やはり俺の隣の席に紙袋が居るのはまちがっている。 作:ト——フ
ネタが降ってきたんでダーッ!って殴り書きました。
多分原作読んでる人からは突っ込み所満載だと思います。
まぁですが、それでも良いよって方はどうか読んでやってくださいm(_ _)m
第1箱 「あれだろ?王蛇が格好いいって話だろ?」
最近、転校生が来た。
そいつは容姿が非常に端麗で正に絶世の美女と呼ぶに相応しく、お陰でクラスの奴らの騒ぎっぷりが凄かった。
まぁ、かくいう俺も見惚れてしまったから人のことは言えんが。
それからあいつを交えたクラスでの授業に移るんだが……一言で言うと優秀すぎた。
数学の時間では
先生に当てられた問題を、こともあろうか訳の分からん凡そ中学じゃ習わんだろうという公式で解きやがった。
勿論数学が苦手な俺からしたら、ちんぷんかんぷんであり「ほぇーすごい」という感想しか浮かばなかった訳で。
先生からしてもあいつが何をしているか分からなかったらしく、頬を引きつらせ「か、過程はともあれ正解でーす。はは、じゃあ名瀬さん座ってもいいよー」と困った顔で言っていたほど。
それからもあいつの異常なまでの優秀ぶりが続き、次第にあいつに近づく奴がいなくなり今ではいじめにまで発展してしまった。
いじめは次第にエスカレートして行き、
最後列のあいつの席と壁、黒板には「死ね」やら「帰れ」やら思いつく限りの罵倒雑言が落書きされ、席の周りにはゴミが投げ捨てられている。
いや、流石にやりすぎだろ……ってか教師は何してたんだよと呆れるが、学校側もあいつの扱いに手を焼いているのだろう。
なにせあいつは優秀なのだ。途轍もない、それは俺達とは違う次元のレベルの。
そんな生徒に学校側もなにかとどう扱えばいいか手を出しあぐねている。
そんな中、今日俺に担任の先生からクラスの人に提出されたノートを返すように頼まれた。
なんでぼっちで人との交流のない俺に頼むんですかね……。クラスの奴らの名前も席の場所も知らないんですが、と気分が沈むも、教卓に置いてある席ごとに名前が書いてある紙があるので、なんとか事なきを得た。
が、問題は件のあいつだ。
「名瀬夭歌」
異常なまでの迫害を受けている生徒。
一応、ノートを提出していたのか最後の一冊は彼女の分だ。
少し戸惑ってしまうが、先ず俺はあいつと話したことも無い。だから当然あいつのことを何も知らない。いじめられてるという情報だけで、彼女の人となりを決めつけて仕事を放棄し、ノートを返さないという訳にはいかない。
(まぁ基本クラスの大半の奴らとは話さないんだが)
……よし、行くか。
名瀬の席へと向かい、ノートを机に置く。
「……これ、返却されたノート。置いとくな」
「あ?……あぁそっか。そういや提出したっけな。にしても提出したっきり返ってこないのが殆どだから新鮮な気持ちだわ」
え、ヤバイどうしよう喋り掛けられた。
マズイ、今まで一言言ってノート置いて次の席へって感じでやってきたから対応に困る。
しかも普段学校であんま話さないから緊張する。
ま、まぁ、相手は美少女だが何故か紙袋を被っていて顔は見えない。
まだなんとかなる。多分。
「そ、そりゃ大変だにゃ……だな。いつも買い直してるのか?」
流石俺というべきか。案の定噛んでしまった。いやまぁ、ほら。俺って期待を裏切らないスタイルだから。
「まーな。にしてもお前噛んだだろ。何食わぬ顔でやり過ごそうとしてるけどよ」
「うっ……仕方ねぇだろ。俺はぼっちだから基本学校じゃ話すことも無いんだよ。慣れてないんだ」
「ぼっち……?あぁ……その目、成る程な」
「今何を納得したんですかね……」
「俺の目も死んでて大概だが、お前の目は死ぬを通り越して腐ってるからな」
俺以上に目がアレな奴は初めて見たぜと笑う目の前の紙袋。
そうですか、俺の腐った目でご機嫌が取れたなら結構なことですお嬢様…………くっ
「言っちゃったよこの人……人が気にしてることを……」
「それにしても……俺のノートは毎回返ってこねーんだよな。途中で捨てられるから。なんでお前はわざわざ律儀に返したんだ?下手したらお前までいじめられるぜ?」
「俺は専業主夫志望だが、一度受けた仕事は最後までやる。それに俺は言った通りぼっちだ。これ以上悪化しようが別に構わん」
「ふーん、成る程な。てかよー、んな堂々と専業主夫になりたいっていうかね普通。まぁだが、なんとなくお前の人となりが掴めてきたような気がするぜ」
えっ、これだけの会話で?何この子怖い。
ただ俺は自分の夢を語っただけなのに。
というかいいだろ専業主夫。
親父のような社畜になんて絶対になってたまるか。
「なんだよ、変わってる奴だとでも言いたいのか?
