もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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この主人公一度メンタルを持ち直した状態で本編が始まっています。
詳しくは多分沙綾誕生日ssと過去編で書くことになります

よくあるこの手のSSだとこころとの相性が悪かったりしますよね。


現実

約2年。巴から始まり羽沢家と山吹家。あこ、アフロの皆に本当に世話になった。こんなゴミ拾った挙句、なんだかんだ世話してくれたんだ。本当に感謝してるし、居場所はここにあるって思いたかったと思うぐらいには愛着はあるし、皆のことは嫌いじゃない。

でも、それはあくまで(俺の上位互換)がそこにいなかったから成り立っている関係に過ぎない。名こそ知ってはいるがその様を、才能の塊を、俺との決定的な差を実際に見たわけではないから俺がそこに置いて貰えていただけ。姉と同じ場所にいたら皆姉を選び、俺など向きもしなかっただろう。俺自身ですらそう思うし、今までだってそうだった。俺より姉の方が価値ある人間なのは誰から見ても明らかだったから。それを否定するには俺はあまりに凡庸で、何もない。無力で矮小な存在だ。

 

2つの似た者があったら時どうしたって綺麗なものが好まれるし、汚い方はどうしたって否定される。普通の美的感覚の持ち主なら至極当然のことだと思う。そこに悪意は無い。

 

だから、俺が姉と比べられてしまうのはもうどうしようもないことだ。血の繋がった姉弟だからそれを避けて通るのは不可能だ。そして、比べたとき俺が姉達2人より優れた部分は何1つとして存在しない。文字通り何一つだ。それは卑屈な自己評価ではなく、第三者。それも大多数が言っていることなので疑いようもない現実だ。それに今更何か一つで勝っても何の意味もないことも突きつけられた。

 

それは姉達の何が凄いのかを考えれば一目瞭然だ。2人とも異様に要領が良いのだ。大概のことはすぐ並以上にこなせるようになる。日菜姉は人の動きを一度見て完コピできるぐらいには物覚えが良いし、それを再現する身体能力がある。紗夜姉も日菜姉ほどではないが、日菜姉は基本紗夜姉の真似をする。つまり日菜姉が何かをする前には紗夜姉が新しいことを出来るようになっているのだ。

一言で言ってしまえばその飲み込みの早さ、もっと言ってしまえば万能性が姉達の強みだ。

 

では、この姉達に何か一つ勝るものがあったとしたら?──────結論を言おう。何の意味もない。彼女達より得意なものを見つける?馬鹿馬鹿しい。それは彼女達が不要と判断して特に取り組んでいない事柄でしかない。今は姉よりできる自信がある料理とか他者とコミュニケーションをとることだって彼女達が必要と判断すれば自身が費やした時間を嘲笑うように一瞬で追い抜いていってしまうだろう。

それに仮に姉達が必要としなかったとしても、俺はそれしか姉達より優っていないということだ。万能性がウリの姉と比較したらどうなる?結局劣化物なのは何も変わらない。

 

ソシャゲのレアリティが違うキャラを思い浮かべて欲しい。

まずステータスの初期値が俺より上。レベル上限も俺より上。スキル性能も俺より上。レベルアップによるステータス上昇も俺より上だが、強化に必要な素材と、経験値は俺の方が重い。冗談抜きでこんな感じなのだ。スペックは姉達が間違いなく上だ。要領の良さ(コストパフォーマンス)も姉が上。だから、いくら俺が努力しようが追いつきようがない。それこそ姉を引きずり下ろすしかない。

 

俺と姉達、同じ場所にいたならそこに俺の居場所はあるのだろうか?逆はあれど俺にできることで姉に出来ないことはないのに、態々俺を選ぶ道理はない。今までの付き合いがどうこうも、姉がそこにいなかったから成り立っていたものだ。どうしたって比較されてしまう。

 

だから、終わりなのだ。姉達と知り合った時点で、俺の居場所はなくなる。現にあこと燐さんは最近殆ど会っていない。結局姉の方だ。ガールズバンドパーティで皆か姉達と知り合った時にはもう終わり。俺の居場所はどこにもない。

 

