やはり俺の隣の席に紙袋が居るのはまちがっている。   作:ト——フ

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 誤字報告して下さる読者様には本当に頭が上がりません。いつもありがとうございますm(_ _)m
 そしてここまで作者の好き放題・やりたい放題に書いてきたフリーダムなこの作品に付き合って頂いた読者様、本当にありがとうございますm(_ _)m

 と、いきなり最終回っぽいこと言って、まだまだ終わる予定なんか無いんですけどね笑
 ただ、15話というキリの良い回まで迎えたので。ここで改まって読者様にお礼というか、日頃の感謝を伝えたくてですね。今回こういった形になりました。

 いやホント、自分本位にやりたい放題やってるこの作品を長い間読んで頂けて、評価して頂けたり、感想頂けたり、めちゃくちゃ嬉しくてですね。(ホントもう、なんか嬉しいとしか言えない……)

 という感じでですね!
 とにかく皆さまいつもありがとうございます!!
 これからも自由気ままに自分本位に書いていこうと思っているいい加減な作者ですが、よければ引き続き読んで頂けたら嬉しいですm(_ _)m

 それでは第16話です!楽しんで頂ければ幸いです!どうぞ!


(元々前回の15話のまえがきにこの上の文章を載せるつもりだったのに、全く気づかずに投稿してしまったなんて絶対に言えない……)



第16箱 「……ははマジかよ。」

「そか。じゃ」

 

 最後の言葉を言い終えたのか、目を瞑り、諦めたかのように力なく腰掛ける数字少女。その彼女の頭を粉砕すべく無慈悲にも鈍器が振り下ろされようとしていた。

 

 時間はない。余裕も。多少掠ってもいいから、だから、どうか間に合え……!

 

「──っ!」

 

 とにかく必死で駆け抜けて、ガムシャラに数字少女へと飛び出す。

 

「さよなら」

 

「──ッ、づッ」

 

 完全には間に合わず、自分の右肩にハンマーが掠ったが、それでもなんとか彼女に鈍器が直撃することはなかった。

 そして勢いがつき過ぎたのか、彼女を腕に抱えて、2回、3回と教室の中を転がっていく。

 

「〜〜〜〜ッ、痛っ」

 

 だんだんと速度も緩やかになり、ぴたっと止まる。

 腕の中に抱えた彼女を見やると、目を丸く口を半開きにして呆然としている。

 ま、今まで傍観に徹してた奴が急にこんなことしたら多少なりとも驚くだろう。自分でも驚いてるくらいだからな。

 

 そんなことよりもと、すぐ様視線をあの凶人へと戻す。

 

「──」

 

 見た感じでは、ハンマーを振り下ろした姿勢で静止しているように見える。だが、俯いた顔からは表情が伺えず何を考えているのかも計り知れない。

 いや、元々あいつの考えなど読めた気もしないけれども。

 それでも、今回は何故か、漠然と今までよりも嫌な気がするような……。

 

「君、動けたのか。や、そもそもさっき逃げようとして走ってたっけ。咄嗟のことだからそこまで気を回してなかったけど。なるほどそうか。回復系か」

 

 ギギギと、ゆっくりと身体を起こす。

 終始楽しそうにしていて、声音にもそれが表れていた彼女だが、今回はまるで感情の乗っていないかのような、冷たい声。

 

「や、まぁそんなのはどうでもいい」

 

 と、続け顔を上げてその表情を此方へと向ける。

 

「──ッ!」

 

 分かりやすい程に怒っていた。怒りというよりもはや憤怒というのが適切だろうか。

 

 殆ど笑顔を崩さずにいた彼女の豹変ぶりには、俺だけではなく傍らの数字少女も目を見開くほどに驚いている。

 温厚な人間を怒らせたらヤバイというが、彼女の琴線に触れてしまったのであろう俺の行為はきっと、自らに最悪の事態を招いてしまうのではないかと思った。

 

「まさか大好きな『戦い』を邪魔されるなんて……横槍入れてくるとかさ」

 

 眉間のシワを一層深く、鋭い目つきを更に鋭利にし、ダイレクトに、俺にのみ届くように強い感情をぶつけてくる。

 

「マジであり得えんわ。相当萎えたっつぅかさぁ、はぁ……ったく、あれやな。自分マジで面白い真似してくれたな」

 

 口調が変わった、というより方言?関西のか?あいつの素なん──ッ

 

