグがアリーシャさんの世界に干渉した結果、何度か異世界から迷い人と呼ばれる人達が現れたりした。
アリーシャさんはこのティル・ナ・ノーグを救う方法は他には無かったのかを聞いてくるがミリーナさんはそれ以外に無い、いや、正確にそれ以外に調べる時間が無かったのだと伝えれば……アリーシャさんは特に怒る様な真似をしなかった。怒ってもいいのにスゴく冷静でどうすべきかと考えている。
「ゴンベエって人は……日本人なんですか?」
「確か摂津の国の神戸という街の出身だ」
「兵庫県民……バリッバリの関西人ですね」
「……普段は抑えているが稀に方言が出ていたな……」
ゴンベエが何処の者かと日本人なのかと聞けば摂津の国の神戸出身という。
神戸市民かとバリッバリの関西人なのかと思っていればそう言えばと方言がポロッと零れていた事をアリーシャさんは思い出す。
「とにかく私がここに居たら魔物が押し寄せるのだな……」
「あ、光魔の鏡を破壊すればどうにかなりますから」
「そうか……私とスレイが具現化したのならば……ゴンベエとベルベットが居てもおかしくはないが……」
「あ、ベルベットなら鏡映点だったよ!」
「…………私達なら………何故ゴンベエが………」
「あのっ、なにか描くものはありますか?ゴンベエについて少しだけ心当たりがあると言うか……それらしい人が写ったっていうか」
自分達が具現化されているのならばゴンベエが具現化されていてもおかしくはないのだとアリーシャさんは考える。
さっきから言っているゴンベエについて少しだけ気になることがあるのだと描くものを貰い……一番最初に写ったリンクの格好をしている二宮匡貴を描いた。
「ゴンベエってこんな人ですか?」
「ああ、そうだ!そんな見た目をしている……まだなにも言ってないのに、どうして……」
「この大陸に来た時に鏡映点は誰なのか確認したら出てきたんです…………そうか……この人が……っぷ……」
「……何故笑う?」
「いや、なんか絵面が面白くて」
見た目がギャグの1つも通用しないであろう二宮匡貴なのにゼルダの伝説のリンクの格好をしている。
あくまでも見た目が二宮匡貴であって中身は違うんだろうが絵面からして罰ゲームの一種なんじゃないのかと思えてきた。
「…………………」
このゴンベエという人が何者なのか、きっと俺と同じタイプなんだろうが……それだと幾つか謎が生まれる。
何者なのか分からないが……なにかを知っていることだけは確かな筈だろう……でも、そのなにかが分からない。もしかしたら異世界に関与する技術云々を帰り道を知っている可能性が高い。
「イクス、先ずはベルベットさんを探しましょう」
「……俺は……俺はゴンベエを探したい。この人ならなにか知ってるかもしれない。もし俺と同じならば分かり合う事が出来る友達になれるかもしれない……同じだとしても気を許して話し合いをすることが出来るかもしれない……」
ベルベットさんを探し出さなければならないのだが……俺はゴンベエを探したい。
ゴンベエならばなにかを知っている可能性が高い、もしなにも知らなくても俺が気を許すことが出来る友達になれるかもしれない。
色々と滅茶苦茶や馬鹿な事を言っているのは自覚している、それでもゴンベエに会ってみたい、会って色々と確かめてみたい。
「イクス、本来の目的を忘れたらダメよ」
「ミリーナさん、俺は別にこの世界についてなんの思い入れも無いですよ……俺がこんな倫理観が狂った事に協力している理由はたった1つ、家に帰るためだけなんです」
鏡映点を見つけることが大事だとミリーナさんは言うが俺は最初からその辺はどうでもいいと思っている。
俺がこんな倫理観がおかしくなる事をやっているのは家に帰る方法を見つけるため、その為のキッカケがやっと目の前に現れた。
母さん達に会いたい、ハントンライスをもう1回食べたい。彼女と一緒に見に行きたかった映画を見に行きたい……その目的を果たす為ならばアイギス計画は迷いなく踏み台に使う。
「どうにかしてゴンベエを見つけないと……」
「私としてもゴンベエに会いたいが……先ずは目の前の問題を片付けないか?ベルベットを見つけて光魔の鏡とやらを破壊すれば私達もゴンベエを探すことが出来る」
「そうだよ……俺達もゴンベエに会いたいし、先ずはベルベットを探そう」
「あんたに探してもらわなきゃいけないほど、私は方向音痴じゃないわ」
「ベルベット!」
先ずはゴンベエでなくベルベットさんを探そうとアリーシャさん達は言ってくる。
そっちの方を優先した方がいいのかもしれないと思っていると三人目の鏡映点であるベルベットさんが現れた……が……なんか不機嫌だ
「っち…………」
「えっと……どうかしたんですか?」
