監獄島で休息の日々は続いており、その間もゴンベエはなにかを作っている。
私もマンガン電池?という物を作らされたがなにを作っているかは相変わらず教えて貰えなかった。
「今度はなにを作るんだ?」
「爆弾」
休み過ぎて腕が鈍らない様にと外で修業をしていると、またなにかを持ってやってきたゴンベエ。
なんの迷いもなく答えるが、この旅が非日常過ぎて普通の爆弾程度では最早驚くことはしなかった。
「爆弾……持っていなかったか?」
ロウライネをぶっ壊すだなんだと爆弾を取り出していたゴンベエ。
一度も使っているところを見たことが無いし、まだまだ沢山持っているんじゃないのか?
「オレの持っている爆弾にここを崩壊させるだけの火力は無いから、新しい爆弾を作るんだよ」
「その割には爆弾を作る材料を持っていない様に見えるのだが」
ゴンベエが持っているのは、瓶、瓶、瓶。
中には液体が入っていて爆弾の原材料となる火薬を作るのに火石や木炭といった物が何処にもない。
此処は普通の罪人を閉じ込める牢屋でなく、憑魔化した人達を閉じ込める監獄でありえないほど、それこそベルベットが暴れても壊れない程の頑丈さを持っている。
万が一を想定して自爆スイッチを作るつもりだが、そんな物で作る事が出来るのか?
「コレも作ると火薬の需要が……無くならないが、減るには減るな」
そういうと液体を混ぜ合わせるゴンベエ。
ゆっくりと慎重に混ぜていき最後に自分で作った石鹸を細かくした物を混ぜ合わせると黄色い液体が完成した。黄色い液体……海水から塩を作るようにコレを粉末にするのだろうか?
聞きたいことはあったが、極限まで集中しているゴンベエの邪魔をすることは出来ず、見守っていると今度は紙を取り出して折っていく。これは……イカか?
「殿下の鷹が飛んでない方向に飛ばさないと、五月蝿いからなっと!」
紙イカに黄色い液体を染み込ませて投げるゴンベエ。
形がいいのか、紙イカは監獄の外壁と接していない崖に飛んでいき、液体が染み込んでいる部分がぶつかると爆発した……!?
「爆発した!?」
確かに聞こえた爆発音。
飛んでいった筈の紙イカは何処にもなく、焼失している。これはいったい、いや、ゴンベエの言うとおり爆弾なのだろうが、火薬を一切使っていない。それでも爆発をした……崖を破壊した。
「液体の爆弾、ほんの少しだけ紙に染み込ませた物でこの威力なんて」
「だから、言ってるだろ。兵器は作りたくないって」
電球のことといい、これは世の中がひっくり返る。
「どうした、なにか爆発をした音が聞こえたぞ!!」
「自爆機能で使う爆弾の原料となるニトログリセリンを作ってんだよ……威力は上々だな」
音を聞き付けて監獄の方からやってきたアイゼン。
「ストップ!!それ以上は近づくな?」
「なに?」
「物が物だけに死神の呪いが発動をして、ドカンは本当に笑えない」
火をつけたわけでもなく爆発をした黄色い液体。
アイゼンが持つ不幸を呼び寄せる死神の呪いがもし発動をして原液が一気に爆発すれば確かにまずい。
「なにをしたんだ?」
「爆弾の元になる原液を作ってたんだよ」
「液体の爆弾だと?」
ゴンベエ、距離を取っていないか?
