やはり俺の隣の席に紙袋が居るのはまちがっている。 作:ト——フ
事故の怪我を無理矢理出力上げて治したこと(8話の名瀬ちゃんが言ってた急ピッチで進めた内の一つです)とかで、身体のだるさが今も付き纏ってるくらいなんで、本調子ではありません。
ということを念頭に入れて貰いつつ……14話です!どうぞ!
「じゃ、教室戻ろっか」
「〜〜〜ッッづ」
強引に彼女の肩に担きこまれる。此方を一切気遣わないような乱雑さで、自然と潰された脚が大きく揺れた。その所為かより一層痛みが走る。
「〜〜〜〜〜〜ッて゛……ぇな゛」
やられたままでは無性に悔しく、なんとか必死に絞り出した声だったのだが、対する彼女はさして気にする素振りすら無い。俺の言葉などどこ吹く風といった風に進んでいく。
と、その時
「513878!」
数字少女が直ぐさま駆け寄り、彼女(ややこしいから以下ぐる目少女)の顔面目掛け勢いよく鉄拳を放つ。
「おぉ……や、ごめんって。だって仕方ないでしょ」
が、難なくそれを躱す。続け様にふくれっ面を浮かべ尖らせた口からは、まるで友人に言い訳をするかの様に気軽な口ぶりで言葉を並べる。
「……ま、いいか。じゃ、
そう言うと、肩に担いだ俺を無造作に横に投げ捨てる。
「──ッッつっ」
コイツ、配慮ってもんをだな……っいや、螺子がぶっ飛んでる奴だし期待するだけ無駄かもしれんが、もうちょい丁寧に扱えよな……。人の脚容赦なく潰してくるような奴に言っても仕方ねぇだろうけど。
「さーて、このままじゃ私敗けそうだし……そろそろちゃんといくねっ?」
そう言うと、隣にある教室の窓を開け、何やらごそごそと手を動かす。何処に置いたか、これじゃないと呟きつつも、さながらドラ○もんの如く探し物を探す。
……ってか、なんであいつは教室にそんな私物?置いてんの?着てる制服からするに箱庭の人間じゃないし、全くもって謎なんだが……。
「私は誰かと闘る時は大抵徒手空拳だし、そっちの方が楽しいんだけどさー、今回は別みたいだねー」
そう言うと、探し物は見つかったのか手を止める。
よいしょ、と小さく呟き、ズルズルと何かを引っ張る音が聞こえる。
「武器を使わなきゃ私でもあなたには勝てないっぽいし、それに……」
窓の中に突っ込んでいた手を勢いよく引き、その手に持った得物の姿が露わになる。
「あなたは壊れにくそうだから……っ☆」
至極楽しそうな表情で言うが、反対に体の毛が逆立ってしまうような不気味な雰囲気も放っているので、此方としては恐怖しか感じない。
──そんな彼女自身から来る異常な雰囲気に気を取られていて、その手に持った真っ黒の、床に置くとその重量からなのか、ズシンと音のする、人にぶつけるには余りにも過ぎた物である、〝鉄球〟に意識が向いたのは、少ししてからだった。
「12、125732156!?」
「そうそう、今日の私の武器は鉄球なんだよね」
鉄球から伸びた鎖が繋がっている持ち手をゆらゆらと揺らし、見せつけるかの如くジャラジャラと音を立てて、そう答える。
「そんなことより……いくぜっ?」
その言葉を合図に、右手を振りかぶり数字少女へと勢いよく鉄球を投げ飛ばす。かなりのスピードが出ており、ぶつかると只では済まないだろうと俺でも分かる。
だがしかし、数字少女もスピードでは負けておらず難なくそれを躱す。飛ばされた鉄球は空を切り、そのまま突き進んでいく。
「まーだまだまだっ!」
が、ぐる目少女持ち前の怪力により直ぐ様引き戻し、再び鉄球での攻撃を仕掛ける。
「8!968078!」
「あなたが幾ら俊敏だからって!この速さで攻撃されちゃしんどいでしょっ!」
まるで数が増えたかのように見える程、高速で振り回される鉄球。そんな目にも止まらぬ攻撃に、数字少女も流石にキツそうなのか表情が強張ってきている。
疲れの様子を感じさせないぐる目少女に対し、凄まじい勢いとスピードで飛来してくる鉄球を見切り、避け続けている数字少女とでは、後者の方が分が悪い。
攻めに入ることも厳しいのか、避けることに徹するしか出来ない様子の数字少女。そんな様子を2分だろうか、それくらいの間見守っている内に、ふと表情に変化が出始めた。口を引き結び、若干目元を釣り上げ、何かを覚悟するような面構えに。すると──
「2、20223814!」
