後、ミスリルとオリハルコンならオリハルコンの方が絶対に強い……つまりそういうことである。
「復活!」
軽く一寝入りをして目を覚ますと体が楽になった。
エジソンよろしく24時間働けますかと必死になってみたが、流石に体が限界を迎えてしまった。やっぱり4人の分身で人海戦術をしなければならない所を誤魔化したのは無茶だった様だ。
『やっほー、エレノア、聞こえる?』
目覚めると監獄内部の自分の部屋だった。
あれからどれだけの時間がたったのだろうかと時計を確認しようにも作っていないので分からない。
ベルベット達はなにをしているんだと考えていると監獄内にモアナの声が響き渡る。
「あんの、アホ、人が弄くるなと言っていたのに弄くりやがったな」
監獄内部にモアナの声が響き渡る原因に心当たりがあるのでゆっくりと立ち上がって自分の部屋を出る。
声が聞こえた方向、と言うか作った物を置いてある場所は1つしかないと監獄の屋上に向かうとエレノア達がいた。
「まだバンエルティア号に乗せてアンテナを設置してない未完成品なんだから、勝手に触るんじゃねえよ」
マンガン電池と水路を利用した水力発電で作った電気を蓄えたバッテリー。
素人が触ると色々と大変な事になる。電気を利用した物だから普通に感電死とかもありえる……というかだ。
「お前、触ったな」
エレノアの頭が物凄い事になっている。
大方、バッテリーに触れて感電してしまってそのせいで整えた髪の毛が爆発してしまって雲丹みたいになっている。
「あのコレ、なんとかなりませんか?さっきから戻そうとしても元に戻らないんですよ」
髪の毛をわちゃわちゃと動かして整えるエレノア。
髪を抑えている手を外すと雲丹の様にビンと延びてしまう。
「コイル巻いて、デパーミングの原理で磁気を外してみるか?」
雲丹の様な髪型を見て、思わず笑ってしまう。
こいつ、感電してしまって髪の毛に磁力が帯電してるな(笑)
「それで結局、コイツはなんだ?」
「ある程度、弄ってるなら分かるだろ」
改めて作った物について聞いてくるアイゼン。
800個のマンガン電池、硫酸につけた銅板の板と危険なバッテリー。後、メガホン……そう言えば、この世界って何故かマイクが存在してるんだよな。風船のゴムとかも当たり前の如くあるし、変なところで現代レベルの文明なんだよな。
食文化の発展=文明の発展な癖に電気のでの字も使わない文明だけど。
「エレノア達に声を届ける道具なんだよね!」
自信満々に答えるモアナ。
お前は事前に説明しただろうと言いたいが、今回は見逃してやろう。
「そうだ。コレはオレ達とモアナ達と会話が出来るようになる禁断の道具だ」
「禁断って、あんた似たようなの持ってるじゃない」
オレが渡したお守りを返してくれるベルベット。
こいつ、一回電球がどれだけ大変なのか説明をしたのに電話のヤバさを理解していないな。コレがあれば、このレベルの文明の文化を1つや2つ軽くひっくり返せるぞ。
「コレはオレにしか使えない道具だ、価値は薄い。対して電話の価値は洒落にならない程、高い」
「似たような事を通信聖隷術で出来ますが」
「それは特定の人間にしか使えないだろ?」
聖隷術ということは天響術だ。
現代に置いて、そういう術を使えるのは天族だけ。スレイは多分、やろうと思えば出来るけれどエレノアと同じでその性格上あんまり使おうとはしないだろうな。
「特定の人間にしか使えない難しい物よりも誰にでも使える簡単な物の方がいいんだよ。特定の人間にしか出来ないのは悪いとは言わない。だが、システムの中枢に組み込まれてしまうのはいけない。特定の人間だけってのは替えが聞かない。人という生き物はいつかは死ぬんだ」
焼きたてジャぱんでも言っていた。シンプルで加工しやすい物でないとダメだと。
ミスター味っ子Ⅱで言っていた。1人のミスター味っ子よりも100人の学生アルバイトがいいと。
