掲載は話の冒頭部分までとなります。
「むぎぎぎぎぎぎぎ……」
「うぅぅぅぅぅぅー……」
ここは灯台の中。部屋の真ん中には俺、鷹原羽依里。
その俺の右腕に紬、左腕に静久……が、それぞれしがみついてる。
そして紬と静久がお互いににらみ合い唸り合い、真ん中の俺は、暑さが厳しい夏だと言うのに冷や汗がだらだら。
えっと……何がどうしてこうなった!?
事の発端は、些細な事だった。
他愛もない話を三人でしていたら、紬と静久、どちらがより俺の事を好きなのかという話になり……何故かここまでの事に。
……お、俺はどうしたらいいんだ?
むぎゅぅぅぅぅ……こんなつもりではありませんでした。
わたしはハイリさんに抱き着きながら、ちょっと後悔しています。
視線の先には、シズクが居ます。
とっても大好きな友人で、今、ちょっとだけケンカしてしまっている友人。
ケンカの理由は簡単です。
どちらがハイリさんを好きかという、他愛の無い話が始まってから、ちょっと熱が入ってしまい……その……張り合ってしまいました。
もちろん、シズクがハイリさんを大好きなのは、知っています。
この三人が出会った一昨年の夏から……それに去年の夏に、シズクの思い出のカレー作りを手伝ってからは、もうシズクの中でのハイリさんへの好意はうなぎ上りです。
……シズクがうなぎになったら、やっぱりおっぱいも大きいのでしょうか?
いえ……今はそんなことを考えている場合じゃありません。
一昨年の夏に、わたしとハイリさんは恋人になりました。
ですが、シズクがハイリさんを、友達としても、それ以上としても好きな事は、わたしには解っていました。
そして、去年の夏に色々とあって、その気持ちはますます強くなったようでした。
だから、シズクはハイリさんの恋人になりました。
それは、わたしがシズクとハイリさんにお願いしたことです。
シズクがハイリさんを好きになるほどに、シズクが苦しそうに見えていきました。
そのハイリさんを好きな気持ちは、同じく……いえ、それ以上にハイリさんを大好きなわたしには解ります。
でも、三人で居たいから、既にハイリさんと恋人になっているわたしが居るから、この関係を壊したくないと……多分、シズクはそう想っていたんだと思います。
だから、わたしは二人にお願いしました。
ハイリさんには、シズクとも恋人になってくださいと。
シズクには、どうせなら恋人なのも一緒が良いです、と。
最初は二人とも驚いていましたし、受け入れてはくれませんでした。
でも、わたしには、そんな事で三人の関係がギクシャクしてしまって、今まで通りに笑い合えないのが嫌だったのです。
別の誰かだったなら、わたしも絶対に認めなかったと思います。
もう、ものすごい顔で歯ぎしりが止まらなくて、歯が削れて無くなるまで、一日中その相手を威嚇し続けてしまったと思います。
……でも、シズクは特別です。シズクなら、許せるどころか、ずっと三人一緒で居られるなら、その事が嬉しい位です。
続きは、SS集3を手に取りお楽しみください。