テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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強き志が宿りし刃は地面に置いても輝く

「私の槍……待ってくれ、ゴンベエ」

 

 クロガネに前に言っていた私の槍を作ってくれと頼み込むゴンベエに待ったをかける。

 工房の周りに落ちている無数の折れた刀、一つ一つが業物と呼ぶに相応しい名刀だが、クロガネはそれに満足する事なく更に強い刀を打とうとしている。その根底に執念が宿っている事に対して些か思うところはあるが、さっきの職人の話を聞いて考え様によっては妥協を一切許さない向上心の強い優れた職人だと言うことは分かり、頼んだのも分かる。

 

「気持ちはありがたいが私の場合、そういう問題じゃない」

 

 持っている槍を取り出す。

 

「刀ばかり作ってきたとは言え、その槍よりはましな槍ぐらい作れる」

 

 バンエルティア号の大砲に撃ち落とされ、槍を失ってしまい、代わりに貰ったこの槍はそれなりの物で、元の時代で使っていた自前の槍と遜色無い。クロガネの打った征嵐と比較すれば見劣りするが、充分すぎる代物で戦う事は出来る……鍛えている普通の人に対してまではだ。

 

「そうじゃない、そうじゃないんだ……私はただの人間だ」

 

 ここに来てからも鍛練は続けているが、槍を振るう機会は無い。

 ゴンベエが私を守ってくれるから、と言うわけでなくただただ単純に私が弱いからだ。憑魔や聖寮と戦うには、エレノアやマギルゥの様に天族の器になるしかない。

 だが、私に入ってくれる天族は何処にもいない。なによりも器となるには最低でも、肉眼で天族を見えるほどの霊応力を持っていなければならない。この時代では何故か肉眼で見えているが、私の霊応力が低い事には変わりない。

 あの槍と似たような物を手にし、果たして戦う事が出来るだろうか?導師アルトリウスの強さを目の当たりにしただけに、自信が無い。あの状態から神衣が残っていると考えれば尚更だ。

 

「ベルベットも、ただの人間だった」

 

「……私にそれは無理だ」

 

 超常的な力を得る方法はもう1つあるが、それは出来ない。と言うよりは、それは無理だ。

 今の私の心は大きく揺れ動き、なにが正しいのかなにが間違いなのか、何故?どうして?と言う疑う心が段々と強くなり、色々と見えるものが増えて1つの答えを出せた。

 精神的に大きく成長した私にそれは難しい。

 

「ちげぇよ、その方法がダメなら別の方法を探す。人間の無限の可能性と諦めの悪さを舐めるんじゃねえ」

 

 ゴンベエはそう言うと神秘的な白い輝きを放つ大剣を取り出す。

 背負っている剣が放つ青い光と比べても遜色無い程の清らかさを感じる。

 

──ボキッ

 

 ゴンベエは剣を両手で持ち、膝で真っ二つに折った……え?

 

「ベースはこの六賢者の剣だ」

 

 ポイっと地面に投げ捨てるゴンベエ。

 

「森のメダル、炎のメダル、水のメダル、闇のメダル、魂のメダル、緋色の鋼、紺碧の鋼、深緑の鋼、勇気の紋章、マスターストーン、影の結晶石、フロルの神珠……こんなもんか」

 

 次々と道具を取り出しては一ヶ所に投げ捨てていくゴンベエ。

 最初の剣ともゴンベエの背負っている剣とも違うが、どれもこれも不思議な力を纏っている。

 

「こんだけの素材を使えば、最上級の槍が出来んだろ」

 

「見たことの無い素材、それだけでなく力が宿っているな。それも同じ力じゃない、1つ1つが似ていて異なる力を宿している」

 

 ゴンベエが出した物に触れ、鑑定するアイゼン。

 私も顔を近付けて、素手で触れてみると金属なのは分かるが、今までに触ったことの無い感じで、宿っている力が伝わってくる。

 

「コレ等を槍の素材にすればとんでもない槍が生まれる……だが、いいのか?

幾つか鉱石は混じっているがこのメダルや珠は明らかに武器や防具の素材じゃない、財宝に近い物で二度と手に入らない一品物だぞ」

 

「いいんだよ、この辺のもんは持ってても埃を被るだけだ。それだったら使える物にして、求めている奴に使わせる」

 

 それが一番だと私を見るゴンベエ……。

 

「私が、そんな大それた槍を作って貰って良いのか?」

 

 もっと大事な事に、大事な物に使うべきじゃないのか?