アイゼンの死神の呪いを恐れて距離をとったゴンベエ。イカを折って、液体を染み込ませるとアイゼンに渡した。
「それを彼処に向かって投げてみろ、面白いぐらいに爆発をする」
「……いや、やめておこう。オレがこういった物を投げると別の方向に飛んでいくのが多い。アメッカ、代わりにお前がやれ」
「わ、私がか?」
アイゼンに紙イカを渡された。
さっきの爆発を見ていた私の手は震えており、投げられるか心配になってきた。
「ちょっとの刺激を与えれば、ドカンといくから気楽にいけ」
「そう言われると逆に投げづらくなる!!」
「なら、諦めて投げろ」
ゴンベエが投げれば……いや、やるしかない。
ゴンベエの権利を握っている私がここで逃げていては今までの旅路の意味が無い。
「……はっ、あ!?」
投げるタイミングを間違えた。
「ぬぅおあ!」
「こういう展開もあったか!!」
地面に叩きつけられたイカは爆発を起こす。
幸いにもゴンベエが不思議な結界で私たちを纏めて防御してくれて無傷だが、爆発の衝撃は液体を入れていた瓶にまで及び大きな爆発が起きて煙が巻き上がる。
「アメッカ、ちゃんと投げろよ」
「ゴ、ゴンベエが余計な事を言うから上手く手が動かなかったんだ!」
「いや、オレの死神の呪いのせいだ……なんて威力だ」
特に舗装もなにもされていない地面に穴が空いた。
ゴンベエの作った極々少量の黄色い液体の威力にゴクリと息を飲みながらアイゼンは恐ろしさを感じる。
「副長、探索船が帰ってきましたよ!」
「そうか。いくぞ、お前等」
「おう」
「……馴れと言うのは恐ろしいな」
結構な爆発や爆音が響いたのに、反応をしたのはアイゼンただ1人。
爆発の跡を見てもベンウィックは特に驚いた様子を見せずに異海探索の船が戻ってきたのをアイゼンに伝えている。
アイフリード海賊団はアイゼンの死神の呪いで鍛えられているから、コレぐらいは馴れているが、コレで駆けつけないとなるのも考えものだ。
「副長、大量っすよ!」
港へ向かうと嬉々とした表情でパンパンに詰まった袋を見せる海賊団員。
異海探索はなにも持ち帰れない事もある為に、今回は大当たりだと喜んでいる……あれにいったいなにが入っているのだろう?
私達の時代では異大陸には行けない。この時代と同じく海の流れが激しく、バンエルティア号の様な船も無い。浮かれていてはいけないのだが、現代では絶対に見れない物が見れるのは嬉しい。
きっとスレイが知れば羨む事ばかりをしているだろう……本当は絶対にやってはならない事だが。
「ええっと、ノルミンニンジンに
「おい待て、なんか色々とまずいもんが混じってるだろ」
異海探索の結果、やたらと出てくるノルミンニンジンに怒るベンウィック。
コレも立派な物だが、流石にこうもノルミンニンジンばかりだと、いやだが、コレはノルミンの御神体として使えるんじゃないか?
「夕飯はニンジン料理ね……なにを作ろうかしら」
「ニンジンの生搾りなんてどうだろうか?」
このニンジンの使い道に悩むベルベット。アレならば私でも作れる。
「お前、そんな事を言うのはいいが、この前みたいにニンジンをそのまま握り潰すのは勘弁してくれよ」
「うっ……」
前にニンジンの生搾りを作ったときの事をゴンベエに言われ落ち込む。
搾ると言われれば牛の乳搾りを考えてしまう。そうなればニンジンをそのまま握り潰せばいいと思ってしまってやってしまった。……ベルベット達みたいに料理上手になりたい。
「って、ああ!!」
「どうした!?」
「見てくださいよ、副長!!」
コレは、宝箱!
異海探索の船に台座が乗った宝箱があった。
「たまにこういうことがあるから海賊稼業はやめられないんだ!」
「コレを何処で見つけた?」
「海の方がチラッと光ったんで潜ったら見つかったっす。最初は宝箱だけを取ろうとしたんすけど、台座がビクともしなくて」
「台座ごとか……」
「なにが入っているんだろうね」
宝箱を見てワクワクしているライフィセット。
かなりの物で、如何にもな形をしている……いったい、なにが入っているのだろうか?
