もし氷川姉妹に弟がいたら   作:タクティくす

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今回はヤバいやつの登場です。本領発揮はまだまだ先ですが、彼女を再現できるか不安しかない


未知との遭遇

朝7時半。まだ少し肌寒いこの時間、いつものように桜並木を沙綾と歩いていた。

 

「バイト先決まったんだって?どこにしたの?」

 

「SPACE。ライブハウスの」

 

「あ〜・・・あそこね。アレ?楽器とかやってたっけ?」

 

「給料良かったからそこにしただけ・・・沙綾?」

 

何か微妙そうな顔をしているので問い質す。

 

「な、何でもないよ・・・それよりさライブハウスって大変らしいよ?大丈夫?」

 

露骨に話を逸らされた。多分CHiSPAのことを思い出したのだろう。

当人が決めたことだからアレコレ言う気は無いが、そんな辛そうな顔するぐらいなら辞めなければ良かったんじゃないだろうか。

 

「あっ・・・そういえば、昨日面白い子に会ったんだった。」

 

話を聞くに、名前は戸山香澄羽丘と違ってかなり珍しい他中学からの編入生のネコミミ少女。いきなり匂いを嗅がれたらしい。何でも全部の部活に仮入部するつもりらしい。

 

「沙綾にも新しい友達ができて何よりだよ。」

 

「そっちはどうなの?上手くやれてる?」

 

「いつも通り。」

 

「・・・そっか」

 

そう、いつも通り。俺を通して姉に近づきたい人が擦り寄って来るだけ。

 

俺の姉達は身内贔屓があるとはいえ美少女といって差し支えない容姿をしていると思う。更に両者ともに校内でも有名人だ。片や品行方正、成績優秀な風紀委員。もう片方は超絶天才不思議ちゃんとして。

 

そして俺が姉達と不仲と知ると皆離れていくのだ。俺は姉とは違うから、人を引き寄せるものなど持ち合わせてはいない。姉の名が無ければ誰も興味など抱かない。

 

「・・・ごめん。」

 

沙綾に気を遣わせてしまった。別に誰が悪いわけでもないのに。

 

「じゃあ今度沙綾の試作のパン食べさせてよ。それでチャラ」

 

本当はそんなことしてもらわなくても大丈夫なのだが、沙綾は意外と頑固だ。気にするなと言っても絶対に気にする。ならお詫びにならないお詫びを要求しておいた方が沙綾の気が楽になる。

恐らく俺の意図を理解したのだろう。「・・・ありがと。それじゃあまた明日」といつものように別れて学校へ向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まだ入学して間もないからガイダンスやら身体測定やらで授業はない。特に何事もなく学校は終わり、今日から早速SPACE でバイトだ。

 

「氷川暁斗です。今日からよろしくお願いします!」

 

「・・・ロッカーは右手奥だよ。さっさと着替えてきな。」

 

「はい!」

 

 

言葉通りロッカーで着替える。その後は初日ということもあって仕事を覚えることから始まる。

 

「今日からお世話になります。氷川です。よろしくお願いします。」

 

オーナーだけではなくスタッフにも挨拶は大事だ。

 

どうやら今日から俺の他に花園たえという子が働き始めるようだ。

暫くは二人まとめて仕事を覚えることから始めるらしい。

 

 

 

商店街の知り合いの手伝いの経験もあってかレジはすんなり覚えられた。とはいえ、男なので大半は機材運びや、客席の誘導などになるらしいが。他にも清掃の仕方や、機材の扱い方などを教わった。

 

わかったことがいくつかあるが、オーナーは良い人なんだと思う。バイトの皆から慕われているし、感謝の手紙や寄せ書きが多数あるということからSPACEが愛されていることが見て取れる。

給料だけで選んだけど、悪くない職場だと思えた。

 

その日のバイトが終わり着替え終わって帰ろうとした時

 

「ねえ」

 

不意に声をかけられた。

振り返ると 、俺と同じで今日からバイトを始めることになった同期の花園たえがいた。

 

「暁斗ってウサギみたい。もふもふ。」

 

・・・は?この15年間で初めて言われた。目は赤じゃなくて翡翠色だし耳はそこまで長くない。あともふもふもしてない。というかもう呼び捨てかこれがコミュ強なのだろうか?

 

「じゃあ。またね」

 

俺が混乱しているうちに帰ってしまった。・・・俺これから大丈夫なのだろうか?




わかったこと:おたえ節は難しすぎる。
恐らく次回はお待ちかねのあの人の登場です

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