テイルズオブゼ…?   作:アルピ交通事務局

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と言うことでこのぐだぐだイベント(その2)完結。


サブイベント 姫騎士アリーシャと導かれし愚者達 その2(FINAL)

「大丈夫!?」

 

「止めておけ、体から追い出しただけでまだ治っていないんだ。

抗体を持っていなければ動くことすらままならないのに、立ち上がってベラベラと喋ってたツケだ」

 

 倒れたゴンベエに駆け寄るライフィセットを制止するチヒロさん。

 病気の原因を追い出しただけで、倒していない……なにかおかしい気がするけど、とにかく病気の原因を倒さないといけない。

 

「都合良くベンチに3DSが置いてやがった。コレでオーダーを決めろって事か」

 

「あの、よろしいですか!!」

 

 近くのベンチにゴンベエを連れていくと手帳の様な道具を持って帰って来たチヒロさん。

 手帳の様な道具を触りなにかを考えているとエレノアが手を上げ、質問をする。

 

「なんだ?今更になって、こいつは何だかんだで敵だし死ねば良いと思っているから力は貸しませんは無しだぞ。オレだってコイツを救う義理はそこまで無いのに力を貸しているんだ」

 

「その様な事は思っていません。一寸の虫にも五分の魂と言いますし、なによりもこの様なやり方で強くなって欲しくはありません」

 

「じゃあ、なんだ?」

 

「……私達は今からゴンベエの病気を治す為に病気の原因を倒すのですよね。明らかにおかしな事になっているのですが」

 

「何処がだ?」

 

「全てがです!薬を煎じて飲むのでなく、直接病気の原因を倒すのに何故この様な闘技場の場所に移動する必要があるのですか!?」

 

 至極真っ当な意見をぶつけるエレノア。

 チヒロさんやゴンベエはなにをすれば良いのか理解しているけれど、私達はなにをすれば良いのか知らない。

 勿論、ゴンベエを治す為にもやれることは精一杯やるつもりだけどここに来てなにをするのか分からない。

 

「決まってるだろ……野球をする為だ」

 

 や、きゅう?

 

「あいつは野球をして勝利する事で倒すことが出来るファミスタのバグスターウイルス。

多分、本来の見た目と若干異なっているのはこの世界の住人であるあいつが感染したからだ」

 

 ……。

 

「……野球って、なんなの?」

 

 私達の思いを代表してベルベットが聞いた。

 チヒロさんは知っているみたいだけど、野球ってなに?私、聞いたことも見たことも無いけど……。

 

「そうだった……そのレベルの世界だった……」

 

「おぉい、早くポジションのオーダーとスタメンを決めろ!」

 

「ちょっと待ってろ!こっち、野球というものを知らないレベルの集団の集まりなんだ!」

 

 ゴンベエを苦しめる病気の原因、普通に待ってくれてる……その、野球というので戦ってくれるからなの?

 

「で、なんだその野球ってのは?」

 

「スゴく分かりやすく言えば、9人でやるスポーツだ」

 

「スポーツ……え、スポーツなのですか!?こう、馬に乗って戦う戦車とかそう言うのでなく?」

 

「そうだ……オレとしてはバスケの方が楽なんだがな」

 

「おかしい、おかしいです!なんでスポーツで病気の原因を倒せるのですか!?」

 

「健康的な汗をかいて体の新陳代謝を良くして病気の原因を治すんじゃないのか?」

 

 ロクロウ、上手い!

 

「いや、そういう感じじゃなく、野球に勝てば自動的に治るんだよ」

 

「ますます意味が分かりません!!」

 

「エレノア、郷に入っては郷に従えと言う言葉がある。

自分の舵を奪われる事は気に食わんが、相手は異世界の病気だ……野球とやらで勝てばゴンベエの病気が治る。ならば、野球をするしかない!!」

 

 アイゼンの言うとおりだよ!!今更、嫌だなんて絶対に言わせないよ!!

 

「っ……分かりました。それで治ると言うのならば精一杯やらせていただきます!」

 

「……あれ、でも僕達8人だよ?ゴンベエを含めたら9人だけど、まともに動けないし……」

 

「なーに、大丈夫じゃ。こういう時のビエンフーじゃ」

 

「はい!!ここは、ボクがゴンベエの代わりをするでフよ!!」

 

 まともに動けないゴンベエの代わりをビエンフーがする事により、なんとか9人になる私達。

 チヒロさんから野球の簡単なルールを教えてもらう。野球は小さな硬いボールを使った攻守に分かれてするスポーツで、ここに来る前に聞いてきたのは先攻か後攻か。私達は守備からはじまるようにチヒロさんが決めた。

 

「ピッチャーはオレがやる。キャッチャーはアイゼン、お前がやれ」

 

「……オレとしてはピッチャーをやりたいが」

 

「ただ力任せに早いボールを投げるだけで勝てるほど野球は甘くはない。それを許されるのは室伏だけだ。

ずぶの素人のお前等にピッチャーを任して大暴投で試合にすらならないのだけは洒落にならない。お前等よりはまだオレの方が投げれる……ピッチャーとキャッチャーがちゃんとしていれば、最悪他のポジションはどうでもいい」