「ブッッ!?──あ゛っ、ハッハァ、ゔッ、ェ」

 

 急に鳩尾に一発衝撃が走った。気づけば吹っ飛ばされていて、壁へと背中から強打していた。

 余りの素早さに咄嗟の対応が出来ずにモロに食らったせいか、口から血の塊が溢れ出る。

 

「取り敢えず君は私の地雷を踏みぬきやがりましたので、それなりの制裁を受けて頂きます」

 

 底冷えするような声で淡々と告げる。

 

「私が殺すまでは死なせない。……楽に死なさへんからな」

 

 最後に一言。

 憎悪が宿った目を俺に向け、そう告げた後姿が消える。

 

「あ゛ッ、っつ、は」

 

 するといつの間にやら横に移動してきており、俺の首を握りしめる。

 

「私としてもこんな真似は普段せんけどさ。私は『戦い』が出来ればいいだけで、弱いものいじめや痛ぶるとか興味ないし。ただ戦えたらいい。それが好きなんだから。

 だから、やりたいこと、好きなことの方優先する」

 

 此方の顔を覗き込むようにハッキリと伝えてくる。その瞳は怒りの所為か血走っていて赤く染まっており、正直恐ろしいことこの上ない。

 

 ギリギリと首を握り締める力が更に強くなる。

 

「──っぁ、か……あ゛」

 

「やけどさ、私の好きなことを邪魔する相手にはその限りじゃない。私の数少ない私を否定する人は徹底的に懲らしめる」

 

 そう言ってそのまま俺を投げ飛ばす。

 息を止められていた所為か、目がちかちかとして、見えるものがボヤけており自分の状況の判別が厳しい。

 

「──っぅぶッ」

 

 結局自分がどうなったか分かったのは黒板に背中から叩きつけられ、ずるずるとそこから落ちていくように沈んでいく最中のこと。

 鳩尾付近の痛みは消えていたのだが、新しく背中からの痛みが増えていた。

 

「ありゃ〜さっきの音は背骨いったんちゃう?どれどれ」

 

 そう言いながら傍らに置いてある武器をいくつか見繕ってから俺に近づいてくる。

 

「君の身体がどうなってるか気になるってのも本音やし、ちょっと触らせてもらうなー」

 

 そう言いながら俺の身体をペタペタと触り、背骨の部分でピタッと止まる。

 

「……マジか。もう治ってる。まだ1分も経ってないってゆうのに。いや、じゃあなんで肩の傷はまだ……」

 

 顎に手を当てブツブツと呟いている。

 やがて結論は出たのか、此方を見て

 

「あぁ、そーゆうこと。多分君のそれはまだ身体に馴染んでないってことかな。傷の治りが遅いとこもあれば早いとこもある。安定してないってことやんな?」

 

 すると立ち上がって此方を見下ろしながら

 

「まぁ死ににくいってことは変わらんし、じっくりと壊すとするな」

 

 そう言い手に持ったバットを振りかぶる。

 

「──っ!」

 

 なんとか横に飛ぶように転がり避けることが出来た。

 彼女が言った通り、背骨の傷は驚くことに治っており痛みは感じず、なんとか動くことが出来た。

 そして今の俺の状態といえば、ハンマーが掠った肩が少し痛む程度。脚も問題なく動く。

 ここからどうするかだ。

 

「ふぅ……」

 

 落ち着け。正直目の前の凶人が怖すぎて膝がガタガタ震えているが、心だけは冷静になれ。

 この際恐怖してしまうのは仕方がない。割り切ろう。

 身体がぶるってしまうのも当然の反応だ。大丈夫。

 問題は目の前の奴をどうするかだ。いや、どうにかしてことを収めるか、なのか。理想は数字少女と共に此処から離れること。なら、どうすればいいか。

 

「なぁ、なんでそこまで戦いに拘るんだ?」

 

 解決策がそう直ぐに思いつく筈もなく、取り敢えずは時間稼ぎといきたいが……果たして彼女が会話に乗ってくれるものか……

 

「なんでって?さっき言ったやん。私の数少ない私だからやって」

 

 私の数少ない私?