 

「構わねえよ。何度も同じ事を言わせるな……戦って、裁けぬ罪を裁ける様にしたいんだろ?」

 

「……ありがとう」

 

 本当に、何時もゴンベエには世話になってばかりだ。

 

「アメッカ、手とその槍を見せろ」

 

「ああ」

 

「俺の刀はどうすんだ?」

 

「悪いが、先にこっちを片付ける。こっちは一回勝負、お前とは長い戦いになるから少しだけ待ってくれ」

 

「すまない、ロクロウ」

 

「ったく、しゃあねえな」

 

 結果的に横入りしてしまった事に申し訳無いと感じながらも、手と槍をクロガネは見る。私の手の大きさや形、背丈にあったちょうど良い大きさの槍を作るために。

 

「……こりゃあちょっと無理があるだろう」

 

「やっぱそうなるよな」

 

私の手や背丈を見終え、少し困った声を出すクロガネ。ゴンベエはそんなクロガネに相槌を打つ。

 

「どうして槍が作れないんだ!?」

 

 目の前には見たことの無い鉱石や素材が沢山ある。それでもまだなにか足りないと言うのか?

 

「逆だ、逆。多すぎる」

 

 クロガネはそう言うと私の槍を新しい槍の素材の横に置いた……。

 

「素材、多いね」

 

 ライフィセットのその一言に作れないと言う理由に納得がいった。

 私の持っていた槍とゴンベエが出した素材を比べて明らかに多い、いや、多すぎる。一番最初に出した剣だけで私に合った槍が出来るのでは?そう思えるぐらいに素材は多かった。

 

「前に言っていた作る過程でオレ達の協力が必要だと言うのはそういうことか」

 

 ボキボキと腕を鳴らすアイゼン……そう言うことか!

 

「素材を砕くのか!」

 

 1つ1つ全てを使うことは出来なくても、砕いた素材の破片を一番最初に膝で真っ二つに折った剣に混ぜていき新しい金属を生み出し、その金属を用いて新しい槍を作り出す。

 この数となればゴンベエ一人だとそれなりの時間がかかるので、ロクロウやアイゼン達の力が必要になる。

 

「ハンマーなら幾らでもあるから、思う存分に使ってくれ」

 

「おう!」

 

「オレは素手でいく。誤って死神の呪いが発動してハンマーの鉄槌部分だけが飛んじっちまう」

 

 文字通り腕を鳴らし、どれから砕くかと吟味していくロクロウとアイゼン。

 

「僕も手伝うよ」

 

 それに続き、ライフィセットも加わる。

 

「……ライフィセット、あんたは天響術で砕きなさい」

 

 そう言いながら、ベルベットはライフィセットが持ったハンマーを取り上げた。

 

「要約すると、ハンマーは重くて危険な物なんだからあたしに任せ──」

 

「あんたはいい加減にしろ!!」

 

「──っ──なさいと言うベルベットの優しさだ、実際問題重いから甘えろ」

 

 素直になれないベルベットの気持ちを代弁しようとしたせいで、怒らせてお腹を殴られるが耐え抜いたゴンベエ。

 痛いと呟きながらも小さくガッツポーズをしていたので更に怒らせてしまい、持っていたハンマーで殴られそうになる。この二人はどうしてこうなるのだろう……。

 

「勘違いしないで、砕いて破片を混ぜるなら幾つか余るでしょ。

私はそれで新しい武器を作ってもらうだけよ。ロクロウもそうだけど、私の武器も新調しないとこの先どうにもならないのよ」

 

「……ああ、使ってくれ」

 

 言っている事は本当だろうが純粋な善意で手伝ってくれるのがよく分かる……なんだろう、この気持ちは。

 

「オレの」

 

「あんたは私の下僕でしょ?私の物は私の物、あんたの物は私の物よ。エレノア、命令。手伝いなさい」

 

「分かりました……では、参ります!奥義、スパイラル・ヘイル!!」

 

 斬り上げ、螺旋状の衝撃波を槍に纏わせ刺突でフロルの神珠と呼ばれる物を砕きにいくエレノア。

 これは威力が強すぎないか?最終的には合成して新しい金属にするから良いのかもしれないが、砂レベルまで細かくなると金属を作れなくなるかも……。

 

「お見事!!……って、ヒビ1つ入っておらんぞ!?」

 

「あんた、手を抜いたでしょ」

 

「人聞きの悪いことを言わないでください。

貴女達を強くする事は癪ですが、誓約がある以上は手を抜けません。これは……この珠が異常なまでに硬いのです」

 

 たった数回振るっただけなのに、刃溢れを起こしているエレノアの槍。

 

「ゴンベエ、こいつ、滅茶苦茶硬いぞ!!」

 

 ガキンと金属を叩く音と共に叫ぶロクロウ。メダルが置かれている場所は凹み、何度も何度も打ち付けた跡があるもののメダルには傷1つ入っておらず、何度も何度もハンマーを大振りで打ち付けるが形は変わらない。

 

「アイゼン、そっちはどうだ!」

 

「っち、こっちもだ!」

 