 

「まぁ、ワシ等ずぶの素人じゃからの!」

 

 そんな感じでチヒロさんが仕切り、ポジションを決めていく。

 他のポジションがどうでもいいと言うだけあり、他のポジションはすんなりと決まっていき、打順も決まった。

 

 1 ファースト  エレノア

 2 レフト    アメッカ

 3 ピッチャー  チヒロ

 4 サード    ロクロウ

 5 キャッチャー アイゼン

 6 ライト    ベルベット

 7 セカンド   マギルゥ

 8 センター   ライフィセット

 9 ショート   ビエンフー

 

「プレイボール!!」

 

『かっ飛ばせ!ストライク!ヒットエンドラン&ホームラン!かっ飛ばせ!ファミスタ!決めろ、完全勝利!』

 

 審判と思わしき人の宣言と共に音楽が流れ、試合が始まる。

 私は自分のセットポジションに立って何時でもボールが飛んできても動ける様に構える。

 

『1番、センター!とらつきい!』

 

「……着ぐるみ?」

 

 相手のチームの攻撃からはじまる野球。

 1番最初に攻撃する打者が出てきたのだが、何処からどう見ても虎の着ぐるみだった。

 今気付いたが、対戦相手の選手……1番最初に出てきた筋骨粒々の男以外は全て着ぐるみだ。

 

「何処からどう見てもトラッキー……いや、昔のファミスタは権利関係とかで実名を出せなかったな」

 

 なにかに納得をしながら野球で使うボールを投げるチヒロさん。

 バットを構えるとらつきいはボールに向かってバットを振るわずに、そのまま見送った。

 

「ストライク!!」

 

「あれで、大丈夫なのか……」

 

 チヒロさんが投げたボールはお世辞にも素早いとは言えない。

 あれぐらいの速度ならば普段から素早い憑魔も相手にしているベルベット達なら簡単に撃つことが出来る……相手は恐らく野球のプロフェッショナル。最初になにもしなかったのは様子見で、次からは確実に打ってくる。

 心配を余所にチヒロさんはボールを投げた。やっぱり、いや、さっきよりも遅い球だ!

 

「打たれた!」

 

 予想通り打たれてしまったチヒロさんのボール。

 打たれたボールはゆっくりとゆっくりとベルベットのいるライト側に向かって高く飛んでいき、ベルベットの左手に納まった。

 

「アウトォ!!」

 

「ほっ……よかった」

 

「全く、はじまって早々に打たれてるんじゃないわよ」

 

「お~い、ボールを返してくれ」

 

 打たれた事に動揺せず、ボールの返球を要求するチヒロさん。

 ベルベットはチヒロさんに向かってボールを投げるのだが、あの左腕で投げた球の速度は物凄い事になっておりチヒロさんの真横を通り過ぎる。いや、チヒロさんは避けた。代わりに後ろにいたアイゼンがキャッチした。

 

「お前に返されたボールなんだ。しっかりとキャッチをしろ」

 

「うるせえ、お前等みたいなビックリ集団じゃなくてオレは普通の人間なんだよ」

 

 一人目をアウトにし、二番目の打者がやってくる。

 

「2番、ファースト、スライリイ!」

 

 ……あれはなんの生き物だろう?

 二番目の打者がよく分からない生物の着ぐるみで、少しだけ困惑する。

 

「さっきは打たせたから、次は三振を狙うか」

 

 さっきと同じく遅いボールを投げるチヒロさん。

 チヒロさんのボールの速度はもう知っていると一球目からバットを振りにかかったその時だった。チヒロさんの投げたボールは曲がり、スライリイは空振りをした。

 

「伊達に歳は食っていないんだ。体を鍛えても直ぐに限界を迎えるオレには素早いボールは無理だが、変化球ならなんとかなる」

 

「ストライィイイク!!」

 

 遅い曲がるボールを投げたチヒロさん。

 これならばいけると別の方向に曲がるボールを投げ、三振を取ったのだが

 

「変化球なんぞ、使ってんじゃねえええええ!!」

 

 バルバトスが金属バットを手にチヒロさんの元に駆け寄ってきた。

 

「チヒロさん!」

 

「大丈夫だ……次の打順はお前だぞ?」

 

 絡まれるチヒロさんの元に向かおうとすると制止するチヒロさん。

 バルバトスに怯えることなく、ほくそ笑むと血管を浮かび上がらせたバルバトスは右の打席に入りバットをチヒロさんに向ける。アレは、ホームラン予告。チヒロさんの変化球を完全に破るつもりだ!

 

「変化球も盗塁も小手先の技も不要だ!!男は黙ってホームランあるのみ!!」

 

「敵ながら言うじゃねえか……チヒロ、やるぞ!」

 

「やらねえよ」

 

 勝負だ!とど真ん中に構えるアイゼンを無視し、バルバトスのバットが絶対に届かない左端にボールを投げる。

 そこは絶対にストライクを取れるゾーンじゃない……まさか、この人!

