宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第17話 暗黒星雲へ

「危機一髪でしたな。」山崎が息をはきだすようにつぶやき、山南がうなづく。

「もう、ドーム内から今にも敵艦がごっそり出てくると思ったら心臓が飛び出しちゃうんじゃないかという気分でしたよ。」

そうはいいつつも相原の声は明るい。

「敵基地の堅牢さがかえってこっちの作戦を立てやすくするとは皮肉なものだな。」

島が古代に話しかけ

「でも、一歩間違えれば全滅かもしれなかった。」

「そうだな。」

 

「尾崎。」

「山南か。」

「よくやってくれた。」

「しゅんらんと第7艦隊の指揮官として当然のことをしたまでだ。いいところをお前にとられっぱなしだったからな。」

「ああ、しかしこんどの敵もガトランティス以上に恐ろしい敵だからな。あの化け物のような防御力は、なんどもガトランティスの本体と戦っているような感覚だ。」

「艦隊戦のはずなのに城攻め、しかも落とせないじゃないかというような城攻めを強いられている気分だ。」

「ようやく終わったな...。」

「ああ...」

 

「戦闘班は、レーダー要員の交代を残して敵襲がない限り二日間の休暇だ。」

「機関室は、二日後のワープに備えて一日の休暇。」山崎機関長が話す。

「われわれは、二日後のワープに備えて航路設定、作戦会議ってことですね。」

島が真田に話す。

「考えるのが仕事だからな。」真田が苦笑しながら答えた。

 

一週間後ヤマトと地球艦隊は,暗黒星雲から4万光年の空間にあった。

ヤマトの第二艦橋には第一艦橋のクルーが集まっている。

「全員そろったな。では映すぞ。」

真田が第二艦橋のオペレーターに指示する。

床面に暗黒星雲が映し出される。

「これは...。」

「真っ黒だな。」

「これが目的地近くの暗黒星雲だ。観測の結果直径10万光年あることがわかっている。まったく発光しない星雲なので今まで地球からは観測できなかったのだ。」

「直径10万光年ってわれわれの銀河系と同じ大きさだな。」

「ああ。われわれの天の川銀河と匹敵する大きさで、暗黒ガスだけでなく黒色矮星や暗黒物質でできた星や岩塊が含まれていて、バルジを中心に公転しているんだろう。

そう考えると暗黒星雲というより暗黒銀河といったほうがいいかもしれない。」

「中心部には、暗黒物質が渦を巻いて充満している。この星雲全体が向こう側の光を全く通さないのでその先に何があるのかまったくわからない状態になっている。」

島があごにてをあてて発言する。

「星雲を突き抜けることは何があるかわからない。連続ワープで迂回する航路を設定したほうがいいのか...。」

「島、それはやめたほうがいいだろう。これまで旅してきたように何にもない空間であれば10万光年はワープであっという間だけどこういう暗黒星雲を迂回するとなると話は別だ。」

「なにか、危険があるんですか??」古代がたずねる。

「この星雲の回転速度は理由はわからないが外縁に行けば行くほど速く激しくなっているんだ。それは、星雲自体の降着円盤からはずれても推定2万光年近くは広がっていることを示しているんだろう。なにぶん見えない物質だから正確な広がりは把握しきれないが、もし、ワープ中にその流れに巻き込まれることがあれば一巻の終わりだ。」

「するとできるだけ外部に向かわず内側をそのまま突き抜けたほうがいいってことですか?真田さん」

「暗黒星雲の中心部は比較的流れがゆるやかで、ある意味よどんだ状態といっていい。

何があるかわからない不安はあるが外縁部を迂回して遭難するよりはリスクの発見と回避が可能な分比較的安全といえるだろう。ただ、暗黒ガスや暗黒物質が高密度に充満していて長距離ワープは不可能だ。暗闇を手探りで進むことになる。」

「島、そうすると航路はどう設定することになる?。」

「われわれの現在位置はここだ。」島が画面の一点を指さしながら説明する。

「暗黒星雲の降着円盤外縁から4万光年。正面には暗黒星雲のハローの一部が濃密になったガス帯と技師長が説明した激しい外縁の流れがあると推定されることから、ある程度星雲から距離をとりつつ降着円盤の表面付近にワープして、それから中心付近、つまりバルジに近づいたときにバルジに入っていく航路が考えられるだろうな。」

「そうだな。くれぐれも外縁の流れにつかまらないように慎重に進むしかないだろう。」

「はい。」島の説明に、真田が賛意を示すと、島は短く返事をした。

「それでは各自持ち場にもどれ。これからがいよいよ山場になる。よろしく頼むぞ。」

 

「「山場って...古代さん、これまでも強力な敵でたいへんだったじゃん。」」

古代は苦笑せざるをえない。

「ワープ準備。目標暗黒星雲降着円盤表面。」

ヤマトは降着円盤表面へ向かって連続ワープを開始した。

ヤマトの船体は通常空間から消えた。

 

「ワープ終了。」

「波動エンジン異常なし。」

「船体に破損等の異常認めず。」

「ふう...。」

安堵の息が漏れる。

「なんだか周囲が薄暗くなってきたな。」南部がつぶやく。

「なんか煙のなかにはいっていくみたいだ。」

「暗黒物質が表層までひろがってきてるんだな。」

「島、操縦のほうは大丈夫か?」

「多少船体がゆれるが、この程度ならほとんど問題ない。」

「レーダーのほうも今のところ大丈夫です。この先はわかりませんが。」

そのときズゴーーーンという爆音が船内に響き、おおきく船体がぶるぶるとゆれた。

 

「どうした!」

「艦首右舷で爆発。ロケットアンカー損傷!」

「現状報告!」

「不明。障害物反応はなし。」

レーダー手がとまどいをかくせずに返事をする。

「島。艦を止めるんだ。」

「了解。緊急停止。」

「メインバイパス閉鎖。機関停止。」山崎もエンジンを停止させる。

「山崎さん、なんかあったんですか?」

「すごい音がして激しいゆれがあったな、」

「艦首右舷で爆発があった。太助心あたりないか?」

「こちらは異常なし。」

「ふう...なんかあらっぽいやりかただな!!真田さん!」

南部がなにかに気がついたように軽く叫び、思わず真田の名前を呼ぶ。

「どうした?」

南部の指差す方向に敵艦と思われる光点が見えていた。

レーダー手がぼやくようにつぶやく。

「星雲が濃くなってレーダーの反応がにぶりがちでしたが、まさか目視のほうが敵艦の発見がはやいとは...。」

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