 拳で挑むアイゼンは舌打ちをする。

 メダルを殴って砕こうとしてはいるが、ロクロウと同じくメダルを置いている場所に凹みこそあれど、メダルその物に傷が1つも入っていない。

 

「今度は僕が、意思連なり怨敵貫け!出でよ!ディバインセイバー……ごめん」

 

 ライフィセットの天響術でも傷1つつけれない……。

 

「坊の天響術でまともな傷1つつけれんなら、ワシにも傷をつけることは不可能じゃ」

 

 道具でも拳でも術でも砕くどころか傷1つつかない素材。

 アイゼンやロクロウでダメなら、ベルベットや私がハンマーを力ずくで叩いたとしても砕く事は出来ない。

 

「お前さんならどうにか出来るのではないのか?」

 

「背中の剣を使ってメダルがある空間ごと叩き斬る技はあるが、斬った空間が無くなるから破片がちょこっとしか残らねえ。流石に予備の材料無しは色々と困るって、言ってられねえか」

 

 背中の剣でなく、弓矢を取り出すゴンベエ。

 

「アメッカ、誰も居ないところに置いてくれ……結構大きめなのをやる」

 

 矢筒から一本の矢を取り、弓の弦を引き、私が壁に置いたメダルに狙いを定める。

 すると矢尻の部分に眩い光が収束していき、最終的には矢全体が光に包まれる。

 

「天誅・パワーアロー!!」

 

「っ!!」

 

 なんて光だ!

 何時も使っている技よりも神々しい一撃を、一矢をメダルに向けて放つ。

 眩い光を直視する事が出来ない私達は腕で目元を被い、光を直視しないようにした。

 

「……どうなった?」

 

 放った矢の威力は凄まじく、新しい道が出来たと言われてもおかしくない穴を開けた。

 これでダメなら、どうすることも出来ないと私は穴の中に足を踏み入れてメダルは何処かと探し

 

「これでも、ダメなのか……」

 

 見つけた。……傷1つついていないメダルを。

 光のせいでちゃんと見れなかったが、光の矢はメダルに命中している。常人どころかアイゼンやライフィセットの様な天族が受けても即死は免れないであろうあの一撃でも砕けなかった。

 

「硬くてスゲえ頑丈なのは分かっていたが、ここまでとは……コイツが欠片になるなら、メダルもバラせる筈なんだがな……次元ごと叩き斬って、欠片サイズにするか」

 

「ゴンベエ」

 

「ベルベット、悪いがコレばかりは聞けねえぞ。

幸い、今の一矢で出来た穴からなんか色々と石が出てきたっぽいから、それでクロガネに作ってもらえ」

 

「違うわよ、アレってこの前のよね」

 

「アレ……こんな時にかよ」

 

 私達がクロガネの工房に来た側とはまた別の側に、黄金の狼が立っていた。

 あの狼は私に断鋼斬響雷を授けてくれた骸骨騎士で、授け終えた後に次はベルベットだと予告をしていた。今、私達の目の前に現れたということは、ベルベットに技を授けに来たのか。

 

「ちょうどいいタイミングね。武器が手に入らないのなら、技の1つでも覚えてやるわ」

 

「……わふ……」

 

「狼の姿に……貴方も業魔だったのですか!?」

 

「いや、業魔というよりは」

 

「そんなのどっちだっていいでしょ。あいつ、どっかに行くわよ!!」

 

 はじめて狼になったゴンベエに驚くエレノアを他所に、何処かに行こうとする狼を追いかける私達。

 先程までいたクロガネの工房よりも少し大きな場所に出ると狼は止まり、ゴンベエと向かい合い前とは異なる吠え方で共鳴するゴンベエと黄金の狼。

 

「よかろう……」

 

 前回と同じく、真っ白でなにもない場所に連れてこられた私達。

 エレノアが何事かと驚き続けているので簡単に説明をしていると骸骨の騎士が現れる。

 

「汝、力を──」

 

「求めるわ。アルトリウスを殺せるなら、あんたやゴンベエみたいにわけの分からない奴の力だって求めるわ」

 

 前回の私の時同様に問い掛けるのだが、ベルベットは言い終わる前に答えた。

 

「ならば、汝に技を授けよう!!」

 

 即答について気にしない骸骨騎士。

 技を授ける声と共に何処からともなく穢れを纏った憑魔が出現した。

 

「っ、業魔!」

 

「お前は後!!」

 

「下がっていろ、エレノア……どうやら、アレはベルベットの為に用意されたみたいだ」

 

「そういうことみたいね」

 

 槍を構えるエレノアを骸骨騎士とアイゼンが止めると、ベルベットは走り出す。

 ここはエレノアやベルベットが居たと言う地脈の中でもさっき居た場所とも異なる空間で、憑魔が何処からともなく出たのもこの特殊な空間のお陰なのだろう。

 

「ヘヴンズクロウ!!」

 