「どうかしたもなにも気付いたら森の中で野宿してて、領地に帰ろうとしたけども地図と大陸がおかしくなってて……取りあえず街に来てみたら会いたくもない奴がこの場に居たんだから舌打ちの1つでもしたくなるわよ」
「……ごめん、なさい……」
「ごめんなさい?導師として失格なくせに未だに導師の格好をしてて中途半端な正義しか成し遂げることが出来ない無能に謝られても心はなんとも思わないわ」
「…………」
スレイさんがベルベットさんにボコボコに言われている。
いったい元の世界で何をやらかしたんだろうか?ベルベットさんはスレイさんを一方的に毛嫌いしている。
「落ち着くんだベルベット……ミリーナ、すまないが私達にしてくれた説明をベルベットにもしてくれないか?」
「ええ」
殴りかかることはしないだろうが物凄く嫌悪感を剥き出しにしているベルベットさん。
ミリーナさんがベルベットさんにここがティル・ナ・ノーグ云々の話をしたのならばベルベットさんは空を見上げた。
「ホトケ!出てきなさい!!ティル・ナ・ノーグ云々でこの世界に来ちゃったわよ!!どうにかする方法の1つや2つあるんでしょ!!」
「そうだ、ホトケが居た……ホトケ、こういう時なんだから出てきてくれ!!」
「……………なにをしてるんですか?」
「異世界が関与した時にアドバイスをくれるホトケと言う存在がいるんだ」
「何時もだったらなんだかんだで教えてくれるんだけど……………出てこないわね……」
ホトケ……仏のことか?
中世のファンタジーな世界観に仏教ってなんかおかしい……と言うことはゴンベエは世に言う転生者、なのか?
「出てこないな……」
「こういう時に出てきてアドバイスを送ればいいのに……役に立たないわね」
「…………一先ずは光魔の鏡を破壊します、それが終わればゴンベエ探しを」
四方八方詰まりでありどうにもならない状況だった。
こうなってしまった以上はゴンベエを探すのでなく光魔の鏡の破壊をすることにする。
「……………」
「……………」
「あの、スレイさん、先にケリュケイオンに行っててもいいんですよ」
「いや、それは出来ないよ。魔物が居るならさ」
カーリャの探知を頼りに光魔の鏡を探そうとする。
ケリュケイオンに先に戻ってもいいとスレイさんに言うのだが流石に見捨てることは出来ないと言うが…………気まずい空気を発している。ベルベットさんが不愉快だとスレイさんと一緒にいたくないぞという感じを醸し出しておりアリーシャさんがどうすれば良いのかを悩んでる。スゴく気まずい空気が流れたものの光魔の鏡を見つけることが出来たのでササッと破壊し……ゴンベエを探すことになった。しかし時間を掛けられないと言われたので……1日、たった1日だけの猶予を与えられた……だがゴンベエを探す道具もなにも用意していなかったので俺はゴンベエを全くと言って見つけることが出来なかった。
スキット 繋がり
カーリャ「そう言えばサラリと2人とイチャついて云々が書いてあったんですけど……」
ベルベット「ええ、ゴンベエと結婚してるわよ」
カーリャ「マジですか!?お二方を口説き落とすだけに飽き足らず結婚したのですか!?」
アリーシャ「いや……まぁ……色々とあったとだけな……ゴンベエはこの前男爵から伯爵に爵位を上げたし問題はなにもない」
ミリーナ「どんな感じの恋愛を繰り広げたの!?」
アリーシャ「……」
ベルベット「……」
カーリャ「ミリーナ様、なんか地雷を踏んだっぽいですよ?」
ミリーナ「も、もしかして聞いたらダメなことだったの」
アリーシャ「いや、違うんだ……恋愛らしい恋愛をしていない、ただそれだけの話なんだ」
ベルベット「まぁ、その……旅をしている内にね、好きになったって言うか……ゴンベエの事は愛してるわ。その思いは本物よ」
ミリーナ「……ゴンベエ、早く見つかるといいですね……」
アリーシャ「大丈夫だ……離れていても側にいる」
カーリャ「心の繋がり……ロマンチックですねぇ」
ベルベット「違うわよ?」
カーリャ「え?離れてても心は繋がってる的なのじゃないですか?」
アリーシャ「違うぞ、カーリャ……私達の体にはゴンベエの血液が流れているんだ……輸血と言う他人の血液を移植する医療技術があって私達とゴンベエの血液が適合すると分かった。だから私達はゴンベエの血液を貰ったんだ」
ミリーナ「心の繋がりじゃなくて血の繋がりもあるのね!……私もイクスにやってもらおうかしら?」
イクス「バグってる……バグってるぞ……」
どれにしようか
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デカマスター
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アバレキラー
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ウルザードファイヤー