テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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果てなき冒険スピリッツ

「起きた?」

 

 目を覚ますとライフィセットがオレの顔をジッと眺めていた。

 

「起きた……ちょっとベルベットにシバかれてくる」

 

「え?」

 

「ベルベット~目覚めたから取り敢えずグーで頼むわ」

 

「ま、待って!ゴンベエ、殴られるの?」

 

 ベルベットの事だから、簡単に許すとかそう言うのはしてくれない。左手憑魔化させて殴られれば痛いから出来れば右手の拳骨をお願いしたい。

 

「殴られて当然の事をしちゃったんだよ」

 

「……なんでしたの、そんなこと?」

 

「偶然だよ、偶然」

 

 痛い目に遇うのにどうしてそんな事をしたのか気になるライフィセットだが、オレは意図的にしたんじゃない。

 割とマジで偶然にあんな事が起きただけであり、そこになんらかの意図があったかと言えばオレは違うと全力で否定する。

 意識がハッキリしないまま身体をゆっくりと起こして、ライフィセットにベルベットが何処かと案内してもらい、一階に降りるとベルベットはそこにいた。

 

「はい、じゃあ1発。気持ち的に足りないなら4……3発まで追加して良いから……ごっほ!?」

 

 けじめをつける為にオレはベルベットから腹パンを受けた。

 憑魔化した左手で殴ってこなくてよかったものの、腹に一切力を入れていない状態での腹パンなので結構痛い。

 

「……その反応はそれはそれで腹が立つのよ」

 

「楽しみたいけど、そんな状況じゃないんだよ。

ベルベットもオレも、互いに色々と切羽詰まっている状況なんだから恋愛もくそもあるか?」

 

「……アメッカとそういう関係じゃないの?」

 

「これから先、何度も言うことになるだろうが違う」

 

「そういう関係?」

 

「あんたにはまだ早いわ」

 

 ライフィセットに早いと言っているベルベット、まじ姉さん。

 痛みが収まってきたので、オレはゆっくりと立ち上がる。ベルベットが殴ってくれたお陰で意識が一瞬にして覚醒した。

 

「ゴンベエ、大丈夫?」

 

「大丈夫だから、術で治さんくても良い。これは受け止めんといけねえ痛みだ」

 

「……どういう意味?」

 

「世の中には辛い苦しい汚い痛いと分かっていても、やらなきゃいけない時がある……今のは関係無いけど、ベルベットのやろうとしていることは辛くて苦しくて汚くて痛いことだ」

 

「強いんだね、ベルベットは」

 

「強くなきゃいけないのよ。仇を討つためには……出発するわよ」

 

 強くなければ仇を討てないと言う考え自体は間違っていない。だが、ベルベットは導師アルトリウスを殺すことばかり考えていて周りをよく見ようとしていない。ベルベットは何時壊れてもおかしくない精神状態で、今を生きるのに必死と言えば聞こえは良いが、ちょっとしたきっかけで壊れてしまうだろうな。

 

「おぉ、生きてたか」

 

「ロクロウ、第一声がおかしいだろう」

 

 酒場を出ると、ロクロウ達がいた。

 ロクロウはオレを見て微笑むのだが、第一声が余りにもおかしい。そこは目覚めたかとかおはようだろう。その事に関してツッコミを入れるとなんか哀れなものを見るような目でオレを見る。オレは哀れなのが否定しないが、やめてほしい。

 そう思っているとロクロウは人差し指でオレを指す。

 

「後始末、大変だったんだよ」

 

「そうか……振り向くの怖いから、行こ、いったぁ!?」

 

 背後にアリーシャの気配がするのだが、恐ろしいので振り向かない。

 目指すは導師アルトリウスの首だと無視しようとすると耳に噛みつかれた。

 

「アメッカ、それは本当に洒落にならないからやめてくれ!」

 

 一切の慈悲なく耳にがぶりと噛みついてきたアリーシャ。

 振りほどいて、怒るのだがアリーシャは俯いて反省の色を見せない。

 