 出てきた憑魔を倒せと言う意図を読み取り、左腕を変えるベルベット。

 狼、オーク、中身の無い甲冑、下半身がエビ、上半身が人間のケンタウロスの様な甲殻類、ハーピィ、クラーケン、木、多種多様な憑魔を左腕を大きく振って高く飛ばす。

 

「終わりよ、スカーレット・エッジ!」

 

 飛ばした憑魔に追撃の手を緩めず、紫色の炎を左手に持たせて大きく腕を振って投げつける。

 憑魔は炎に焼きつくされ倒された。こうやって改めて見るとベルベットは強いのがよく分かる……が、なにを教えるのだろうか?ベルベットは憑魔の力を使った戦い方をしている。武器も独特すぎて余り見たことの無いスタイルで、新しい技と言われてもピンと来ない。

 

「で、なにを──また?」

 

 倒した筈の憑魔があっさりと復活した。

 

「何度やったって同じよ、ヘルズクロウ!!」

 

 さっきとは少し異なるものの、左腕を使った技で攻撃する。

 さっきより強い技で、これだとさっきと同じ様な終わり方をするのではないだろうか?そう思い見守っていると、攻撃された憑魔は消え去る。

 

「で、私にどうしろって言うの?」

 

「……アレに得意なのをぶつけてみろ」

 

 骸骨騎士がそう言うと、なにもないところから案山子の藁人形が出てくる。

 

「植物なら燃やす、インフェルノ・ブルー!!」

 

 藁人形に青い炎をぶつける。

 炎から熱は感じる。凍らせに来ているのかと思うほどに冷たい炎で、それでも燃えていると言うことはベルベットの特殊な力でそう感じる炎になっているのが分かる。

 

「もう一度だ」

 

 三度現れる憑魔。

 さっきから倒してばかりでなんの進展もなく、どういう技を教えてくれるかの説明の無い骸骨騎士に若干の苛立ちを感じながらも左腕を使って一掃。

 

「炎を焼き尽くし、越えてみせろ」

 

 二度目と同じく憑魔は直ぐに消えて、さっきと言うか現在進行形で燃えている藁人形のみ残る。

 炎は色や雰囲気こそ違えど、空気を遮断したり水をかけたりすれば消える炎ではない。穢れを纏った炎で、スレイがライラ様の器となった日の事をふと思い出す。

 あの時は水の天族のミクリオ様が居たが、炎に穢れを纏っていて鎮火出来ないと言っていた。この炎も種類こそ違えど一緒なのだろう。

 

「炎を焼き尽くす?炎は炎でしょ?」

 

「否、ただの炎ではない」

 

「……スカーレット・エッジ!!」

 

 炎を焼き尽くすと言う言葉の意味が分からないまま、別の炎をぶつけるベルベット。

 インフェルノ・ブルーの青色の炎は目に見える変化らしい変化は起きておらず、そのままだった。

 

「未熟者」

 

「なんですって!」

 

「窮地的な事態、状況であるにも関わらず風が吹けば振り子の様に心が揺れ動く。それを未熟者と言わず、なにを未熟者と言う?」

 

「それは違う!」

 

「アメッカ?」

 

 骸骨騎士の言うとおり、ベルベットの心は揺れ動いている。だが、それは未熟者だから揺れ動いているんじゃない。

 

「ベルベットは本当に優しい人間だから、揺れ動いているんだ!!」

 

「あんたまでなにを言い出すのよ」

 

 ベルベットが憑魔になったのは弟が殺されたから。大事な家族が殺されたのならば、誰だって憎む。

 現にベルベットは殺したアルトリウスを憎んでいる……だが、それだけだ。理性を失いそこかしこに意味もなく暴れる様な憑魔ではない。それどころか、不器用な優しさをライフィセットに見せる。

 そしてその不器用な優しさは無理して出している感じがある。本当ならば素直に出せるのに、やらなければならない事とか色々とあって出せていない。

 

「アメッカの言うとおりだし……お前、焦りすぎだ」

 

 ゴンベエも狼から元に戻り、援護する。

 それと同時にベルベットはゴンベエを殴った。

 

「ベルベ──」

 

「あんたになにが分かるの!!私は一刻も早くアルトリウスを」

 

「殺したいんだろ?」

 

 ベルベットに殴られ、尻餅をついたが何事もなく立ち上がる。

 殴られた事に対してなにも言わず、ベルベットに声を掛けようとする私をチラリと見て邪魔をするなと目配りをする。

 

「ええ、そうよ!!その為には武器を、力を、カノヌシがなんなのか知ることが必要なのよ!!」

 

「その通りだな。ただ殺すと殺意を挑んで色々と無茶した結果が今なんだから」

 

「お前っ!!」

 

 右手で胸ぐらを掴み、左腕を変えてこれ以上喋れば殺すと脅す。

 

「なにをしているのですか!!」

 

