とはいえその辺りはいずれ書く(かもしれない)番外編になると思います。
まあ、需要あるかもわからんし、今はさっさと本編進めます。
もう五月も終わりが近づいてる。それと同時に花咲川女子の文化祭が近づいてきている。
どうやら沙綾は文化祭実行委員の副委員になったらしい。香澄は書類を書くのがからっきしらしいから、沙綾も大変だろう。
そういえばうちは文化祭どうなってるんだろう。ろくに話を聞いてなかったからわからない。後でつぐに聞いておこう。
今回も俺がすることは特に何もないだろう。精々、やまぶきベーカリーに手伝いに行く回数が少し増える程度だ。正直自分の中でこれさえも間違っているんじゃないかなという感じがしている。
今日は文化祭で沙綾のクラスが出す出し物のパンを試食するらしい。
その間、店を見るのは俺1人だけ。
まあ、割と慣れてる。一年前は体の弱い千紘さんに代わり、沙綾が帰ってくるまで一人で店番することも多かったから、寧ろこっちの方がやりすいのかもしれない。
最近は俺もアルバイトを始めたし、沙綾が家にいたがるのもあって殆どその機会はなかった。
まあ、この時間は客もさほど多くない。だから出された課題を広げながら店番を始める。
一年前は沙綾はバンドに夢中になってたから、自分のやりたいことを選び、楽しそうにしていたから、そんな沙綾の代わりをしていた。
まあ、自分が看板娘の代役っていうのは少し荷が勝ちすぎてるが、それなりな仕事をしてきたと思う。
やがて、客足も途絶え始めた頃
「沙綾ー!試食に来たよー」
試食に来た戸山香澄一行ご来店。
「いらっしゃいませー」
「あれ?あっ君?なんでやまぶきベーカリーに?」
「氷川さんって山吹さんと仲良いのか?」
「暁斗の名字って山吹だっけ?」
「沙綾ちゃんともなの?」
香澄と市ヶ谷さん以外はちょっと黙って欲しい。話が拗れる。
特に牛込さん。もしかして蔵イブでの誤解が解けてなかったのか?
花園は••••もういいや。こいつはどうにもならない。
とりあえず全員の質問に一気に答えるとこうなる。
「まあ、バイトみたいなもんだよ」
今日は多分パン2、3個か夕飯かのどっちかだな。
裏で試食会が始まった。俺も一人で店番をする。
暫くするとメールが来た。差出人はあこ。所々よくわからない単語が出てきたが内容を要約すると、
RoseliaでFUTURE WORLD FESのコンテストに参加するらしい。
日時は•••今週末?ギリギリにエントリーでもしたのだろうか?
どうやら、紗夜姉は紗夜姉で色々やっているらしい。俺には関係ないことだ。どうせあの紗夜姉のことだ。まず間違いなく優秀な結果を出すだろう。•••俺とは違ってな。
とりあえずあこに頑張れと返しておく。
たかがメール1通で若干気落ちしていると、沙綾達が出てきた。どうやら試食会が終わったらしい。
香澄はどうやら沙綾の家に泊まるらしいが、他3人は帰るらしい。
今日は俺もこのまま帰ることにする。
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それから数日、いよいよ文化祭まで1日前となっていた。
香澄達は喫茶店をやるらしい。文化祭の鉄板だ。
それとライブをするとのこと。バンド名はPoppin'Party。市ヶ谷さんが命名した。
着々と文化祭への準備が進んでいるようだ。
今日はバイトもない。羽沢珈琲店は休み。かといって正直家にはこの時間に帰るのは嫌だ。
仕方ないから商店街でもぶらつこう。適当に歩いてれば何かしら見つかるだろう。
久しぶりに路地裏の猫に会いに行くのも悪くない。つぐ達は懐かないなんて言ってたが、あいつには「ミケ」って名前がちゃんとある。それを呼んでやればイチコロなんだが、意外と皆気付かないものだ。
そうこうして歩いていると猫耳が見つかった。だが、猫じゃない。香澄だ。
「おーい香澄?文化祭って明日だろ?こんなとこうろついてていいのか?」
「そうなんだけど••••」
ん?なんか変だな。何か後ろめたいことでもあるのか?
「香澄、どうした?」
香澄は少し逡巡したようだが、決心がついたのか
「一緒なら沙綾のところへ行こう」
声がいつもより少し硬い。緊張してるのか?沙綾相手に?だとしたら何を話すっていうんだ?