生憎俺は親父を見て働く意欲とか希望とかとうの昔に捨ててんだよ。絶対に俺は働かないぞ。志望する職場は自宅、ただ一つだ」
「目だけじゃなくて、考え方まで腐ってやがるとは……こんな変わった奴がいたなんてな」
「変わってて何が悪い。変わってる、強いては特殊な奴だと俺自身自覚しているが、英語でいえばスペシャルだぞ。なんか優れてるっぽく聞こえるだろ」
よって専業主夫を志望する俺は優れており、間違ってない。むしろ正しいまである、と屁理屈を捏ねる。
「どんな無理矢理な証明だよ。整合性もへったくれもねーぜ」
「……うっせ。とにかくノート置いとくからな。もう休み時間も終わるし戻るわ」
「あぁ」
(仕事とはいえ俺に近づいてくるとは変わった奴も居たもんだ。目も考えも常人のそれとは違うし、なによりあいつからは不幸な匂いもしやがる。少し注目しとくか)
それにしても、と
「久々に誰かと喋ったな」
ぽつりと心の内をこぼすのであった。
─
──
───
それからというもの、俺が名瀬と喋っているのを見た先生が何を勘違いしたか席を隣に固定しやがった。
どんな横暴なんだよ……。しかも返却物を返す係も俺に固定されたし仕事が増えるし……。もうやだ働きたくない一生家で小町にお世話になりたい。
そう思考に耽っていると、
「おいハッちゃん、昨日の仮面ライダー観たか?」
隣の名瀬が喋りかけて来た。
「ん?あぁ、なんだっけな……確かジオウだったか?新しく始まったやつ」
「おぉそーだ。この作品は過去のライダーも出るらしくてなー……」
それから名瀬による仮面ライダートークが炸裂し、時折相槌をうちながらも聞くことに。
プリキュアは毎週観てるんだがな…その後の仮面ライダーは観てなかったから名瀬に時折こうして色々と教えてもらってるわけだ。
〜〜回想〜〜
『あぁ!?てめェプリキュアは観といてその後のライダーは観ないで二度寝するとはどういう了見だ?』
『ヒッ!? い、いや小学生以来しばらく観てなかったら、ついていけないんじゃないかってな……』
『いいぜ……じゃあ俺が特別レッスンしてやる。放課後俺ん家に来いよ』
『は……?名瀬の家に?え、いや、あの俺今日の放課後はアレでアレがアレだからそのな……』
『お前がライダー観るんなら俺もプリキュア観てやっていいぜ』
『よし来た放課後よろしく頼む』
『そーいう変わり身の早いトコ嫌いじゃないぜ』
ニヤリ、と擬音が付くかのような表情を浮かべ言う。
紙袋なので見えないのだが。
という感じで今に至る。
「……い……おい……ハッちゃん聞いてるか?」
「ん、あ、あぁ。あれだろ?王蛇が格好いいって話だろ?」
「いや、まぁ同意見だが、今はその話じゃねぇよ。
全く……また考え事に耽って話聞いてなかっただろ?」
「……すまん」
「まぁ、今に始まったことじゃねぇし、ハッちゃんの癖の様なもんだからな。友達の俺は許してやるよ」
「そ、そうか……ありがとな」
そう、驚くことに俺に友達が出来たのだ。
名瀬と隣の席になり、色々と喋ってる内に。
年齢=友達居ない歴を貫いていた俺がまさかな……。
30歳までこの記録を更新し続け、魔法使いになるのかと思っていたが……。いや、違うか。童貞が魔法使いになるんだったな確か。じゃあぼっちは一体なんになるんだ?
童貞が魔法使いということは、ぼっちはライダーにでもなるのか?
