魔法戦記リリカルなのは ウォータイム 作:偽作者(ハザードフォーム)
「パパとママには内緒で来ちゃったけど••••でも••••••懐かしいな。」
アラタがキリエの頼みで共に散歩しに向かった頃、とある崖上では、誰かが立っていた。姿は暗くで見えないが、声からして、女性である。
「姉の私にも内緒で勝手に行くなんて酷いよ。帰って来る事が出来ないかもしれないのに••••」
それと、同時に綺麗な月の光がその者を照らす。そして、黒い誰なのか分からない人影は、月に照らされ、金色に輝く長いサイドポニーテールの白きバリアジャケットを覆う女性の姿になる。
「それじゃあ、ストラトスを探さないとね。見つけて、私に何も言わずに行った罰として、思いっきり、ぶっ飛ばさないとね。」
その女性はそう呟くと、崖から、飛び降り、何処かへと駆けて去って行った。
「なるほど、そうだったんですか。」
何処かにて、長いサイドポニーテールをなびかせ、白きバリアジャケットを覆う女性が崖から飛び降り、去って行った頃、クラインとジーク、ヴィクターはお互いの事を良く知るために話し合っていた。
「はい、兄さんに良く連れられて、インターミドルは良く見に行ってます。でも、そのチャンピオンのジークさんとその親友さんに会えるなんて、僕も凄く光栄です!」
クラインは笑顔を作りながらも、ジークとヴィクターを見て、答える。
「そうですか、それは良かったです。私達も貴方に会えて良かったです。(なるほど、この者もジークのファンだったのですね)」
ヴィクターは微笑みながらも答える。
「あの••••クライン、ちょっと聞きたい事があるんやけど•••••ええかな?」
ジークはクラインに聞きたい事があると質問をする。
「あ、はい、何でしょうか?ジークさん。」
クラインはジークの問いに答え、何なのかと問う。
「あれって、何や?」
ジークはとある方向を指差す。そこには西洋甲冑の腕の部位の部品が防弾ガラスの中に綺麗なマニア向けのコレクションのように飾ってあった。
「ああ、あれですか?あれは僕の兄さんの奥さんの義手のコピー物です。兄さんの奥さんは魔導事故で幼い頃に両腕を失っていて、ある親友から作られた義手をいつも付けてたんです。昔の僕はそれがかっこよく見えてて、兄さんと兄さんの奥さんにお願いして、同じ物を作って貰ったんです。あれは、唯一の兄さんと兄さんの奥さんとの思い出の品で、唯一の僕にとっての二人の形見なんです。」
クラインは過去の事を思い出しながらも、あの西洋甲冑の腕部位の形状をした義手のコピー物を見ながらも、二人に話す。
「そう、ですか•••••(何処かで見た事あるような気がしますが•••気のせいでしょうか?)」
ヴィクターはそう思いながらも、義手のコピー物だという物を見る。
「あ、そういえば、クラインの家族って何人なんや?」
ジークはクラインに自身の家族は何人なのかと問う。
「8人家族ですけど、今は母さんと父さん、剣兄さんと剣兄さんの奥さんがいないから、4人です、あのジークさんとヴィクターさんは?」
クラインはジークの問いに答えながらも、ジークとヴィクターは何人家族なのかと問う。
「うちは••••••「二人ですよ、ジーク。」えっ!?」
ジークが暗い顔をしながらも、答えようとするが、ヴィクターが二人だと答える。
「私がいるじゃないですか、ジーク。貴方は一人じゃありません。どんな時も頼ってください。」
ヴィクターは微笑みながらも、ジークに自身も貴方の家族だと答える。
「ヴィクター•••••」
「あれ?じゃあ、親子なんですか?何かヴィクターさんがはな「オカンじやありません!」ええっ!?そうなんですか!?じゃあ、えっと、姉妹?」
クラインは二人の関係について問う。
「はい、そんな感じです。」
ヴィクターは要約、納得する。
「そうですか、何か羨ましく思えます。二人共、凄く仲が良さそうだし、息が合ってるので、僕の兄さんはヲタクで、仕掛けた罠が凄すぎますし、姉さんは普通に働いてはいますが、カイザーアーツのあれとか、これとかで凄く厳しいし、シエルさんは凄く優しくて良いですけど、数学や理科とか、魔法の事になると、凄く厳しくなるんですよ。」
クラインは自身の家族の短所を言いながらも、ヴィクターとジークが羨ましいと話す。
「そうなのですか、でも、それは貴方の事を思っての行動ですから、あまり変に思わないでくださいね。」
ヴィクターはクラインに微笑みながらも、問う。
「あ、はい、分かりました。でも、二人はお似合いの姉妹だと思いますよ?」
すると、台所から、アレナとシエルが白いご飯の乗るおわんや、コロッケやトンカツ等のおかずを乗せたお盆を持ち、こっちに来て座りなさいっ!!と3人に向かって、言うと、テーブルに並べ始める。
「それじゃあ、行きましょう、ジークさん、ヴィクターさん。」
クラインは二人に微笑みながらも、言うと、立ち上がる。