「これでええ、これで」

 

 見守っていたエレノアが止めに入ろうとするが、ゴンベエは止める。

 

「オレは無責任な事もカッコいい言葉も言いたくないし言えねえし、そこまで器用じゃねえんだよ……とにかく、一旦落ち着けよ」

 

 ゴンベエがそう言うと、今度は左腕で殴る。

 かなりの一撃だが、一歩も動かず一歩も引かず、防ぐことすらせずに受けきってベルベットを見つめる。

 

「アメッカが言った通り、お前は本当に優しい人間だ。さっきだってライフィセットにハンマーを持たせるのが危険だからって」

 

「黙れ、黙れ、黙れ!!」

 

 何度も何度も殴り続けるベルベット。

 

「私は、あいつを、アルトリウスを殺す!!

その為にはなんだってやってみせる。それを阻むものは、どんな者だろうと喰らい尽くす!!それが、それが自分の心であろうと!心なんて、優しさなんて」

 

「力を、強さを求めるのだって心だ、欲望だ」

 

 なにがなんでも成し遂げて見せると決意を見せつけようとするベルベットの拳はゴンベエは受け止める。

 

「自分の気持ちを一旦整理しろよ。お前は色々と不安定で、その不安定をどうにかしないと固い意思や決意を持った奴には勝てねえぞ」

 

 ベルベットの気持ちは不安定だ。

 憑魔になった原因や大敗が大きな要因となっていて、それをどうにかしようと必死になっている。いや、なりすぎている。早く港に行きたいと言い続けているのも、新しい武器や力を貪欲なまでに求め続けているのも、必死になりすぎた結果生まれた焦りだ。

 

「よいしょっと」

 

「なにを──」

 

「一なにも考えるな、なにも見るな、ボーッとしろ。無になれ、リスタートしろ」

 

 ベルベットの頭に紙袋を被せて、無理矢理正座させるゴンベエ。

 必死になって暴れるもののゴンベエに抑え込まれ、息苦しくなったのか紙袋を外そうとするがそれも止められ、呼吸が上手く出来ないのか弱々しくなり、暴れなくなった。

 

「なにがしたいのか、なにをしなければならないのか、どうしたいのかを書いてみろ」

 

 暴れなくなったベルベットに紙と筆を渡す。

 冷静になったのかゆっくりと紙袋を外し、紙に自分がやりたい事やすべき事を、その為になにが必要かとゆっくりと書いていく。

 

「あんま良いことじゃねえけど、1つだけ教えてやるよ。

優れた殺し屋はくだらねえ争いはせず穏便に済ませる。今みたいな小さなイザコザを起こしたり焦ったりすれば大きな標的を逃すからだ……殺意を理性で抑えて、理性で殺意を解放しろ」

 

「イザコザを起こしてるのはあんたじゃない……まぁ、いいわ」

 

 よかった、生じていた焦りを拭うことが出来たみたいだ。

 

「もう一度……アルトリウスを殺すために、やってやる」

 

 自分がすべき事をしたいことを書いた紙を見て冷静になって左腕を憑魔の姿に変え、殴っている時もずっと燃えたままだった冷たい炎に再挑戦する。さっきの様に攻撃するのでなくまずはどうすれば良いのかと一度立ち止まり考え始める。

 

「炎を焼き尽くして越えてみせろ……あの骸骨騎士、おかしな事を言ったわよね」

 

「確かにおかしな事だ。だが……適当な事を教えようとはしていない」

 

 あの骸骨の騎士は私達に技を授ける為に私達の前に現れている。

 私に断鋼斬響雷を教えてくれた様にベルベットになにかを教えようとしている。その答えが、炎を焼き尽くす事なのだろう。

 

「お前達、アレが本当にただの炎だと思っているのか?」

 

 アイゼン?

 

「修行の一つだと口出しせずにいたが、言わせてもらう。何処の世界に冷たい炎が存在している!!」

 

「ここにあるじゃないか」

 

 なにを今更な事を言っているんだ?

 

「アイゼン、それ以上はダメだろう」

 

「……とにかく、それは普通の炎じゃない。それだけは理解しておけ」

 

 ゴンベエに抑止されるとアイゼンはそう言うと引いていった。

 普通じゃない……青い炎は穢れを纏った炎で、熱さでなく冷たさを感じる。普通に水をかけても鎮火する事が出来ない炎で、浄化しなければならない。それを出来るのは天族で、ベルベットは憑魔。真逆の存在で浄化をすることは出来ない。あの時も穢れを浄化してから炎をどうにかした……いや、待て。

 

「別に浄化をしなくてもいい?」

 

 浄化の力で穢れを祓わなければならないが、今の状況とあの時の状況では大幅に異なっている。

 浄化の力があればと何度も思うときがあったがこの時代には浄化の力が無いどころかベルベットは憑魔。浄化の力はどう頑張っても使えない。なによりも浄化をしなければならないわけではない。