「わかった」
どのみち暇だし、このまま沙綾の家に行くのも悪くない。
沙綾の家の前に着くと店の外で純と紗南が遊んでる。香澄は話があるようだし、俺は二人の相手をしていよう。
「よーし純紗南。にいちゃんが相手になるぞー」
いつものように戯れる。
こうして純と紗南を相手にしながら思う。
この2人も2年で大きくなったな。って、成長してるんだなって感じる。我ながら少しばかりジジくさい。まあ、モカにも時々アッキーは枯れてるとか言われるし、もしかしたら老成しているのかもしれない。
そうこうしているうちに沙綾と香澄が家の中へ入っていった。
服を強く引っ張られた。
「んお?どうした?」
「おねーちゃんこわいこえしてた。だいじょーぶかな?」
紗南はあの二人の様子から何か感じ取ったらしい。家族だからわかるものがあるのかもしれない。
「戻るか?」
二人は頷いた。
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中に入るとポピパの3人がいた。
「あれ?なんでここに?」
聞いてる自分がツッコムのもおかしいが、俺はこの家の人間じゃないんだが、他にどう聞くべきかわからない。
「香澄が先行っちゃったから」
おたえが簡潔に答えてくれた。お前珍しく有能だな。
勝手知ったるなんたるか、俺が3人にお茶を出す。羽沢家直伝の紅茶の淹れ方だ。ティーパックでも美味しくなるはず。
紗南と純には少し冷まして牛乳多めに淹れて、と
そうやって一服しながら暫く待っていると、
「そんなわけないじゃん!」
沙綾の大きな声だ。純はびっくりして店の方へ行ってしまった。
「香澄にはわかんないよ!ライブめちゃくちゃにして皆気遣って、自分のことより私のことばっか。それで楽しいの?ナツもマユもフミカも本当に楽しいの?私だけ楽しんでいいの?良いわけないじゃん!
」
あっ紗南が飛び出した。紗南を追いかけて2階へ向かう。
普通に考えれば喧嘩なんて良いこととは言えないだろう。
しかし、ある程度予想してはいたけど、ようやっと沙綾の本音が聞けた気がする。全部我慢して、1人で背負い込もうとするか弱い女の子の本音だ。多分喧嘩のマイナスを引いても好事家にとってはおつりで家が買えるぐらいの価値があるんじゃないだろうか。
先に沙綾の部屋の前に着いた紗南が泣き出してしまった。
沙綾と香澄の言い合いを見て怖くなってしまったのだろう。無理もない。
それを見て冷静になった香澄が紗南を慰めに入った。こういうところはお姉さんらしいと思う。
俺はとりあえず場を収めるために、下へ降りることを提案した。
「皆、なんで•••ここに?」
「暁斗も同じこと言ってた。香澄が先に行っちゃったから。」
「下に丸聞こえだったぞ?」
「純君びっくりしてお店の方へ逃げちゃった」
あいつ最初の段階で避難したからな•••賢いと言うべきか、意外と怖がりと取るべきなのか?
「んじゃ帰るわ。」
「え?」
「このままじゃ話し合いにならないでしょ」
「バンドとかどーでもいいけど、私は知らない人より山吹さんがいいって思ってる」
意外と市ヶ谷さんって言う時は言うんだな••••香澄から聞く素直じゃないイメージが強すぎた。
「私も沙綾ちゃんと一緒にやりたいな?」
「楽曲データ送っといたから」
「私、沙綾のこと待ってるから!」
3人もそれぞれ沙綾に言葉を投げかけて、帰っていく。
それを見届けた後、沙綾の部屋のドアの前に腰掛けながら沙綾に声をかける。
「なあ、沙綾。何があったか教えてもらえるか?」
「•••暁斗には関係ない。」
「まあ、そうだろうな。でも純と紗南はなんとなく気づいてるぞ?」
「••••••」
「香澄にドラムとして文化祭に出てくれって言われただろ?」
「••••!••••」
沙綾が息を呑んだ。当たりか。
「あいつ、CHiSPAのこと知ってたんだな」
「•••ナツに会って聞いたんだって、あの時のこと。」
「そっか」
「皆に迷惑かけたくない。そう思ってバンドを辞めたのに今更••••」
黙って続きを促す。
沙綾の本音が漏れ出していく。
周りに損させて自分だけ楽しんでいいわけない。皆自分のことより私のことばっか考えて、皆が楽しい筈がない。そんな状況で楽しめる筈がない。
沙綾の考えていることはなんとなくわかった。
•••やっぱ俺じゃ沙綾を変えることは無理だな。だってバンドのことわかんないし、CHiSPAの人の連絡先とか知らない。それに俺は家族じゃない。
とりあえず言えることだけでも言っておこう
「沙綾は優しいと思うよ。」
「は?」
「自分のことより相手のことを考えて、気を遣って、自分のしたいことを我慢してる」
まるで沙綾の言うどこかの誰かと同じじゃないか?
「それは•••」
「沙綾だけが損していて、楽しめるような奴らじゃないってことぐらい沙綾もわかってるはずだよな?」
「でも•••」
「•••やっぱ千紘さんのことが心配?」
「•••うん」
「今日さ、純と紗南と遊んでさ」
「••••?」
いきなり話が飛んだから驚いてるのかもしれない。
「去年より2人とも大きくなったなって思ったんだ。」
「••••」
「家族のこともう少し信じていいんじゃない?」
「••••」
こりゃダメか?まあ、俺が言えることは言ったし、帰ろう。
「じゃあ沙綾。また明日。そういや俺沙綾のドラム叩いてるの見たことないな」
そう言い残して、俺は山吹家を後にした。
アニメだと沙綾が曇るのって確か山吹家の試食会前に沙綾パパが「やりたいことをやっていいんだよ」って言ったのが最初なんですよね。
今作だと割と前の段階から曇らせちゃってるけど、大丈夫かな?
でも皆曇ってる沙綾も好きですよね?
設定開示するなら誰のがいいですか?
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友希那
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こころ
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香澄
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おたえ
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その他