 

「ボール!」

 

「おい、ここは正々堂々とストレートだろ!」

 

 最初からバルバトスと勝負をするつもりがない!?

 ストレートを投げて勝負する感じの雰囲気を出していたのだが、チヒロさんはガン無視。フォアボールを狙いにいき、それを見ていたロクロウに野次を飛ばされる。

 

「うるせえぞ。走力もパワーもミートも完ストしている選手に打たせて取るとか変化球を投げて上手く打たせないとか出来ねえんだよ。あれ、長嶋茂雄よりも強いんだ……オレが勝てるわけないだろ?」

 

「それは威張って言うことなのですか?」

 

「フォアボール!!」

 

 ゴンベエも時折堂々と変なことをしているが、チヒロさんも堂々と勝負から逃げた。

 バルバトスは今にでも私達を殺しそうなぐらいの睨みをきかせつつ、1塁に向かっていきその後、4番の打者であるツバロクロウから三振をもぎ取り最初の回は危なげなく乗り切った。

 

「黛さん、すいません」

 

 私達の攻撃となり先ずはグローブを置きにベンチに戻ると、寝たきりのゴンベエが謝った。

 

「あんた、完全な部外者なのに……くそ、オレ、こういう感じのでも役立つのに」

 

「お前が死ぬと色々と五月蝿いんだ……まぁ、どうせゲーム病になるんだったら太鼓の達人のゲーム病になって欲しかったがな」

 

 自分が動けないことを悔しがるゴンベエ。

 動けないことを恥じていて悔しがっているわけでなく、何処か残念そうな感じで悔しがっている。表情は一切動いていないが、嫌味の1つを飛ばしつつもチヒロさんはなんだか楽しんでいる感じがする……。

 ゴンベエとチヒロさんは出身は違えども同じ学校の様なところに通っていて、話が通じる相手だ。ゴンベエが時折言っているSNS等のよく分からない物についても知っている。

 

「いいな……」

 

 ゴンベエと対等に話し合っている、ゴンベエの言っていることを理解できている。

 

 私とゴンベエの関係はよく分からない感じだ。主従の関係があるわけでもなく、どちらが上か下かと言ったこともない。

 でも、対等じゃないのは確か。常にゴンベエの方が前にいて隣を歩いていない……私とゴンベエは友達ではない。じゃあ、なんなのかと言われれば恋人でも夫婦でもない。よく分からない感じで……。

 

「羨ましい」

 

 ああいう風に話し合える感じではない……羨ましいな。

 

「アメッカ」

 

「エレノア……ああ、すまない。まずは点を取らなければな」

 

 今は試合に集中しないと、負けたらゴンベエが死んじゃう。

 

「次は貴女の番ですよ?」

 

「え……ああ、そうか……もうなのか!?」

 

 何時の間にか先頭打者のエレノアの番が終わっていた。

 

「……すみません、負けました」

 

「あ、いや、別に攻めている訳では」

 

「いえ、1番打者にとして先陣を切ろうとしてこの不始末……申し訳ありません」

 

「エレノア……私が点を取ってくる!!」

 

 エレノアの分まで得点を取る!私は口調や気を引き締め直す。

 ヘルメットを被り金属バットを手に右打席に入り、相手のピッチャーを見る。

 今までの着ぐるみと違ってやたらと胸筋が発達している鳥をモチーフにした着ぐるみで、ハリタカと言う名前。思わず油断をしてしまう可愛い見た目をしているが、私は騙されない!

 

「さぁ、かかってこい!」

 

 バットを構え、いざ勝負。

 ハリタカは投げるモーションに入り、私は自分なりの打ちやすいフォームでボールを待ち構えるとハリタカはボールを投げた。

 

「っ!」

 

 速い!

 チヒロさんのスローなボールを見ていた分、素早さがより感じられる。感覚だけで言えばチヒロさんのボールの数倍の速度で飛んできた。

 

「なんて速いボールだ……」

 

 エレノアが直ぐに帰ってきたのも分かる。

 鳩胸な胸筋が上半身を物凄く鍛えていて、それだけでも物凄い速さでボールを投げれるのだが無駄な動きをせずに効率の良いフォームで投げていて、更に速度が増している。

 道具を使わずに、ただただ己の体で投げるだけで、ここまでの速度を出せるのか……だが、絶対に負けない!

 

「ストライーク!バッターアウト!」

 

「っく……」

 

 ダメだった。

 

「すまない、チヒロさん」

 

「謝る必要は無い……平均170とかプロでも居ねえよ」

 

 謝る私を気にするなと言うチヒロさん。

 膠着状態で試合が続けば、私達にかかる精神的疲労は大きい。なんとしてでも一点リードして精神的余裕を得なければならない。

 

「ストライク、バッターアウト!スリーアウト、チェーーンジ!!」

 

「う~む、余り期待しておらんかったがやっぱりダメか」

 

「いや、これで良い……これがあの人のやり方だ」

 

 空振り三振で終わったチヒロさんに期待は最初からしていなかったマギルゥ。

 既になにか仕掛けたのかあの人らしいとゴンベエは笑う。

 