このままではジリ貧だと悟ったのか、意を決し、ダメージを敢えて受けることを覚悟で腹に鉄球を喰らい、ガッチリと逃がさないよう掴む。それにより、ぐる目少女の攻撃の波は止まった。
「おぉ凄いガッツ……にしてもっ!」
ぐいっと持ち手を引っ張るも、力は彼方の方が勝るのか、鉄球は返ってこない。
「ひゃ〜参ったね、ビクともしない」
「……66337345894989」
数字少女の雰囲気が、なにやらピリピリとしたものへと変化する。まるで背後に般若でも幻視してしまうような、そんな激しい怒りが伺え、傍観しているだけの俺でも冷や汗が止まらない。俯いている彼女の顔はきっと大変なことになっているに違いない。
「ん?」
「09997858733。54!」
そう言うと顔を上げ、怒りの形相を露わにする。
目は鋭く吊り上がり、威嚇するように噛み締めた歯をギリギリと鳴らしている。
……かなりご立腹のようだ。マジで怖ぇ……。
「9856357……08756845!!」
「──っ!つつっ、マジっ?」
そう言うと、鉄球を勢いよく引っ張りぐる目少女の手より持ち手が離れ、数字少女の元へ。
「987041555913!!2858……863256!!」
飛んで来た持ち手の部分をパシッと音を響かせ見事キャッチし、自分の手中へと収まったそれを相手へ向け、声高らかにそう宣言した。
作中の鉄球の種類はリボーンのランチアさんのようなものをイメージして頂ければ……m(_ _)m
〜〜〜雲仙冥加の数字言語〜〜〜
「……66337345894989(……私のアイデンティティを奪うとはいい度胸だ)」
「09997858733。54!(確かにお前も中々の腕前だ。だが!)」
「9856357……08756845!!(鉄球は私のもので私の十八番……私こそが鉄球使い!!」
「987041555913!!2858……863256!!(この作品に鉄球使いは二人も不要!!よって……お前を叩き潰す!!)」
雲仙姉の翻訳は都合上まだ本編では載せません。これは一応考えあってのことなんで、読みづらいかと思いますが、ご了承下さいませm(_ _)m
あと雲仙姉もっと強いんじゃねーの?って思われる方も居ると思いますが、本編の2年前ってことでどうか何卒。
最後に。八幡の出番が語り部のみの今回のお話。まぁ現段階じゃ前回も言いましたが、身体張ってサンドバッグになるくらいが関の山なんで、戦闘には一切関与出来ません。
それと、仮に自分に治癒能力が備わっていて、ちょっとやそっとで死なないと理解していて、治癒能力を駆使しての闘いもあると理解しているとします。ですが、凶器持って暴れてる人や、別次元の戦闘に遭遇して、その中に飛び込んでいける覚悟なんか普通に一般人してた八幡には無いと思うんですよね(まぁ八幡に限らず、過半数の人に無いと思うんですけど)
それでもなんとか、あの場でしっかりと考えを纏めて、自分の出来る限りのことで活路を開こうとしてただけでもホント凄いってレベルなので。(いやホント、仮に作者ならあんな状況下に立たされたら終始端っこで縮こまってることしか出来ないっすわ(-_-;))
犬を助ける為に動けたのだって、咄嗟のことで身体が動いてしまったというだけなので。だから、本当に危険な場面に立ち向かう時は、それなりに自分の中で覚悟が決まった時だろうと思います。
という様に、今回みたく、この作品の前半では戦闘面において八幡の活躍する場面は少ないかもです。
訓練とか積めば別かと思いますが、まぁそれでも一朝一夕で身につくものでもないですし、時間掛かるかもです。多分。
まぁいい加減な作者ですんで、考えが変わって八幡に血反吐吐くほど訓練して貰って、嫌でも強くなって貰う状況に追い込むとかあるかもしれませんが……。
といっても、八幡が無双するとかの展開だけは絶対にしないようにとは思ってます。出来る限り原作の人達の活躍を尊重しつつ、というのがベストなので。
というわけで!長くなりましたが、八幡の無双とか期待してる方がいらっしゃいましたらすみません!多分今回のようにそんな展開とはかけ離れることが多々あるかもです!という訳で、そんな方々にはブラウザバック推奨の作品になると思いますので、ご了承くださいませm(_ _)m