なんだそれ、つまり名瀬はもうライダーにはなれん訳か。
だがしかし、残念だったな。対して俺はまだ魔法使いになれる可能性からプリキュアになれる確率も存在する。
憧れの存在になれるという可能性は俺の方に分がある。
ふっ、普段成績で負けっ放しの俺だが……負けてばかりじゃなかったようだな。
まぁ、そんな訳で名瀬と友達になるとはな……。
こんなことになるとは予想すらつかんかったが……まぁ、今の関係には満足している。
趣味も理解してくれるしな。
因みにハッちゃんというのは、お分かりだろうが俺のあだ名である。
〜〜回想〜〜
『なぁ、ハッちゃん。この本なんだがな……』
『ん?あぁ……って待て。なんだよハッちゃんって』
『ハッちゃんはハッちゃんだろーが。友達にあだ名付けて悪いか?』
『何処の優しい人造人間だよ……え?俺達って友達だったのか?友達居たことないから気づかんかった』
『一々自虐挟まねぇとならねぇのかハッちゃんは……。
まぁいい。学校で喋るし、放課後もつるんだりするだろ?なら、もう友達ってことでいーんじゃねーか?』
そうか、そう考えると……確かに友達っぽいな。
ふむ……。
『そ、そうか。じゃあそれでいい』
『おう。しかし、お互いに初めての友達か……。悪くねぇ響きだ』
『そうだな。まぁ、よろしく頼む』
正直、面と向かって友達だどーのと恥ずかしいが……、まぁ、こんなのも悪くないか、と温かい気持ちに浸っていると
『おう。けどそっかー、これで俺の処女とハッちゃんの童貞が同時に散ったって訳だなー。俺もう魔法使いになれないー。やーん運命的♡』
『ブッッ、あ゛う゛ッ、ゴホッッ!!お、お前何言っちゃってんの!?言い方!!』
『ハハッ、なんだよハッちゃん。軽いジョークってやつだろ?』
『全然軽くねぇよ……』
おい、なんか教室の人がこっち見てぶつぶつ言ってるんだが……絶対勘違いされてるじゃねぇか……。
「って言ってるそばから……。またなんか考えてんだろ?」
「はっ、あぁ、すまん。ついな……」
「いいけどよ。っと、そろそろ授業だな」
「1時間目は、くっ!数学……!!」
「んな親の仇を見るような目で教科書睨むなよ……。
また教えてやるからよ」
「すまん助かる」
そう、名瀬には数学を教えてもらっているのだ。
テスト前にはよく一緒に勉強会という名の家庭教師をやってもらっており、お陰で数学は赤点を無事回避出来ている。この前なんか50点を取れたくらいだ。
……天才の名瀬に教えてもらっていて50点かよと思うかもしれないが、俺の数学への理解は絶望的だ。
それこそ世界の修正力でも働いてんのかってくらい異常なまでに数学が分からない。
マジで俺が何したって言うんだ……。
そんなこんなで授業が終わり昼休みとなって昼食の時間に。
「おいハッちゃんよ。今日もパンとそのクソ甘いコーヒーか?」
「ん?あぁ、まぁな。なんだ、MAXコーヒーが欲しいのか?欲しいならやるぞ。いやむしろ貰ってくれ。一回飲むだけでいいから。試して合わなかったら返してくれていいからな。それに嵌ったら癖になるぞ。現に俺はなっちまって、こうやって定期的に摂取しないといけない身体になっちまったしな。まぁ、モノは試しってやつだ。この甘みの虜にきっとなる。それに普段から頭を使ってる名瀬には丁度いいと思ってたんだよな。という訳で遠慮しなくていいぞ」
千葉県民のソウルドリンクを広めるチャンスかと俺は念の為に持ってきている布教用のMAXコーヒーを名瀬にこれでもかと勧める。
「い、いや、いいわ……前に興味本位で飲んだけど俺には合わなかったからな」
(この必死さは流石に怖えーんだよな)
「む、そうか……。まぁ気が変わったら言ってくれ」
「了解だ。話は逸れたが、ハッちゃん今日もパンなんだな?」
「まぁ、この方が楽だしな。弁当は小町に負担が掛かるからアレだし……っておい、え?なに……?名瀬さん……?どうなされました……?」
「……ハッチゃんテメェーよぉ、ぼっちっつってたよなー?
それとも彼女はいるけど、友達がいないからぼっちですってか?まぁそれよりよー小町って何処のどいつだ?教えてくれよ」
紙袋越しにでも分かるこの威圧感……!!
ってか紙袋若干揺れてね?ゆらゆらと揺れてない?
名瀬の強烈な威圧に紙袋が取れそうになってる!?
こ、怖ェー!!!や、やばい……!
あいつの今の目ヤバイぞ!
いつもの目つきの悪さと今の闇を体現したかのような真っ黒な瞳に、俺の身体がガクガク震える。
MAXコーヒーを握っている手が震えて若干溢れてる……!!
「え、いや、えっと小町は俺の妹だ、です。はい……」
あまりの威圧に思わず敬語が出てしまった……。
俺の返答を聞くと、威圧感は無くなり
「そうか、妹ちゃんか。安心した」
「お、おう。そうなんだよ……」
「それよりハッチゃんよ」
「な、なんでしょう!?」
「そう身構えんなよ、悪かったって。それで要件なんだが……俺昼食の弁当は自分で作ってんだよ」
「そ、そうなのか。てっきり親に作って貰ってんのかと」
「……まぁ、俺一人暮らしだからな。それでよ、一人分の弁当も二人分のも手間があんまし変わらねーんだわ」
「まぁ、よく聞くな」
「でな、もし良かったらな。ハッチゃんの分も作ってやってきてもいいんだぜ?」
「いや、気持ちは嬉しいが……。なんか悪いから遠慮しとく」
「気にすんなって。ついでだからよ」
「いや、だけどな……ヒッ、いや……やっぱり名瀬の弁当食いたいからお願いしたいかなーって」
「仕方ねーなー。そこまで言うんだったら作ってきてやるよ。楽しみに待っとけ」
「お、おう。助かるわ」
まぁ、そんな感じがそんなわけでそんな風に俺と名瀬は友達となりスクールライフを共に歩むのであった。
という感じで久しぶりに名瀬師匠のこと思い出したら、あれヒッキーと絡ませたら面白そうじゃね?って思ったので書いちゃいました。
続きも書きたいんですけど、いかんせん原作持ってなくて情報が……。なんで、とりあえず原作買って読み進めてみて、ある程度彼女のキャラを掴んで、あの世界のことを理解したら続き書こうかなって思ってます。