バケモノと悪魔 人間のようなナニカ 作:ストップウォッチ(腕時計型)
ああ、くそったれ。あの悪魔達のせいでレイナーレを逃したじゃないか。きれいとか噂されてたけど、そんなにじゃなかったら喰うか。
数分前、悪魔達と出会う前の俺の心情はまさにこれ一つだった。だが、出会ったらその悪魔達は噂通り、いや噂以上の美人達だった。(男が一人いたが)
おっと、何やら俺に話しかけてきてるな。ガン無視してたわ。
「……であなたは何者なの?……はぁ、さっきからずぅっと話しかけてるのに何も反応しない。かと言って、下手に刺激したくないし。ねえ、あなた。まず、私が話してることを理解してる?それにあなた、でいいのよね?」
…やべぇ、全く聞いてなかったみたいだ。赤い髪を持ってる女が俺に話しかけてきているが…、まぁ返事くらいはしていいか。一応、バレないようにしないとな。
そして、俺は頭を縦に振る。そして、赤髪の女はその反応に気付いたのか、また話しかけてきた。
「あっ、もう聞こえてるならそう言うか返事ぐらいしなさいよ。最初から。はぁ、まぁいいわ。まず自己紹介からね。私の名前はリアス・グレモリー。この羽根で分かるかもしれないけど、悪魔よ。後ろの彼女たちは私の仲間達よ。あなたの名前は?…そういえばあなたって、喋れるのかしら?」
「あぁ、喋れるとも。」
そう俺は返事をする。ちなみに声に関してだが人間状態のときと違って、かなり低いしなんというかザ・バケモノっていう声だ。その証拠にグレモリーは身体をビクッとさせた。後ろの奴らも多少警戒を強めたようだし。
「もう、驚かせないでほしいわ。それで、さっきから聞いているのだけれど、あなたの名前は?」
…名前。名前かー。狗井って、名乗るのはアレだし。まぁ、普通に見た目通りでいいか。
「モンスターでいい。後、別にそっちから攻撃しなければ、こちらから敵対するつもりは無い。…今のところは。」
「その最後の言葉があるから信用できないのだけれど。まぁ、いいわ。それにモンスターって見た目通りじゃないの。それならモンスター。あなたはここで何をしてるのかしら。ここらへんは私が統括しているのだけれど。」
統括?こいつ、今統括と言ったか?なら、部下の責任は上司の責任でいいよな?
「おい、さっき統括と言ったな?ならさっきお前の部下から殺されそうになったんだが。これなら、別に仕方ないよな?」
そして、俺は口を少し開き、牙を見せながらニヤリと笑う。そして、後ろの奴らには殺気を飛ばしじっとしてもらう。グレモリーの足が、多少震えてるな。
「ね、ねえ。さっき部下って言ったけど、私の部下、というか眷属には後ろの彼女らしかいないの。そしてここまでいっしょにきたのだからそれはありえないのだけれど。」
「おい、だったらなんだ?統括してるくせによそ者を入れのか?さっきの堕天使はお前の部下じゃないのか?」
「堕天使?!やっぱり、情報にはあったけど本当だったのね。えぇそうよ。私の部下に堕天使はいないわ。だから、あなたが言った殺そうとしてきた堕天使は私達とは全くの無縁だわ。」
「そうか。なら別に仕方ないか。…一応言っとくがあれは俺の獲物だからな?」
そう言ってグレモリーにも後ろの奴らと同じだけの殺気を一瞬飛ばす。
「ひっ!え、えぇ。もちろん大丈夫よ。だから許してもらえないかしら?な、なんなら、いっしょに探してあげましょうか?」
「いや、大丈夫だ。気配は覚えたしさっき臭いも覚えたからな。あぁ、後そうだ。ちょっと質問なんだが。」
そして俺は多少の賭けに出ることにした。正体を隠そうと思っていたが気配を見る限り、万が一でも俺に敵うようなやつがいないからな。まあ、俺の気配探りよりも巧妙に実力を隠してたならまず殺気を感じた時点でなにか対応していたはずだしな。
