やはり俺の隣の席に紙袋が居るのはまちがっている。 作:ト——フ
長らく続いた雲仙姉との絡みも一旦ここで一区切り!話数も丁度いいかなーって思いましたんで。
まぁ一区切りってだけで多分また近いうちに登場するかもですけどね笑 いい加減な作者なんで前言撤回して話が進む可能性アリアリですし、基本書きたいこと書く為ならなんでもするので(メインヒロインを14話も放置してることから察してる方もいらっしゃると思いますが)。
なんで、そこら辺はご了承の上この作品見ていて頂ければなーと思います!
って訳で23話!『ま行くけどよ』です!どぞー!
「66……2627538(ふふ……壁紙にしよ)」
ほくほくと自分の携帯をまじまじと見ている雲仙だが、俺の表情かなり間抜け面晒してたと思うんだが……いいのか?
「……56(ふふ)」
まぁ本人は満足そうにしてるからいいか。
さて……んじゃそろそろ
「んじゃ、やることもやったし……じゃあな」
電車も丁度着いた頃なので別れの挨拶を先に切り出す。
そのまま踵を返し改札へと向かおうとすると、くいくいと袖を軽く引っ張られたので、半身だけ振り返ることに。
「10、39381745(うん、それじゃあ またね)」
微笑みを携えてそう言い、軽く胸のあたりで手を振った後袖を離し、タタッと小走りに去って行った。
─
──
───
「ふー……」
電車には無事乗ることが出来、丁度椅子がまばらに空いていたこともあり端っこの方に座ることに。
背もたれにもたれ掛け座っていると、自然と小さくため息とも取れるような、長い吐息が漏れていた。
それにしても長い一日だった。
学校の施設に目を丸くし、事件に巻き込まれ、大怪我を負い、数字しか話さない雲仙には何故か懐かれ、ちょっとした知り合いも出来た。
改めて振り返ってみると密度の濃さに再びため息が漏れる。
本当に色々とありすぎた。1年分くらいの遭遇するであろうイベントが一気に今日に詰め込まれてんじゃないかと思える程密度の高すぎる一日に、またまたため息が漏れる。
はぁ……疲れたな。それに比例するように腹も空いて仕方が無いし……。
そんなことを思いながら携帯をチェックしていると、メールが一つ入ってるのに気づく。
密林さんからだろうかと思い開いてみると、小町からのようで、簡潔に纏めると、早めに帰ってくるって言ってたけど何かあったの? 晩御飯はどうするの? という感じ。
あぁそうか。なんか何時間前かに、朧げだが小町を見た気がしたが、あれは気のせいか。
まぁいい。晩飯か……。なんかこう、今日は凄く疲れたからガッツリ食いたいな。外食にしようか。
そうと決まれば小町にメールで連絡。
『連絡入れるの遅れて悪い……。晩飯は外で食べてく』
こんな感じでいいだろうか。迷惑かけただろうし連絡遅れたこと明日にも謝っとかねぇとな。
っと、返信来たな、相変わらず早い。
『了解。夜も遅いし気をつけてね』
こういうさり気ない心遣いが身に沁みるんだよな。
流石小町、メールでも癒してくれるとは。ふふ……。
まぁ多分心の中でポイントが〜とか思ってそうだが、そこも含めて可愛い。ふふふ……
やはり俺の妹がこんなに可愛いのはまちがっていない。
──っと危ねぇ、まだ電車に乗ってんだったわ。思いっきりニヤケ面晒してたかもしれん。
取り敢えず誤魔化せるか分からんが最寄りまでは目を瞑っとこう。
─
──
───
「……ん」
いつのまにか眠ってしまっていたらしい。まぁ疲れてたからな。 是非もないよネ!
