もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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恐らくネタ被りですが


1stシーズン
プロローグ①


4月は始まりの季節だ。

年度が切り替わり、進級や進学などで周囲の環境の変化が大きく、

それ故に出会いの季節とまで言われるのだ。

 

春眠暁を覚えず....その言葉の通り皆心地よい微睡みの中にいるであろう午前4時、机の上で夜中に充電したスマートフォンがけたたましいアラームを鳴らし始めた。しばらくしてベッドの上から這い出て、アラームを止め、覚醒する。

 

俺こと氷川暁斗(姉達の下位互換)は今日高校生になった。

 

 

 

「おはようございまーす。」

 

朝5時、俺は山吹家の前にいた。普通この時間に来客など失礼だが、

パン屋の朝は早い。通勤ラッシュの朝に店を開くなら朝3時から用意するなどザラである。

 

「暁斗君おはよう。今日もよろしくね」

 

チャイムを鳴らして暫くすると、にこやかな笑みを浮かべ山吹家の母、千紘さんが出迎えてくれた。

挨拶を返した後身支度を済ませ、工房へ向かう。そこでは朝早くから用意したパンを焼いている一家の大黒柱がいた。

「おはよう。今日から高校生だね。おめでとう」

パンを焼くのに集中しているため、こちらを向きこそしなかったが、朗らかで嬉しそうな声色でこちらに声をかけてきた。

 

「ありがとうございます....今日はどれからですか?」

 

気恥ずかしさもあり、一言お礼を言った後すぐに業務の話に戻した。

 

俺は毎朝山吹ベーカリーへ手伝いに行っている。流石にパンを作ったりはすることはないが、材料を倉庫から運んだり家事を手伝ったり、まだ手のかかる純と紗南の面倒を見たりしている。朝が早くハードではあるが、2年も続ければ慣れたものである。二時間程開店準備を手伝っていると、背後から聞き慣れた同年代の少女の声がした。

「おはよ。今日も悪いね」

いつもの決まり文句だ。毎朝これだから彼女の人の良さがわかる。

 

「おはよう沙綾。こっちも朝飯とパン貰ってるし気にすんな」

 

こちらも同じようにいつもの決まり文句。最早これが無いと1日が始まらないと言ってもいいだろう。

声をかけてきたのは茶髪のポニーテールの似合う少女。山吹沙綾....山吹家の長女だ。沙綾がここに来たということはもう朝食ができたということだろう。沙綾の父親と共に作業を切り上げ、家の中へ戻ろう。

 

 

山吹ベーカリーでの手伝いが終わると、もう学校に行かねばならない時間になる。沙綾と共に家を出て、二人で歩く。これも2年前から変わらないルーチンワークの1つだ。

いつも通り雑談しながら歩く。

 

「なんか変な感じがするね」

 

「何が?」

 

「3月まで学ランだったじゃん?それがブレザーになったから...」

 

確かにその通りだ。中学は学ランだったが高校はブレザーになった。

 

「あっここでお別れだね...何か違和感あるな〜」

 

沙綾が可笑しいと言いたげにそんなことを口にした。

場所も変わったんだから別れる場所も変わるだろ。と口にすると

 

「相変わらず冷めてるね...」

 

ノリが悪いぞ?と言わんばかりのジト目だ。ちょっと辞めて欲しい。

 

「じゃあまた明日」

 

沙綾といつも通りの挨拶を交わす。これは変わらない。

そのまま学校まで歩き出す。沙綾がいない分ペースは早めになる。

 

行き先は羽丘学園高等部。俺が今日から通う学校だ

 

 

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