もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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皆さんはパスパレの中では誰が一番好きですか?
自分は千聖さんです。

今回は殆どパスパレの話です。


衝撃のデビューライブ

Pastel*Palettes・・・通称パスパレ。アイドルがバンドをするというコンセプトで作られたユニットだ。

 

氷川日菜は一般公募のオーディションだったが、それ以外のメンバーは、おそらく知名度を利用し、金を稼ぐために起用した子役上がりの女優白鷺千聖。同事務所でモデルをやっている若宮イヴ。企画担当が偶々目をつけたアイドル研究生の丸山彩。そしてスタジオミュージシャンとして現場にいたのを拉致って加えたドラムの大和麻弥。この5人でアイドルバンド Pastel*Palettesだ。

 

あの白鷺千聖がアイドルになる。

学校内でもその話題で持ち切りだ。

 

ただ、この場では主に白鷺千聖とうちの姉が話題の中心になってる。

 

「ねーねーお姉さんアイドルになるんでしょ?」

「今のうちにサインもらっとこう」

「お姉さん紹介して!」

 

 

凡そこのような絡まれ方をする

 

元々姉は校内で有名人だったから、俺は割と肩身が狭かったのにさらに狭くなってしまった。

 

 

「そういうわけでさ、もう今日はクタクタだよ。」

 

昼休みどうにか屋上に逃げ出した。今日は皆手で持てるものが昼食らしい。モカはパン狂いだから違うとして、他の4人は俺が屋上に逃げることを察知してこっちに来てくれたようだ。

 

「お疲れ様。大変だね」

 

「あはは、多分大変だよな。身内が有名人って、どんな感じなんだ?」

 

「元々有名な人だったから、どうって言われると難しいな。そもそもアイドルになったって言われても実感ないし。」

 

「確かに」

 

蘭が俺に同意する。

 

俺も蘭もあまりテレビを見る方ではないのでピンと来ていない。

蘭はともかくとして俺の場合。姉は飽きたらアイドルにさほど固執せずにすぐ辞めるだろうと思っているからだ。とはいえ結果は出す人だ。まるで台風のように暴れた後に本人は綺麗さっぱり消えていくだろう。周囲に大きな爪痕を残していくところも含めてそっくりだと思う。

 

「それにしても、白鷺千聖がアイドルか〜楽器も弾けるんだ〜」

 

「ひーちゃんまたそれ〜?もう5回は聞いたよ〜?」

 

「だってあの白鷺千聖がだよ?若宮イヴもアイドルか〜」

 

 

「なあひまり。その人達ってそんなに有名なのか?」

 

イマイチ今日の話題についていけてないから聞いておこう。

 

「えーっ!?知らないの!?」

 

大層な驚きようである。だってテレビなんて殆ど見ないし...見るときなんて巴の家で夕飯一緒に食べるときぐらいだし。わからないものはわからない。

そもそも元子役がどうこうって時点で昔は有名だった。みたいな感じじゃないのか?

 

・・・ひまり曰くデビュー作品の「はぐれ剣客人情伝」が大ヒット。

そのまま軌道に乗り、子役として売れに売れたらしい。

「はぐれ剣客人情伝」はテレビに疎い俺でも名前は聞いたことがある。

なんでも2000年代のドラマで最高の視聴率を記録したらしい。

江戸から明治にかけて武士の特権階級が失われていく中で苦難とともに生きていく1人の剣客の熱く、そして儚い人情物語。その主人公の娘役を演じていたのが白鷺千聖だ。

 

他にも数多くのドラマに出演していたらしい。

 

世俗に疎い俺が知らなかった理由の一つとして、子役は成長期の間の数年間は露出を控えるからだ。とひまりは語る。

しかしパスパレで電撃復活を果たし、お祭り状態になっているとか。

 

若宮イヴも若者向けのファッション雑誌のモデルになっていて、若者の間では人気らしい。

 

凄い人達と一緒になって日菜姉はアイドルになるんだな。

でも日菜姉のことだしどうとでもなるだろう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

姉がアイドルになろうが、俺の生活が大きく変わるわけではない。

強いて言うなら姉目的で俺に絡んでくる輩が増えたぐらいだ。それに姉は本当に飽きっぽいのだ。つまらないと感じたらすぐやめてしまうだろう。

 

いつものようにバイトが終わり、花園と買い食いしながら帰る。毎回思うが、花園といいモカといい、マイペースな奴は健啖家なんて決まりでもあるのだろうか?

