アナザーライダーがいつ仕掛けてくるのかわからない。一度退こうにも背中を向けた瞬間に襲ってくる可能性があるためそれもできない。くっ、どうすればいいんだ。
「全部斬ればいいだけだ」
「なに言ってんの!?」
こんな数と同時に戦闘なんてしたら身がもたないよ。疲れた瞬間にトドメを刺される。完全に詰んでいるいまの状況をどうにかしようと考える。だが、なにをしても無意味では無いかと思ってしまう。タイムマジーンを呼ぼうにも相手がそれを待ってくれるはずがない。いったいどうすれば・・・・・
「おい」
「え?」
背後から声がしたから振り向く。そこにはアナザーライダーの大群しかいなかったが、同時にこちらに迫ってくる透明な壁が見えた。その壁に取り込まれたかと思うといつのまにかクジゴジ堂の中にいた。それに気付いたからおじさんに見つからないうちに変身を解除した。
「いまのは、いったい・・・」
「よう」
「門矢 司!?」
声をかけられて後ろを振り向くと、そこには門矢 司がいた。でも、なんでここにいるんだろう。
「門矢 司。この一件には手を出さないんじゃなかったのか?」
「まあな。だが、お前たちがあまりにも不甲斐なかったからつい手を出してしまった」
「なんだと?」
「ゲイツ、いまは堪えて。理由はなんであれ助けてくれたんだから」
正直、あのまま戦っても勝てる気はしなかった。どういうわけか、あのアナザーライダーは氷の分身を作れるみたいだからどれだけ戦ってもキリがない。
「そうだな。いまはそんなことよりも、そこのライダーに聞きたいことがあるんじゃないのか?」
「その通りだ。キミはなぜガイアメモリを所持しているんだ?それは仮面ライダーWが破壊したはずなのだが」
「そうだった・・・なんで将也はガイアメモリを持ってるの?」
仮面ライダーWが歴史を俺が受け継いだからガイアメモリは存在しないはずなのに。
「・・・・・W?まあいいか」
・・・気のせいか、将也は一瞬だけ眉をひそめた気がした。まあ気のせいだよね。
「これは、俺が昔もらったものだ。まあ改造して改悪はしたんだがな」
「改悪?」
「ああ、バケモノの姿にならないようにしてリミッターを外した」
なにしてんの・・・・・。
「ま、おかげでたった1回の使用でハイドープとかいうのになったみたいだがな」
うわ、またなんか新しい単語が出てきたよ。
「ハイドープってなに?」
「ガイアメモリ使用者の中でごく一部の人間がなることができるものだ。ハイドープとは人間の状態で超能力を使えるようになった人間のことさ」
「その通りだ。俺のハイドープ能力は『体時間の凍結』。このおかげで俺はいまも生きているんだ」
・・・どういうこと?
「ねぇ、ツクヨミはわかる?」
「ようするに、自分の体の成長を止めて老いなくして寿命では死なないようになったっていうことでしょ」
「なるほど・・・ところでツクヨミはなにを調べてるの?」
話しかける前から何か調べてるみたいだったけど、なにを調べているんだろう。
「今回は特別に力を貸してやる。あと、時間がないから1人だけだが援軍も連れてきてやる。感謝しろ」
「誰がするか」
援軍かぁ。誰が来るんだろう。
「だが1つ条件がある。・・・そこのライダー。オマエは自分の力を魔王に渡せ」
門矢 司は将也に指を指してそう言った。え?なんで?
「おいおい、なに言ってんだよ。俺はまだ戦え「オマエもわかっているんだろ?」・・・・」
え?なにこの空気。そんなことを考えていると隣に座っていたツクヨミが突然席から立ち上がった。
「あった!!」
「うわ!!ビックリした」
「どうかしたのかツクヨミ」
「何かわかったのかな」
「これを見て」
そう言いながらツクヨミは俺たちにパッドの画面を見せてきた。そこには目を疑う内容があった。
「『山間部で爆発。その近くで男性の免許証が見つかる。その免許証の持ち主は“谷倉 将也”という20代の男性であり、この爆発になんらかの形で関与した疑いが・・・』え?これって、将也の名前じゃ」
「1977年・・・この本にはライダーが存在しなかった時期だと記載されている」
あれ?もしこれが将也本人なら将也は過去の人?でもゲートが未来から連れてきたって言ったわけだし・・・あ、そっか。
「どういうことだ。この写真は1977年のものだ。だが、この時代にはガイアメモリは生まれていない。どういうことだ?」
「時を超えたんだよ。きっとね」
「ジオウ。なにをバカなことを言って」
「・・・そうだ」
「そうなのか!?」
ゲイツうるさい。
「・・・話してやるよ。俺が何者で、なんでこんな複雑な状況になっているのかをな」
そう言って将也は語りだした。