「ふん!っく……ダメだ。ビクともせん」
宝箱の蓋を引っ張るアイゼン。宝箱は全くといって動かない。
海賊団の面々がアイゼンに協力をして引っ張ってみるが、それでも開かない。
「鍵穴らしい鍵は見つからん……」
「真っ二つに斬ってやろうか?」
「だ、ダメだよ!!宝箱は壊さずにちゃんと開かないと!」
ビクともしない宝箱にお手上げのアイフリード海賊団。
ロクロウが斬って開けようかと武器を構えるのだが、ライフィセットが立ち塞がる。
「だが、力ずくも開かないとなると切り開くしか無いんじゃ」
「バカをいえ。宝箱は宝だけでなく宝箱自体に価値がある。壊してしまえば、お宝じゃなくなる」
そういうもの、なのだろうか?
「男ってそういうの好きよね……」
アイゼンの言っている事に理解が出来ない私とベルベット。
よく分からないが、スレイならそう言ったことを言いそうな気がすると思っているとマギルゥとエレノアがやって来た。
「なにをやっておるんじゃ?」
「マギルゥ、この箱になにか術が掛かっていないか調べてくれ」
「来て早々にいきなりじゃの……どれどれ、ふむ……なにか特殊な術の様な物は掛かってはおらんぞ」
アイゼン達の力でも開かない。
そうなると特殊な術が施されていると考えたが、マギルゥはそれを否定する。
「あんたならどうにか出来るんじゃない?」
「オレがやるってのは推理物の小説を犯人は誰か最後のページで確認してから読むのと同じなんだがな」
「どういう意味よ」
「宝箱を開けれるなら、やってくれ」
ずっと黙っていたゴンベエにバトンを渡すアイゼン。
渡されたゴンベエはなにか紐のような物を取り出して耳につけて片端の先端部分を宝箱につけてコンコンと軽く叩く。
「……ん?」
「なにか分かったのか?」
「これ、宝箱じゃないぞ?」
「なに?」
音で確かめたのか、驚くことを言うゴンベエ。
如何にもな形をしているコレが宝箱じゃないとなると、いったいなんだ?
「あの来て早々に言うのもなんですが、コレはダミーじゃないでしょうか?如何にもな宝箱を見せれば貴方達の様な人が食いつくと予想して、本当の宝は別にあったと」
「その線が濃厚だな。これ音からして中に空洞が無い」
「骨折り損か……っち」
エレノアの意見が否定できず、ハズレを掴まされた事に苛立つアイゼン
如何にもな宝箱に宝が入っていないとなると、別の何処かに本物の宝が入った箱がある……ん?
「この箱がダミーで本物が……もしかして!!」
「ライフィセット、アレかも知れない」
「そうだよね!」
同じ考えに辿り着いた私とライフィセット。
この宝箱がダミーで、宝を入れた物が何処かにあるとするならば近くに、そして木を隠すならば森の中と言う言葉がある。
「こういう時はこの台座が怪しいパターンだ……ビンゴ」
ゴンベエも同じ事を考えていた。
宝箱と同じ様に何度も何度もコンコンと叩いて音で中を確認すると当たりだったのかニヤリと笑う。
「中に空洞がある……だけど、コレはどうやって開けんだ?」
「……そうか!ねぇ、この台座に乗ってみてよ!」
「こうか……なにも反応しねえぞ」
「重さが足りないんだよ」
「ちょっと待ってろ」
「業魔化!?」
「いや、違う。山の妖精だ!!」
台座の仕掛けを解こうとするが足りない重さ。
ゴンベエは仮面を取り出し山の妖精に変身するのだが、はじめて見るエレノアは驚いて槍を取り出すので止める。
「お主、本当になんでもありじゃの」
「…………」
山の妖精の姿では喋れないのかジェスチャーでなんでもは無理と言うゴンベエ。
ゴンベエに出来ないこと……なんだろう?
「あ、開いた!」
ゴンベエが変身した事により、重さが増加されて台座の仕掛けが開く。
中から金銀財宝がズラリ、とは出てこず一冊の本が出てきた……コレは……古代語で書かれている。
「サイズ的に金銀財宝がズラリとはいかねえか……プラチナがあれば少々欲しかったんだがな」
「コレって古代語……」
「パターンで言えば、コレはアレだよな」
「ああ、アレだな」
アレ?