 戦うことが、彼女の中では数少ない何かの内の一つってことか?分からん。情報が少なすぎる。

 

「……その私ってのはあれか?お前の存在を確立する為に必要なピースって所か?」

 

「ん〜〜、まぁ惜しいかもなぁ。……ほんまやったらぶち殺したい君のことなんか無視して攻撃してるとこやけど。まぁお約束の冥土の土産ってのもあるし。しゃーないから話す」

 

 誠に遺憾だがという表情で、それでもポツリポツリと此方に語り始めた。

 

「私の数少ない私ってのは、要は私の数少ない好きなコト。私はね、何が好きで何が嫌いなのか自分でもよく分からんのよ。そしてそれは私のスキルの所為なんやろうけど、話が長くなるから簡潔に纏めると、望まないものが寄ってきちゃうんよね。子供の頃の能力は」

 

 ……なんの利点も無いようなソレに言葉も出ない。

 それは最早スキル、なんて呼べないのではないのだろうか。スキルなんていうものは大抵、それなりのリスクが伴うとしても、それでも利点はある。

 だが彼女の場合だと、ただ自分の望まないもの、要は嫌いなものが寄ってくる。

 なんだそれは。ピーキーなんてレベルじゃない。

 なんの利点も無い。そんなもの、ただのマイナスでしかなく、持っていったって何の得にもなりはしない。

 

「まーそんな能力やし?当然精神面は歪むよなぁ。気づいたら自分が自分でも分からんくなっててね。で、そんな私でも。それでも、戦いは好きって強く自分の中にあってね」

 

 だから、と彼女は目を鋭く尖らせて

 

「戦いってのは私の中で凄く大切なことって訳。んじゃ、必要最低限のことは話したしもういいやろ?」

 

「待っ──」

 

 今度こそ確実にと、肩をバットで強打され思わず息が止まる。

 その激痛から、肩を抱えたまま肩膝をついてしまった。

 

「──っハ、あ、っ」

 

「君が何言おうが響かんよ。話はお終い」

 

 再び俺の鳩尾目掛けて蹴りを入れ、吹き飛ばす。

 

「ガッッ、ふ、ゔ」

 

 何回か激しく転がり、やがて勢いが収まる。

 身体はボロボロで死にそうなくらい辛いけれど、えづきながらもなんとか立ち上がり、顔を上げる。

 言葉通り、もう喋ることなどないと、聞く耳を持たないとそんな様子の彼女が近づい来る。

 この分では、話し合いで丸く収めるなんて無理そうだ。

 何が何でも俺を潰し、それから数字少女に手をかけるのが見えている。

 

「……もう、悪足掻きするくらいしかねぇなぁ」

 

 一分一秒でも長引かせる。

 みっともなく逃げ続け、運良く誰かが来てくれるのを期待して、ひたすらに時間を稼ぐ。

 不確定要素に頼ることしか出来ないのは心苦しいが、やるしかない。

 あんな圧倒的強者に俺みたいな底辺の弱者がなんとかできる見込みは残念だが、今回は有りもしない。

 

 腹を括って俺は可能な限り、その身が持つまで逃げ続けた。

 

 ─

 ──

 ───

 

「中々しぶといねぇ君。痛ぶっても何やってもいずれ回復するんやもん。まぁそれでも、無尽蔵ってわけじゃなくて限りはあるみたいやね」

 

「ハッ、ハッ……ちっ」

 

 あれから2分ほどは稼いだが、相手の攻撃の波に押され何度も身体が壊れていく内に恐らくスタミナ切れを起こしている。現に何箇所かは先程から治癒の兆しもなく、今や俺のこの体質も意味を成さなくなってるだろう。

 ……年貢の納め時かもしれん。

 

 教室の扉付近の壁に背中をもたれかけている俺に、じりじりと詰め寄ってくる。

 その手に持つはロングソード。あんな物で両断されれば確実に即死だろう。

 ……結局、なんも出来なかったみたいだな。

 数字少女を逃がしてやることでさえ叶わなかった。

 ご都合主義など起こる筈も無く、いいように傷つけられて結果がこの様だ。

 

「……最後になんか言うことある?」

 

「……」

 

「なんもないか。んじゃ、さよなら」

 

 俺の首を狩るように、ロングソードが振るわれる。

 あぁ終わったな。出来れば痛みも無く即死だったらいいんだが、どうだろうな。せめて最後くらいは運が俺に味方してくれねぇかな。あぁ小町、親父、母ちゃん、名瀬。悪いけど、先逝く──

 

 目を瞑り、その瞬間を待っていた。

 だが、いつまで待とうともそれは訪れない。

 一体何がと思い、恐る恐るゆっくりと目を開けると──

 