「心配するな、次の打順は俺とアイゼンとベルベットの3人だ。ランゲツ流の打法を見せてやろう」

 

「そんなものまであるのか!?」

 

「……すまん、ノリで言った」

 

 そうか……だが、ロクロウ達ならば心強い。

 とにかく、一点さえ取れれば精神的な余裕を持ち試合に勝つことが出来る……そう思っていた。

 野球をはじめてやる私達。元々体を鍛えていたので、直ぐに動くことは出来るが野球の正しい動きをすることは出来ない。チヒロさんは変化球や打ちづらい球を敢えて打たせる事により、確実にアウトにしているのだが悲劇は起きた。

 

 

「ライトォ!!」

 

 ツーアウトを取り、もう一度ワンアウトを取ればこの守備は終わる。

 7番のハリタカにボールを打たれ、飛んでいった先にいる選手に……ベルベットに向かってアイゼンは叫ぶ。高く飛んでいるボールはゆっくりとゆっくりと落ちてくるのだが、忘れていた……アイゼンの死神の呪いを。

 

「っ、ワンバウンド!?」

 

 突如として吹いた風により、ほんの少しだけボールは動いて掴み損ねるベルベット。

 

「ベルベット、マギルゥだ!!」

 

「分かってるわ!!」

 

 予想外の出来事だが、ベルベットの豪速球ならどうにでもなる!

 幸いとは言えないがボールは直ぐ近くにあり、ベルベットは左手でボールを握りマギルゥに向かって投げようとするのだが、その前にボールが握り潰されてしまい、ボールの破片がバラバラに飛んでいった。

 

「おい、こういう時はどうなるんだ!?」

 

「知らん!と言うよりは、握り潰すか普通!!」

 

 直ぐにロクロウはどうすれば良いのかを聞くのだが、チヒロさんも知らない。

 ライフィセットが走ってボールの破片をかき集めるのだが、時既に遅し。ハリタカはランニングホームランを決めていた。

 

「これはどういう裁定なんだ?」

 

 チヒロさんも分からない事で、主審に聞くアイゼン。

 主審はライフィセットが拾い集めたボールの破片の中でも1番大きい破片を手に取った。

 

「この様な場合は最も大きな破片をボールと見なします……それと1000ガルドだ」

 

「お金を取るの!?」

 

「無論、ボールもタダでは無いからな!」

 

 まさかの買い取り式なのか!?

 

「ベルベット、頼むから手加減をしてくれ」

 

「仕方ないでしょ。今まで全力以上は出そうとしたけど、手加減なんて全くやった事が無いのよ」

 

「だが、このままだと野球がまともに出来ず弁償をし続ける事になる!!」

 

「あ、お金が支払えないならその時点で野球は終了で、その時の点差で勝敗を決めます」

 

 審判もこう言っている。

 ついさっきまで船を出す前の買い物をしていて今の私達には余りお金は無い。そんな状況で1000ガルドを取られるのは痛い。

 

「くそ……」

 

 苛立つベルベットは審判に1000ガルドを払うと、何処からともなく出てくる野球ボール。

 チヒロさんに渡すと何事も無かったかの様に試合は再開されて、ドラコアラに打たれるがクラツチをアウトにしてなんとかそれ以上点を取られることはなく自分達の攻撃に入るもののロクロウ達は打つことは出来たものの、点は取れなかった。

 

「今までと違う……」

 

 野球をするのがはじめてだからとかではない。普段通りの調子ならば、もう少し上手に出来た。だが、その普段通りが私達には出来なかった。

 ゴンベエの命が掛かっているからと言うのは勿論の事で、点を取られてリードされていると言うのもあるが1番はこの空気だ。

 闘技場の様な形をしている甲子園。何時の間にか観客達が大勢おり、応援しているのは私達でなく相手のチーム。

 ここが作られた空間で観客達は人間でなくそういう風に見える病気の原因で偽者と言われても突き刺さる視線は本物で、応援歌の様な曲は嫌でも耳に入り私達を全力で揺さぶる。

 

 自分が常時動いておらず何時ボールが打たれるか分からない緊張感、既に一点リードされていて最低でも2点を取らなければならないプレッシャー、自分を保とうとするが耳に入る曲で自分のペースを乱される。

 

 緊張もプレッシャーも自分のペースをかき乱される事も、今までの人生に何度もあった。

 あった筈なのに今の自分の状態は今までのとは別格、感じたことの無い感じだ。

 

「3番ピッチャー、チヒロさん」

 

「ワンアウトは確実か……」

 

 そうこうしている内に点を取れないまま迎える九回裏。

 打順はここまでボールを打ててないチヒロさんからでロクロウは既に諦めており、ワンアウトを取られたのを前提に考え始める。

 

「黛さん、そろそろ真面目にやってくださいよ」

 

「守備は真面目にやっているだろう……野球だからな、一回しか使えないんだ」

 

 ベンチで寝ながら応援をするゴンベエはチヒロさんに本気を出せと言う。

 チヒロさんは相変わらずの無表情のままゴンベエに言い返すに右打席に立って……何事もなくボールを打った。

 打った際に手に走る衝撃に耐えながらもチヒロさんは一塁に向かって走っていき、この試合で最初のヒットを取った。

 

「チヒロさん、最初から打てたのか!?」

 

 なんの迷いなく打ったチヒロさん。

 今までと同じ打ち方だが、動きのキレが明らかに違い、迷いもなく打った。あの人、最初から打つことが出来たのに、どうして今の今まで打たなかった!?

