宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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小マゼラン雲ルビー戦線、サファイア戦線などの生き残りの駆逐形デストロイヤー艦25隻、巡洋艦10隻、三段空母7隻を率いてデスラーの旗艦である真紅の戦闘空母デスラー・ガミラシアが宇宙空間を航行していた。

「偉大なる大ガミラスの戦士諸君。われわれがガミラス大帝星を離れてすでに2年になる。
しかし、戦士諸君もよく知っているようにわれわれはただいたずらに宇宙を放浪していたわけではない。ガミラス民族のガミラス民族によるガミラス民族のための国家の再建、大ガミラス帝国の復興、この宿願を果たさんがためであった。
諸君、宇宙は広大である。われわれの新国家建設を可能とする惑星は必ず発見されるであろう。あらたな首都星となる惑星に新国家を建設し、十分に戦力を増強し、周辺の惑星系をことごとく討ち従えて偉大なるガミラス帝国を再び宇宙の盟主とするのだ。諸君のいままでの労苦に感謝し、なお一層の忠誠を期待するや節である。」
「うおおおお~」
集まった兵士たちのどよめき、歓声、雄たけびか艦内にこだました。
デスラーは「移住可能惑星が多いと思われるのは天の川銀河中心部のバルジだ。全艦、
天の川銀河中心方向に進路をとれ。」と命じ、艦隊は右35度に進路を変えた。



第1話 外惑星基地の異変

ガトランティス戦役が終わって10か月...

古代進は地球防衛軍に戻り、第一外周警備部隊の指揮官として、冥王星宙域を航行していた。

古代の乗る旗艦の船体に「やはぎ」「矢矧」の文字が見える。

「エリス基地より入電。」

「つなげ。」

「よう。古代、来週は補給物資補充と点検にくるんだろう。」

「ああ。」

「いい酒があるんだ、ひさしぶりに一杯…。」

「ん、遊びに行くんじゃないんだぞ。」

「だってその翌日は休暇だろ。地球に戻れないんだからそれくらいいいだろう。」

「ふっ、まあな。」

「じゃあ、まって…。」

そのとき宇宙空間を一瞬赤みが勝った光が、強くフラッシュのように照らす。

「どうした?」

「通信途絶しました、再度つなぎます。」

しかし、画面はガーガーと砂嵐でつながらない。

「何が起こったんだ??」

「!!」

「どうした?」

「15000宇宙キロに未確認飛行物体確認。高速で太陽系内惑星方面へ向かっています。」

「高速?もっと正確に報告してくれ。」

「500宇宙ノットで内惑星軌道方面へ向かっています。」

「冥王星基地から通信!」

「つなげ!」

「未確認飛行物体発見!うわあ、なにか強い光が….。」

プツン…

「冥王星基地、応答せよ!応答せよ!」

ガガガガガ…..

「応答ありません。」

「非常通信回路を使え」

「….やはり応答ありません。」

 

「古代」

天井のメインスクリーンに細面の初老の老人の姿が映る。

「藤堂長官」

「そちらでも異常を確認したか?」

「はい。」

「外惑星基地がつぎつぎと通信途絶を起こしている。何か気になったことはないか。」

「冥王星基地で、高速で内惑星軌道へ向かって移動する未確認飛行物体を確認。その際強い光が発せられたという報告があり、それからすぐに通信が途絶されました。」

「そうか…それは、こちらでも受けている。」

「海王星トリトン基地が沈黙しました。」

「天王星チタニア基地、土星タイタン基地に連絡。未確認飛行物体の推定軌道を送信するので、偵察衛星を打ち上げて監視せよ。」

「….こちらもてんてこ舞いだ。何か分かったら教えてくれ。」

「了解しました。」

 

「我々の確認した軌道と大体同じですね。」

「うむ。われわれのほうが敵、もう敵と言っていいだろう、に近い分だけ測定値は正しいはずだ。地球の防衛軍司令部にデータを送ってやってくれ。」

「了解。」

 

