もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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プロローグは多分次で終わります。


プロローグ②

羽丘学園

 

開校20年の学校で数年前まで女子校だった中高一貫校で、進学校だ。

共学になった理由には学園の理事長が、これから先の少子高齢化による生徒数の減少を危惧したこともあるが、20年間で進学校として有名になったこともあり、更に男子生徒も招き入れ経営の巨大化を狙ったという意図もあるのだろう。とはいえ、まだ男女比は3:7と男子が少ない。

そのためか、通常の特待に加えて、男子生徒限定の特待制度がある。

 

俺が羽丘学園を受験したのはその特待制度が目的だった。

両親は俺が高校に入学するのは自由だが金は出さん。とか言ってやがる。姉さん達には両方とも私立の高い金を払っているのに...

まあ、そんなことは今になって始まったことではない上に無事特待で入学出来たからどうでもいいことだろう。それよりクラスを確認して教室に入ってしまおう。

 

そう思ったところで知り合いの姿を発見した。

黒髪に赤メッシュ、銀鼠色、ピンク、赤髪、その中に混じった茶色。

流石は生きたランドマーク。特に意識していた訳ではないがすぐに見つかった。この人混みの中で自分のクラスを探すのは面倒だ。誰かが自分の名前を確認していることに期待し、声をかけようとする前に向こうがこちらに気がついた。

 

「おーい!暁斗〜こっちこっち〜」

 

飛び跳ねながら....一部高校一年生らしからぬ物もバルンバルンと跳ねながら俺を呼んでる。

 

「おっ?....暁斗!これからよろしくな!」

「アッキ〜パンちょーだい〜」

「おはよ暁斗...早くクラス見て教室行こう。」

「あはは....おはよう暁斗君。これからは同じ学校だね」

 

声をかけてきた順に

上原ひまり、宇田川巴、青葉モカ、美竹蘭、羽沢つぐみだ。5人は幼馴染で「Afterglow」というバンドをやっている。

 

「巴は肩を叩くな!結構痛い!モカ、今日は午前終わりだからパンはない。蘭、つぐおはよう。高校でもよろしく。」

一気に全員に返事をした。人も増えてきたし、クラスを確認してさっさと教室に入ってしまおう。

 

「あれ?私は!?」

「.....あっ....よろしく」

「も〜!」

 

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クラスは蘭と同じA組だったようだ。他の四人は蘭が一人にならずホッとしていた。蘭はそれに文句を言いながらも、心なしか安堵しているように見える。

 

クラスに着き席に着く。名字が「ひ」と「み」ということもあり、隣の席に蘭が座る。近くに知り合いがいて良かったと蘭は露骨に安堵している。

体育館までの移動まで暫く時間がある。りんさんに貸してもらった本でも読んで時間でも潰そうと本を鞄から取り出し・・・

 

 

ねぇねぇ、君ってあの氷川先輩の弟でしよ?

 

・・・不快な声がした。あの氷川日菜(天才)と同じ学校に入学した時点でこうなるのは分かってはいたがやはり嫌なものは嫌なのだ。

とはいえ、聞いてきた女子生徒が悪い訳ではない。会話をする際にお互いの共通の知人や有名人の話をするのはよくある話だ。それが偶々自身の姉だっただけ。わかっているからこそ

 

「うん。そうだけど・・・学校内と変わらないよ?」

 

・・・・・嘘だ。本当は()()()()()()()()()

偶に家で夕食を食べるときに顔を合わせるぐらいで会話なんて殆どしない。したとしても「るんっ」とか「ビューン」とか擬音ばかりで意思疎通が出来てる気がしない。

もう一人の姉の方も同じだ。風紀委員で曲がったことが嫌いらしいが、顔を合わせると何故か気まずそうにして自分の部屋へ逃げてしまう。

 

所詮()()()()()()()()()()()()だ。だからわからない。下手に話すとボロが出てしまう。どうにか切り抜けたいが、女子力の塊でコメツキバッタみたいに会話がポンポン飛ぶひまりも、寧ろ女子の話題の全てをかっさらう巴もこの場にはいない。隣に視線をやると我関せずといった様子だ。・・・ボッチ赤メッシュめ・・後で覚えとけよ

 

 

結局どうにか当たり障りないことを話し、逆に校内の姉の話を聞く方向にシフトさせることでこの場を切り抜けることに成功した。

 

 

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