「1人の導師よりも100人の凡人が世界をどうこう出来ないと、本当の意味でなにも変わらない」
「……真っ向から考えを否定するのだな」
オレの言葉にアリーシャはスレイを思い浮かべる。
導師のシステムの欠陥が導いた時代、導いてしまった人間……そう考えれば、ある意味スレイも被害者なのかもしれない。
「まぁ、とにかくだ。モアナとかにも、使い方を教えておく。なにかあった時には連絡を取れるようにする……くれぐれもこの事を口外しないでくれよ。場合によってはシバき倒すだけじゃ済まねえからな」
次元斬りで殺さなくちゃいけねえ。
ハンダゴテで溶接する細々とした部分は見せてはいないが、少なくともこういう物を量産できるとなれば……手紙を配達する業界が縮小されることは間違いないな。
携帯電話とかインターネットの普及率が一気に上がったせいで、年賀状とか手紙を書かない家庭とか普通に増えてる……そう考えるとプリントアウトの機械って、頑張ってるよな。企業では売れてるけど個人で持ってる奴、あんま見ねえけど。
「コレについてはあんたが管理するなら、それで終わりよ」
「なんも言わねえのか?」
「便利な物、そう思えばいいんでしょ?」
大分、ベルベットも分かってくれるようになったか。
電話についてはこれ以上は触れてもなにも出てこない……実際のところは色々と出てくるんだが、それに関してはバンエルティア号を少しだけ弄くらないと出来ない。その辺に関してはベンウィック達と相談しないといけないし、何よりももう一個の電話をバンエルティア号に乗せなければならない。
「喰魔探しを再開するとして……婆さんの所に行くのか?」
喰魔とは基本的に偶然に出会う事が出来た。
地脈点はそこかしこにあるらしいし、めぼしい情報は誰も持っていない。ベルベットが自分自身が喰魔だと言う情報しか今のところは無い。
「それなんだけど……皆、来てほしいんだ」
羅針盤を取り出すライフィセット。
婆さんの所に行って情報を貰うのが1番妥当な案だが、それ以外になにかあるようでついていくとそこはベルベットがかつて閉じ込められていた場所だった。
「此処にいる奴はもう見つかったって、違うか」
「此処にある地脈点、他の地脈点よりも大きいんだ」
グルグルと磁気が狂ったかの様に回転する、羅針盤の針。
ライフィセットの足元が若干だが神々しく光っておりそこからエネルギーを感じる。結構なエネルギーだが、他のエネルギーとの違いが分かるのか。
「どうやらお前の地脈を感じる力が長けている様だな。ある程度、近付けば地脈点が分かると」
「ううん、来たときから感じていたんだ……此処と似たような力が、他にも感じる事が出来るよ」
「地脈を通じて他の地脈点を探知できるのか?」
それは普通は出来ないと驚くアイゼン。
そういえば天族には属性があるが、ライフィセットの属性を聞いたことなかったな。何属性なんだろうか?
「多分、何処までやれるか分からないけど」
「それでも重要な手掛かりになるわ。やってみて」
「……うん!」
ベルベットに期待された事が嬉しいのか、張り切るライフィセット。
目を閉じて意識を集中させると足元に波紋の様な光が発生し、ライフィセットを包み込む。
「コレで見つからなければ、また王都か……ゴンベエ、マーキングは?」
「フロルの風とは別の方法で港にならワープできるが、ぶっちゃけた話、その手は使いたくない」
フロルの風だからパンパン使っているが疾風の唄を使うとなると確実にゲロる。なので、ライフィセットには頑張って欲しい。
電話を作った筈なのに、圧倒的なまでに情報に乏しいオレ達。とにかく、なんでも良いから情報が欲しいとライフィセットに期待を寄せていると閉じた目を開く。
「地脈点、此処以外にも何十個もあるけどその中で此処ぐらいに大きいのが幾つかあったよ」
「大きさまで分かるのか」
「この島の地脈点が大きいから違いがよく分かるよ。南東と東の方に似た大きさのがある」