「……これでよし」

 

「なにがよしだ……不慮の事故だからな、あれは」

 

「分かっている、だからこそだ……さぁ、行くぞ!」

 

 耳に噛みついていったいなにをしようと言うんだ。

 マギルゥがニヤニヤしているが、そう言うのは本当に勘弁してくれ。鬱陶しい。

 

「そう急ぐな、聖主の御座に行く為には結界を突破しないと話にならん。

結界前を陣取れば、結界の中にいる対魔士と外にいる対魔士両方と戦うことになる。

中を通ることが出来て、外と中を行き来する中継兼検問役の対魔士がいるはずだ。検問の様子を偵察してこいと既に仲間にシルフモドキで伝えている」

 

「なら、先ずはゼクソン港ね……」

 

 次にどうするかが決まるとオレを見るベルベット。フロルの風を求めているかもしれないが、オレは腕を交差させて×印を作る。

 

「ゼクソン港にマーキングしてねえよ。路地裏のマーキングも消したから、ワープできない」

 

 無理だと言うと露骨に舌打ちをするベルベット。オレはそこまで便利なドラえもんじゃないから、無理なものは無理だ。

 歩いてゼクソン港に戻ることとなり、ダーナ街道を歩くオレ達。道中憑魔が出てくるが、ローグレスの地下道にいた憑魔と比べて弱く、更にはマギルゥも戦える様になったので数秒の瞬殺で終わる。

 

「赤聖水の一件は無駄な時間にならなかったな」

 

「そこらの平凡な業魔なら瞬殺じゃろう。じゃが、今から挑むのは導師に加えて聖主じゃぞ」

 

「導師はともかく……聖主?」

 

「知らないでフか?聖主は世界を作ったと言われる神様でフよ」

 

 このままの調子でとなるが、それはちょっととマギルゥは止める。

 聖主、名前からしてなんとなく分かる存在だがアリーシャは余りピンと来ていない。

 

「聖主なんて偽物に決まっている。アルトリウスが民衆を操るために神話を利用したのよ。本当に神様なら、業魔病ぐらいどうにかすることができるはずでしょ」

 

 聖主の存在を否定するベルベットだが、それは絶対に無い。神話や伝承は後世で一部を弄くられたり改変されたりしていたりするものの、確実に起きた出来事だ。そうでなければ後世にまで話は伝わらない。宗教なんてもんが生まれないし、神殿なんて建てられない。

 

「カノヌシは存在しないのか?」

 

「いいえ、カノヌシと呼ばれているなにかは存在しているわ」

 

「……それがカノヌシじゃないのか?」

 

 ベルベットが言っていることが若干矛盾しており、アリーシャは首を傾げる。

 

「あの子を食ったやつが、神様なわけないじゃない……」

 

「……お前等にとっての神様の定義が物凄く気になるな」

 

 神様=正義とかいう時代は、当の昔に過ぎている。

 人間臭くて非情で割とワガママな存在、それが神様であり下手な犯罪者よりもたちが悪い。

 

「ほほう神様でないならば、勝機がありそうじゃの」

 

「もちろんよ。第一狙いはアルトリウス、それ以外はどうでも良いわ」

 

「どうでもいいね……本当にそれで良いのか?」

 

「なにが言いたいの?」

 

「ヒントは目の前にあんだろ」

 

 ベルベットの弟を犠牲にして、導師になって、そして聖寮という組織を作ってまでして、一体何をしたいのか。

 普通の人にも天族が見えるようになったのならば、後は信仰するだけで良い。現代ならば、それだけで穢れをどうにかこうにか出来る。なのにそれをしていない、そのシステムが全く出来ていないのかと思ったが教会らしきものは存在している。

 

「導師と戦うにしても、恐らくだがスレイよりも遥かに強い」

 

「スレイ?」

 

