宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第24話 闇の中に航路を探せ

「そういうことだ。でもよろこんでばかりもいられない。もう反物質カートリッジ弾はない。おいそれと作れるものじゃないから。」

「敵要塞がひとつ離れていきます。」

「敵要塞現在240宇宙キロ。さらに離れていきます。」

「図体がおおきい割になんて速度だ。」

南部がいらついたようにつぶやく。

「カートリッジ弾の射程圏外から主砲を撃つつもりだな。」

真田は叫ぶ。なんという演算能力だろう。カートリッジ弾の射程をあっという間に計算しているとしか思えない動きに舌を巻かずにおれなかった。

 

「!!」

そのとき敵要塞を駆逐艦ズールーが追いかけていく。

「大西司令!」

「反物質カートリッジ弾はもうないのだろう。」

「はい。」

「こうなったら敵をやぶる手段はひとつしかない。」

「なにをするつもりですか。」古代は大西に向かって叫んだ。

ズールーはやや炎上しながらもようやくゴルバに追いつく。

「あの愚か者め、何をするつもりだ。」

轟音がして第8浮遊要塞がゆれる。

アルファ砲口にズールーが突き刺さったのだ。

「乗組員は脱出させた。古代、この艦ごとを撃て。」

 

「敵艦が第3主砲口に突き刺さりました。」

「うぬぬ。」

「幸いなことにアルファ砲のエネルギーは注入されていませんでした。」

「上部ミサイル砲は使えないということか。」

「はい。誘爆する恐れがあります。」

「うぬぬ。敵兵は逃げているんだろう。そいつらを撃ち殺せ。」

「了解。」

上部ミサイル砲が、脱出する乗組員を狙って雨のように撃たれる。

 

「丸腰の兵士を狙うなんて...。」

「全艦、上部ミサイル砲口を狙え!。」

古代が命じると地球艦隊からゴルバ上部のミサイル砲口群へ向かって数十条のショックカノンの光条が放たれる。数十条の光条は上部ミサイル砲口を破壊するものの、ゴルバ本体はこ揺るぎも誘爆もしない。しかしおかげで無事に乗組員を救出でき、救命艇は帰還した。

「ふはははは...むだなことよ。」

ゴルバの主砲口は複数ある。回転して無傷の主砲口が地球艦隊へ向けられる。

 

そのときだった。

「古代。」

ラングレーの艦長がスクリーンに映る。

「はい。」

ラングレー艦長はすさまじい提案をした。

「あの主砲の発射タイミングで波動砲を撃つ。」

「!!。主砲口にバリアがあります。波動砲でバリアを撃ち抜ける2兆テスラは、エネルギー充填率99.99%で発射5秒前です。もし失敗したらもろに命中しますよ。」

「それでもいい。死中に活を見出すのは今しかない。失敗したらヤマトは、ズールーを撃ってくれ。」

「わかりました。」

「大西君。逆噴射の用意をしておいてくれ。」

「わかった。」

 

「アルファ砲、はつ...!」

「敵弾きます。!?」

「うわ....。」

拡散波動砲が発射寸前のアルファ砲口につきささる。ゴルバの内部に誘爆があっというまにひろがった。叫ぶ間もなくボンベイウスをはじめとする暗黒星団帝国の兵士、士官たちは気化した。

次の瞬間大爆発をおこす。絶妙なタイミングで逆噴射したズールーは誘爆をまぬがれた。

大西は苦笑した。

「生き残ってしまったな。皮肉なものだ。脱出させたはずの部下に犠牲がでたとは。」

「ありがとうございます。大西司令が無事でよかったです。」古代が大西に話しかける。

それから地球艦隊に勝利の報告を知らせた。

「苦しい戦いでしたがなんとか勝てました。皆さんのおかげです。」

地球艦隊の艦艇内部では勝利を祝う歓声でみたされた。

 

「ガイウス司令。浮遊要塞部隊の方向から激しい爆発の反応をとらえました。これはふつうの艦艇の爆発とは異なる大規模なものです。」

「何だと!至急ボンベイウス司令に通信をつなげ。」

「先ほどから通信しておりますが、応答ありません。」

「皮肉なものだな。わたしを陥れるはずが自分がヤマトの餌食になったか。」

「司令…。」

「あのゴルバを倒す方法は非常に限られている。撃たれたアルファ砲を正確に砲口へ向かって反射するか、アルファ砲が発射される瞬間に砲口に撃ち込むか、反物質兵器を実弾にこめて撃ち込むか、底部のエンジン噴射口をねらうかしかない。エンジン噴射口については敵弾を感知してバリアが張られるよう改造されているから前の三つの手段しかない。」

「司令…。」

「波動砲だけならばいくらでも防ぎようがある。波動エネルギーを実弾に封入されても砲口に命中さえしなければまったく問題はない。ただ…。」

「ただ?」

「敵は意外な兵器を開発してわれわれをおどろかせてきた。まさかとは思うが反物質を実弾に封入されたら防ぐのは非常に困難だ。無敵要塞が無敵であるが故に反物質を封入された実弾を四次元フィールドコーティング自体が破壊するから鉄壁の防御の裏返しの弱点になる。」

 

「後方に敵艦隊発見。6500宇宙キロ。」

「真田さん、追撃したほうがいいと思いますか?」

「やつはかなりの戦巧者だ。濃密なガス体のなかに逃げ込むだけだ。」

「うむ。古代、真田。『しゅんらん』と主力戦艦のラングレーが後ろ向きに進もう。いざ敵がのこのこ出てきたら拡散波動砲で一掃しよう。もう発射準備はできている。」

「ありがとうございます。」

 

「敵艦隊はそのまま進んでいきます。二艦のみ後ろ向きです。」

「なるほど。こちらがでてきたら例の兵器を使うというわけか。」

「司令。どうしますか。」

「しかたあるまい。本星の近くでガスの濃密な部分がある。そこで待ち構えるのだ。」

「本星には、救援にいかないのですか。」

「いまさら帰っても敗北の責任を取らされて処刑されるだけだ。」

「...。」

「ちなみにお前たちも帰還したら処刑される。」

 

「この先、5000宇宙キロで再び暗黒ガスが濃密になります。」

「なにか光のようなものが見えるな。」

暗黒ガスは濃密になるが、その明るい一点はよりくっくりと見え、わずかずつであるが大きくなっているように思える。」

「出口?」

「尾崎司令、出口のように思えますが。」

「古代。慎重に分析しろ。これからの行く手は暗黒ガスが液体並みに濃密になって渦をまいている。その渦の中に巻き込まれたら一巻の終わりになる。」

「はい。」

「冷静さを失わないで的確に状況を把握できていれば生き残れる。」

「そんなに俺は感情的ですか。」

「自覚がないようだな。冷静になってくれといういうことなんだ。気を悪くしたらすまん。」

第一艦橋の面々は笑いを何とかかみ殺す。

「航行停止!」

島は航行停止をアナウンスした。

「り、了解。」

「古代、島、慎重に航路の検討をしたほうがいい。技術班に航路の状態を分析させる。それから中央作戦室に集合するよう指示してくれ。」

「わかりました。第一艦橋の乗組員は中央作戦室に集合。」

一同が中央作戦室に集まると真田は通路の様子を床スクリーンに映した。

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