「恐らくはワァーグ樹林の虫とパラミデスじゃのう」
地図を取り出して、×印をつけるマギルゥ。
御丁寧にペンドラゴがあった場所と監獄島がある場所にも×印をつけている。
「だとすると、残りの大きな地脈点のどれかに喰魔がいるのね。細かな情報は現地で手に入れるしか無さそうね……」
「だが、コレは大きな一歩だ。当てもなく歩くのとは訳が違う」
「そうね。取りあえず総当たりでやってみるしかないわ」
なに99回ミスっても、1回成功すれば全てがチャラになる。
アリーシャの言葉を聞いて最後は地道にコツコツと行くことに決まる。
「お手柄ですよ、ライフィセット!」
「そんなことないよ」
「いやいや、俺には斬ることしか出来ないから地脈点を探知するなんて無理だ」
「いやはや、大したもんじゃぞ。やはり坊はただ者ではないのぅ」
「あんた達、ライフィセットをあんまり甘やかさないの!まだ喰魔は見つかってないんだから」
「でた、姉の嫉妬……あ、やべ」
エレノア、ロクロウ、マギルゥが褒めると照れるライフィセット。
ベルベットはムっとした表情となったので何時もの様に横槍を入れるのだが、今回は入れてはいけない感じだった。
「あんたは!いい加減に!本当に!黙れ!無駄口を!叩くなら!口を!縫うわよ!!」
それはもう見事だった。
オレはベルベットに胸ぐらを掴まれ、若干浮いた状態にさせられて往復ビンタをくらう。
パシンパシンと監獄の奥底だからか程好く音は響く。鞭を振るったかの様なその音は聞いているライフィセットの顔が若干青くなる程だった。
「だ、大丈夫か?」
「
「一瞬にして腫れが引いた!?」
「貴方、いったいどういう身体の構造をしているのですか!」
トマトの様に真っ赤になった顔を見てアリーシャが心配をするので牛乳を飲んで傷を癒すと驚くライフィセットとエレノア。どういう構造かと聞かれても、お前達となんら変わらない人体構造だ。ミルクを飲んで治るのはおかしいと引くんじゃない。
「ライフィセットが感じた方向に向かって出発……と言いたいが、今何時だ?」
「もう夜よ」
寝ていたから、時間の感覚がズレている。
監獄の内部は暗いし、これは体内時計がおかしくなりそうだ。
「なら、出発は明日だ。宝探しの疲れもある、今日は全員休むぞ」
アイゼンの案に誰も反対意見を出さず、出発は明日に決まる。
やることも向かうべき場所も大体決まったので、ベルベットが閉じ込められていた場所を出て自分の部屋に戻って、バンエルティア号にする改造の道具でも取ってこようとするとモアナが広間にいた。
「お手……お手はこうだよ!」
「なにをしているのですか?」
「あ、エレノア!狼にお手を教えてるんだけど全然お手をしてくれないの」
「狼……あ」
モアナの直ぐ前に金色の毛を持つ狼がいた。
そういえば、此処最近はご無沙汰だったと思い出す。
「次は誰だったかしら?」
「オレだ……ちょうどいい時に来たな」
「へいへい」
久しぶりの狼に変化。
やはりと言うか、四足歩行の生き物に姿を変えるのは馴れない。
「ゴンベエ、狼だったの!?」
はじめて見るので驚くモアナ。
目をキラキラと輝かせて、嬉しそうな顔をしているのだがオレにとってそれは怖いと言うか断りにくい顔である。
とりあえず、例によって金色の狼が吠えるのでそれを復唱し吠えて共鳴をすると眩い光に包まれて、何時も通り真っ白でなにもない空間に連れてこられる。
「モアナは……来ていないのですね」
「流石に連れて来るわけにはいけねえだろう」
非戦闘員を此処に呼ぶわけにはいかない。
今ごろは急に居なくなった事をビックリしているだろうな。
「汝」
「くだらない御託は不要だ……オレが必要と思えば使う」
「私に技を授けて欲しい」
骸骨の騎士が出て来て、何時ものくだりをしようとすると先に答えるアイゼン。
アリーシャもやる気は充分の様で既に槍を取り出しており、直ぐに答えた。
「……ふむ」
「ん?」
何時もならば直ぐに技を教える骸骨。