「アメッカの国の対魔士だよ。

新米だが才能はある……スレイに関しては置いといて、今はアルトリウスだ。

あのエレノアとかいう女対魔士はボコボコにすることが出来たが、アルトリウスは遥かに強いんだろ?エレノアは使ってこなかったが、アルトリウスは導師だからアレ使ってくるだろう。カノヌシというなにかとのアレは想像するだけでも恐ろしい」

 

 一個人としてはそこまで強くないスレイも神依を使えば、物凄く強くなる。

 素のスペックが物凄く高い人間に加えて、ライラ達よりも遥かに強い天族での神依は恐らくだがオレの想像を遥かに越えてしまうだろうな。

 

「もし、エレノアがアレを使ってきたら私達は負けていたかもしれないな」

 

「あ~ありえるな」

 

「ちょっと待って、そのアレってなに?」

 

 エレノアが使わなくてよかったとホッとしているとアレについて聞いてくる。

 

「……知らねえってことは使ってこないのか」

 

 ベルベット達はアレこと神依についてなにも知らない。

 浄化のシステムが存在していないのと同じで、この時代にまだ神依は誕生していないとなる。これ以上口を滑らせるとロクな事にならない。というか、敵に塩を送る可能性があるので喋らない。

 神依を使ってこないなら、それはそれでいいやとこれ以上はなにも言わず何だかんだで辿り着くゼクソン港。

 

連絡(シルフモドキ)は届いている?」

 

「ああ。検問に偵察をだした」

 

「まだ戻らないのか?」

 

「はい、もう少しすれば戻ってくると思いますが」

 

「なら、小休止だな。小腹もすいたし、なんか食べるか」

 

「うん」

 

 アイゼンの仲間のベテラン海賊に話しかけ、進行状況を確認する。

 思ったよりも手間取っているようでオレ達は休憩を取ることにし、腹がすいているライフィセットと一緒にマギルゥから貰ったリンゴを食べる。そのまんまで丸かじりしようとしたので切ってから食べる。

 

「美味しいね」

 

「美味しいだけじゃないぞ。余った芯と皮を消毒した瓶に水と一緒に突っ込めばパン酵母の完成だ」

 

「パン酵母か、小麦からなにまで全部自分で作ってみたいな」

 

「パンを作るんだったら、シュトーレンの作り方を覚えた方がいいぞ」

 

「あんた、なに教えてるのよ」

 

 モグモグとリンゴを食べていると、その辺をぶらついていたベルベットがやって来た。

 ロクロウもマギルゥもアイゼンもアリーシャも色々とやってたりするのに、暇なんだろうか?

 

「シュトーレンの作り方だよ」

 

「シュトー……なにそれ?」

 

「長期保存が出来るパン。ちゃんと正しく保存さえすれば数ヶ月は持つパンで、長期航海なんかには使える……要するにドライフルーツが入ったパウンドケーキみたいなものだ」

 

「そう」

 

「ライフィセットがオレ達がいなくなった後にアイゼンの船に厄介になった際に覚えておけば役立つことだ」

 

「!?」

 

「……」

 

 オレの爆弾発言にモグモグとリンゴを噛っていたライフィセットは驚き、口に加えていた八等分にしたリンゴの真っ二つに噛んでしまい落とす。

 結構どころかかなり気が動転しているが、別に驚くことでもなんでもない。ベルベットは分かっているようで、なんで今そんな事をいうんだとオレを睨むが、遅かれ早かれそうなるんだし違うなら否定すればいい。

 ベルベットは特になにも言わずにライフィセットの隣に座ったのでオレはリンゴを乗せた皿を差し出すとベルベットは一つ摘まんだ。

 

「……甘い」

 

 味がしたのかボソリと呟くベルベット。ライフィセットはそれを見て喜ぶが、直ぐに笑みは消える。

 

「海、好きなのね」

 

 そんなライフィセットに話題を変えるかのように羅針盤を見るベルベット。

 そう言えば、船に置いてきてる筈の羅針盤が何時の間にか隣に置いてあるな。

 