「凄く良い匂いが••••」
ジークは匂いを嗅ぎながらも、匂いにつられ、テーブルへと向かって行く。
「ジーク、あまり困らせてはなりませんよ?」
ヴィクターは苦笑しながらも、テーブルへと歩いて行く。
そして、リビングへと向かって行った。
「月が綺麗だな、キリエ。」
ジーク、ヴィクターがクラインと共にアレナから夜食を食べて行きなさいと言われ、共に食べにリビングへと向かった頃、キリエとアラタはダックシャトルから少し離れた所にて、月を見ながらも、 アラタはキリエの乗る車椅子に乗り、散歩をしていた。
「そうね、アラタ、お姉さんも良いと思うわよ、ここの月は(いつも通りに接すれば、良いのよ、いつも通りにね)」
キリエはそう思いながらも、アラタにいつも通りに接する。
「ああ、でもいきなり散歩で月を見にってどうしたんだ?それなら、ダックシャトルからも見えるのに。」
アラタはキリエがいきなり月を見に行こうと言った事に疑問に思う。
「もう~単なるお姉さんが見たかっただけよ、ここって月が二つあるから、私も見たかったのよ。」
キリエは2つの月を見上げながらも、アラタに言う。
「そうか、なら良いが••••」
アラタは何となく、納得きながらも、車椅子を押して行く。
それと、同時に少しの沈黙が走る。そして、キリエが最初に口を開く。
「ねぇ••••アラタ。」
「うん?何だ?キリエ。」
アラタはキリエに呼ばれ、何なのかと問う。
「もしも、何だけど、もしもの話よ?本当だと信じ込まないでよ?もしも、私が••••私がLBXだったら、どうする?」
キリエはアラタに上空を見上げながらも、自分がLBXだったら、どうするかと問う。
「う~ん、そうだな、俺ならいつも通りに接するけど•••••」
アラタは首を傾げ、考えながらも、キリエの問いに答える。
「貴方達の敵なのに?」
「ああ、確かにLBXは敵だ。だけど、それはその力の使い方で違うと思うし、それに全員が敵とは限らないだろ?」
アラタは夜空を見上げながらも、LBXが全て敵ではないと答える。
「どうして、そんな事を言い切れるの?」
キリエはアラタに何故それを言い切れるのかを問う。
「•••••昔、ある人が言ってたんだ、「LBXなんて関係ない、俺は俺なりに一人の人間として生きる」ってね、本当に何をしているのか、分からない人だったよ。でも、その人もLBXだった、だけど、一人の人間として楽しみながらも生きてた。」
アラタは空を見上げながらも、過去に自身と出会った者が言った言葉とその者を思い出し、言う。
「そうなんだ、ねぇ、その人は今は生きてるの?」
キリエはアラタにその言葉を言った者は生きているのかを問う。
「ああ、今頃、普通の日常を過ごしてると思う。仲間と一緒にな。」
そして、アラタは夜空を見上げながらも、ここからは見える事のない管理外世界がある方向を見ながらも、言う。
「そう••••••」
キリエは何かを納得しながらも、クスッと少し微笑みながらも、答える。
「でさ、キリエ、何でそんな事、聞いて来るんだ?」
アラタはキリエに何故そんな事を聞くのかと問う。
「単に、映画に良くある、もしもの話を試したかったのよ~お姉さんもやってみたかったからね~。」
キリエはアラタに微笑みながらも、映画のもしも話を試してみたかったと答える。
「そうか、でもな。」
アラタはキリエの車椅子の横にあるベンチに座る。
「キリエはキリエだ、これだけは本心だ。キリエがLBXだろうと、俺にとってはキリエで、友達だ、例え、敵になったとしても、その時は俺が全力で連れ戻すから。」
アラタはニコッと笑いながらも、キリエにLBXでも、キリエはキリエだと言う。
「へ、へぇ~、良い事言うわね~(何よ!その笑顔、レッドカードよっ!)」
キリエは少し顔を赤くさせ、言う。
「うん?どうしたんだ?キリエ、顔が赤いぞ?」
アラタはキリエの顔が赤い事に気が付く。
「こ、これ?これはあの月があまりにもの綺麗だから、感激しちゃっただけよ。(か、顔が赤い!?前もそうだったのに、また攻められてるわけ?!それに、何で私は攻める方なのに顔を赤くしてるのよっ!)」
キリエはそう思いながらも、月を見ながらも、答える。
「そうか、あまり無理するなよ?キリエ、それにしても、月が満月なんだな、ここも••••ミッションのせいで今まであまり見てなかったからな。」
アラタはそう言いながらも、月を見上げる。
「そうね、綺麗ね~(それにしても、この子、純感すぎるわよっ、周りには大体が女の子で、毎日共に過ごしてるのに。何も思わないなんて、どうやったらこうなるのよっ!)」
キリエはそう思いながらも、月を見上げるアラタを見る。
(でも•••••今思ったら、この子も良い事言うわね•••••それに、姿が"あの人"と良く似てるし•••••というより、性格が全く一緒のような気がする••••••気のせいかしら••••?)