「航海日誌的なので宝のありかが記されてる……文章が結構長いから、ハズレ!って書いてる可能性は無い!」
「宝の地図!」
「ライフィセット、台座を開いたのはお前だ。この宝はお前の物だ……解読は任せたぞ!」
「うん!!」
色々と他力本願な気もするが、古代語を読めるのはライフィセットだけだ。
宝の地図を手に入れて嬉々としたライフィセットは早速解読をはじめにグリモワールの元に向かって走っていった。
「さてと、成果が殆どニンジンだったし、オレは戻るか」
「また爆弾を作るのか?」
「いや、それよりもヤベー物を作る……ホント、バレたらヤバイのを」
いったいゴンベエはなにを作ろうとしているんだ?
戦利品の確認を終えると全員が解散をして、それぞれがそれぞれの事をして夜を迎える。
「若気の至りか」
夕飯はベルベット特製のシチュー。
戦利品であるノルミンニンジンをこれでもかと使っており、程よい甘さが食欲を沸き立てる。
ロクロウが食事前に若気の至りについて話していたことを話してくれ、マギルゥがポエムを書いていたという意外な事が判明した。
「お主達は若気の至りはあるのか?」
「……一時のテンションに身を任せた結果が今だぞ?」
ゴンベエ、それは笑えない。
此処を拠点にしてからなにかを作っていて、ゴンベエの持つ技術力の恐ろしさを理解し出した為に誰も笑えない。
「そして今もどうせ自爆させるんだから、やっちゃえとバカをやってるんだ」
「あんた、本当になにを作ってるのよ?」
「いや、それはちょっと……ライフィセット、来ないな」
本当になにを作ろうとしているんだ?
話題をそらすかの様にゴンベエはこの場にいないライフィセットを話題に出す。
「あの子、まだ解読をしてるみたいね……あんたが電球を渡したから、夜更かしもしていたし」
「悪かったな……電球があれば24時間働けるようになるんだ」
それはブラック過ぎないか?
とはいえ、今は食事時。私達は既にいただいているが、ライフィセットも食べなければ……天族は別に食べなくても良いらしいが、それでもだ。
「私が呼んでこよう」
「別にいいわよ。私が呼んでくるわ」
「あ、でしたら私が」
「別にあんたが行かなくてもいいわよ」
私が呼びに行こうとすると止めるベルベット。
代わりに向かおうとするが、今度はエレノアが行くと言い出すがエレノアも止める。
「私が行きますよ。あの子は私の聖隷です」
「……私のって、あんたの物じゃないわよ?」
「貴女の物でもありません」
……あれ?
何時の間にか一触即発な空気を醸し出すベルベットとエレノア。
「おぅ、怖い。弟を巡る姉の戦いじゃの」
「はぁ?違うわよ!!」
「違います!!私は単純にライフィセットを心配しているだけで、そういった感情は向けていません!!」
「ぜってー嘘だろ。後でライフィセットにお姉ちゃんと他人行儀で呼ばせてみ、げぶごぉ!?」
「あんた、飯抜きね!」
「明日は私の食事当番ですが、貴方の分は作りません!!」
「実験、してやるぞ……」
ゴンベエ、どうしてそんなに導火線に火をつけたがるんだ?
例によってぶん殴られるゴンベエ。今回はエレノアの蹴りもくらっており、やられるのを覚悟していたので呆れる。
「皆、大変だよ!」
「おっと、噂をすればなんとやらだな」
慌ててやってくるライフィセット。
話をしていたらやって来たとロクロウは笑うが、ライフィセットは慌てている。
「なにが大変なのですか?」
「台座に入っていた古文書の内容が分かったんだよ!!やっぱりコレは宝の地図だったんだ!!」
「内容がか。なにが書いていた?」
「うん、えっとね」
「その前に少し落ち着きなさい。興奮していて息が荒いわよ」
興奮の熱を冷まそうとするベルベット。
ライフィセットにゆっくりと深呼吸をさせて呼吸を整えさせた……マギルゥが言っている事に賛同をするわけではないが、姉だな。
「どれ早速成果を披露してもらおうかの」
「うん……『栄華を極めし大竜、大海に落ちた星の元、翼を休めん。小竜を操せし大竜の顎は開かれん。欲望に溺れた末に3つの翼を倒りしものに全てを譲らん。翼の1つは青き瞳と共に、1つは赤き瞳と共に、1つは緑の瞳と共に』……」
「……色々と意味深な内容だな」
そのままの意味を言っているので、細かい事はまだ分からない。
「だが、宝の地図であることには違いない……大海に落ちた星、か。確かこの島の近くに星の形をした島があったはずだ」
「星の形?それはまた随分と変わった形をした島ですね」
古文書の内容に心当たりがあったか、この辺りにある島を出すアイゼン。
随分と風変わりな島だが……大海に落ちた星を星の形をした島に変換すればそれで合っているの……か?