俺が嫌だと思っても、もう遅い。Poppin’Party の5人がメンバー集めをしてしまう。香澄ならやり遂げてしまうと確信している。

 

ならせめて、最後ぐらいは自分の手で終わらせよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

話もついたし早速出演交渉を始めよう。

 

「•••もしもし。紗夜姉今どこにいる?•••実はさ」

 

「•••あっ日菜姉ちょっといい?今度さCiRCLEってライブハウスで」

 

「•••もしもしつぐ?あのさ、ライブしない?」

 

三者とも良い返事が貰えた。尤もRoseliaはメンツ次第。

自分達に見合ったレベルでなければ、出演しないとのこと。まあ実に姉らしい答えだこと。ただ、一応スケジュールは空けておいてくれるらしい。

 

パスパレもスケジュールの調整などがあるため確定ではない。おそらくパスパレに関しては商業的な事情など色々あるのだろう。以降は月島さんに任せよう。

 

Afterglowは快諾してくれた。

 

とりあえずRoselia、Pastel*Palettes、Afterglowの交渉は問題なさそうだ。

 

「•••もしもし松原さん•••え?迷子ですか?わかりました。近くに何かお店があったらそこの前から動かないでください。•••はい。あっじゃあそこまで行きますから待っててください••••••」

 

ハロハピに関してはよくわからないし直接交渉に行った方が早い。松原さんは迷子らしいからとりあえずそこへ向かうことにした。

 

「あっという間に交渉しちゃったねー皆知り合いなの?」

 

「はい。各バンドに1人は知り合いがいました。」

 

「うんうん。大助かりだよー、あとはハロー、ハッピーワールド!だけだね。頼んだよ」

 

「はい。じゃあいってきます」

 

「あっ!待ってあっ君!私もいく〜!」

 

どうやらポピパの5人も一緒についてくるらしい

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あっ君さっきまで電話してたけど、誰にしてたの?」

 

香澄が尋ねてくる。

 

「姉2人とAfterglowのキーボードとハロー、ハッピーワールド!のドラム。とりあえず今はハロハピのドラムのところに向かってる 」

 

「そういえばお姉さんいるんだよね?どんな人?」

 

そういえば花園は会ったことないんだったっけ?

 

「多分そのうち会えるよ。RoseliaのギターとPastel*Palettesのギターなんだから」

 

「わぁ!すごいね•••」

 

自身の姉がGlitter☆Greenのギターボーカルである牛込さんは多分親近感を覚えてる。だけど、流石にあの人は優秀だけど俺の姉ほどイカれたスペックをしていない。というより牛込さんは紗夜姉の方は知ってるけど、日菜姉の方はあまり知らないようだ。

 

「へー氷川さんのお姉さんが•••」

 

市ヶ谷さんは疑わしげだ。顔も髪の色も全然違うし、似てないのは間違いない。

 

沙綾は黙ったままだ•••何も言わないらしい。

 

こうやって彼女たちと歩くのもきっと今回のライブで最後になる。無くしたものはもう戻ることは無いのだから、全てこの刹那に焼き付けよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おもちゃ屋の前で右往左往している水色の髪の少女を見つけた。こちらに気づくと安堵の表情を浮かべた。

 

「あっ•••暁斗君。ごめんね•••態々来てもらっちゃって」

 

「松原さん、気にしないでください。元々ハロー、ハッピーワールド!の皆さんに話がありましたから」

 

松原花音さん、花咲川女子の2年生だ。方向音痴で引っ込み思案だけど、とても優しい人だし、いざという時の肝はかなり据わっている。

 

「うん•••ライブだよね。今日はちょうどハロハピの皆で集まる予定だったから一緒に行こう」

 

松原さんに場所を聞き出してから、俺が先導する。

 

「そういえばハロハピってどんな人がいるんですか?」

 

「なんというか、個性的かな?でもとってもいい人たちだよ」

 

松原さんは人を悪く言えないから個性的という言葉は少々怖い。

 

「”花咲川の異空間”ですよね?」

 

市ヶ谷さんが口にした。何か不穏な響きだ。間違いなくやばい奴な予感しかしない。でも、どうせ最初で最後の邂逅だからどうでもいい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

門を潜った先は豪邸だった。いや、門の時点で立派だった。広大な敷地に見るからに高そうな調度品に手入れされた庭と大量の桜の木。

しかもここは東京だ。相当な金持ちであること疑いようもない。

•••弦巻ってまさかあの弦巻か?確かとんでもない大企業だよな。最早何の会社なのかよくわからない規模で手広く色々やってるらしい。確か業績もかなり良かった覚えがある。

弦巻こころはまさかそこの御令嬢ってことなのか?•••やばい緊張してきた。住む世界が違うから話が通じるかわからない。

そして、さっきから黒服を着た女性からすげー見られてる。俺だけ男だからだろうか?