キリエはそう思いながらも、アラタを見る。
「あ、そういえば、束に呼ばれてたな。キリエの検査とか、何とかでって、キリエ、俺の顔に何か付いてるのか?」
アラタは束にキリエと共に来るようにと呼ばれていたのを思い出しながらも、キリエに問う。
「そうね~何も付いてないわよ、偶然に目が合っただけよ?そんなにお姉さんが気になるのかしら?」
キリエはアラタににやけながらも、問う。
「ああ、気になるよ、だってキリエにもしもの事があったら、キリエの家族が悲しむから、父親を助けるためにも、残りの家族を見つけるためにも、会う時まで健康でいないと、皆心配するだろ?」
アラタはキリエにニコッと笑顔で答える。
「そ、そう、行きましょうか、アラタ(何この子、こんな良い性格で今まで、彼女もいなかったわけ?戦ってたとはいえ、今まで女性といる事が多かったはずなのに?本当にどうやったら、何も感じないわけ?それに、この女の子と二人だけの空間でも何も感じないわけ!?)」
キリエはそう思いながらも、アラタに自分が乗る車椅子を押されながらも、ダックシャトルへと戻って行く道を辿って行った。
「「ご馳走様でした。」」
アラタが束に検査について、呼ばれたのを思い出し、キリエの同意後に共にダックシャトルへと戻って行った頃クライン、アレナ達はというと、夜食を食べ終えていた。
「凄く美味しかったです、シエルさん、アレナさん。」
ヴィクターはシエルとアレナに御礼を言う。
「うん、ありがとう、ヴィクター、料理はまだまだだけど、口にあって、良かった。」
シエルは微笑みながらも、ヴィクターにありがとうと言う。
「でも、本当に美味しかったです、シエルさん、アレナさん。」
「こんなに美味いのを食べたのは、ヴィクターの初めてあげたおにぎりと同じくらいやっ!!」
ヴィクターとジークはアレナとシエルに本当に美味しかったと答える。
「でも、これ、全部シエルが作ったのよ。私は単に指導して手伝っただけだから、御礼ならシエルに言って」
アレナは自身はシエルを手伝ったり、指導しただけだと答える。
「いえ、アレナさんよりかは、まだまだですよ。」
シエルは微笑みながらも、アレナよりかはまだまだだと答える。
「ねぇ、クライン、シエルさんの料理以上のアレナさんの料理ってどんな感じなんや?」
ジークは口をナフキンで拭うクラインに問う。
「そうですね••••僕にも表現できないほどですから、説明は出来ませんが、簡単に言うと、過去に父の知り合いのビジネスホテルのコックに呼ばれたくらいでしょうか?言うのを忘れていましたが、姉さんは資格を既に取ってますよ?他に。 色々取ってるんですが、どのくらいかは分かりませんけど••••」
クラインは自身の姉の料理がどのくらい美味なのかとどのくらい資格を取っているかを答える。
「そうなんや、一体どんなのやろう••••。」
ジークは目を輝かせながらも、アレナの料理がどういうのかを想像する。
「確かにこれ程美味であるのに、未だにまだまだとは、一体どのくらいなのでしょうか••••?」
ヴィクターもジークと同様にアレナの料理がどのくらいかを考える。
「あはは••••お母さん程じゃないけどね••••。」
アレナは苦笑しながらもジーク達の考えに答える。それと、同時にアレナは深呼吸をする。そして、口を開く。
「さっきはごめんなさい、ジーク。」
アレナはいきなりジークに謝る。
「えっ?どうして謝るんですか?」
ジークはいきなりの事に驚く。
「さっき、エレミアについて、話しちゃったでしょ?貴方の顔、エレミアの事を話すと、凄く辛そうな顔をしていたから、だから、ごめんなさい。」
アルナはジークに謝る。
「いえ、良いんです。だって、うちはうちだし、エレミアはエレミアやから。だから、うちはエレミアとして、生きるんじゃなくて、ジークエレミアという一人の人間として、生きるんです。」
