ゆうの妖怪退治目録   作:みかんでない

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プロローグ

昔々のそのまた昔、時は幻想郷ができる前の平安の世の中。

 

まだ異形の化け物達が地上に居座り、神々がたまに人間世界を観察しに来ていた、そんな時代さ。

 

当時の人々は上から下まで身分に関係なく、理解できない不思議な現象を「神」や「妖怪」と名付け、敬い畏れた。

 

神々が人の信仰により、願いを成就させるなど素晴らしい恵みをもたらすその一方、有象無象の妖怪たちは人を喰ったり、金品をさらったりして津々浦々どこでも悩みの種となっていたんだ。特に都は、人が多いぶんそれを狙う妖怪共もわんさかだった。

 

そこで、妖怪を退治しようと名乗りを挙げたのが、小さな貴族だった西行寺家であったってわけさ。

 

この一族は血族的に武芸に秀でた者が多くてね、妖怪に匹敵するほど強力な力を持つと言われていたので、当時の朝廷は彼らに退治屋という官位を与え、妖怪対策を任せたんだと。

 

それで、その結果、殆どの妖怪たちは退治屋による仇討ちを恐れ、都での悪事を渋々ながらも控えるようになった。

 

殆どは、だがねえ。

 

当時の妖怪の頂点に君臨した種族であり、武士万人にも匹敵する力を持つという、「鬼」。

 

彼らは依然として報復を恐れず、都を好き勝手に暴れまわっていてねえ。退治屋も迂闊には近づけず、手を焼き続けてきた。

 

そうしているうちにある時、最悪の出来事が起こってしまう。

 

鬼の襲撃によって、西行寺家が断絶の危機に陥ってしまったんだよ。

 

そんときの退治屋は、西行寺清成という人物で、歴代退治屋の中でも指折りの強さを有していると言われていた剣豪だったらしい。

 

その彼が、夜討ちとはいえある鬼との一騎打ちで、負けた。

 

噂によればその鬼は、数ある鬼の中でも最も危険な怪物だったそう。

 

彼の長男も戦いに参加したらしいが、おそらくは鬼に連れ去られ、行方不明になり、一家は散り散りになってしまった。

 

妖怪たちはこの事を知ると、ここぞとばかりにまた好き勝手に都を蹂躙するようになっちまったのさ。住人たちは大いに困り果ててしまった。

 

でもね。

 

例え暗闇が光を飲み込む日が訪れたとしても、必ず希望は残るっていうだろ?

 

実はこの虐殺をたった一人、生き延びた人間がいた。

 

殺された彼女の母親、つまり清成の妻が身を呈して鬼から隠しぬいた、当時2歳だった末娘さ。

 

彼女の名前は、(ゆう)

 

その後彼女は、亡くした親の代わりとして急遽やって来た遠い親戚の手によって、時期当主としての教育を施され成長していったんだ。

 

そうして、13年の時が流れ…………

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