Summer Pockets 小説集   作:京四郎

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のみきこと野村美希の2023年誕生日SSを書きました。
ある程度本文のみで解る内容にしているつもりですが…かなり先の未来の誕生日、ですね。

思い立って勢いのまま書き上げたので、執筆時間45分という短時間ですが、内容的には書きたい物を書き上げる事が出来たので個人的には満足かな。
なお、PC機種変更等して、サマポケはまた一からプレイしないと、細かいところ様々確認できないので、荒があったらご容赦を…
時間作って再プレイしないとだなぁ…


家族と祝う日

「ハッピバースデートゥーユー!」

「ありがとう……皆」

 

二月二日……今日は私が生まれた日。

今日も私は、皆にこの日を祝われている。

でも、いつからか周りに居る人達は変わっていった。

 

子供の頃は、昔からお世話になっていた鳥白島の大人達や、少年団の皆。

そして鷹原と出会ってからは、鷹原も加わり……月日は流れ。

 

「おめでとう、美希」

「今年も祝えて本当に嬉しいわ」

「うん、ありがとう」

 

失礼だが、こうして改めて見ると、少しばかり老けただろうか……とても嬉しそうに、目の前の老年の男女が私を見て言う。

彼・彼女との関係は……色々と複雑な物があるが、こうして毎年わざわざ島に来て祝ってくれる様になって、物凄く幸せだ。

照れくさいので、面と向かってそんな気持ちを伝えた事は無いが、いつか素直に伝えなければなと思っている。

想いは、ちゃんと伝えないと、ちゃんと伝わらないから。

 

「……美希、おめでとう」

「うん……!」

 

駄目だ、やっぱりこいつだけは別格だ。

どうしたって、にやけてしまう。

今この場に居る皆、皆大好きだ。

けれどその中でも、一番……ううん、世界中の人間の中で一番。

そんな事は、口にしたら、この子達に拗ねられてしまいそうだから、皆の前では言わないけれど。

……まぁ、そうでなくても……そ、そんにゃこと言うのは……は、はずかしいし……

 

「あー、お母さん照れてる!」

「らぶらぶだー!らぶらぶだー!」

「なっ!おまえらー!」

「「あははー!」」

 

私が怒る素振りを見せると、余計にキャッキャとはしゃぐ子供達。

全く誰に似たんだか……絶対こいつだな。

 

そんな風に思い、ふっと、隣に座る彼の顔を見る。

ちょうど彼も私の顔を覗き込んでいた様で、至近距離で目と目が合う。

冷やかされた直後だからか、何とも言えない恥ずかしさが胸の奥から込み上げてくる。

……まるで、キ、キスする直前みたいだなとか思ってないからな、ないからな!?

 

「にゃ、にゃんだ!?……!」

 

動揺を隠しきれずに、思わず声をかけた私の視界が、彼の顔でいっぱいになる。

何時間もそのまま時が止まったかの様な、そんな錯覚を覚える程、長く長く感じるその瞬間。

ゆっくりと離れる彼の顔は赤く染まっていた。きっと私の顔も赤く……どころか真っ赤だろう。

……人間余りの事が急に起こると、かえって冷静になるというのは本当らしい。

だって、いきなり一番愛しい人からキスをされたと言うのに、私は今こんなに考える事が出来ているのだから。

 

「美希、愛してるよ」

「んにゃぁ!?」

 

まだ顔が赤いまま、こいつはこんな事を言った。

まてはやまるないまはみんなのめのまえだぞ!ふたりもこどもたちもみているというのにおまえは!おまえはぁ!

 

「うにゃぁぁ!うにゃぁぁ!はいりぃ!はいりぃぃぃ!」

「美希!?」

 

こいつのこの言葉を聞いた時点で私は限界だったのだろう。

後々周りに居た皆に聞けば、私はこいつの胸元に自分から飛び込んで、頭をぐりぐりと押し付けながらずっとうにゃぁーとかこいつの名前を叫び続けてたらしい。

ちなみに後日の私には、その辺全く記憶がない……色々限界ですっ飛んでしまったのだろう。

でも、そんな私を優しく抱きしめてくれた感触は、朧気ながら覚えている気がする……そんなはっきりしない感覚を思い返すだけでも、無意識に身体がもじもじとしてしまう。

……あと、後で私が何をしてしまったか尋ねられて真っ赤になって黙るくらいならこんな事をするなお前は!

 

 

「……美希」

「にゃ、にゃんだ!?」

 

しばらく私が御乱心してしまったらしい、その後、抱き着きから離れた私に向けて、急に真顔になったこいつが……キ、キスする前の様に、私をじっと見つめて声をかけてくる。

まだ動揺収まらない私とは対照的に、こいつの表情と声色は真剣だ。

 

「俺、お前を幸せに出来てるか?」

 

少しばかり不安そうに、そんな事を言ってくる。

……昔と変わらず、馬鹿だな、お前は……

 

「うん!」

 

幸せで無い訳が無い。

こうして家族に囲まれて、一番大事な人も隣に居て、そうしてくれたのがお前で……

 

「私はとても幸せだ、羽依里」

 

だから、あの日からずっと嬉しいプレゼントを私にくれ続けている、最愛の人へ。

そして、大切な家族の皆へ、私は満面の笑みを浮かべて、そう答えた。

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