 

「伊達に歳は食ってねえよ、あの人は……野球だから、多分、一度しか出来ない事だからちゃんと見ておけ……いや、無理か」

 

「?」

 

 なにが無理なのだろうか?

 ともかくチヒロさんが塁に出れたことはよかったと次の打者のロクロウに期待をする。ともかく、一点を……いや、ダメだ。ベルベットが何回かボールを握り潰してボールを買い取った為にお金がもう無い。次の回で一度でも握り潰せば、そこで試合終了。引き分けに終わり、引き分けは負け扱いとして処理されゴンベエは死ぬ。

 

「ストラァイイイック!!」

 

「っちぃ!」

 

 私に打順が絶対に来ることは無いとロクロウに打ってくれと強く祈るのだが、一球目は空振り。

 試合が終盤に進むにつれ、ボールの速度に目が馴れて振るタイミングを合わせる事が出来るようになったものの、中々に打てない。

 

「ナイス、黛さん」

 

「ん……あやつ、何時の間にか塁を進んでおる?」

 

 ゴンベエが何故かチヒロさんを褒めたので、疑問に思ったマギルゥは一塁を見るとチヒロさんはいなかった。

 何時の間にか二塁に立っており、盗塁していた……本当に何時の間に、盗塁をしていたんだ?

 

「今度は黛さんをよく見てみろ、面白いぞ」

 

「面白い?」

 

 どう言うことだと首をかしげるライフィセット。

 チヒロさんを見れば分かることだと言われたのでチヒロさんを見るのだが、特に変わった事はしていない。

 これから3塁に盗塁をしたとしても、最後にホームベースに帰るにはロクロウが打たなければならない。そう思った私は一瞬だけ、そう、ほんの一瞬だけ目を反らしてロクロウの方に視線を向けると……チヒロさんは消えていた。

 

「ストラァイイイック!」

 

「サードォ!!」

 

「ぶるぅあああああ!!」

 

 2球目も空振りのロクロウ。

 審判がストライクと宣言するのだが、直ぐにキャッチャーのツバロクロウがサードにいるバルバトスに向かってボールを投げた。

 

「セーーーッフ!!」

 

「っち……」

 

「残念だったな。野球のルールと技の性質上、一回しか使えないが、その一回は破れない」

 

 アウトにする事は出来ず、苛立つバルバトス。

 しかし、直ぐにその苛立ちも納まりロクロウを見る。

 

「小手先と言えども見事な技だが、ここで終いだ」

 

「ああ、分かっている……だから、期待するしかない」

 

「ストラァイイイック!バッターアウト!」

 

「すまん!」

 

「気にするな……ここでオレが決めてやる!」

 

 三塁にまで進んだが、ホームベースを踏むにはボールを打たなければならない。

 ロクロウは三球全てを空振りのワンアウトを取ってしまい、次の打順はアイゼン。

 

「うぉらぁ!!」

 

 勇ましい声と共に響く金属音。

 アイゼンは高速のボールをバットの芯で捕らえ、かっ飛ばす。

 

「これで」

 

「いや、まだだよ!アイゼンには死神の呪いがある!」

 

 ホームランは確実だと思える飛びかたをするボール。

 これで逆転勝利だと喜ぶも束の間、ライフィセットはここからが本番だと言う。

 今までの打席で、アイゼンは何度も良い球を打った。点を取るのに繋がる球も打ったが、アイゼンの死神の呪いがとことん邪魔をして決定打にならず点を取れなかった。

 

「ああ、突如として謎の逆風が!?」

 

 アイゼンのホームランを拒むかの様に逆風が吹き荒れ、押し戻されるボール。最早、謎とは言えないぞエレノア。

 逆風によりスタンドを越えることは出来ず、ゆっくりと落ちていくのだがアイゼンの死神の呪いによる逆風は相手にも予想外で、下には誰もおらず、ボールは取られる事なく弾んだ。

 

「先ずは、1点目だ」

 

 ボールが落ちると同時に走り出したチヒロさんは戻ってきた。

 待望の得点を取ることが出来て、これで1対1のイーブン……だが、引き分け以下は負けの私達はもう一点取らなければならない。

 

「6番、ライト、ベルベット!」

 

 アイゼンは二塁打で終わり、迎えるはベルベット。

 ここでもう一度得点を取ることが出来なければ、マギルゥに回りマギルゥは打てないと公言している。

 

「とっととこんなくだらない事を終わらせるわ!」

 

 気のせいか目に炎が宿っているベルベット。

 ホームラン宣言をし、バットを構えるのだがその前にタイムが入った。

 

「選手の交代をお知らせします。ピッチャーハリタカ選手に代わりまして、バルバトス選手!ハリタカ選手はバルバトス選手が守備をしていたサード、以上に変わります」

 

