やはり俺の隣の席に紙袋が居るのはまちがっている。   作:ト——フ

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本文の前に1つ報告をば……。
予想以上に反響があってビックリしてます((((;゚Д゚))))
皆名瀬ちゃんが好きなんだなってよく分かりました。
同士がこんなにもたくさん居て私は嬉しい……(長髪赤髪騎士)

えっと、ですけどね、楽しみにして下さってる読者様には申し訳ないんですが、作者は何分いい加減な性格でして、どんなことよりも自分を優先するアレな性格で完全に自分本位な奴です。
ですので、更新が半年後だったり、逆に週一だったりと、安定しないかもです。
こんなどうしようもない野郎で申し訳ありませんが、どうかご了承下さいませm(_ _)m

では第3話です!
湯船に浸かってボーッとしてたら、ネタが浮かんだんで書きました!
よければ読んでやってください!


第3箱 「それも礼儀だよな」

「おーしお昼休みだ。って訳でハッちゃん、今日の分の弁当な」

 

「ん、サンキュな。そうだ……名瀬、手出して貰っていいか?」

 

「なんだ?まぁいいけどよ」

 

 ちゃりん、と名瀬の手にお金を置く。

 

「日頃俺が昼飯用にと、母ちゃんから貰ってる金だ」

 

「いや……いいよこんなもん。俺金なら困ってねーし」

 

「悪いな……生憎、俺は養われる気はあるが、施しを受ける気はない。よって、弁当分の金は払わさせてくれ」

 

「また変な信条が出やがったな……律儀っつーかなんというか。まぁ、こんな時のハッちゃん頑固だからな。仕方ねぇ、それが気掛かりってんなら受け取っておくよ」

 

「おう」

 

「んじゃ食べよーぜ」

 

 ─

 ──

 ───

 

 弁当を食べている最中、ふと名瀬が口を開く。

 

「そーいやよー、明日午前授業だよなー」

 

「そういえばそうだな。職員会議で早く終わるんだったか」

 

 そう、明日は午前授業で早く帰れるのだ。

 なんと素晴らしいことだろう。

 一日全休というのも有り難みはあるのだが、俺は午前授業も好きだ。

 何時もとは違い、昼まで我慢すれば帰れると思うと、頑張れるし気分も上がる。

 それとよく分からんがとにかくワクワクする。

 

 さらに加えて明日は金曜日ときた。つまり三連休だ。

 もう何も言うまい。勝ったな。

 

 だが、さらにさらにと加えると、どうやら小町の通ってる中学でも同じらしい。

 昼まで頑張れば直ぐに小町の下へと帰れる……明日の俺は無敵と言ってもいいだろう。

 

 撮り溜めてたアニメの一気見でもするかな、と予定を立てていると

 

「明日さハッちゃんの家行っていいか?」

 

「……なんで?」

 

「だって午前授業の日だろ?明日は生憎早く帰ってもやることなくてなー。暇だから遊ぼうぜ」

 

「遊ぶ……か」

 

『友達と遊ぶ』

 それは非常に広義的な意味を持つ言葉だ。

 例えば小学生なら、公園でサッカーなどして駆け回ったり、意味もなく砂場で綺麗な泥団子を作ったり、友達の家に行きゲームをしたり、プール行ったり、ポケモ○の映画観に行ったり、様々な意味を孕んでいる。

 そうやって暇な時間を潰すべく、取り敢えず何かしら遊びたいという理由で、案外それ程まで仲良くない者とでも遊んだりするものだ。

 

 しかし、ある時期を境に遊ぶ友達を選抜し始める。

 各々の中でのふるいにかけられ厳選されたメンバー同士で遊ぶようになるものだ。

 仮に気に入らない奴がいれば、予定を改める振りをして裏で新しいLI○Eグループを作り、そいつを排除した遊びの計画が立てられる。

 

 かくいう俺もそんな例に漏れず、ふるいにかけられて排斥された内の一人である。

 小学生までは何かと、まぁ偶には遊びに誘われたりしていたのだが、今ではそんなことは全くない。

 お陰で年がら年中オールフリーだ。

 まぁ、一人が嫌って訳じゃないんだがな。

 むしろ好きだし。

 

 そして、現在。

 まさか遊びに誘われることになろうとは……。

 マジで一体何年振りのことだろうか。

 

「……そうだな、明日はアレで」

 

「アレがアレだからって訳だな。じゃあ何時にするよ?直で行っても大丈夫か?」

 

 先を読まれた……だと。

 コイツ……俺の扱いに慣れてきやがったな。

 

「……構わんよ、うん。それで」

 

「よし、んじゃ明日はよろしくな」

 

 そうして、明日の予定は決まってしまった訳である。

 ……文ストは土曜日にでも観るか。

 

 ─

 ──

 ───

 

 

 という訳で、当日。

 

「お邪魔しまーす」

 

「ど、どうぞ」

 