 

「浄化、浄化って、なにを言ってるのよ?」

 

「っ、気にしないでくれ」

 

「そう……アイゼンが言いたい事、なんとなく分かった気がするわ」

 

 青い炎の前に立ち、左腕から紫色の炎を出す。

 

「あんたの言うとおり、私は人間だった。エレノアやマギルゥみたいに術が使えるわけでも聖隷が見えるわけでもなかった、業魔になってからこんな事が出来るようになった。だったら、普通の炎じゃない……普通じゃない炎を普通じゃない炎で、焼き尽くす!!」

 

 ベルベットの出す炎が徐々に徐々に大きくなる。

 

「違う、コレじゃない……コレだと大きいだけ……」

 

 その炎でも満足する事は出来ず、ゆっくりと深呼吸をして心を落ち着かせる。

 それに答えるかの様に大きくなっていた炎も段々と小さくなっていき、形が変わっていく。

 

「ベルベット、これはまずい!」

 

 なにかの技になっていくのを見守っていたが、この技はまずい!!

 蛇の様な形に変わっていくと今度は段々と黒ずんだ色に変わり、それと同時に背筋に悪寒が走る。私はこの感覚と似たようなのを二度感じている。

 これはヘルダルフやドラゴンの穢れの領域に入った時と同じ感覚で、ドラゴンの時より弱いがヘルダルフのものよりも強い。ベルベットは憑魔だから、穢れの領域を出したとしてもおかしくないが、まずいと私のなにかが言っている!!

 

「それ以上はよせ!!どうなるか分からないぞ!」

 

 もしかすると、ドラゴンになるかもしれない!

 

「まだ、よ……後、もう少し、もう少しでっ……」

 

 ベルベットは苦痛の表情を浮かべる。

 息を荒くしながらも耐えていると蛇の形をした紫色の炎は墨の如く雑じり気の無い黒色の炎となり、先端部分が少しずつ変化していき龍の頭部になった。

 

「今よ!!」

 

 炎が龍の形になると、青い炎に放った。

 黒い龍の形をした炎は生きているかの様に動き、青い炎の中に入ると青い炎から感じていた冷たさは無くなり、私でも感じるほどの強力な穢れに代わり、青い炎は黒い炎へと変わっていく。

 

「青い炎を喰らった……」

 

 浄化の力でなく更なる穢れの力で喰らい、焼き尽くした。

 

「邪王炎殺黒龍波、見事に体得したな」

 

 ドラゴンに変化する程の穢れを持った炎で相手を喰らい焼き尽くす、骸骨の騎士はこの技を教えたかった様で満足そうにする。

 

「邪王炎、殺黒龍波…はぁはぁ…コレなら、アルトリウスも、っ!!」

 

「ライフィセット、早くベルベットの治癒を」

 

「うん!」

 

 技の威力を見て、満足するけれども満身創痍のベルベット。

 立っているのもやっとで、左腕に巻き付いている包帯も黒く焦げていて太もも等の素肌を晒している部分に火傷をしている。

 

「ベルベットの傷、治りが遅い……」

 

「その技は諸刃の剣の様じゃの」

 

「そんな……」

 

「驚く事は無いぞ。龍の形に変化するほどの力を込められた炎を憑魔では扱い切れぬのは当然の事、ましてやベルベットはダイルの様に肉体が別の生物となっておる訳ではない。第3の手となる尻尾を得たわけでも空を飛ぶ翼を得たわけでもなく左腕以外はそのままで耐えきれんのは道理じゃろ」

 

 ドラゴンは憑魔となった天族が憑魔となり、浄化することが出来ない程に穢れた末になるもので、ベルベットは憑魔。

 黒炎は龍の形に変化するほどに穢れていて、単純に考えれば憑魔のベルベットよりも強い穢れを、強い力を持っている。

 

「……その技を使い続ける事は己の身を滅ぼす事と同じだ」

 

 技を覚える為にと見守っていたアイゼンも邪王炎殺黒龍波にいい顔をしない。

 

「それがどうしたのよ、この技ならアルトリウスにだって──」

 

「ダメ!!」

 

 己の身を滅ぼす可能性すら秘めている邪王炎殺黒龍波。

 ベルベットはその力ならばと自分の体を省みない意思を見せるが、ライフィセットは叫んだ。

 

「この技を使ったら、今度こそベルベットは死んじゃう……そんなの、そんなの、僕は嫌だよ!!」

 

「ライフィセット……」

 

 今までの傷と違って邪王炎殺黒龍波の傷は明らかに治りが遅い。

 切り傷だろうが治せるライフィセットの治癒術でも治らないとなれば、尚更でベルベットを抑止する。

 

「僕が、ベルベットの分まで頑張るから、だから、その技は……僕に、技を教えて!!」

 