ジークは自身はエレミアとしてではなく、ジークエレミアという一人の人間として、生きる事を話す。
「ジーク••••」
ヴィクターはジークの言葉に感動しながらも、小さく呟く。
「そう••••ありがとう。次に遊びに来た時、私ので良ければよいつでも作ってあげる、それと、いつでも、遊びに来て、雑用係のクラインが連れに行くから。」
アレナは次に来た時は料理をご馳走させると同時にクラインが連れに行くからと答える。そして、クラインは雑用係じゃありませんっ!姉さんっ!と叫ぶ。
「そうなんや、じゃあ、クライン、次に遊びに来て、ええかな?次は皆と一緒に来たいけど••••」
ジークは次に皆と来たいと答える。
「ええ、良いわよ、大歓迎するから、それと、クライン、何顔を赤くしてるのかな~?」
アレナはジークが皆と次に来るという答えに対し、大歓迎すると答えながらも、何故、顔を赤くしているのをクラインに問う。
「あ、い、いえ何でも「嘘ね~さっきジークの発言から顔を赤くしてたわよ~?」いえ!そんな事ありませんって!姉さん!」
アレナの言葉に対し、クラインは顔を赤くしながらも答える。そして、その横では、ジークがキョトンとした顔で顔を傾げる。
「へぇ、そうなんだ、でも襲っちゃ駄目よ?」
アレナはクラインに襲っては駄目だと言う。それに対しクラインは何ですか!!それ、僕が最初から襲う前提じゃないですかっ!!それに僕はそんな事しませんっ!と叫びながらも、答える。
「えっと、シエルさん、襲うって、一体誰をですか?」
ジークはシエルに対し、何を襲うのかを問う。
「えっと•••••それは••••禁則事項です。」
シエルは苦笑しながらも、ジークの問いに対し、答える。
「そうなんだ、えっと、じゃあ、ヴィクター、誰を襲うのか、分かる?」
ジークはヴィクターに誰を襲うのかを問う。
「さあ?それは私にも分かりませんが、何かをクラインは襲うのかと思います。」
ヴィクターは自分なりの考えをジークに言う。
「それじゃあ、二人共、家まで送るから、付いて来て、それにしても、お兄ちゃん、どんだけひきこもりってるのよ~」
アレナはそう思いながらも、ドアを開けると、ライディングソーサが停めてある偽装車庫へと向かう。
「それでは、行きましょう。ジークさん、ヴィクターさん。」
「はい、それと、今日は助けていただく序に料理を食べさせていただきありがとうございます。」
ヴィクターはクラインに御礼を言う。
「いえいえ、良いんです。僕もほって置けないですので••••それに、僕もお二方から沢山の楽しいお話を聞かせてもらったので、ギブアンドテイクですよ。」
クラインは微笑みながらも、答える。
「クライン、うちも今日は楽しかったで、それと助けてくれて、ありがとう。」
ジークはクラインに御礼を言う。
「い、いえ••••このくらいは大丈夫です。そ、それより、行きましょう!」
クラインが顔を赤くするのに対し、ジークとヴィクターがキョトンとした顔で首を傾げる。それに対し、クラインは直ぐに二人を押し、シエルに見送られながらもライディングソーサが停めてある偽装車庫へと向かって行った。
「うんうん!!明日くらいには完治するねよ!良かったね!キリエちゃん。」
「ギャハハハッ!!良いネェ~!この装備っ!!半端ネェなあ!」
クラインが二人をつれ、ライディングソーサの停めてある偽装車庫へと向かった頃、とある訓練所にて、ブルーグリフォン達が黒い何かの武器を持ち、叫んでいた。狙っているのは生体パーツとしては使えず不適合判断をされた人々、中には老人、妊婦、親子、恋人…無差別にまるで獲物を狩る練習をするように命を刈り取る彼等にまた一人、また一人と命を散らしていく