今回は珍しくなにかを考えており、目玉が無いので分かりにくいが視線はアイゼンに向けられている。
「その身に宿る呪われし加護が故に拳だがそこの名無しを除けばこの中で最も万能に近い。汝、なにを求める?」
「アイゼン、お主なんの技が欲しいか問われておるぞ」
死神の呪いのせいで武器が使い物にならなくなる為に最終的に素手で戦うスタイルに落ち着いたアイゼン。
拳を用いての近距離戦闘は勿論の事、天響術も使えて攻撃だけでなく補助も可能なオールラウンド……武器を用いない技ならばなんでも出来る、いや、教えれると言ったところか。
「オレに教えるなら、出来るだけ強い技を教えろ」
なにが欲しいとなるとやはり強さしかないか。
アイゼンは強い技を求めると骸骨の騎士は剣を地面に突き刺した。
「天地魔闘の構え、ウードン、
「どれもロクな技じゃねえな」
後、やろうと思えば全部出来る技だな。
骸骨の騎士から聞いた技の名前からどんな技なのかを考えるアイゼン。
「天地魔闘の構えかグレートマックスなオレ……悩みどころだな」
「よりによってその2択かよ……」
他にも色々とある中で、選ばれた2つの技。
アリーシャ以外は1回だけ、1つしか教えてもらえないので慎重になって絞る。オレ的には石破天驚拳が向いていると思うが、アイゼンは既に天地魔闘の構えかグレートマックスなオレのどっちかに絞っている。
「天地魔闘の構えって、構えなのに技なのか?」
「構え自体は至ってシンプルだ……ただまぁ、破るのは難しい」
技なのに構えな事に疑問を持つロクロウ。
天地魔闘の構えは空手の天地上下の構えから攻撃と防御と魔法を流れる様にして相手を徹底的に潰す大魔王の技。
弱点は天地魔闘の構えの技を発動した後にあるほんの少しの膠着状態だ。
「それは物凄い攻撃が出来る前提のカウンター技だから、性格的に向いてねえぞ」
天地魔闘の構えというかカウンター技の弱点として、相手がカウンター技を使ってるとバレれば対処される。
シンプルに相手が攻めて来ないとカウンター出来ねえ。相手が攻めなければならない状況に出来るほどの戦闘力が無ければ使えない。
「なら、決まりだな。グレートマックスなオレを教えろ」
オレの意見を聞き入れ、天地魔闘の構えを諦めるアイゼン。
骸骨の騎士はアイゼンに地(山)属性の最強の蹴り技とも言うべきグレートマックスなオレを伝授し、アリーシャにも技を授けると次に技を授けるのはライフィセットだと予告すると消え去り監獄に戻った。
「モアナが居ねえな」
さっきと同じ場所にいたがモアナが居ないことに気付く。
いったい何処に行ったのだろうかと考えていると、金属音が監獄に鳴り響く。割とすぐ近くから聞こえたので向かってみると、そこにはモアナがおり、ダイルとクロガネと一緒にいた。
「また折れたか……未熟!」
クロガネの手元に折れた太刀が数本。
號嵐を越える刀を作っていた様だが失敗に終わったようだ。
「刀が弱いんじゃなくて、あんたがバカみたいに硬いだけだろう?」
「いや、俺を斬るぐらいの事が出来なければ話にならん。もっと硬い素材で硬い刀を打たなければ……」
「硬い刀ね……」
クロガネの作った刀を拾う。
名刀と呼ぶに相応しい刀で職人の魂が籠っている物だと分かる逸品なのだが、名刀ではダメだ。クロガネは神の刀を越える一品を作らなければならない。
「おぅ、帰って来たか」
「ああ、新必殺技を引っ提げてな……どうやらそっちは順調じゃなさそうだな」
「毎回、この爺さんをぶった斬る側の身にもなってほしいもんだ」
叩き折れた剣を見て深く溜め息をつくダイル。
クロガネを斬る側の心理つっても、クロガネなら斬られても喜ぶだけだ。
「大体、硬い素材ってなにがあんだ?煌鋼でも充分に硬い素材なんだぞ」
コンコンと折れた太刀で地面を叩くダイル。
使っている素材も充分に良い素材なのだが、それではダメなら後はなにがある?超合金でも作るのか?