そのころ防衛軍司令部では…

「タイタン基地、通信途絶。」

「強い中性子線を偵察衛星と基地双方で確認。天体に接近したときに一時的に発せられるもののようです。」

「木星ガニメデ基地と火星基地に連絡。高速で内惑星軌道に向かっている怪物体は敵性の人工天体と認識。予想軌道データを送る。ミサイルで迎撃せよ。」

「み、ミサイルが…。」

ミサイルは次々に怪物体に軌道を外される。

「ガニメデ基地沈黙」

「火星基地沈黙」

「未確認物体の予想軌道を確認。」

「ど、どこだ。」

オペレーターは蒼白になって答える。

「怪物体は地球に向かって猛接近中。あと10万宇宙キロ。予想着弾位置、ここから50キロ、ポイントA-89です。」

「怪物体、上空25000メートルで停止。」

「相原、冥王星基地に本当に生存者がいないのか着陸して確認しよう。」

「了解。」

「アナライザーも連れていく。」

「リョウカイ」

古代たちは冥王星に着陸し、冥王星基地に入っていた。電力は稼働しているように思われたが、計器類は作動していない様子だった。

「おかしいな。電源は稼働しているようだが…。」

「あっ…。」

「どうした。」

機器に突っ伏している遺体をさわり脈をとってみる。

「死んでいます。なぐった跡などの外傷はまったくありません。」

「基地内ニ生命反応アリマセン。強イ中性子線ヲ浴ビイテイルモヨウ。」

「ほかを確認しろ。」

しばらくして報告があがる。

「やはり生存者ありません。この測定器によるとやはり中性子線を浴びている模様。」

「一体、何が起こったんだ?」

お手上げといった感じで相原は、両腕を曲げて手のひらを外へ向けるしぐさをする。

「とにかく防衛軍司令部に連絡だ。」

 

「ということで、冥王星基地の生存者は皆無で、すべて中性子線をあびて死亡した模様です。」

「そうか…火星基地のようすも探らせている。じき報告があるはずだ。」

「長官。」

「どうした?」

「火星基地の報告です。生存者0、全員強い中性子線を浴びて死亡した模様。」

「そうか。実は、冥王星基地を調査した古代からも連絡があり、おなじように中性子線をあびて死亡したとのことだ。」

火星捜索隊の隊長は得心したようにうなづいた。

 

「地球全域に第一級警戒態勢。科学調査隊は、中性子線防護服を着用し、敵怪物体の調査にあたれ。防護に連邦首都防衛第一師団を向かわせろ。」

「了解。」

黒い卵型の怪物体は、三脚の脚を出して地上に着陸していた。

ウーウーウー

兵員輸送車と探査車両は怪物体の手前10mで停車した。野次馬たちが怪物体をとりまいていた。

「この物体は、外惑星基地の近傍を通過した際に致死量の中性子線を発して死者がでています。危険ですので近づかないでください。」

「さあさあ、危ないから下がって下がって。」

兵士たちは、野次馬の群衆を少々乱暴に押し下げた。

探査車両は、怪物体に3mまで近づいた。その刹那、怪物体からヴォーンヴォーンと怪音が発せられ、磁石の反発のように探査車両が跳ね飛ばされた。探査車両はころがってその衝撃で乗員はかなりのけがを負った。

他の探査車両は、3m50cmのところで停車した。

「スキャン開始。」

「結果が出ました。外殻1mは金属、その内部は非金属ですが、双方とも地球上では確認し得ない未知の物質です。」

「内部との交信を行います。」

「応答ありません。」

「内部に生命反応なし。」

 

「….」

藤堂司令長官は、口をむすんで、腕組みをしている。

森雪は、管制室で探査車両から送られてくるであろうデータを画像化するためにデイスプレイを睨むように見つめていたが、いつまでもデータは送られてこない。

「少し休憩してきます。」

他の職員に声をかけ、数人が承諾のうなづきをしているのを確認すると雪は屋上に昇り、古代のことを考えながら星空をみつめていた。

すると遠くに光るものがひとつ…ふたつ…と見えた。

 

 

 

 

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