宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第10話 盗賊船団のガミラシウム採掘を阻止せよ

「ちょうどヤマトと第7艦隊が敵中間基地のある小マゼラン雲へ向かっているとのことです。敵中間基地をたたくことのほうが戦略的に重要で優先すべきかもしれません。わたしも我が本星に援軍に送っていただきたいとは思いつつも、わたしの私情で判断するわけにはいきませんし、恐縮ですが軍事力はともかく総合的に見て科学力は我がガミラスのほうが上かと存じていますから、ガミラス人の矜持としてもそのようなお願いをするのは甚だ不本意なのです。ただ大統領もイスカンダルの危機については座視するわけにはいかないとお思いではないでしょうか。」

「うむ…わかった。バレル大使。防衛会議に検討させよう。」

 

「!!」

コンソールが点滅し、相原がすこし驚いたように通信機をとる。

「防衛軍司令部より入電です。」

ヤマトのスクリーンに藤堂平九郎の顔が映し出される。

「長官」

「山南君。実はガミラス本星とイスカンダルが地球をおそった同じ敵暗黒星団帝国の攻撃を受けている。敵は、星間戦争に有用なエネルギー鉱石のある惑星を採掘しつくしては放棄することを繰り返して勢力を維持してきたらしい。ガミラスとイスカンダルがその標的になったというわけだ。中間基地攻撃かガミラス・イスカンダル防衛か防衛会議では情報が少なすぎて結論が出ず、現場指揮官にゆだねようということになった。第7艦隊の尾崎君と君とで判断してほしい。」

「わかりました。話し合ってみます。」

 

一方ガミラス本星共和国政府閣議室である。

「なんでしょうか。ヒス内務長官。お呼び出しとは?」

実直そうな軍人が入ってくる。

「リッヒ・レーダー、君を大マゼラン外周警備司令官から首都上空防衛司令官への転任を命じる。南半球の旧ガミラシウム採掘坑のことは知っているだろう。」

「地球連邦と交戦中の暗黒星団帝国の艦隊が現れて盗掘を繰り返し、こちらの警告を無視していると聞いていますが。」

「そうだ。このたび地球連邦第7艦隊とヤマトがこちらへ向かっている。」

「なるほど。ガトランティスと同じ共通の敵ということですか。」

レーダーは理解したというように笑みをつくる。

「そうだ。第8機甲師団のルントには、引き続き小マゼラン戦線を担当してもらうとともに暗黒星団帝国の中間基地の探索を行わせているところだ。」

「わかりました。」

「首都上空に地球艦隊が来たら合流して敵をたたくのだ。頼んだぞ。」

「ザー・ベルク」

 

一方地球艦隊では、藤堂長官の命令をうけて、二人の現場指揮官が協議をはじめた。

「尾崎。」

「おお、山南か。」

「長官から連絡があったがどう思う。」

「考えたが、ガミラスとイスカンダルは同盟国に恩人だということもあるが、敵の補給にダメージを与える意味でも採掘を阻止する意味はあると思う。中間基地はそれからでも叩ける。まずはサレザー太陽系に向かうべきだと考える。」

「そうか。実はおれもなやんでいたが、どちらかといえばそうすべきなのではないかと考えた。まあかっての欧米列強が発展途上国を植民地化して食いつくした400年前の歴史を思い起こすような不愉快な話だ。」

「そうだな。そういう意味でも許せない話だ。」

「古代。」

「はい。」

「皆も聞いてくれ。これから我々は、サレザー太陽系へ向かうことにした。地球を攻撃したのと同じ敵暗黒星団帝国が現れ、星間戦争用のエネルギー源になる鉱石であるガミラスのガミラシウムの採掘に現れたのだ。敵は武装工作船団で現れ、ガミラス政府の制止を無視して採掘を行い、抗議したら問答無用で攻撃してきた。また敵はイスカンダルのイスカンダリウムを狙うだろう。これは地球の恩人と同盟国を救う戦いであるとともに、悪辣な侵略者による星間戦争を阻止する戦いだ。敵は星間戦争用のエネルギー源になる鉱石のある惑星をみつけると、無人ならばそのまま食いつくして不要になったと判断したら捨て、有人である場合はその星の住民を排除するか奴隷化して、惑星を掘りつくしては捨てをくりかえすとんでもない連中だ。400年前の欧米列強が行ったような植民地の搾取のようなものだ。そのような連中を許すわけにはいかない。したがって敵の補給に痛打を与える意味でも敵工作船団を排除するのが優先と考えた。何か質問は?」

「中間基地はどうするのですか。」

「敵の補給にダメージを与えることができれば弱体化させられるかもしれない。敵が工作船団を護るために戦力の逐次投入をしてくればやはり敵基地の弱体化の誘因とすることができる。よってサレザー太陽系のガミラス・イスカンダルの防衛を最優先事項とする。」

「わかりました。みんな行こう。4年前の恩返しをするんだ。」

「島、ワープだ。」

「了解。」

ヤマトが銀河系外の宇宙空間、地球から10万光年の宇宙空間から消えた。

 

「ワープ終了。」20万光年のかなたの空間にワープアウトする。

「大マゼラン雲サレザー太陽系惑星イスカンダルまで1万宇宙キロ。」

「またここに来ることになろうとは…。」

「9時の方向、距離5千宇宙キロに反応あり。」

 

「3時の方向、距離25000デザリオンに反応あり。」

「「投影しろ」」

 

「敵だ、暗黒星団帝国の艦隊です。」

 

橙色の円盤状の中央に艦橋が樹木のようにそびえたつなかに、ひときわ大きく350mに達する黒々とした円盤状の船体にこれまた320mに達するあたかもアクスムのオベリスクを黒々と塗ったかのような巨大な艦橋がそびえたつ。

暗黒星団帝国マゼラン方面軍第一遊撃艦隊旗艦プレアデスである。

その艦橋の中央には堂々とした体躯の禿頭の人物が立っている。

「デーダー司令、あれは地球の艦隊と思われます。」

「ここまで出張ってきたか。艦載機隊発進!ハチの巣にしてやれ!」

 

「敵艦載機発進した模様。」

「こちらもコスモタイガー発進!」

 

「誤差修正0.2、主砲発射!」

「次、-2、発射!」

「誤差修正0.5、発射!」

地球艦隊のショックカノンの光の槍が暗黒星団帝国艦隊に横なぐりの豪雨のように注いで次々に爆発光と爆煙を生じさせる。

 

「わが巡洋艦隊損耗率半数が撃沈!」

しかしデーダーはほくそえむ。

「やつらの船体は鉄などでできている。ということは、磁力線を照射し、ガミラシウム採掘後の濃硫酸の海にたたき落とせば飛んで火にいる夏の虫ということだ。敵をガミラスの地殻にひきつけろ」

 

「敵艦隊後退していきます。」

「また採掘を続ける気か」

「!!」

「どうした?」

「なにか磁石にひきつけられたような感覚です。」

「後方1000宇宙キロにガミラス艦隊。」

尾崎の表情は晴れない。

「せっかくの味方なのに…。送信しろ。」

(下手にガミラス艦隊を巻き込むようならかえって敵を有利にする、慎重を期するべき場面だ)

尾崎は自分に言い聞かせた。

 

 

 

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