「
「金剛鉄、伝説の金属じゃないか!」
またとてつもない物を話題に出してきたな。
その名を聞いたアリーシャは大きく驚く……オリハルコンと言えばこの世で最も硬いとか言われたりする金属。現実の世界には存在しているかどうかあやふはであり、オレのこの転生特典でもどういう金属なのかはっきりと教えてくれない。
「いや、伝説じゃない。太古の遺跡で極々稀に発見される
アイゼンがそういうと視線はオレの方に向く。
オレだったら持っているかもという期待の視線を向けているが、そんな物は持っていねえ。
「ダイヤモンドを人工的に作ることは出来ても金剛鉄の作り方は知らんし持ってねえよ」
「そうなると……アメッカとベルベットの武器作る時に使った材料はどうだ?」
「それは嫌だと何回言えば分かる?」
「これ以上の素材がねえから言ってんだよ!!」
炎のメダルと闇のメダルは完全に無くなったがそれ以外はそこそこ残っている。
ダイルはそれをと言うが、アレで武器を作ったら完全に神秘的な力で號嵐に打ち勝ってしまうので作りたくはない。第一、残ってる材料的にも刀を使う役のロクロウが憑魔なので下手したら弱体化する可能性もある。
「200年程前に金剛鉄の塊をある遺跡で発掘されたと聞いたことがある。船が嵐に巻き込まれて沈んだらしいがな」
「地の底から海の底か……ん、いや、待てよ?」
海に沈んだならば仕方がないとするロクロウだがふとあることを思い出す。
それは言うまでもなくオレであり、聞いている面子もオレの方に視線が向く。
「お前、確か魚人になれたよな?」
「お前な、海がどんだけ広いと思ってんだ?」
自力で泳いで取ってこいと言い出す前に無理だろうという視線を向ける。
確かにゾーラリンクになれば海底の奥深くまで潜っていくことは出来る。だが、問題はそれが何処にあるかという事だ。この監獄の水路を利用した電波を飛ばす装置は既に作っているから応用すれば金属探知機を作れなくはないが、オリハルコンがピンポイントに引っ掛かるとは限らない。
「欠片の金剛鉄を溶接して塊にした方がまだ現実的だ……それに」
「それに?」
「金剛鉄を使っても號嵐に勝つのが無理だったら現存する金属ではどうしようもねえぞ」
実際の硬度とか金属としてどれだけ優れているかは知らないが、金剛鉄と言えばこの世で最も硬いと言われている金属だ。刀にするだけの塊を見つけてクロガネの技術で刀にして、號嵐とやり合って折れた場合はそれ以上の金属は無い。そうなれば本当にヤバい、次が無いも同然の状態だ。
「職人にこんな事を言うのが失礼なのは分かるが、物作りは失敗も大事だ。失敗する前提での気持ちでいかねえと」
「お前、真面目な事を言えるんだな」
「ダイルの癖に失礼だな」
オレは真面目にやろうと思えば出来るが、あんまりやりたくないんだよ。
スゴく真面目な感じとか苦手だし頭が痛くなるし、思考が固まってめんどくさい。
「オレの癖にってなんだよ」
「ダイルの癖に怒ってるー」
「おいおい、モアナ、そりゃ使い方がおかしいだろう!!」
「モアナの癖におかしいかな~」
モアナのほっこりとした姿にベルベットを除いて笑う一同。
これから喰魔を探しに行くという空気ではないが……まぁ、こういう緩い感じの方がオレは好きなのである。
明日の朝一に喰魔を探しに出発する事で決まり、今日は休むのだが残念ながらオレに休んでいる暇はない。色々とバンエルティア号にくっつけたりしなければならない。丸々一年、グータラしていたつけが今ごろになって回ってきたんだろうな。
スキット 獣はいても除け者いない、ただし漬物てめーはダメだ。
モアナ「ゴンベエ、お手!」
ゴンベエ「あ!?」
ダイル「モアナ、ゴンベエは人間……人間だよな?」
ゴンベエ「人間だよ」
モアナ「でも、エレノアはゴンベエは狼男だって言ってたし、ゴンベエが狼に変身するのを見たよ!」
ダイル「そういや、お前、魚人にもなれるらしいよな……どうなってんだ?」
ゴンベエ「勇者の力の一部だと思えば良い……モアナ、オレはどちらかと言えば狼男じゃなくて勇者だ」
モアナ「え~ゴンベエは狼だよ!」
ダイル「海賊に協力している勇者が何処にいやがる」
ゴンベエ「割といるんだけどな……」
モアナ「ゴンベエ、狼の姿に変身してよ!」