「そこに宝があるのか?」
「それは調べてみないと分からんことだ」
「僕、その島に行ってみたい!!」
「宝探しか、たまにはそういう余興も悪くはない!」
手に入れた物が宝の地図だと判明してワクワクするロクロウ。
この地図の内容だけでは宝の地図しか分からず、宝の内容が分からないが……なにが眠っているのだろうか?
「ちょっと、あんた達、なに勝手に決めてるのよ」
「なにって、宝探しに決まってんだろ」
「そんな暇があると思ってるの?」
そうだった。
この監獄島での生活に馴れてしまったせいか、本来の目的を忘れかけていた私達。
喰魔を探すのが本来の目的で宝を探している暇は何処にもない……ダメなのだろうか?
「ダメ、かな……」
「ダメとは言わないけど……あんまり長くなるのは」
「宝探しを甘くみるな」
「喰魔探しよりは安全性があるだろう」
「……それもそうか」
アイゼン、そこは納得をしてはいけない。
星の形をした島が此処からかなり近くにあるらしく、宝探しに時間は特に掛からない。時間が掛からないならとベルベットから許可を貰い明日にはアイゼンの言う星の形をした島に向かうことになった。
「あ、オレはパスだ」
と思えばゴンベエはパスをした。
「あんたも来なさいよ」
「いや、オレも行けるなら行きたいけども、明日ぐらいに完成しそうなんだよ」
「だったら、分身を」
「分身を使って明日なんだよ」
「……アメッカはどうするつもり?」
意地でもゴンベエを連れていきたいのか私を出したベルベット。
私を出して連れていこうとするのはショックだが
「普通の憑魔なら相手に出来ないわけじゃない」
今回の目的はお宝探しで、喰魔探しではない。
街の外に出ればそこかしこに憑魔がいるが別に私は戦えないというわけではない。自覚をしていないだけでエレノアやライフィセット達が物凄く強いだけで、私だって普通の憑魔を相手にすることぐらいならば出来る。
「ゴンベエが作っている物はきっと役に立つ。だから」
「……はぁ、分かったわよ」
無理強いしないで欲しいと頼むと折れてくれたベルベット。
ついてきてくれない事は心細いが、何時までもゴンベエに頼っていては私も成長する事は出来ない。
「そう落ち込むな」
「落ち込んでなんかないわよ。あんたが来た方が確実にお宝が見つかるでしょ。貴重な時間を割いて向かったのはいいけど、なにもありませんでしたが1番最悪なのよ」
「それもそうか……内容的になにか試練的なのが待ち構えているだろうし、アメッカ。コレを貸そう」
ベルベットの言っている事に納得をすると腕輪を貸してくれるゴンベエ。
この腕輪は……なんだろう?ゴンベエが貸すという事はなにか不思議な力を持った道具なのだろうが。
「エバラのごまだれで使えるから……壊すんじゃねえぞ」
不慮の事故とはいえ何回か壊した為にか釘を指しながら使い方を教えてくれる。
エバラのごまだれ……そうか!この腕輪はあの時の事が出来るのか!コレがあれば宝探しが捗る。
「エバラのごまだれ……なにが出来るの?」
「それはその時がくれば分かる。余程の事がなければ、その腕輪で謎解きは捗る」
「何故使用するのにエバラのごまだれと言わなければ」
「細かいことをいちいち気にするな」
細かいことなのだろうか?