 

帰り道でも所々でパスパレのポスターを見かけた。

新人ユニットにここまでお金をかける辺り相当大きな事務所なのだろう。恐らくそれも白鷺千聖のネームバリューで回収できるのだろうが。

大手なのは間違いないだろう。

 

そんな事務所のオーディションになんとなくで参加して受かってしまう。ギターだって春休みから始めたから、まだひと月程度しか経っていない。

相変わらずとんでもない才能の塊だと思う。これがギターだけじゃないて何でもこんな感じなのだから恐ろしい。

 

才能より努力、努力は必ず報われる。なんて言葉は彼女の前では寄せ集めても石くれにすらならない空虚な塵芥だ。

 

そんな姉と比べられるのは流石に理不尽だと思うのだが、姉弟だし仕方のないことではあると半ば諦めている。

 

いつもなら花園とアホな会話をしているため、こんなこと考えずに済むのだが、今日は珍しく無言だ。悪い物でも食べたのだろうか?

・・・あれ?あいつどこいった?いつもの別れ道はもう少し先のはずだが、迷ったのか?なんか厄介ごとに巻き込まれてなきゃいいけど。

結局目に入ったウサギのぬいぐるみがあったおもちゃ屋のショーウィンドウに張り付いてた。

 

うん。花園はいつも通りだったな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰宅。風呂に入ろうとしたが、先客がいるようだ。先に課題をやり、待つことにしよう。

教科書を片手にペンを動かし、課題を進めていく。今回はさほど難しいものがなかったため、すんなり終わった。まだ、時間はあるし適当にスマホでニュースでも見てよう。やはりパスパレの記事が目立っていた。相当宣伝費かけてるな。とくだらないことを考えてると

 

「あっ!私の記事だ!」

 

背後から大きな声がした。座っている俺の後ろか顔を突き出し覗き込んでくる。シャンプーの匂いが鼻腔をくすぐる。さっき風呂に入っていたのはどうやら日菜姉のようだ。

 

「せめてノックぐらいしようよ。いつも紗夜姉に怒られてるでしょ」

 

「ごめんって。それよりなんでパスパレの記事見てたの?もしかしてファンになっちゃったとか?いやーお姉ちゃん嬉しいなぁ!」

 

「勘違いしてるみたいだけど、別にファンになってない。日菜姉がアイドルって言われても実感無いなーって思ってさ」

 

「確かにそーかも。あっ!今週末にライブやるんだよ!見に来る?」

 

「バイトだから行かない。・・・ん?もうライブするの?合わせて練習とかしないの?」

 

「ううん。演奏しないんだって。フリだけでいいってさ」

 

「じゃあエアバンドってこと?」

 

「イヴちゃんと千聖ちゃんがまだ弾けないんだ。次のライブには間に合わせるって」

 

口パクみたいなものだろうか?自分は芸能界のことなどロクに知らないけど、それって大丈夫なのか?

というか練習期間とかないのはおかしいだろう。それほどまでに電撃的に決定した企画なんだろうか?

 

「日菜姉は弾けるのにそれじゃあつまらなそうだね」

 

「うん。全然るんってこない。暁斗も見にこないならつまんないよ〜あっ!お姉ちゃん誘おうかな?」

 

「辞めといた方がいいよ。嫌われたくないでしょ?」

 

紗夜姉との溝が深まるだけだ。結局日菜姉が嫌な思いをして終わるだけなので一応止めておく

 

「うぇ〜。なんかやる気出ないよ〜。はぁ・・・あ、お風呂空いたよ?」

 

「うん」

 

そのまま風呂に入ってしまおう。

 

パスパレは少々歪なスタートを切るらしい。まさかバンドで楽器の演奏をしないだなんて・・・大丈夫なのだろうか?最初からエアバンドと謳っているわけではないし、バレたらやばそうだ。無事に終わったら次のライブに向けては練習するみたいだし、大丈夫なのかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Pastel*Palettesの初ライブは機材トラブルにより演奏が中断され、フリがバレてしまいそこで終了。以後の予定は全てキャンセル。彼女達は活動休止となった。




千聖さんの経歴が今ひとつはっきりしないので
1コマで名前が出てたはぐれ剣客人情伝をデビュー作にしました。
公式でも二次でもいいから内容が知りたいので、誰か書いてくれませんかね....
知名度的には芦田愛菜ちゃんや鈴木福くんを少し盛った感じとイメージしてください。


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