「海は……好き、なのかな?」

 

「どういうこと?」

 

「波や鮫、変な魚は怖い……けど、凄く大きくてその先になにがあるのかなって考えるとドキドキする」

 

「それは好奇心だ……なんでどうしてという疑問から生まれる知りたい知ってみたいって気持ち。海が好きなんだな」

 

「そうなんだ……僕は海が好き……うん、海が好きなんだ」

 

 と言うよりは海の向こう側を見てみたいという気持ちが強いんだろうな。

 海が好きだという自覚をしたライフィセットは嬉しそうで、羅針盤を見つめる。

 

「……あたしの弟も海が好きだった」

 

「ベルベットの弟も?」

 

「岬でよく海を見ていた。

潮風は体が冷えるって、なんども叱ったのに全然言うことを聞かなくて……この子もあんたと同じように思ってたんだね」

 

 急に自分語りをはじめたかと思うと、弟について語りだしたベルベット。

 怒ってたり無関心だったり呆れたりするのが多いベルベットだが、今は見せたことの無い悲しい顔をしている。どちらかといえばこれが素なんだろうなと話を聞く。

 

「羅針盤……買ってあげたかったな。旅だってさせてあげたかった」

 

「病弱、だったのか?」

 

「ええ……なのに、自分の事は後回しにして私に櫛を買ってくれる子だったのよ」

 

 ……う~ん、さっぱりだな。

 ベルベットの弟について聞いても、アルトリウスがなにをしたいのかが分からないな。

 

「お~い、偵察隊が戻ってきたぞ!」

 

 色々と考えてもなにも浮かばなかったが、良い知らせは届いた。

 最後のリンゴの一切れをオレは口にし、椅子がわりにしていた積み荷の箱から立ち上がる。

 

「ライフィセット、あんたは残っても良いのよ」

 

「……はい、アウト」

 

 偵察隊が戻ってきたので、ベンウィック達の所に行こうとするのだがベルベットは色々とアウトな発言をする。

 

「なにするのよ」

 

「デコピンだ馬鹿野郎が……それはやっちゃいけないことだ。あいつはあいつ、弟は弟だぞ」

 

 弟について話をしていたせいか、若干の気の緩みが生まれてしまっている。話をするきっかけがライフィセットで、ライフィセットと自身の弟がなにかと被っている為に、ライフィセットに対して色々と情が生まれてしまっている。

 

「っ!……」

 

 オレが言ったことを即座に理解する。弟とライフィセットを重ねている事を言われる前から自覚していたようで、改めて指摘された為にどうすればいいのかと悩み頭を抱えてしまう。

 

「憑魔だかなんだか知らねえけど、お前は善人だな」

 

「いきなりなによ……」

 

 アルトリウスに対しての憎悪は紛れもなく本物だけど、憎悪の炎が油断すると変わる。

 常に最大限の憎悪を抱き続けるなんて、普通は出来ないことだから当然と言えば当然としかいえない。

 

「ベルベット、僕は行くよ……」

 

「そう……怪我をしても知らないわよ」

 

「要約すると怪我をしないでね、心配なんだからねだ、ぐっふぉお!?」

 

「……お前、本当に黙れ」

 

 ライフィセットは自分の気持ちを出せるようになってきたけど、ベルベットは自分の気持ちを必死に押し殺そうとしている。後、ベルベットに殺されそう。ツンを翻訳するのは、男の宿命なんだからやっておかねえといかんだろう。

 洒落にならんぐらいガチ目のトーン+憑魔の左腕でオレを強く睨むがライフィセットが引いてしまったので、元に戻してベンウィック達のところに戻る。

 オレ達が一番最後のようで、既に偵察隊からの報告をある程度は聞いているのかオレ達を無視して、アイゼンとベンウィックは会話をしている。

 

「そいつはペンデュラムを使ったんだな?」

 

