宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第13話 恐るべき浮遊要塞ゴルバ

「正確に報告せんか!」

尾崎はオペレーターに怒鳴る。

「質量2億トン!戦艦などではありません!」

「座標X2500、Y8200、Z5500付近に時空震!至急待避してください!」

「うあわああああ…。」

「当方の駆逐艦9隻、巡洋艦4隻撃沈!」

「地球側の損害報告駆逐艦9、巡洋艦4隻、我が方の損害駆逐艦7、巡洋艦5隻撃沈!」

「…。」

 

「デスラー総統、ヒス内務長官!」

「山南司令、尾崎司令…。」

「こちら…ほうが….つうし….ふの…。」

 

そこに現れたのは高さ1kmに達すると思われる巨大な黒光りするこけし状の金属製構築物であった。

「な、なんだ…あれは….。」

「浮遊要塞…というわけか…。」

 

「地球の戦艦よ。おみごとな戦いぶりだった。」

スクリーンに禿頭で青灰色の肌を持つ細面の人物が映しだされる。

「貴方は誰なのか。」

山南が問う。

「ふん、わたしか。わたしは、暗黒星団帝国ウラリア、マゼラン方面軍司令官のメルダーズだ。偉大なるグレートエンペラーの命によりガミラシウム採掘を行う。即刻立ち去れ。」

「いやだと言ったら?」

「いうでもないことだ。お前たちの艦隊、ガミラスのすべての都市を排除する。地球時間で10分猶予を与える。立ち去らない場合は排除する。そちらが攻撃してきた場合もそうだ。選択の余地はない。」

「あれがガミラシウム盗掘船団の母艦か…タラン!全艦隊突撃!艦載機発進!」

「り、了解!」

 

デスラー艦隊から艦載機が出撃し、突撃を開始する。

「デスラー総統!」

「地球の山南司令か。」

「私のような者が申し上げるのも僭越だがここは冷静になっていただけないか。」

「ふむ。ご忠告はありがたいが、あなたがたの母星に対し、この連中が何をしたか、またガミラスに何をしてきたか明らかではないか。ガミラスにも大貴族どもがやってきたことだが、地球の歴史書にも400年前、発展途上の国家に対し当時の強国が行ってきたことが非難されていることを私が知らないとでも?同じことをガミラスに行ってきたこの連中を許すわけにはいかない。」

 

「敵、突入してきます。」

「ふん、身の程知らずのおろか者め。上部ビーム砲発射!」

こけしの頭部が一部開き、ゴルバの内部であっという間、0.5秒でエネルギーが充填され、おびただしい光の弾丸が降り注ぎガミラス艦載機を火球に変えていく。一方でガミラス艦載機の攻撃はことごとく効かなかった。

「オルビス(白色円盤戦闘機)、ブルシウス(イモムシ形戦闘機)発進。戦闘艇テンタクルス発進!」

そこへ暗黒星団帝国の艦載機が襲いかかる。しかたなく艦載機戦に専念するが、ビーム砲の雨の中ではきわめて不利な戦いであり、デスラー艦隊もケカルピア級、デストリア級、メルトリア級、三段空母が次々に撃ち抜かれ、炎上し、爆発煙をあげ、火球に変わっていく。

 

「支援しないわけにいくまい。」

「山南」

「尾崎、わかった。」

「波動砲充填!」

 

「総統。」

「なんだ。」

「地球艦隊より暗号通信。」

「解析しろ。」

「我々ガ波動砲デ敵ヲ叩ク。艦載機ヲ待避サレタシ。」

「了解したと伝えろ。」

「了解。」

「敵を波動砲と敵の主砲の射線内におびきよせろ。」

「了解。」

 

「メルダーズ司令、α砲の射線上に味方が集められています。これでは撃てません。」

「あわてるな。上部ビーム砲だけで十分だ。」

 

「よし。波動砲エネルギー充填120%」

「古代さん。」

「なんだ?」

「なぜ敵は逃げないのでしょう。」

「波動砲のことを知らないのでは?」

「そんなことはないと思います。現に空間歪曲装置を使った敵は波動エネルギーのことを知っていたから使ったわけです。」

「しかし..敵は、とくに誘爆の可能性がある機雷などを使用していない。」

「ターゲットスコープオープン!電影クロスゲージ明度20」

「発射準備完了。対ショック対閃光防御。発射10秒前。」

「9,8,….3,2,1,0!発射!」

ヤマトの艦首から膨大なエネルギーの奔流が宇宙空間を昼間のように照らして輝きながらゴルバに向かっていく。

「うわあああああああ」 

艦載機隊をのみこんでゴルバに怒涛のように覆いかぶさっていく。

しかし、波動砲の輝きが消えた後に、まるで何もなかったように黒光りをした金属製のこけし状構造物が無傷の状態で現れた。

はっはははははははは…はっはははははははは…はっはははははははは…

無線通信上にわざと聞こえるようメルダーズの高笑いが聞こえる。

「そんな石ころのような砲弾がこのゴルバに通用するとでも思っているのか。今度はこちらの番だ」

「て、敵が主砲を撃とうとしています。」

「敵の射線を回避しろ」

「α砲、発射!」

「島!」

「うむ。」

島が舵を握ってヤマトが敵の砲撃を射線ギリギリのところでよける。

α砲の光と熱の奔流がわきを通りすぎていく。

「た、助かったのか。」

「しかし、これからどうする?」

 

「敵は…滅びの方舟本体並みの防御フィールドを張っているか、装甲がそういった性質を有しているかどちらかだろう。」

「波動砲が効かないとなれば、トランジット波動砲しかないということになりますが…。」

「いや、エネルギー複射から護ってくれるものがない。」

「それでは…。」

「そういうときのための対消滅カートリッジ弾だ。正物質であればどんなものでも破壊できる。

ガトランティスとの戦いの結果生み出された武器だ。まさかこんなに早く使う時がこようとは思わなかったが…。」

「しかし途中で爆破されたら意味がないのでは?」

「その通りだ。おとりのミサイルを撃ちつつ、優秀なパイロットに運んでもらう。」

「艦長、加藤、山本、坂本を呼んでください。」

「わかった。」

 

「加藤、山本、坂本参りました。どのような命令でしょうか?」

「加藤、山本、坂本、重要な任務だ。ヤマトと地球艦隊はゴルバにおとりのミサイルを撃ち続ける。敵がかわしている間に近づいてこの対消滅ミサイルをくらわしてやるのだ。もし危険だと思ったらミサイルを放出してもよい。そのほうが敵に真の目的から目をそらさせることができる。」

「どれかが命中すれば良いと?」

「そうだ。身を護るために放出したとなれば、敵も油断するだろう。」

「ミサイルデコイを艦載機に摘んで出撃だ。」

「了解。」

 

「尾崎司令、ヤマトから暗号通信です。」

「総統、ヤマトから暗号通信です。」

「レーダー司令、ヤマトから暗号通信です。」

「「「デコイのミサイルを撃ってくれと。わかった、了解した旨つたえてくれ。」」」

 

「敵ミサイル撃ってきます。」

「ふん。いくら撃っても無駄なことだ。」

「敵艦載機、上、下から接近してきます。」

「叩き落せ。主砲発射準備」

「山本、ミサイル放出しました。危険で近づけません。」

「加藤、ミサイル放出しました。危険で近づけません。」

α砲の砲口がじわじわひらいていく。地球艦隊は「敵の波動砲」をくらう側になるピンチに追い込まれていた。

 

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