ゴンベエ「一応聞くけど、なにをさせるつもりだ?」
モアナ「さっきの狼さんみたいに芸を仕込む!」
ゴンベエ「却下!!オレはそんな事はしたくねえ!」
モアナ「……ゴンベエはモアナの事が嫌いなんだ」
ダイル「おいおい、泣かすんじゃねえぞ」
ゴンベエ「お前、その手に乗ると思うなよ。アリーシャにスレイと共に行ってくれとの頼みをめんどくさいから断った」
モアナ「モアナの事が嫌いだから……ヒッグ、グス」
ダイル「おい、マジで泣いてるぞ」
ゴンベエ「落ち着け、オレ。泣いているからどうしたんだ?あのアバズレの様に本当はしたいけども必死になって我慢している苦難の表情は本当にエモいですね~と言えるぐらいにはならなければ」
ダイル「そんな女居るのか!?」
ゴンベエ「結構アレな性格の女だぞ。『私は正論をぶつけてぶん殴って笑顔を曇らせるのは大好きですけど、理不尽な暴力は大嫌いです!』と平然で言い切ってだな」
エレノア「貴方達、モアナになにをしてるのです!!」
ダイル「っげ、エレノア!」
モアナ「エレノア…ヒッグ……」
エレノア「もう大丈夫ですよ……さて、弁明はありますか?」
ダイル「いやいや、オレは悪くねえからな。ちょっとぐらいはつってんのに、こいつがケチるから」
ゴンベエ「それを言い出したら、モアナに適当な事を言ったエレノアが悪い!」
エレノア「な!なんで私が悪いことになるのですか!」
ゴンベエ「オレは狼男じゃねえ!あの姿は黄昏の勇者が呪われた時の姿だ!」
エレノア「勇者って、貴方が勇者とは思えません!」
ゴンベエ「このトライフォースが目に入らねえか!」
エレノア「なんですかその3つの三角は……金は趣味が悪いですよ?」
ゴンベエ「お前、コレ某宇宙海賊が探していた宇宙最大のお宝と同じ事が出来る代物だぞ」
エレノア「別に命が減るものでないなら、少しぐらいモアナの遊び相手になってもいいじゃありませんか」
ゴンベエ「お前な、ここ結構臭いんだぞ」
ダイル「なんだそりゃ……まぁ、潔く諦めてこっちに来いよ」
ゴンベエ「この野郎、人としての尊厳ぐらいは守れ」
ダイル「バッカ、お前。子供と遊ぶときはな、少しぐらい大人になるもんだろう」
ゴンベエ「……ああ、もう分かった。狼になってやるよ!」
モアナ「やった!」
ゴンベエ「ただし、お手とかボールを取りに行くとか一切しない!」
モアナ「え~」
ゴンベエ「代わりに背中に乗せて走ってやるよ……アメッカも一回しかやった事ないから、貴重だぞ」
モアナ「乗っていいの、わーい!」
エレノア「よかったですね、モアナ」
ゴンベエ「微笑むなバカ……ただモアナ、1つだけ1つだけ約束してくれ。オレは狼じゃない」
モアナ「え~ゴンベエは狼でしょ?」
ゴンベエ「狼に変身することが出来るお兄さん、ここ重要だ……分かったな?」
モアナ「うん!狼男のお兄さんだよね!」
ゴンベエ「っぐ……いや、まだ狼男だからセーフか……因みにエレノアは?」
モアナ「エレノアはお姉ちゃん!」
エレノア「あら、ありがとう」
モアナ「で、アイフリード海賊団の皆はお兄ちゃん!」
ダイル「モアナ……言ってくれるじゃねえか」
モアナ「あ、でもダイルはトカゲだからペットかな?」
ダイル「な!?」
ゴンベエ「しゃあ!自分だけ安全圏内に居ると思ったら大間違いだぞ!」
ダイル「るせぇ!!お前もオレと同じ枠に落ちろ!」
ゴンベエ「バカ言ってんじゃねえ。オレは狼男だ……ペットじゃねえ!!」
スキット ジ■リライドWithゴンベエ
ウルフゴンベエ「ワン!」
モアナ「次はあっちに行ってよ!」
ウルフゴンベエ「ワォーーン!」
ライフィセット「モアナと……狼になったゴンベエ?」
アリーシャ「色々とあって、モアナの遊び相手になってるみたいだ」
ライフィセット「そうなんだ……」
アリーシャ「乗ってみたいのか?」
ライフィセット「え?」
アリーシャ「ゴンベエに乗っているモアナを羨ましそうに見ていたぞ」
ライフィセット「えっと……ちょっと乗ってみたいかな。アメッカは乗ったことあるの?」
アリーシャ「あるにはあるが……危機的状況だったから乗り心地を堪能している暇なんて無かった。だが、馬より乗り心地はよかった」
ライフィセット「そうなんだ……頼んだら乗せてくれるかな?」
ウルフゴンベエ「クゥーーン……」