 我が家にやって来た名瀬であった。

 いや、ていうか緊張するな。

 人を家に上げるなんざ、マジで久し振りすぎるんだが。

 具体的には小学3年生の時以来。

 あの日は俺ん家のwiiで遊んだんだっけな。

 そしてひたすらスマ○ラやったら帰っていった。どうやらその後、公園に遊びに行ったらしい。俺はというと、「じゃ、俺達公園行くから、バイバイひきがや!」と言われて、付いて行くのもアレだったので空気の読める俺は「う、うん。また来てね!」と精一杯の笑顔で見送った。

 因みに次は無かった。

 

 おい、あいつら只俺ん家にゲームしに来ただけじゃねぇか。

 くそっ、碌な思い出じゃなかった。

 

「じゃあ取り敢えず先行っといて貰っていいか?階段上がって手前が俺の部屋だから」

 

「おう、了解」

 

 さて、飲み物でも見繕ってくるかとリビングに向かおうとした時

 

「お兄ちゃんおかえりーーーって……?え?」

 

 見計らったかのようなタイミングで小町がリビングの扉を開け出て来て、名瀬を見て固まっている。

 

「え、お兄ちゃん?この人どなた?というか何故に紙袋を?」

 

 しまった……うっかりして小町に連絡入れるの忘れてた。

 

「あぁ、えっとな……」

 

 どう説明するかと言葉を探していると

 

「おぉ、これがハッちゃんの妹か。なんとなく似てるな。目以外」

 

「うるせぇ、ほっとけ。この目は後天的なんだよ」

 

「まぁ、そんなことは置いといてだ。

 お邪魔します妹ちゃん。クラスメイトの名瀬夭歌って言います」

 

「あ、はい。なるほど兄のクラスメイトですか。

 何時も兄がお世話になってます。はい」

 

 心なしか小町が怯えてるように見えるんだが……あれか?

 普段人を家に招かない兄が得体の知れない紙袋被った奴を連れて来たからか?

 

「あー、なんか怯えさせちまったかな。まぁ、無理も無いよな。こんな紙袋被った得体の知らない奴に怯えんなって方がおかしい」

 

 小町の異変に気付いた名瀬が、顎に手を置きなにやら考えている。

 

「まぁ、自分家に得体の知れない奴を入れる訳にも行かねぇもんな。……気は進まねぇが。他所様の家に上がらせてもらうんだ。それも礼儀だよな」

 

 そう呟くと名瀬は紙袋を外し、素顔を露わにした。

 相変わらず綺麗な顔してんなコイツ。目つき悪いけど。

 

 するとそれを見た小町はというと、ポカーンと音でもするかのように、微動だにせず停止してしまった。

 

 暫くすると再起動したのか、身体をぶるぶると震わせて俺の許へと詰め寄ってくる。

 

「お、おおおおおおおおに、おにおに鬼いちゃん!!」

 

「おい落ち着け、西尾違いだ。それに俺をあんな変態と一緒にすんじゃねぇよ。精々被ってんのはアホ毛だけだ。そして俺はお前のお兄ちゃんだ」

 

「あちゃーごめん噛んじゃった」

 

「……わざとぽかった気もするがな」

 

「お兄ちゃーんだーい好き!」

 

「強引に誤魔化しやがったコイツ……だが可愛いから許す!!」

 

「仲良いなお前ら」

 

 名瀬が呆れたような目でこちらを見てくる。

 いや、そんなこと言われてもだな……千葉の兄弟なんだから当然だろうが。

 むしろまだまだ俺は仲良くなりたいと思ってるぞ。

 常日頃から小町の好感度を高め、一生面倒見てもらおうと画策しているくらいだ。

 

 というかさ!と言い、目をくわっ!と見開き改めて詰め寄って来る小町。

 勢いよく迫り来る妹にどうどう、と落ち着くよう促す。

 

「なにあの美人さん!そんじょそこらの人とは比べ物にならないよあれ!お兄ちゃん一体何処で引っ掛けてきたのさ!?」

 

「お、落ち着けよ……ってか引っ掛けたって人聞き悪いな」

 

「だって普段人と関わり持とうとしないお兄ちゃんがあんな美人さんと関わり持つ訳ないじゃん」

 

「うっ……、それを言われると痛いな」

 

 だけどな、と続ける。

 

「……あれだ。あいつは俺の、クラスの友達だよ」

 

 恥ずかしさから目を横に逸らし言う。

 

「お兄ちゃんが…友達を……作っただと!?なにそれ聞いてない」

 

「悪い……正直気恥ずかしくてな、言ってなかったわ」

 

「はぁ……全くお兄ちゃんはもう」

 

 仕方ないなコイツはという目で俺を見る小町に、なんとも居た堪れない気持ちで頬をかく。

 それを見た小町は一つ息を吐き、今度はその目の色を穏やかなものへと変え

 

「でも……よかったね、お兄ちゃん。大切にしなよ」

 

「おう……」

 

 今度は気恥ずかしさを感じ、再度目を逸らし言葉を返すのであった。

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