「ちょっと待て!」

 

 突如としてピッチャーがハリタカからバルバトスへと切り替わった。

 余りにも突然の事でチヒロさんは審判に向かって走っていった。

 

「お前が出来るポジションは設定上、内野手だけだろう。なにピッチャーをしようとしてるんだ!?」

 

「ふん、それを言い出せば一部のマスコット達も外野手にはなれん!ハリーホークもといハリタカは投手か外野手しかなれん……オレは二刀流だぁああああ!!」

 

「おいこらファミスタバグスターウイルス、ルールを守れ」

 

「野球のルールは守っている。ただ、選手のプログラムを書き換えただけに過ぎん!」

 

「おい、そっちの方が最悪だろう」

 

 抗議の様な事をしているが、無理だったのか帰ってくるチヒロさん。

 ルール上は特になにも問題は無い……だが、今このタイミングでのピッチャーの交代は痛い。

 

「投球練習なぞ不要!!貴様等には俺のストレートを喰らわせてやる!!」

 

「喰らわせてやる?……だったら、私は喰い尽くす!!」

 

 投球練習をせず、そのまま試合は再開される。

 バルバトスはボールを握り、投球のフォームに移りボールを投げた。

 

「ッストラァイイイイク!!」

 

「おいおい……ハリタカより速いぞ」

 

 バルバトスの豪速球に苦笑いを浮かべるロクロウ。

 

「時速240キロって、児童漫画のインフレ以前にファミスタで出せない速度だろう」

 

 ボールの速度を測る装置で速度を測っていたチヒロさんは眉を寄せる。

 ハリタカの球に馴れるだけでも一苦労で、やっと感覚を掴みはじめたというのに、それ等を全てリセットされた。

 時間を掛ければバルバトスのボールの速度に馴れるが、そんな時間は何処にも残されていない。

 

「ぶるぅあああああ!!」

 

「ッストラァイイイイク!!」

 

「っ……」

 

 変化球もなにも使わず、ただただ素早い真っ直ぐな球を投げるバルバトス。

 ベルベットはバットを振るのだが空振り。バットの位置はあっている……問題はタイミング。余りの速さに、バットを振るタイミングが合わない。

 

「チヒロさん、なにかアドバイスは無いですか?」

 

「そんなもんは無い、あれはもう反応して打つんじゃなくてタイミングを覚えて打つ速度だ」

 

 なにか良いアドバイスは無いかとチヒロさんに聞くが、試合を見ずにベンチに置いてあった手帳でなにかをしている。

 アドバイスと思わしきものは聞くことは出来たが、何処をどうすれば良いと言うサポートでなく体で、感覚で掴むしかないものでどうすることも出来ない。

 

「これで、とどめだ!」

 

 振りかぶるバルバトス。

 

「こんな、しょうもないことで……躓いている暇は無いのよ!!」

 

 ボールを投げるよりも先にバットを振りかぶるベルベット。

 そのタイミングは完璧……だった。

 

「アウトォ!!」

 

「っ!!」

 

 ベルベットはボールを打つことは出来た。

 出来たが、ボールを飛ばすことは出来ず、ボールを打った時の衝撃が予想以上だったのか、苦痛の表情を浮かび上げる。

 

「貴様の手が両手ならばもう少し面白い勝負が出来たが、残念だったな」

 

 ベルベットの左手は憑魔の手で右手は人間の手だ。

 豪速球を投げるのには左手は活躍するが、バッティングでは手のサイズが異なる為にバットが持ちづらく、普通の状態で持っていた……もし、両手が憑魔の手ならば打てていたかもしれない。

 

「こうなったら!!」

 

「やめとけ、そいつは暴力じゃなくて野球でしか倒せない」

 

「あんた、なんで……」

 

 ゴンベエ?

 

 こうなればとバルバトスを直接倒しに行こうとバットを手にするが、ゴンベエが止めた。

 

「なにをしているんだ!早く、ベンチに戻って」

 

「問題ねえよ。黛さんが点を取ってくれたからな、少しだけだが楽になっている」

 

 そうは言っているが、体中に電流が走っていてまだ半透明じゃないか!

 

「7番、セカンド、マギルゥ──に代わりまして、ゴンベエ」

 

 心配する私を他所に次の打順のアナウンスが入る……次が、ゴンベエ……。

 

「こいつはスタメンじゃなくて、ベンチ登録していたからな……そこの魔女じゃ無理だろ」

 

「魔女にフィジカルを求めるもんではないからの」

 

 驚く私に説明をしてくれるチヒロさん。

 ついさっきまで手帳型の道具を操作していたのは、ゴンベエとマギルゥを入れ換える為だと分かった。マギルゥはゴンベエと入れ替わる事に異議は唱えず、見守る。

 

「じゃ、借りるぞ」

 

「あんた、そんな体で」

 

「問題ねえよ……まぁ、見とけ」

 

 ベルベットが被っていたヘルメットを被り、握っていたバットを貰うゴンベエ。

 バルバトスと向かい合うとバルバトスは待っていたと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 

「貴様の命が掛かっているこの試合、貴様が出ずに代理の者で終わるのはつまらなかった!!