「ん??汚れちまったじゃねぇか………これだから人間を殺すのは面倒なんだよな……よしよく聞けお前ら!もし俺たちから三分逃げ、なおかつ触ることが出来たら自由にしてやる。さあ始めるぞ!」
有無をいわさず三機は逃げ惑う一人に近づくと迷いなくブレードを背中から胸へ突き刺す…声をあげる間もなくビクビクと体を揺らし絶命するのを見届け壁めがけ投げると嫌な音と共に潰れ壁一面が赤く染まるのを見て逃げ出す人々をまるで雑草を斬るように首をはね、頭からまっぷたつにし袈裟切り…蜘蛛の子を散らすように逃げまどう人々に容赦なく弾丸の雨を降らす二機……一方的な虐殺、彼らの異常なまでに歪んだ信念が垣間見える
「ふう、すっきりしたなあ。これだから人間を殺すのはやめられないなあ……キヒャハハハハハハハハ」
凶器に満ちた笑い声を響かせる彼らの周りには、沢山の人だったモノが散乱し、血とぶちまけられた臓物の濃厚な香りが充満している
「••••••これで良いだろ?瀬名アラタを倒すくらいならさ」
「ああ、良いぜ。このくらいなら充分だ。んじゃ隊長さんヨオ、俺達はここらで行くぜ」
新装備のテストに満足し上機嫌に鼻歌を歌いながらブルーグリフォン達は訓練所を去り辺りに散乱する人のなれの果てを眺めるガウンタ…赤い瞳が何かを捉えた
「あの、隊ち「お前は今日は先に行け、ここは俺が片付けよう。」あ、はいっ!ありがとうございますっ!」
そして、隣のガウンタグレイは駆けて行く。そして静かに暗がりへ向け声を投げかけた
「•••••おい、そこに居るだろ?」
…死体の山がかすかに動きその中から全身を血塗れに染まった服を着た少女…その瞳からは怯えと諦めにも似た感情が見えた
「•••••。」
紫のガウンタグレイは静かにその少女へと近付く。死を覚悟し目をつぶる、痛みの代わりに温もりを感じた少女は目をゆっくりと開く
「すまんな、俺達のせいで、お前の両親は皆••••••」
紫のガウンタグレイが腰をかがみながらも、少女を抱いていた。あまりのことに驚く少女をそのまま抱きかかえ立つと辺りを見回しながら落ちていた布をかぶせた
「管理局まで案内する。しばらくじっとしていてくれないか?」
紫のガウンタグレイは赤き瞳で、真っ赤に血で染まった少女に話しかける、普通なら逃げ出すはずだが、この少女は違っていた。
「ううん、私、お母さんとお父さんがいないの••••。」
「そうか••••だとしても、管理局に行くぞ。あそこがここより安全だ…」
そう告げると光学迷彩を起動させ、血の濃厚な香りと臓物塗れになった訓練所から何処かへと去って行った
「うんうん!!明日くらいには完治するねよ!良かったね!キリエちゃん。」
紫のガウンタグレイが少女を連れ、何処かへと去った頃、キリエ、アラタはキリエの検査結果を聞いていた。
キリエの超人的な回復力により、一周間は掛かるはずだった怪我は明日くらいには治るそうだ
「フフッ、ありがとう。でも、このキリエ様の回復力を甘く見ちゃ、駄目よ?」
キリエは微笑みながらも、束の検査結果に対し、答える。
「うんうん!!そうだね。私も驚きの結果だよ。それじゃあ、明日からは宜しくねっ!」
束はキリエに明日から宜しくと言う。それに対しキリエはええ、宜しくね、束と答える。
「うん?何をだ?束。」
アラタは二人のやり取りに首を傾げる。
「内緒だよ~!そうでしょ?キリエ~?」
「ええ、そうよ~、この私にも秘密は多いのよ~?」
キリエと束は二人で微笑みながらも、言う。それに対し、アラタは首を傾げながらも、どういう事だ?と疑問を抱く。
「それじゃあ、そろそろ、眠らせてあげてね?明日は直ぐに特務六課に行かないとね?」
そして、束は自身の部屋へと向かい、駆けて行く。
「フフッ、それじゃあ、行きましょうか?アラタ。」
「ああ、そうだな•••••。」
アラタは束とキリエのやり取りに疑問に思いながらも、キリエを医療室へと向かって車椅子を押し、歩いて行った。