 

香澄とおたえは全く気にしていない。本当に図太いなこいつら。それに対して他の3人は緊張している。

 

「ふぇぇ•••こころちゃん。入るよ?」

 

松原さんが扉を開け部屋へ入る。明らかに高そうなものしか無い。

部屋の中には調度品などを除くとホワイトボードがある。この空間にはあまりにも不釣り合いな印象を覚える。

 

「あっ!かのちゃん先輩やっと来たー!」

 

「ああ!待っていたよ。子猫ちゃん」

 

「よかった•••ちゃんと来れて•••迎えに行くべきでしたか?」

 

「待っていたわ花音!今からハロハピ会議を始めるわよ!」

 

なんというか•••濃いな。ハロー、ハッピーワールド!

 

「あら?貴方達は一体誰なの?」

 

 

「えっとね。今度CiRCLEってライブハウスで『ガールズバンドパーティー』ってライブをするんだって。そこにハロハピも出ないか?って誘われたんだ」

 

「わー!楽しそー!ね?薫くん」

 

「ふふ。そうだねはぐみ。湧き立つステージ。熱狂の中の演奏•••儚い」

 

「とっても楽しそうね!早速行きましょう美咲!」

 

「はいちょい待ち。後ろの人たちの話聞いてからにしよーねー。すいませんうちの馬鹿どもが」

 

美咲って呼ばれた人の心労が凄そうなバンドだな。松原さん大丈夫かな?って思ってたけど他にも常識人がいるようだ。

 

•••そこまで考えて気づいてしまった。ミッシェルって誰だ?はぐみから聞いた話だと美咲って名前の人は出てこなかった。「こころんと薫くんとかのちゃん先輩とミッシェル」って言ってた。

つまりこの人がミッシェルってことなのか?まともなのは松原さんだけなのか。

 

「いえ。とりあえず話を進めてもいいですか?」

 

「あら?貴方笑顔じゃないわね?一緒に楽しいことをしましょう!」

 

要らぬお節介だ。

 

「話聞き終わってくれたら笑顔になるんで、大人しく話を聞いてください」

 

ひとまず納得してくれたらしい。漸く話が進む。

 

「────というわけです。何か質問はありますか?」

 

ライブの概要を説明した。

 

「とっても楽しみね!今すぐライブがしたいわ!」

 

「うん。私もこころんとライブしたい!」

 

無事承諾してもらえた。というか香澄は仲良くなるの早すぎませんか?まあライブ出演者同士が仲良くなるのは悪いことではないし良いだろう。

 

「楽しみは後にとっとけ。とも言いますし、当日まで待ってください。

後日CiRCLEで打ち合わせを行います。代表の方はお手数ですがCiRCLEまでお願いします」

 

とりあえず資料を松原さんに渡しておく。奥沢さんはちょっとよくわからない。

 

 

とにかくこうして全バンドに出演交渉をした。




日菜「お姉ちゃんに出来ないことなんてあるのかな〜?」(公式)により紗夜のスペックもぶっ壊れ確定。さらにラルゴの美咲とのテニスからもその異常性が確認できます。あれがデフォだとしたら氷川姉妹やばすぎる•••!



遂に登場ハロー、ハッピーワールド!
この主人公は出会い方次第では殺し愛に発展するぐらいにはこころんと相性いいです。尤も本編では殆ど絡まないですが。
全部書き切った後にモチベがあったらリメイクを兼ねて弦巻こころifを書こうと思ってます。

設定開示するなら誰のがいいですか?

  • 友希那
  • こころ
  • 香澄
  • おたえ
  • その他
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