もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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4話は主人公介在する余地がないです。
アニメ見返すと割と記憶から抜け落ちてる部分がありました。
さほど影響はありませんが、ガバはガバです。



第17話

グリグリが間に合ったことにより、ライブは無事に終了した。

 

香澄達がステージに立ってくれたおかげだ。あれがなかったらどうなってたかわからない。

 

しかし、天候のせいではあるが、こちら側の不手際とも言えるのに、香澄達には面倒なことをさせてしまったかもしれない。

 

とりあえず今はライブの片付けを終わらせよう。機材を運ぶのは男の俺の仕事である。

 

「ねえ暁斗」

 

「ん?」

 

「変態だった・・」

 

「何が?」

 

「きらきら星」

 

「あー・・香澄達が?」

 

確かにあの場でステージに上がって歌うって相当肝っ玉据わってるよな。変態っていうのはよくわからんけど

 

「知り合いなの?」

 

「うん、まあ。歌ってた子は」

 

「ふーん・・・」

 

珍しく花園が何か考え込んでいる。明日は雨でも降るのだろうか?

梅雨にはまだ少し早い気がする。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

片付けも終わりSPACEから帰ろうとしたら。まだ香澄達がいた。

 

「お疲れ様・・・ごめんな?あんなことしてもらっちゃって」

 

まずは香澄達に労いと感謝の言葉を。後は・・・帰りに甘いものでも奢ってやろう。THE JKなひまりが絶賛するコンビニスイーツは馬鹿にできない。

 

「あっ!あっ君お疲れ様!私も楽しかったよ!」

 

どうやら楽しかったらしい。俺の心配は杞憂で済んだようだ。

 

「あの・・・香澄ちゃん・・この人知り合いなの?」

 

すごくおずおずと小柄な少女....牛込ゆりの妹が香澄に尋ねる。

 

「あれ?紹介してなかったっけ?」

 

香澄・・・まさかその歳でボケたのか?

 

「されてねーよ。SPACEのスタッフさんなのはわかるけど」

 

金髪ツンデレツインテールこと市ヶ谷有咲が答える。この子素だとかなり口が悪いんだな。

 

「えっと、自己紹介いるかな?・・・氷川暁斗。香澄の知り合い」

 

「えー。友達だよー」

 

相変わらずフレンドリーというかグイグイ距離を詰める奴だな。まだ顔を合わせた回数は片手で数えられるっていうのに。

 

「氷川・・・?」

 

どうやら牛込ゆりの妹さんは気付いたらしい。香澄は転入生で、市ヶ谷さんは引きこもりだから気づかなかったようだが。

 

「その、もしかして・・・氷川紗夜さんの?」

 

あまり答えたくないけど、ここで答えないというのも良くないだろう。

 

「うん、弟だよ。あんまり似てないけどね」

 

似てるのは目の色だけだ。それ以外はまるで違う。

 

「お姉さんいるの?私もお姉ちゃんなんだ!!あっちゃんって妹がいて•••あっお姉さんってどんな人?」

 

相変わらず機関銃みたいな会話をする奴だな•••正直なところ姉の話はあまりしたくないんだが。

 

「そんなこととより市ヶ谷さんが帰りたがってるし、早く帰ろうか。今ならなんと、俺からコンビニスイーツのプレゼントだぞ?」

 

「やったー!有咲、りみりん!早く行こ!」

 

「ちょまま、待てって〜」

 

「香澄ちゃーん待ってよぉ」

 

モカと巴から聞いたひまりの機嫌をとる時のやり方が生きた。やっぱ女の子は甘いものが好きなんだな。

 

話を逸らすことができた安堵感と自己嫌悪を香澄の子供っぽい反応に対する微笑ましさで誤魔化し、苦笑いを浮かべながら彼女たちの後を追いかけた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雨が降っているからか、ジメジメしていて不快感が強い。

コンビニの扉を開けたら全身に冷気が触れ、肌寒いと感じる

 

「らっしゃーせー」

 

随分気の抜けた返事だ。クレームが来たりしないのだろうか?

 

「相変わらず気の抜けた挨拶だな。モカ」

 

 

「お〜アッキーだー。珍しいですな〜」

 

確かに普段モカのいる時間にコンビニに行くことはあまりない。多分最初に冷やかしに行った時以来だろう。

 

「まあ、たまにはね」

 

「へ〜・・・アッキーも隅に置けないな〜」

 

一緒に来た香澄達に気がつき、モカはニヤニヤしてやがる。

「期待に添えず申し訳ないけど、何もないぞ?」

 

「な〜んだ。つまんないね〜」

 

「別にモカを笑わせたいわけじゃないしな」

 

「モカ〜ちょっといい〜?ってあれモカの知り合い?」

 

ギャルが現れた。

 

「あっリサせんぱーい。アッキーでーす」

 

「アッキー・・・ああ!モカが時々話してる?」

 

「はい。そのアッキーですよー」

 

一体モカは普段どんな話をしているんだ?興味半分恐怖半分で聞くに聞けない。

 

「そっかそっかこの子がアッキーか。私は今井リサ。よろしく☆」

 

「今井リサ・・・ああ、Roseliaの」

 

道理であこと湊友希那と3人でいたときに見覚えがあった訳だ。

 

「うーんRoseliaも有名になったもんだね。いつもモカに世話になって・・・るのかな?」

 

「えー・・・私頑張ってますよ〜?」

 

「絶対嘘だろ・・・」

 

「あっははは。そういえば名前聞いてなかったね」

 

「えっ・・・氷川暁斗です。、」

 

モカもしかしてずっとアッキーとしか呼んでなかったのか?