そして、俺は進化状態を切り、元の人間状態に戻る。
「なんでお前の気配が後ろのあいつらからするんだ?んで、神器って何なんだ?」
そしてこんなことを聞いてみた。だが、その反応は予想通りのような、少し違うようなものだった。
それはグレモリー含めここにいる悪魔全員が目を見開くか口を少し開いて惚けている。それにグレモリーに関しては「な、な、な、な、な、え、えぇ!??」などと驚いている。
あっ、分かった。そういや俺、私服だけど顔とかバリバリ知れてるんだった。ちなみに俺の進化状態は筋肉などを増大ではなく、全く別のものに創り変えるのだ。だから、服もいっしょにしてるから元に戻るってわけだし、なぜ有名なのかというとなにやら駒王学園に転入してから三日と経たずにファンクラブなるものができていてそいつらがどんどん俺の噂やら写真やらをばらまいているからだ。
……まぁ、金とか色々と貰ってるから良いのだが。誰が勝手に自分の情報を流すかってんだよ、まったく。
って、そんなことはどうでも良い。早く俺の質問に答えてもらわないと。
「おーい、質問に答えてくれないかー。」
「……はっ!え、えぇゴメンなさいね。ってなるわけないでしょう?!あなた人間だったの?!この場合、逆?…あなたバケモノだったの?!それに神器って…。………いえ、たしかそんな神器はなかったはず。幻術ならともかく、姿形を変える神器は無かったはずよ。ねえ、あなたのその能力は何なの?」
「はぁ、俺が質問してるんだけど?てか、質問の内一割一部も答えてねえし。」
「あっ、ごめんなさい。うっかりしてたわ。えぇとたしか、なぜ彼女らから私の気配がするのか、だったわね。その理由は……。」
「はぁ、勿体ぶるな。とっとと教えろ。」
「…(ここで明日にしましょって言おうとしたのに。やってみるしか無いわね!)それは明日にしない?もういい時間だし、こんなところでずっと立ち話ってもなんでしょ?明日、そちらに使いを出すからその時はその人の後ろをついて来てくれれば良いわ。」
「…ん〜、まぁ別に良いか。あっ、ならクラスとか教えとくから。まぁ、放課後に呼びに来てくれ。予定は開けとくから。あぁ後、そん時に別の悪魔達についても教えてくれ。てか、紹介して。」
「ええ、分かったわ。後、あなた、というか狗井ってさっきの時とくらべてかなり口調がちがうのね。あっ、狗井でいいかしら?それにリアスでいいわ。」
「ん?あぁ、大丈夫だし、まぁ気にしないでくれ。慣れみたいなもんだから。あっちのときは喋りにくいしな。んじゃ。」
そして俺はそこから離れていく。家の周りと違ってここは人が多いな。よし、跳ぼう。そう思いつくやいなや、俺は脚に力を込めビルやマンションの屋上を伝わりながら、跳ぶ。この調子ならものの五分で着くかな?
リアス・グレモリー視点
彼、狗井がここから跳んで行って数秒後、私、いいえ私達眷属含めて全員がその場に座り込んだ。私含め、みんな息切れがすごいことになっている。当たり前だろう。あんな殺気をくらったら誰だってこんなふうになってしまう。いや、それよりここから逃げ出さなかっただけでもすごいでしょう。まぁ、ただ腰が抜けただけもあり得るのかしら?
「朱乃ー?だ、大丈夫!?ものすごい息切れだけど。それに小猫!あなたも冷や汗がすごいことになってるわよ?!」
「うふふ、リアスも足が震えてますわよ?ほら。」
そして朱乃は私の足をちょん、と突くと私はその場にへたり込んだ。
「と、とにかくこの事は誰にも言わないこと。お兄様にも…ね。良いわね。後、彼を変に刺激しないこと。もし、彼が怒ったりしたら、まぁ言わなくても分かるわよね?」
「「「はい!」」」
こうして