「うん!しかも検問の対魔士を全員ぶっ飛ばした!あいつなら船長とやりあえる!」

 

「……どういう状況?」

 

「ペンデュラムを使う聖隷が、検問の対魔士達をぶっ飛ばしたんだとよ」

 

 遅れてきたオレ達は会話に入る余裕が無いので、聞いてるだけのロクロウにベルベットは聞く。

 それを隣で聞いているアリーシャは手で口を押さえてペンデュラムと小さく呟いており、色々と考えている。

 

「ペンデュラムは船長が行方不明になった時に落ちていた唯一の手懸かりなんだ」

 

「そいつがさらったってこと?」

 

「分かんないけど、無関係とは思えないよ」

 

「……アイフリードは聖寮に捕まっている。捕らえているなら、どうして聖寮の検問を襲撃する……」

 

 居なくなった船長に現れたペンデュラム使い、点と点が繋がりそうで繋がらない。そういう時は間になにかがあって、第三の点が二つを繋ぐ。

 その事を教えようとするのだが、アイゼンが先走りオレ達を完全に無視していってしまった。恐らくはペンデュラム使いの元だ。

 

「考えているところ悪いが、鍵が一本逃亡したぞ~」

 

「追いかけるわよ!状況が混乱しているなら更にかき回して、一気に突破するわ!」

 

「ひょえ~!カゲキ~!」

 

「言うとる場合か、今はそれが一番だろう……凄く嫌な予感がするが」

 

「奇遇だな、ゴンベエ。私もなんだか胸騒ぎがする……もしかすると」

 

「考えるよりも見るだ、行くぞ」

 

 先走ったアイゼンを追いかけるオレ達。

 聖隷(天族)でペンデュラムを使って戦っている。そんな奴は探せばいるかもしれないが、そこに聖寮に歯向かう奴となれば心当りは一人しかいない。

 少なくとも遠い未来で会っているオレとアリーシャの頭にはこの時代で何時か会うんじゃないかと思っている、ある人物の顔が過る。

 

「やるじゃないの、何者(なにもん)だい?」

 

「ザビっ!」

 

「うるさいぞ、アメッカ……余計なことは言うな

 

 海賊の船長ことアイフリードが行方不明な理由は分からないし、ペンデュラム使いとの接点はわからない。二人の間になんらかの接点があるようで、それが分からないと謎は解けない。

 だがそれとは別にペンデュラム使いが誰かとかいう謎はとけた。アイゼンと絶賛戦っているペンデュラム使いの聖隷、それは遥か未来で出会い、この時空を越えた旅をする切っ掛けとなった男、ザビーダだった。




スキット それだけじゃねえだろう

ビエンフー「で、どうだったんでフか?」

ゴンベエ「え、なにが?」

ビエンフー「惚けても無駄でフよ。もう証拠は出揃ってるでフ。ベルベットのあのベットにダイブインしたのを僕たちは知ってるのでフよ」

ゴンベエ「何故にわざわざ醜態を晒すんだ、発信源は……いや、聞くのはやめておく」

ビエンフー「誰が言ったかなんて、どうだって良いでフよ。問題はその感想でフ!!どうだったんでフかベルベットのベットは!!ハァハァ」

ゴンベエ「意識失いかけてたから一切覚えてねえよ」

ビエンフー「バッド!!お前、それでも男でフか!!」

ゴンベエ「男に決まってるだろうが、この諏訪部ボイスは男しか出せん!」

ビエンフー「なに言ってるんでフか……あ、もしかしてゴンベエはおっぱいではなく、お尻……いえ、稀少種の太もも派?」

ゴンベエ「下ネタから離れないか?」

ビエンフー「隠さなくても良いんでフよ。アメッカはとっても優しく真面目で、自分に出来る事はないかと必死に探していて健気で……太ももの絶対領域が凄まじいでフ」

ゴンベエ「お前、かなりゲスい……アメッカにそういう感じの目で向けた事はない」

ビエンフー「正直に」

ゴンベエ「そりゃ女に餓えてるかどうかと聞かれれば餓えている。アメッカもベルベットも絶世の美女だ。だが、そういう風に見ないようにしている」

アメッカ ベルベット「!?」

ビエンフー「つまり、むっつりスケベとなんでフね」

ゴンベエ「ばっか、オレはその辺は割と正直だ。いけるならニャバクラ行きたいと思っている。
ベルベットもアメッカも色んな意味で目に毒だし、そういう風に見ている奴もいる……だがな、ビエンフー、見るのはそこだけじゃないぞ」