とにかく、ゴンベエから貸してもらった腕輪を装備する。まことのメガネとメガネを壊した事があるので、絶対に壊さない。肌身離さず持っておこう。
「……他には無いわけ?」
「あるかないかと言われればあるぞ」
「なら、私に貸しなさい」
「此処にいる奴等とラヴィオの腕輪で宝がある所に行けないとなると、オレが出向かないと無理だろう」
「……」
「まぁ、それでもなにか貸して欲しいと言うんだったら、コレを貸してやるよ」
青色の石を紐に括りつけた物を渡すゴンベエ。
紐がなにかすごい特別な紐、といったわけではなく青い石からなにかが飛び出るといったこともない。ベルベットは力強く握ったり振ったりしてみるがなにも起きない。
「これ、なんなの?」
「お守りだ……余所見してるとお前は無茶をするからな。力がある分、余計に質が悪い」
「お守りなんて」
「いいから持っとけ。それを持っておいて損はねえんだから」
ゴンベエは嫌がるベルベットに青い石を無理矢理持たせた。
「期待してるぞ。金銀財宝があれば今後の活動資金になる」
スキット カラダニピース(意味深)
ベンウィック「ほら、注文してた品だよ」
ゴンベエ「ひーふーみー……あ~もうちょっと追加で」
ベンウィック「追加って、またかよ!」
ゴンベエ「仕方ねえだろ。コレから先、なにがいるか分からねえんだから素材がどれだけいるか分からねえんだから」
ベンウィック「せめて作る物を決めろよ!」
アイゼン「なにを騒いでいる?」
ベンウィック「副長、こいつまだ材料を買ってこいって言ってくるんすよ!しかも砂とか石とか変な物ばっか要求してくるんすよ!」
ゴンベエ「バッカ。お前、砂じゃなくて珪砂だ。ガラス細工を作るのに必要な絶対の素材だし、他にも色々と必要なの多いんだよ。拠点があるんだからなにかあった時にパッと発明品を作れる様にしておかねえと」
ベンウィック「せめて作る物を決めろよ。てか、なにを作ってんだよ」
ゴンベエ「……ヤバい物だ」
ベンウィック「なにがどうヤバいってんだ」
アイゼン「そう怒るな。なにを作ろうとしているかは分からないが、なにかを作ろうとしているのは確かだ」
ベンウィック「ったく、パーシバル殿下といい副長は変なところで甘いんだから」
ゴンベエ「まぁまぁ、副長もそう言っているし許してやれよ」
ベンウィック「お前の事を言ってるんだよ……ったく。お前が色々と注文をするから金もゴッソリと減ってるんだから、ちょっとは金になるもんでも作れよ」
ゴンベエ「金になるもん作れつったって売る宛でもあるのか?」
アイゼン「手に入れた財宝をガルドに替える為に利用はしているからツテはいくらでもある」
ベンウィック「一応商船で停めてるから、顔は広い方だよ。船止め料は上乗せされまくりだし、最近は赤字続きだけどな」
ゴンベエ「悪にも悪なりの工夫があるんだな。ちょっと待ってろ。売れそうな物を今から作るから」
ベンウィック「作るかって、そんな簡単に出来る物なのか?」
ゴンベエ「馬鹿を言うな、何時の時代も衣食住の3つに関わる物は大体需要があって売れるんだ。特に食は人類が滅亡しない限りは需要はある」
アイゼン「確かにそうだが、食はお前よりもエレノアやベルベットの方が美味く作れるだろう。売るからには並大抵な物は許さんぞ」
ゴンベエ「ベルベット達じゃ作れない物を作るんだよ。小麦粉から抽出したデンプンに硫酸を少々入れてっと」
ベンウィック「硫酸って、お前なにを入れてんだよ!」
ゴンベエ「毒重石を入れてゆっくりと混ぜて中性に変換したら、ヨーグルトとレモンの果汁を混ぜて、はい、完成」