「……」

 

 骸骨の騎士に頭を下げ、技の教えを乞う。

 しかし、骸骨の騎士はなにも答えずにライフィセットの横を過ぎ去り私の元に来る。

 

「槍を取れ」

 

「待ってくれ、私は前に技を教わった」

 

「言った筈だ、次はお前()だと」

 

 確かに……あれはベルベットにも技を教えると言う意味だったのか。

 

「だったら、私よりもライフィセットに技を教える事を優先してくれ……技を会得したところで、今の私では使い物にならない」

 

 戦えない私よりも、戦えて技を求めるライフィセットが覚えた方が良い。

 

「汝が戦える様になれば、結果は同じだ」

 

 それは……そうだ。

 骸骨の騎士には私の言葉は通じず、それどころか論破されてしまう。

 

「1つ、技を教える前に聞いておきたい事があるんだが良いか?」

 

「汝に教える技は無い!」

 

「いや、オレはいらねえよ……コイツの砕き方を知ってるか?」

 

 槍を取り出し、技を教えてもらおうとすると間に入ったゴンベエ。

 ここに来るまでにあの手この手と尽くしたが傷1つつける事が出来なかったメダルを取り出した。

 

「オレの記憶が正しければ、コイツよりも更に頑丈なのが砕け散った。それだったら砕けない筈がない、砕くなんらかの方法が存在している筈だ……それ分かるか?」

 

「愚か」

 

「あ?」

 

「それは賢者に目覚めし者が、勇者を支える為のメダル。

誰が賢者として目覚めるかは不明だが、目覚めし者に力を授け汝を支える」

 

「んなの、どうだっていいんだよ。オレはアメッカに色々と支えられてんだし、戦える様になってほしいんだよ。何処の誰か知らない奴に支えて貰うぐらいならオレの事をよく知ってくれてるアメッカに支えて欲しいし、支える事が出来る」

 

「支える、か」

 

「支えるってより、支え合うのが正しいのか?まぁ、とにかく砕けるなら砕き方を、なんだったら砕いてくれ」

 

「……汝に技を授け、メダルや神珠を砕こう。しかし、その後にどうなるかは自己責任だ」

 

 私は骸骨の騎士から新しい技を教わる。

 技を覚える過程で、メダルや珠は粉々に砕けて私の新しい槍を作るのに必要なサイズが出来た。

 

「次はお前だ」

 

「ほぅほぅ、次はワシの番か。楽しみに待っておるぞ」

 

 骸骨の騎士がマギルゥに槍を向けると、眩い光に包まれて炭鉱に戻った。

 

「……アレは、夢だったのですか?」

 

「そんなわけ無いでしょう」

 

 見たことの無い場所から炭鉱に戻ってきて、現実味が無いせいでエレノアは夢かと思うが夢じゃない。

 あそこで起きたことは現実でベルベットはボロボロになりメダルや珠は砕け、私は新しい技を会得した。

 

「メダルは砕けて、新しい技を覚えれたわ。さっさとクロガネのところに戻るわよ」

 

「戻るわよってお前結構ボロボロだろうが」

 

「ライフィセットが治してくれたわ……っ……」

 

「ダメだよ、まだ完治してないんだから無理しないで!」

 

「はい、主治医からドクターストップをくらったから連行な」

 

「ちょ、ちょっと!恥ずかしいから止めなさい!」

 

 さっきあんなことがあったのか、少し前までピリピリした空気を纏っていたベルベットの雰囲気が変わった。

 何処となくさっきよりも柔らかくなった感じがする……それはそうとしてだ。

 

「何故お姫様抱っこ(それ)なんだ!普通、おんぶ(こう)じゃないのか!?」

 

 ゴンベエのベルベットの抱え方に問題がある。

 ベルベットが邪王炎殺黒龍波の反動で歩くのが辛いのは分かる。この中で体格の良いアイゼンは天族なので、憑魔のベルベットに下手に触れることは出来ないからゴンベエが補助するのも分かる。だが、お姫様抱っこは違うのでは?

 

「バッカ、お前。背負ってるマスターソードに触れさせちまうだろうが」

 

「だったら、私がその剣を持とう。そうすればベルベットを背負える」

 

 だから、ベルベットを背負え。

 

「そうしてちょうだい。流石にこの体勢は色々とキツいわ」

 

 ほら、ベルベットもこう言っているじゃないか。

 

「いや、それでも良いけどよ……」

 

「なにか問題があるのか?」

 

「ベルベット、布切れみてえな服だからダイレクトに胸が当たんだよ」

 

「……あんた……」

 

 背負うのを嫌がる理由を言うと冷たい目でゴンベエを見るベルベット

 

「げ、ゲスが!!」

 

 そしてエレノア……。

 

「ベルベット、いい加減に服を変えないか?」

 

