バケモノと悪魔 人間のようなナニカ 作:ストップウォッチ(腕時計型)
俺と夕麻とのデートが始まってはや数時間後、もう夕方になっている。
「なぁ、夕麻。そろそろ帰らなくて良いのか?」
「えっ?あら、もうこんな時間。そうね、そろそろ帰りましょうか。」
「そっか。それなら、家まで送って行こうか?」
「ふふ、いいえ大丈夫よ?でも、そうね。一つだけ頼みたいんだけど、いいかしら?」
「うーん、まぁできる範囲なら、誠心誠意頑張ってみるよ。」
「ええ、何も難しくないわ。とても簡単なことよ。
それはね?…………死んでくれないかな?」
そう言いながら、夕麻は背中から黒い羽根を生やして、空を飛び、光の槍(見た目がそんな感じ)を俺めがけて投げてきた。
…まぁ、軽く避けたが。
「物騒だな〜、おい。ええ?夕麻。いや、堕天使さん?」
「な!?なぜ、貴様のようなただの人間が私が堕天使だと知っている?!…いや、そんなことはどうでもいい。先程の攻撃をどうやって躱した?…偶然か?まぁいい。とっとと死ね!屑同然の人間が!」
そして優麻、いや堕天使は先程と同じように光の槍を投げてきた。だが、当たらない。…ふむ、そういえば名前を聞いてないな。それに俺を殺そうとしてきた理由も。丁度いい。聞いてみようか。
「なぁ、あんた名前は?」
「はっ!お前のようなやつに教えてやらん!」
「えー、いいじゃん。少しとはいえ、恋人だったんだしさ。それに冥土の土産として、丁度いいじゃーん。」
「…ふっ。まさか、この状況でも恋人と抜かすか。まぁいい。そうだな、冥土の土産としては丁度いいわ!
私の名前はレイナーレ。あなたの言ったとおり堕天使よ。あなた、なんで殺されようとしてるのか知ってる?」
「いいや、全く?心当たりは無いわけでは無いが、恐らく、というかその可能性はないな。」
「そう。それなら、無知な人間のあなたに教えてあげるわ。あなたのなかには神器が宿っているの。まぁ、分かりっこ無いでしょうけど。それをあなたから奪い盗って、アザゼル様に献上するの。そして、私をそばに置いてもらうの。アザゼル様のために役立てるの。ただの人間にしたら光栄でしょ?」
「…因みにどうやってその神器とやらは抜き取るんだ?」
「そんなもの、あなたのような人間でも今の状況から察せるでしょう?もちろん、殺してよ。」
「…へえー、だったら加減しなくていいか。」
「はぁ?加減って、まさかあなた勝てるとでも思ってるの?アハハハハハ、人間にしてはおもしろい冗談だこと。」
「…なぁ知ってるか?殺そうとするならな、殺される覚悟がいるんだぜ。お前にその覚悟はあるかな?」
「なーに〜?殺す〜?はぁ、もう飽きたわよ。そんなに死にたいならさっさと殺してあげるわ。」
そう言いながら、レイナーレは冷たい目でこちらを見下ろす。そして、槍を投げる構えをとると、そこにはこれまでの槍と比べて格段に大きくて強力な槍が出てきた。
…まぁ、さほど脅威ではなさそうだろ。あの程度の攻撃を多少強くしたところで俺に傷一つつけられんしな。
「EVOLVE」
俺はそう呟く。こっちの世界に来てから、これをするのは初めてだがこれまでに多少試したからな。まぁ、大丈夫だろ。
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[レイナーレ視点]
私は今、目の前にいる男を殺すためにこの槍を用意している。その途中、男からある声が聞こえた。
「EVOLVE」
そう男は言った。何かを意味しているのだろうが、ただの人間がこの至高の堕天使に敵うはずがない。そして私は槍の準備を続けた。
そして私は見た。男が異形のバケモノに変わるのを。その姿はバケモノ以外の何者でもなかった。全身は紅黒く背中の上側には何本もの大きな棘が反り生えていた。尻尾があり、爪や牙もあった。これがこの男の神器なのだろうか?だが、こんな神器は聞いたことなど一度もない。だが、この神器を待ってアザゼル様のもとへ持っていけば。そして、私はあのバケモノの頭部へ向かって槍を投げた。そして槍は私の予想通り突き刺さる…
「え?」
事はなかった。なぜなら、槍はあのバケモノの頭部で止まっている。そしてその頭部からは血の一滴も流れていない。可能性は低いが、血液が無いということも考えられたがなぜだろうか、そんな風には全く見えないし思えなかった。
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俺が進化し終わって、多少、感覚を思い出していると頭に何かの感触が伝わってきた。そう、蚊でも止まったような感じだった。頭を振り、何が触れたのか確認しようとするとその関しの元となった物はなくなっていた。恐らくはレイナーレが準備していたあの槍だろうか。ふむ、予想以上に予想未満な力だったな。まぁ、いい。力がどれだけ弱かろうと、堕天使は初めて喰うからな。やはり、初めてというのはどこか、こう冒険に近いものを感じるな。そして、レイナーレの顔を見てみると、なにかありえないものを見るような目をしていた。そして俺の視線に気付いたのか、顔が青褪めだした。若干、俺から遠ざかっているな。逃げようとしているのか?俺を殺そうとした奴をそう、みすみす見逃すわけにはいかんな。そして俺はレイナーレのとこらへんに跳ぼうとすると、俺の後ろのほうから、また人間とは別の気配がしてきた。これは…、悪魔だな。それも駒王学園にいた悪魔だ。それも複数いるな。ん?気配の内側から、別の気配がする?それもそれは先頭のやつと同じだ。そして先頭のやつ以外の内側からしてくる。どういう事だ?
(はっ!しまった。レイナーレの奴は?!)
そして俺は周りの気配を探ると多少離れたところにレイナーレの気配を見つける。追いたいとこだが、それよりも、あの悪魔達の相手をしなくちゃいけないようだ。
はぁ、今更だが、デートなんてなかったんや。(遠い目)
EVOLVE 日本語訳、進化
え〜、はじめまして。狗井です。この「EVOLVE」から想像つく人はいるかもしれませんが、あのゲームです。そして、主人公はそのモンスターすべてに進化できます。詳しい内容(設定)は後ほど。
それでは、これからも読んで頂ければ嬉しい限りでございます。