ベンウィック「完成って、毒の石と硫酸が入ってるんだろ、こんなの飲んだら」
ゴンベエ「死なない様に色々と調整してんだろうが」
ベルベット「あんた達、なに騒いでるのよ?」
ゴンベエ「ベンウィックが金になるかって人の作ったジュースにケチをつけてる」
ベンウィック「毒だ硫酸だ危ない物を入れてるだろうが」
ゴンベエ「そんな事を言い出したら、鰻も毒があるだろう……よし、中々にそれっぽい」
ベルベット「ちょっと貸しなさい…ん…別になんともない甘いジュースよ。レモネードと牛乳を合わせたみたいで変わってるけど、ライフィセットなら好みそうな味ね」
ゴンベエ「コレに炭酸水を混ぜたら中々にいける」
ベンウィック「炭酸水って、んなの買ってきたっけ?」
ゴンベエ「酒から発生する二酸化炭素から作ったんだよ。それよりもお前達の分も作ったから飲めよ」
アイゼン「いただこう」
ベンウィック「副長……ああ、もう!飲むよ!飲めばいいんだろう!……んぐ……普通に美味いな……」
アイゼン「悪くはないが、如何せん子供向けな味だな」
ゴンベエ「カ■■ス擬きだからな……レディレイクでコーラを売ってた時といいやってる事、なろうだな、ほんと。それで売り物になるか?」
ベンウィック「まぁ、材料さえ秘密にすれば問題は無いと思うけど……コレ、売って大丈夫なのか」
ゴンベエ「法律上問題無い……」
ベルベット「食べ物を規制する法律なんてこの国にあったかしら?」
アイゼン「要は内容さえ知らなければ誰でも美味しく飲める飲み物だ。製造方法を企業秘密にすればいい」
ゴンベエ「相変わらず闇が深い事をしてる……売れるんだったら、ヨーグルトを大量生産しないとな」
ベルベット「ヨーグルトを大量生産って、そんな事が出来るの?」
ゴンベエ「大丈夫だ。スプーンに一杯掬ったヨーグルトを新しくヨーグルトにしたい牛乳に入れて容器ごと40℃前後のお湯に2、3日付けとけば完成する」
ベルベット「40℃前後のお湯?」
ゴンベエ「あ、やべ……」
アイゼン「お前、まさか」
ベンウィック「うげぇ!?マジか!?」
ゴンベエ「容器はお湯に触れてるけども、中に入ってるヨーグルトには一滴も触れてねえ!」
ベルベット「あんた、お風呂でなんて物を作ってるのよ!?なんて物を飲ませてくれたのよ」
ゴンベエ「使える物は使わねえと勿体無いだろう。第一、ベルベットやアメッカが入った風呂で作った事により需要が一瞬にして上がる」
ベルベット「死ね!!」
ゴンベエ「ごふっ……」
ベンウィック「……副長、これ、売りに出しますか?」
アイゼン「やめておけ。企業秘密にしても、材料がバレた時点でなにをされるかたまったもんじゃない。商船として築き上げてきた信頼が一瞬にして落ちる」
ゴンベエ「馬鹿野郎、ベルベットとアメッカとエレノアとライフィセットとマギルゥが入った風呂で出来たヨーグルトを使った■ルピ■擬きだぞ……バカ売れする」
ベルベット「あんたはいっぺん、地獄に落ちろ!!」
ゴンベエ「間接を外せるオレに関節技をかけてもおっぱい当たってるだけで痛くないぞ」ゴキゴキゴキ
今年中にアルトリウスを殺るのは無理だった……作者を許してくれ。
早いところ現代に戻ってスレイをぶん殴ったり「弟を助けるのに理由なんているの?」とか言わせたり「つまり、私はゴンベエの事を」と笑顔を曇らせたり「あんた達以外を皆殺しにして世界を滅ぼすから」とか「今私が叫べばゴンベエは」とかさせたい。
そしてザレイズ(笑)をやりたい。バグったミリーナ様とか色々とやりたい……頑張らなければ。