待っていたぞ!!貴様が俺の球を打ち勝利するのか!俺が貴様の命を打ち取り完全体になるのか!この一打席で決まる!」

 

「御託はいい。そういう口論はマスコミどもの仕事で、オレ達選手がするべき事は昔から決まってるだろ」

 

 熱く語るバルバトスに対してクールなゴンベエ。

 言葉は交える必要は何処にもない……今からするのはただの一騎打ち。打たれるか、打ち損じるかのどちらかであり、勝てばどちらかが死ぬ真剣勝負。

 バルバトスは全球最速のストレートのど真ん中で行くと予告し、今まで以上の気迫で振りかぶりボールを投げた。

 

「全く、あのアホは……体を動かす系でオレを倒そうってのが甘いんだよ。

戦闘能力に超特化していて遊戯王とかポケモンバトルはまぁまぁだが、野球やバスケみたいな体を動かすスポーツでも最強なんだよ」

 

「バカ、な……」

 

 バルバトスに対してゴンベエは何時も通りだった。

 なにか特別な事をせずに鬼気迫る気迫も覇気も見せずにバットを振って、場外までボールをかっ飛ばした。

 

『GAME CLEAR!!』

 

 ホームランが決まると同時に、上空に文字が出現し私達を眩い光りで包んだ。

 

「ここは……ゴンベエは?」

 

 光りが消えると元いた砂浜に戻った私達。直ぐにゴンベエを探すと、私の隣に立っていてホッとする。

 

 電流は走っておらず、体はしっかりと見えている。苦しい表情も一切浮かべていない……何時も通りのゴンベエだ。

 

 やっとこれで全てが終わったんだ……ゴンベエは死なない。死ぬならば、私と一緒に老衰で死ぬ以外ではゴンベエは死なない。そう思っているのだが、ゴンベエは背中の剣とは別の4人に分身出来る剣を取り出した。

 

「おいこらぁ、てめえはさっさと出てこいや!!」

 

 明らかに怒っているゴンベエ。

 額に青筋を浮かべていて、誰かに対して怒っているのだが……誰に対して怒っているんだ?

 

「ちょっと、なんで普通に野球をやってんのよ!?

あんた抗体もなにも無いのに、なんであんなに動けるのよ!!化物、化物なの!?」

 

 ゴンベエの声に反応して出てきたのは紫色の土管で……中からゴンベエを苦しめたマスク・ド・美人が出てきた。

 

「なんで……」

 

 あの時、ベルベットの剣に自ら貫かれたのどうして生きている!?

 

「るせえよ、取りあえず一発な」

 

「ちょ、私は悪くはないわよ!!あいつが強くなりたいから、ホンの少しだけ後押しをしてあげただけで、私は、私は」

 

「おいこら、それは余所様のだ」

 

 剣に禍々しい闇を纏い一歩ずつマスク・ド・美人に迫るゴンベエ。

 身の危険を感じたのか、自分は悪くないと本気で思っているのか自分に非はないと主張をするが、チヒロさんが謎のツッコミをいれる。

 

「安心しろ……闇纏・次元斬り!!」

 

「っが!?」

 

「な、なにをしているのですか!?」

 

 マスク・ド・美人がいる空間ごと斬るゴンベエ。

 いきなり殺したことにエレノアは激怒をするのだが、何故か殺しても問題ない気がする……そうだ。思えば、ベルベットの剣に自分から貫かれた時からおかしかった。

 

『GAMEOVER!』

 

「消えた!?」

 

「ちょっと!人の貴重な命を無駄な事に使わないでよ!」

 

「るせえぞ、てめえはかなりあるけどもこっちは一個しかねえんだよ」

 

「大丈夫よ、バグスターウィルスにしてあげるから」

 

「マジでやめろ」

 

 ベルベットの時と同じ様に光の粒子になって消えたマスク・ド・美人。

 消えたと思えばゴンベエが呼び出した時と同じ紫色の土管がまた出現し、マスク・ド・美人が中から出てきた。

 

「お前、不老不死かなにかか?」

 

 明らかに殺された筈なのに、何事もなく生き返ったマスク・ド・美人。

 自分自身で命を無駄な事にと言う様子からアイゼンは不老不死かと推測する。

 

「ちょっと、違うわ。不老ではあるけれど、不死じゃ無い。現にこいつに一回殺されたし、説明するとややこしいから簡単に言うと私の命は99個あるのよ」

 

「99個だと!?」

 

 マスク・ド・美人の衝撃的発言に驚くものの、これでやっと納得がいった。

 ベルベットにわざと刺されたのに、ゴンベエの攻撃をくらったのにこうして元気に立っているのも無事だったからじゃない。無事じゃなかったからだ。持っていた命を1つ消費したからだ。

 

「そう……私には99個の命がある。

溶岩に落ちようが刺されようが、1つの命が無くなるだけで本当の意味での死は迎えない……あんた達に二回殺された私の残りライフは……83よ」

 

「おい、残り14個の命どこ行った?」

 

「うるさいわね、こっちだって色々とあるのよ!!」

 