「教室の至る所が破損してるとか、死にかけてる奴がいるとか、色々突っ込みたい部分はあるけどよ。今はこの度の過ぎた喧嘩を止めさせてもらう」

 

 そこには巨漢としか言い表すことが出来ない程の巨大で、強大な強さが溢れ出る、あまりにも圧倒的な強さを感じ思わず目を逸らしたくなってしまうような男が、俺の前に立ち、ロングソードを握り潰す姿があった。

 

「……ははマジかよ。ヒーローっつっても遅すぎだろ」

 

「お、まだ喋れるみたいだな。あと俺はヒーローって柄でもねぇよ。まぁ敢えて言うなら──」

 

 苦笑しながらも、その男は言葉を続ける。

 

「生徒会所属 日之影 空洞だ。多分忘れるだろうが覚えて帰ってくれ」

 

 この男ならば後は任せられる。そんな絶対的な頼もしさを感じ、俺はそのまま意識を手離した。

 




 一人で軍隊とやり合える最強の漢
 推参……!!
 もう安心だねこれ。勝ったわ。皆さんゆっくり風呂入って来て大丈夫ですよ!

 まぁ、そんな訳で彼の登場です。
 何故駆けつけてきたのかっていうと、1つ目は和ちゃんのスキルで異常を持ってる人が呼び寄せられやすかったって状況だから。2つ目は生徒会の仕事をしてる時に、1年13組、つまり自分のクラスから激しい物音がしたので見に来た。
 そんな感じです。雲仙姉と和ちゃんの戦闘開始から、この話の最後までの時間は案外それ程経ってる訳ではないということもあり、こんなギリギリの登場をしたのは仕方ないってことで。


 それと、今更ですけども、和ちゃんの容姿は『神様家族』っていう作品の登場人物である小森 久美子っていう女の子をイメージとしてます。気になった方は調べて頂ければ……(特にDVD2巻の表紙になってる彼女が作者は好き)
 っていっても『神様家族』分かる人いるのかなぁ……なんせアニメやってたの2006年だし……。まぁ、ともあれすっごく心温まる話なんでオススメです!主人公とヒロインの恋愛ストーリーがとっても尊いのです。(因みに作者はアニメしか観ておらず小説に触れてません……)

 それにしても今回、作者は関西人なので台詞書くの楽でした。いつも書いた台詞が方言になってないかチェックして台詞を標準語に戻したりしてるので。それが無い分伸び伸びと自然に書けて楽でした!まぁ小説書いてる内にだんだんと慣れていって最近はマシなんですけどもね。

 あと関西の人でもコテコテの喋り方はあんまりしないんですよね。(少なくとも作者の住んでる所では)あきまへんとか、ホンマかいなとか、ごっついとか、あまり使いませんねぇ。冗談で使ったり、お年を召した方とかが使ってたりするくらい?まぁ人それぞれだし、地域とかによって違いはあるんで一概には言えないと思いますが。

 という訳で和ちゃんの関西弁はなるべく作者なりの自然さで書いていこうかなと思います。方言が出る時は今のところ怒ったときだけって設定です。後々変わっていくかもしれませんが。

 え?なんで関西弁キャラにしたか?
 色々理由はありますけど、1つはめだ箱のあるキャラと絡めるから。2つ目は、ただ単に初めて作ったオリキャラに愛着が湧いて自分の使ってる方言使って欲しかったから。3つ目は、学校のイベントで遠出する時(関西に訪れると仮定して)自然に道案内とか出来るし、出番も増やしてあげれそうだと思ったから。4つ目は上述した小森 久美子(和ちゃんのイメージ元)が大坂の学校に転校した(実際はしてない。多分。wikiにそう書いてた)という話があったから。

 と、まぁそんな感じで。いつも通りの作者の願望が多分に入ってますが、どうかよろしくですm(_ _)m


 ……ほんと余談なんですが、「ほる」という言葉が『捨てる』っていう意味の共通語じゃないと最近知って驚愕しました……関西だけなんだ……。なるほど。だから偶にレジで「レシートほっといて貰っていいですか?」って言ったらポカンとされるのか……気つけなきゃ。
 ちなみに友人にこの話したら「え、今更!?」って言われて呆れられたのが最近の思い出……。
 とまぁ、そんな抜けてる部分のある作者ですけれども、今後ともよろしくですm(_ _)m
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