 

 

「あっもしかしてて紗夜の弟?目の色同じなんだね」

 

そういえばRoseliaってことは姉の知り合いなのか。なら今後深く関わることはないだろう。

 

「はい。姉がお世話になってます」

 

「いやいや、そんなことないよ〜この間の練習の時にさ〜・・」

 

なんというコミュ力だ。この人もひまりと同タイプか?会話が終わりそうにない。何か切り上げるタイミングを見出さなければ・・・

 

「あっくーん。スイーツ何個食べていい?」

 

「1個」

 

「3個!」

 

「ダメ。夕飯食えなくなるぞ?」

 

「甘い物は別腹だもん!大丈夫」

 

「3人で4つ」

 

「わーい!」

 

思わず子供かお前はとツッコミたくなるような会話だ。

 

 

スイーツを買い店を出た。食べながら、思い出したかのように香澄以外の3人で自己紹介をした。市ヶ谷さんは猫を被ったままだ。バレてないと思っているのだろう。だが、香澄はお喋りだ。市ヶ谷さんのことをかなり包み隠さず教えてくれた。それを伝えると顔を真っ赤にしながら

 

「忘れろ忘れろ忘れろー!!」

 

「あ、有咲落ち着いて。ね?」

 

「ね?じゃねーよバ香澄ぃ!」

 

「バカじゃないもん!」

 

牛込さんそっちのけでイチャつき出した。心なしか2人を見て羨ましそうにしているように思える。

 

「おい、香澄。牛込さんも混ぜて欲しいってさ」

 

「わかった!」

 

獲物を見つけたと言わんばかりに、りみりーん!と笑顔で飛びつく。

正直牛込さんと何話せばいいかわからないから香澄をあてがっているだけだが、牛込さんも楽しそうだから問題ないだろう。

 

こうして一日が終わった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブから数日が過ぎた。

 

いつも通りの通学路を2人で歩く。ここ最近の沙綾は楽しそうだ。

新しくできた4人の友人の話が多い。最近、香澄が花園からギターを教わっているらしい。ただ、香澄達が、楽器やバンドの話をしていたと話す時にどこか辛そうなのが気がかりだ。

 

原因は沙綾が一年前にいたCHiSPAというバンドを抜けたことにあるのは間違いないだろう。

一年前、千紘さんが倒れてしまい、入院した。元々体が強い方ではないから無理もないことなのだが、沙綾はそれをきっかけにCHiSPAを辞め、家の手伝いばかりするようになった。

 

そのことについて俺が言うことは何もない。他ならぬ沙綾自身が決めたことだ。家族でもないCHiSPAでもない俺が口出しするのは筋が違う。大体、家族と上手くいってない暁斗に何がわかるの?って言われたら何も言い返せない。

 

今日も変わらず2人で歩く。互いに抱えるものはあれど、これは今も変わらない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌朝。今日は何もない休日だ。とはいえ、家にいても息が詰まる。ここのところ羽沢珈琲店に足を運んでいなかったから久しぶりに行くのも悪くない。

そうと決まればこんなところでモタモタするのは勿体ない。向こうの方が圧倒的に居心地がいい。早速準備をしよう。

 

家を出て商店街へと足を向ける。

 

そういえば最近あこと燐さんに会ってない。時折チャットでやり取りしてるけど、Roseliaの練習は相当ハードで、クタクタらしい。

でも楽しい。との事なので問題はないだろう。充実した青春を送れているならそれで良いはずだ。

 

そんな生産性のないことを考えながら歩いていると、片手にバスケット?を持った花園を見かけた。

 

「あっ暁斗だ。やっほー」

 

「おはよ。ところでそのバスケットの中身何?ピクニックでも行くのか?」

 

「彼だよ。」

 

「そっか彼か」

 

「オッちゃんだよ?行こ?」

 

「ん?どこへ」

 

「とっても楽しいよ?」

 

「そりゃいいな。で、どこへ行くの?」

 

「ピクニックじゃないよ?」

 

「そうだな。その中身は弁当じゃなくておっちゃんだもんな」

 

やばい頭おかしくなる。何この会話?

 

「•••さっきから暁斗は何を言ってるの?」

 

「おたえがどこへ行くか知りたいな。」

 

「私行くところがあるんで。」

 

「そう言いながら俺の手引っ張るのやめない?ってか力強っ!?わかった行く。行くから離せって」

 

「アイムウィーン」

 

何故満足気なのこいつ?結局どこへ行くのかさっぱりだし。

 

そのまま歩みを進めること十数分。俺たちは流星堂にたどり着いた。

 

「行き先ってここだったのか?質屋に買い物か?」

 

「蔵だよ?」

 

ああ、最近そこで練習してるとか言ってたっけ。なんで俺が連れてかれるのかはよくわからないけど。

 

おたえと共に蔵に入る、なんか秘密基地みたいだな。あこや巴が好きそうな感じがする。中に入ると、香澄と牛込さんと市ヶ谷さんの3人だ。

 

「おたえー!!ケース破れちゃっ••••え?」

 

「香澄ちゃんどうした••••え?」

 

「香澄、急に飛びだして•••ああおた•••••え?」

 

 

「どうしたの皆?」

 

「そういや表に蔵イブって書いてあったな。もしかしてライブすんの?••••ってなんで皆こっち見て固まってらっしゃる?」

 

 

そんなに想定外だったのだろうか。

 

 

 

「「「えーーーーーっ!?」」」

 

 

「「?」」

 

 




おたえと香澄の出会いがほんのちょっとだけ違うかな?
実は投稿した後にグリグリのライブの日にはおたえいなかったじゃんって気付いた。

でもおたえなら香澄と顔を合わせたら、邂逅一番に変態だ...って言ってくれますよね?

次回蔵イブ

設定開示するなら誰のがいいですか?

  • 友希那
  • こころ
  • 香澄
  • おたえ
  • その他
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