目を少し擦り、現在地を把握しようと上を向くと
「ッ!」
最寄り! パパッと鞄片手に電車から飛び出して行く。
「っぶねぇ……」
こ、今回は間に合ったが危なかった……。普段電車通勤とかで慣れているなら目的地毎に勝手に目を覚ますらしいが(親父談)、生憎中学も自転車通勤で頻繁に電車を使う機会も無い俺にとっては無縁な話だ。本当にギリギリだった……。
箱庭に通っているかもしれない未来の俺はどうなんだろうか。そんなことを考えながら、慌てて飛び出したことによりドクンドクンと鳴り響く動悸を抑えるためゆっくりと歩いて行き、改札を抜け、少しした所で止まる。
さて、本当は電車の中で決める予定だったが寝てしまったため未だ決まっていない今日の晩御飯。何処に行こうかね。 ガッツリ食いたいから……ラーメンか、と思ったがそういえば昼食に食ったっけなと思いとどまる。
なら……我らがサイゼリヤしかないな。
よし、そうと決まれば出発だな。駐輪場の自転車を取りに行き、確認のため一度財布の中身をチェック。よし、問題ない。
さて、んじゃ向かうか。
なんせとんでもなく腹が減ってるから早く食べたくて仕方がない。多分これも名瀬が言ってた改造の件が関係して………………って待てよ。
名瀬といえばアレだな。今日のこと報告しなきゃ駄目なんじゃ……。
多分腹減ってんのだって脚潰されたり、大怪我治す為にカロリー使ったからなのかもしらんし、それに、改造手術したのなんてつい先週のことだ。なにかあるかもしれないし早めに連絡した方がいいな……と思ったが、多分長引くかもしれないよな。そうしてたら晩飯食い逃すかも……いや、そうなっても此方の都合だし仕方が無いと言えるんだが……ぐぬぬ。
サイゼを取るか、報告することを取るかで暫し逡巡する。
いやまぁ、迷わずアイツに報告しなきゃならんとは分かってはいるが……どうしても面倒くさいと頭にチラつく。自分でもどうしようもない奴だとは思う。
と、そんなことで悩んでいると、ふと思う。
報告も大切だけど、単純に今日のことを話したいと。
食堂のこととか、動物のこととか。料理をつつきつつ、アイツと喋りたい。
……晩飯、誘ってみようか……。携帯に表示された電話アイコンを押し、連絡先を開く。名瀬夭歌の表示を押し、通話ボタンに手を掛け、ようとしたが、止まる。
よく考えたら、既に時刻は8時。一緒に行くとしても8時半頃にしか店に入れないだろう。いや、女の子は準備に時間が、って小町も言ってた気がするし、もっと遅くなるかもだ。
そして俺たちはまだ子供。夜の10時には店を追い出されるので、実質1時間程しか滞在出来ない。
それと単純にこんな夜遅い時間に誘うのも非常識だろうし。
いや、ってかまず俺から誘うってこと自体が初めてでなんか緊張するっていうか、友達を遊びに誘うのって久しぶりすぎてどうしよう、というか迷惑だよなってかヤバイ頭混乱してきた。
こんな時間に、と迷惑なんじゃ、と色んな思いが頭を駆け巡っていく。
……やっぱり止めとくかな、と思い始めたその時、思いもよらず通話ボタンに手を掛けてしまっていた。……やっちまった。って冷静にしてる場合じゃなくて!?ヤバイどうするもう少し頭ん中冷やしてから連絡入れようとしてたからパニックだヤバイ!!
纏まらない思考のまま、あわあわしていると、呼び出しのコール音が止まる。──ッッ!!
『もしもし』
「お、おう」
『おー、どーしたこんな時間に珍しい』
「ん、あぁ。夜分遅くに悪い……」
『別にいいけど。んで、ハッちゃんがわざわざ電話してくるくらいだから、なんかあったんじゃねーの?どうかしたか?』
「えっと、な。その……こんな時間に何言ってんだってなると思うが……今から俺、外食行こうとしてんだけどな、よかったら名瀬もどうかなって、思って電話掛けた次第なんだが……どうだろう?」
『……もう8時だぜー?誘うの遅すぎんだろー』
若干呆れたような、そして少し笑みが混じった声音の台詞が返ってくる。
「はは、だよな。悪い。で、話なんだが『ま行くけどよ』え?え、いいのか?」
『おーオッケーオッケー。話もそこで聞く』
「マジか……じゃ、じゃあ取り敢えず今から名瀬ん家向かうわ。今駅だから、15分後くらいに着く。あっ、と……別に急いでないから。準備とかゆっくりでいいからな」
『はいよー』
「じゃ、また後で」
『おーんじゃ』
な、なんとかなった……っ、しかし緊張した……けど、誘えてよかったっていう達成感が凄いし、なんか嬉しいな。
「──っ、ふ──……」
まだまだ、友達に電話を掛けるのさえこの様だ。まぁしかし、こういった経験を積んでこない人生だった為仕方の無いことではある。
だからこれから、ゆっくりでいいからこういうのにも慣れていければな。
次回
EPISODE 24 正妻 (クウガ次回予告感)
ちなみに 本日の雲仙家の一幕
「4417(ただいま)」
「18ー514801445(おー姉ちゃん遅かったな)」
「10、4294141(うん、ところで弟よ)」
「51?892248?(ん? なんだ姉ちゃん?)」
「52159555(お前にお兄ちゃんが出来たぞ)」
「7、73251480!? 65156211!? (ま、まさか姉ちゃん!? 男が出来たのか!?)」
「86、44566(いや、お兄ちゃんだ)」
「5(え?)」
「921、043502130151480024894291715102130(だから、私にお兄ちゃんが出来たからお前のお兄ちゃんも出来たんだ)」
「…………は?」