 残り14個の命についてゴンベエが尋ねると何故か逆ギレするマスク・ド・美人。その姿を見て、なんだか可哀想なものを見る目でゴンベエは見るようになった。

 

「私が死ねば希望は潰えるって思ったのだけれど、まさか自力でバグスターウイルスを体外に出すだなんて相変わらず化物染みてるわね」

 

「自力ね……それで、まだやるのか?」

 

 今度は警戒心剥き出しのゴンベエ。

 油断は捨てており、少しでも変な真似をしたならば斬るつもりで剣に闇を纏わせている。

 さっきは不意を突かれたが、もう油断はしない。私は槍を取り出して構える。

 

「そうね……今度はコイツを感染させて」

 

「それ以上やるなら、こっちもそれなりの対応をするぞ?」

 

 ゴンベエに病気を感染させた時とは別の物を取り出したマスク・ド・美人。

 今まで黙っていたチヒロさんはマスク・ド・美人を止めるべく間に入り込んでなにかを取り出す……ここからだとなにか見えない。

 

「え……」

 

「やるか?」

 

「あんた、最初からっ……もういいわ」

 

 チヒロさんが出した物に驚いたのか、諦めるマスク・ド・美人。

 ゴンベエに病気を感染させた時に使った道具よりも一回り以上小さい物を2つ取り出してゴンベエに向かって投げた。

 

「ゲームクリアの証のガシャットロフィーよ」

 

「やっぱりファミスタか……おい、オレは太鼓の達人をクリアしてねえぞ?」

 

「あんたに次に感染させようとした分よ……」

 

「そうか」

 

 野球で勝利した証とおまけをポケットにしまうゴンベエ。

 マスク・ド・美人もゴンベエも戦うつもりはなく、どうすれば良いのだろうか?と考えていると何かの音が鳴り響き

 

「なんでパトカー?」

 

 上が白、下が黒の乗り物がやってきた。

 馬車の様に車輪がついているが、馬で引いていない。それはそう、まるで大地の汽笛の様でゴンベエは名前を知っている様で首を傾げる。

 

「どうやら迎えが来たようね」

 

「いや、迎えってそういう意味の迎え?」

 

 話についてこれず、納得するマスク・ド・美人。

 パトカーと呼ばれる乗り物からスーツ姿の男性が出てくると私達の方に向かって歩いてきた。

 

「あれ、お前、仏」

 

「いえ、タチバナです」

 

「どっからどう見てもブツブツの頭を取った仏だろう」

 

「いいえ、私はめしばな刑事タチバナです」

 

 刑事?

 ロクロウがまじまじと見て聞くのだが否定される。

 

「いや、すみませんね本当に」

 

「全くよ……危うくコイツ、死にかけたわよ」

 

「お詫びと言ってはなんですけどこれをどうぞ。皆さんで食べてみてください」

 

「これ、なに?」

 

「うまい棒の詰め合わせです……おい、お前等、行くぞ」

 

「はいはい」

 

「じゃあ、またな」

 

 巨大な筒のお菓子をライフィセットが受け取るとパトカーに戻るタチバナ。

 チヒロさんとマスク・ド・美人も一緒に乗り込み走り出すと何処からともなく雷が落ちてきて、パトカーに当たり消え去った……。

 

「……後、何回かあるんだな……はぁ」

 

 チヒロさんが最後に残した一言にゴンベエは大きなため息を吐いた。




ファミスタガシャットロフィー


 ファミスタバグスターウイルスをクリアした物に送られるトロフィー。


 太鼓の達人ガシャットロフィー

 太鼓の達人のバグスターウイルスを攻略した際に貰えるのだがマスク・ド・美人から貰っただけなのでクリアしていないゲーム。
 感染した場合は和田どんもしくは和田かつがバグスターウイルスとして生まれ、太鼓の達人で勝負する事になり一回挑戦することに200ガルド2人プレイも可能でその場合は400ガルドを挑戦料として取られて敗北した場合はバグスターウイルスに感染する。

 戦う場合の難易度は鬼で、多分だけどこっちの方に感染していたら全滅していた恐れがあり極々稀に仮面ライダー響鬼が出てくる。

 ゲーム的な話をすれば太鼓の達人で遊べる様になり歴代のテイルズオブのBGMや主題歌が入っている。


 なりきりダンジョン3でなりきりしのコスチュームとして登場したんだし、コラボ来てもおかしくはない(狂乱)


 ゴンベエの秘奥義


 サモン・リバイバル(withゲンム)


 ゴンベエ版サモンフレンズ。仮面ライダーゲンムのライダークレストに入ると発生。
 スポーツアクションゲーマーが車輪を投擲し相手にダメージを与え、ゾンビゲーマーを溢れさせ相手に引っ付き大爆発、プロトアクションゲーマーレベル0がコンティニュー土管から出現し、ガシャコンブレイカーで殴打して相手の防御力を下げて、最後にゴッドマキシマムゲーマーで隕石を落とす(メテオスォーム)。



 次回、【スキット大全集(その1笑)】台本形式になるので、ご理解お願いします。

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