Summer Pockets 小説集   作:京四郎

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こちらは、10月4日の鍵島4にてリリース予定の、チームTRNDの新刊『SummerPockets・SS集3』に収録予定の作品のお試し版です。
掲載は話の冒頭部分までとなります。


VEREINIGEN~秘めた願望達~(お試し版)

 

「むぎぎぎぎぎぎぎ……」

「うぅぅぅぅぅぅー……」

 

ここは灯台の中。部屋の真ん中には俺、鷹原羽依里。

その俺の右腕に紬、左腕に静久……が、それぞれしがみついてる。

そして紬と静久がお互いににらみ合い唸り合い、真ん中の俺は、暑さが厳しい夏だと言うのに冷や汗がだらだら。

えっと……何がどうしてこうなった!?

 

事の発端は、些細な事だった。

他愛もない話を三人でしていたら、紬と静久、どちらがより俺の事を好きなのかという話になり……何故かここまでの事に。

……お、俺はどうしたらいいんだ?

 

 

 

むぎゅぅぅぅぅ……こんなつもりではありませんでした。

わたしはハイリさんに抱き着きながら、ちょっと後悔しています。

視線の先には、シズクが居ます。

とっても大好きな友人で、今、ちょっとだけケンカしてしまっている友人。

 

ケンカの理由は簡単です。

どちらがハイリさんを好きかという、他愛の無い話が始まってから、ちょっと熱が入ってしまい……その……張り合ってしまいました。

もちろん、シズクがハイリさんを大好きなのは、知っています。

この三人が出会った一昨年の夏から……それに去年の夏に、シズクの思い出のカレー作りを手伝ってからは、もうシズクの中でのハイリさんへの好意はうなぎ上りです。

……シズクがうなぎになったら、やっぱりおっぱいも大きいのでしょうか?

いえ……今はそんなことを考えている場合じゃありません。

 

一昨年の夏に、わたしとハイリさんは恋人になりました。

ですが、シズクがハイリさんを、友達としても、それ以上としても好きな事は、わたしには解っていました。

そして、去年の夏に色々とあって、その気持ちはますます強くなったようでした。

だから、シズクはハイリさんの恋人になりました。

 

それは、わたしがシズクとハイリさんにお願いしたことです。

シズクがハイリさんを好きになるほどに、シズクが苦しそうに見えていきました。

そのハイリさんを好きな気持ちは、同じく……いえ、それ以上にハイリさんを大好きなわたしには解ります。

でも、三人で居たいから、既にハイリさんと恋人になっているわたしが居るから、この関係を壊したくないと……多分、シズクはそう想っていたんだと思います。

だから、わたしは二人にお願いしました。

ハイリさんには、シズクとも恋人になってくださいと。

シズクには、どうせなら恋人なのも一緒が良いです、と。

 

最初は二人とも驚いていましたし、受け入れてはくれませんでした。

でも、わたしには、そんな事で三人の関係がギクシャクしてしまって、今まで通りに笑い合えないのが嫌だったのです。

別の誰かだったなら、わたしも絶対に認めなかったと思います。

もう、ものすごい顔で歯ぎしりが止まらなくて、歯が削れて無くなるまで、一日中その相手を威嚇し続けてしまったと思います。

……でも、シズクは特別です。シズクなら、許せるどころか、ずっと三人一緒で居られるなら、その事が嬉しい位です。

 

 

 

続きは、SS集3を手に取りお楽しみください。

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