モアナ「ゴンベエが嫌だって」
ライフィセット「ええ!?ダメなの!」
ウルフゴンベエ「ワン!」
モアナ「ゴンベエはモアナのだから乗っちゃダメだよ!」
アリーシャ「そんな意地悪をせずに、少しぐらいライフィセットに乗せてはくれないか?」
ロクロウ「待ちな!」
アイゼン「話は聞かせてもらった……オレ達も乗せろ!」
ウルフゴンベエ「バウ!?」
ライフィセット「2人もゴンベエに乗りたいの?」
ロクロウ「やっぱ男なら狼に乗ってみたいって気持ちがあるんだ」
アリーシャ「狼に乗ってみたい?馬じゃダメなのか?」
アイゼン「確かに馬も悪くはない。悪くはないが、狼とどちらかと言えば断然狼だ」
ロクロウ「そうそう。こう、皮製の服を着てナイフを片手に狼に乗って颯爽と山や森を駆け抜けるのに男は憧れるものだ」
ライフィセット「ちょっと、分かるかも……」
ウルフゴンベエ「クゥーーン……」
アイゼン「そういうわけだ。ゴンベエ、お前の背に」
ゴンベエ(B)「却下!」
ライフィセット「!」
アリーシャ「ゴンベエ、分身をしていたのか?」
ゴンベエ(B)「バンエルティア号を弄るのとモアナと遊ぶのに数が居るから分身してんだよ。それよりも人の事を好き勝手言ってくれやがって。なにもう、既に乗る前提で言ってんだ」
ロクロウ「狼に乗って駆け抜けてみたいだろう」
ゴンベエ(B)「気持ちが分からないわけではない。けど、そういうのは狼に言うのであってオレに言うことじゃない」
ライフィセット「ダメ、かな」
ゴンベエ(B)「ダメ以前に、絵面を考えてみろ。大体
アイゼン「おい、やめろ」
ゴンベエ(B)「それにお前達を乗せれるかどうかも怪しい」
アリーシャ「モアナや私がいけるなら、ライフィセットは乗せれるんじゃないのか」
ゴンベエ(B)「乗せれない事は無いけど、ついさっきモアナがエレノアも一緒にって行ってエレノアを乗せた瞬間に限界が来た……」
ロクロウ「それはエレノアが悪いだろ、エレノアは尻が重そうだし」
ゴンベエ(B)「ロクロウとアイゼンは乗せることは無理だ。お前等、無駄にガタイが良いし……諦めろ」
アイゼン「……ッチ」
ライフィセット「乗れるなら、乗ってみたいな……」
ウルフゴンベエ「……ワフ」
モアナ「ゴンベエが乗っても良いって言ってるよ!」
ライフィセット「よし……わ、モコモコだ!」
アリーシャ「なら、私も一緒に」
ウルフゴンベエ「ワォオオオン!」
アイゼン「っく……狼に乗って駆け抜けていきやがった」
ロクロウ「羨ましいよな、アイツ等」
ゴンベエ(B)「むさ臭い男を乗せるよりはましか」
アイゼンの術技
グレートマックスなオレ(愚礼砥魔屈巣名俺)
説明
灼熱の熱風と激震する雷鳴で全てを貫く蹴り。
弱い犬はよく吠えるが、最高に強くなったオレは吠えて吠えて吠えまくる。地属性判定がついており、その名に相応しい圧倒的な威力を誇る。エクシリア2の様に技名をカスタムすることが出来て使い続けることにより改→真→爆→超に進化する。
アリーシャの術技
武神旋光破
説明
飛び上がって全力で叩きつけて切り払うとある極秘ミッションを受けて足軽に扮装した二等兵の技。
ベルベットが邪王炎殺黒龍波を覚えたときに授けられた。
爆炎槍
説明
爆炎を利用し急接近をして相手を斬りつけ、足から炎を噴出して元の位置に戻る火属性の技。
アリーシャは爆炎槍と言っているがブレイズランスと呼ぶのが正式名称だったりするマギルゥの時に教えられた技。
牙王霊閃槍
説明
霊力を纏った槍での無数の神速の突き。突きは何処までも延びていき、狙った獲物は絶対に逃さない奥義
アイゼンが技を授かった時に覚えた技。
エレノアの髪型
雲丹
説明
誤ってバッテリーに触れて感電してしまった結果、頭が爆発して雲丹のようになった。
必死になって髪の毛を整えようとしても電気の影響で雲丹の様にピンと延びてしまう。
100話になにを書く
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逃亡イクスくん(笑)(予告編)
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設定だけあるワールドトリガー
-
それよりも続きを書いて