ビエンフー「?」

ゴンベエ「ベルベットはアルトリウスをどつき殺すと考えているけど、殺意を常時抱くなんて不可能だ。時折見せる素を見て、あいつ、アルトリウス関係が無いとめっちゃ良い奴なんだな分かる。スタイルも性格も良いし、人の料理にケチつけるぐらいに料理出来る、中々にいねえぞ」

ビエンフー「外だけでなく中身もでフか。因みにアメッカは?」

ゴンベエ「……女子力という概念を捨ててると思う時が多々ある。
だけど、その代わり純粋だし真面目だし、女子力以外は非の打ち所が全くと言ってない……まぁ、本人は最近女子力と戦闘力を求めているが」

ビエンフー「その両立は難しいでフよ」

ゴンベエ「だろうな……とにかくオレは二人をそういう感じで見ないようにしている」

ビエンフー「逆の場合は?」

ゴンベエ「ん?」

ビエンフー「逆だったら、どうするんでフか?ちょっとおめかしした時に変なことを言うのは、男としてダメでフよ」

ゴンベエ「馬鹿だな、お前は。
そもそもでアメッカもベルベットも何処をどうみても絶世の美女だぞ、基本的になにを着たとしても似合うんだ。褒める方としては色々とめんどい。つーか、話脱線してるだろう」

ビエンフー「まぁ、ゴンベエの言うとおりでフね……なんで見ないでフか?ベルベットのベットに顔を入れたのならば、脱出する時にパイタッチを……マギルゥ姐さんでは無理なパイクローを」

マギルゥ「ワシだとなにが無理なんじゃ?」

ビエンフー「そりゃあ勿論、パイキャッチぃいいいい!?ま、マギルゥ姐さん何時の間に!?」

マギルゥ「両立のところ辺りじゃのう。全く、お主はなにくだらん猥談をしておるんじゃ。確かにアイゼンとロクロウはワシという絶世の美女を放置し、坊にはまだ早い。ベンウィック達よりもゴンベエの方が話しやすいが」

ゴンベエ「待て、マギルゥ!!」

マギルゥ「ああ、安心せい。ワシはビエンフーのお仕置き担当じゃ」

ゴンベエ「お前は一切話題に出してない!!」

マギルゥ「これぇい!!なに堂々と言うんじゃ!!あえて触れんかったのを」

ゴンベエ「……色々とキツいです」

マギルゥ「ぐふぅ!?」

ビエンフー「まぁ、実際キツいでフからね」

ゴンベエ「脇とか臭そうな感じがする人で一番最初に名前が上がりそうな雰囲気を醸し出してるぞ、お前は……とにかく、マギルゥが出てきたらこの話は終了だ」

ビエンフー「そうでフね……鮫の餌に、それともスプーンで海水を掬い上げて樽を一杯にするおしおきが待ってるのか」

ゴンベエ「後半は、お仕置きなのか?」

ベルベット「全く、とんだエロ聖隷ね」

アリーシャ「そうだな」

ゴンベエ「んだよ、お前等も居たのかよ。で、拳骨何発?」

ベルベット「殴ったところで、大した効果は無いでしょ。それよりも、あのエロ聖隷がなにかする前に服を買いに行くからその時に付き合いなさい。ジュースぐらいは奢ってあげるわ」

ゴンベエ「はいはい」

アリーシャ「……!?」

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