「変えるもなにも、こんなところでどうしろって言うのよ?買いに行く暇すらないのは知ってるでしょ」

 

「私の服のカラバリがあるから、それを着ればいい」

 

 今すぐに服を買うなんて無理なのは分かっている。

 だから、今は私の服のカラバリがあるからそれを着てくれればいい。そうすればゴンベエのセクハラを免れる、そう、そうだ。なんかよく分からないポッと出の暗殺者に着られるぐらいならそれが良い。

 

「着替える時間があったらとっくに歩けるぐらいには治ってるわよ。

もうこれで良いわ。どうせ色々と見られてるし、わざと変なとこを触りに来ないし……」

 

「…ッチ…そうか」

 

 ベルベットの傷は少しすれば回復するから、待てば良いだけだ。

 

「早いとこクロガネのとこに戻らないと、待ちくたびれてるな」

 

「そうだね。あの骸骨さんのお陰でメダルは砕けたけど、クロガネはなんにも知らないから驚いてるかも」

 

「いや、砕けたならとっとと寄越せって言ってきそうだ……ベルベットが使っても余ったら少し分けてくれないか?あんだけ頑丈な素材なら號嵐とやりあえる短刀を作れる」

 

「あ~多分、無理だと思うぞ」

 

「そいつはやってみなくちゃ分からんだろう。俺としてはメダルで作った刀なら真正面から打ち合えると本気で思ってるんだぜ?」

 

「そういう意味じゃなくて、クロガネが嫌がるって意味で無理つってんだ」

 

「どういうこと?」

 

「クロガネ、本人の口から──!」

 

 金属音が響いている。

 私達が金色の狼を追いかけてしまい、体感で1時間弱の間、技を教わっていたからクロガネが私の槍でなく、ロクロウの短刀を先に作り出したのだろうか?

 

「走るぞ!!」

 

「どうしたんだ、急に!」

 

 音を聞いて、さっきまでの表情を変えるロクロウ。

 急いで走り出しクロガネの元に向かうのだが、走り出した。

 

「この音、金属を打つ音じゃない。金属を斬ろうとしている音だ」

 

「そんな細かな違いが分かるのか!?」

 

「ああ!この音は間違いない!」

 

 それなりの距離があるから、私にはよくわからない。

 クロガネが痺れを切らして私の槍を後にし、煌鋼を使いロクロウの短刀を先に打っているのかと深く考えてみると納得がいかない。

 あの場には折れている刀しか残っておらず、ロクロウは短刀を求めていて、煌鋼を取りに行くか行かないかのところで私の槍の話となり、短刀を作るのに必要な煌鋼はなく、折れた刀を素材にして打ち直していると言われれば違和感を感じる。

 クロガネは號嵐を斬ることの出来る刀を作りたい思いの末に憑魔になった。そんなクロガネが斬れなかった刀をもう一度使うとは思えない。

 

「ぐぅ!」

 

「クロガネ、大丈夫か!」

 

 クロガネの工房に戻ると、誰かにやられて尻餅をつくクロガネ。

 左手に折れた刀を握っており、刀をよく見れば亀裂が入っていて強い衝撃を受ければ粉々に砕ける。コレはもう武器としては使うことは出来ない。これはその場しのぎに使っている。

 

「面白い業魔だな、刀よりも体の方が硬ぇってか」

 

 クロガネを斬ろうとした男は大きな太刀を肩に置き、クロガネを見て高らかに笑う。その姿は何処かロクロウと似ていた。




ゴンベエの術技

天誅・パワーアロー

説明

光を纏い、光と化す強烈な矢。撃つと決めた相手にある程度は向かう追尾機能持ち。
撃つのに少しの溜めが必要だがアステロイドやデラックスボンバーと比べ物にならない程の威力で、アリーシャの屋敷ぐらいの大きさなら余裕で一撃で粉砕出来る。

ベルベットの術技

邪王炎殺黒龍波

説明

穢れた紫色の炎と色が異なり雑じり気の無い黒炎を放つ。黒い炎はドラゴン並みの穢れを持つ。
ドラゴン並みの穢れを持つ影響か、黒い炎は龍の形となり生きているかの如く動き、相手に突撃して燃やし尽くす。
ドラゴン並みの穢れを持った黒炎の威力は凄まじく、ただの水は勿論の事、浄化の力をもってしてもどうすることも出来ず、穢れた炎すらも燃やし、どうにかするには基本的には黒炎を同等か上回る程の穢れを持つ炎で燃やし尽くすのみで、攻撃対象を燃やし尽くせば自動的に炎は消滅する。
圧倒的な力を持つ反面、黒炎を出すのにそこそこに時間を喰い、体力を多く奪い、憑魔となっても変化らしい変化をしていないベルベットの左腕以外を炎の熱で焼いてしまう等、力が強すぎるが為のデメリットを多く持つ諸刃の剣。

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