宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威 作:Brahma
「あれが敵の都市...。」
それはハリネズミかウニのようにとがった「水晶」をまとっている「水晶都市」だった。だんだんコスモタイガーの窓から大きく見えてくる。
一方、加藤、山本いるコスモタイガー隊と敵機との熾烈な戦いは続く。しかし彼らがいかに優秀とはいえ敵の数は多く、「水晶都市」を目の前にして山本機がついに囲まれ、敵弾が命中する。
「山本、やまもとおおおおお!」
山本機が火と煙を吹き、窓から見える山本は、額から血をしたたらせ笑顔で敬礼し、「水晶都市」ミサイルの発射口につっこんで爆発する。
「ブラックホールから奇跡の生還を果たしたのに...。」
加藤が率いるコスモファルコン隊はその穴から次々に内部に侵入する。
「水晶都市」からはとがった「水晶」が次々とミサイルになって襲う。
「空間騎兵分隊はあの破壊された場所から侵入してくれ。俺と真田さんと永倉さんの空間騎兵本隊は、艦載機発進口から侵入する。」
「了解!」
加藤率いるコスモタイガー隊は「水晶都市」のミサイルを巧みに避けて、山本機がつっこんで破壊した部分から侵入する。
古代は、艦載機発進口をアナライザーと真田に分析させて探索する。
5分後にアナライザーの頭が発光し、点滅する。
「アソコデス。右40度、仰角25度ノ位置デス。」
発進しようとする白色円盤戦闘機とイモムシ型戦闘機が発進口に見える。コスモゼロとコスモタイガーは、発進口にミサイルを撃ちこんで飛び立つ前に撃墜し、敵機は、次々に爆発光と煙を噴出して四散する。
デザリアム内部では警報が鳴り響く。
「敵兵が侵入した。迎撃せよ。」
兵士たちがばらばらとあらわれる。
上空のコスモタイガーは古代や真田が降りるのを援護して機銃でつぎつぎに敵兵を貫いて倒していく。
コスモゼロから降りた古代と真田は翼の下に隠れる。二人はブラスターを撃ち、その射線が敵兵を貫き、敵兵は倒れる。
「奥に通路が見えるな。」
「でもこのまま進むのは至難の業ですね。」
やがて次々と滑走路に下りたコスモタイガーから永倉をはじめとした空間騎兵がコックピットの後部座席から飛び降りていく。
「永倉さん。」
永倉と部下たちは敵の銃の射線をたくみにかわして通路の死角から敵兵を倒して侵入していく。
「戦闘班長、こっちだ。」
騎兵隊員やコスモファルコン隊員は古代と真田を援護しながら通路を右左とすすんでいく。
「技師長、どっちへいったらいいとおもいますか?」
「たぶん、動力源は、やはり水晶都市の中央部だろう。みはりのすくないところを使えればいいのだが...。」
「さっき右奥に、上下を移動するゴンドラがあった。あれをつかえばどのあたりかわかると思う。」
「そうだな。」
ゴンドラは、資材、食料、残飯を運ぶものと分かれている。食料のものと残飯のものは、それぞれ保存のためと臭気をふせぐためにふたがされていた。そのためふたのない、上へ行く資材のゴンドラに飛び乗った。空間騎兵のほかの隊員も下から来るゴンドラに飛び乗っていく。
真田は、技術者のカンで、
「ここじゃないかな。」
と3mほどの上の通路を指差す。みるとその通路には壁に配管が多く走っている。
3人はコスモガンをサイレントモードにし、敵兵を銃声なく撃ち倒していく。
下から上がってくるゴンドラから次々と騎兵隊員が通路へ飛び降りていく。
しかし、通路になにか装置があるのかヴィー、ヴィーと警報装置がなって、壁から機関銃が出現し、バギュン、バギュンと回転しながら攻撃してくる。
永倉がコスモ手榴弾で破壊する。轟音と煙が晴れると、こんどは、ファランクスを思わせるように通路にいっぱいに横一列に並んでザツザツザツと軍靴を鳴らして敵兵がやってくる。
永倉がコスモ手榴弾で倒すが、4列目以降も現れる。
真田がにやりとすると加藤と騎兵隊の分隊に敵兵の制御装置の位置を電子メールで送る。
「技師長からメールが来た。敵兵の制御装置を壊してほしいって。場所は3ブロック先の右側か...。」
「みはりがいるかもしれないな。」
「まあ、それでも倒すしかない。」
加藤たちも指定された場所に向かった。
すると警報が鳴り、壁から機関銃のようなものが現れ回転して撃ってくる。
加藤たちがコスモ手榴弾で破壊するが、今度は分厚い隔壁がおりてくる。
「しかし、技師長も、「こんなこともあろうかと」ってよく考えたものだな。」
「要塞侵入、白兵戦を想定してサイレントモードに高熱光線モードか。」
加藤と騎兵隊員は苦笑してコスモガンを高熱光線モードにする。
30cmはあろう分厚い隔壁があっというまに開く。二人はアンドロイド兵の制御装置へ向かってコスモ手榴弾を投げつける。制御装置が爆発して、それまでいたる通路で整然と行進していたアンドロイド兵は崩れるように倒れていく。それから敵兵との散発的な銃撃戦となる。
敵兵がいなくなったと思ったら隔壁が両脇でとじる。そしてその隔壁から50本もの刃物が生えてくる。そして両脇からおそってくる。
真田は高熱光線モードでその隔壁に難なく穴を明けたが、隔壁同士がぶつかると
「ぎゃああ。」騎兵隊員が2名挟まれて串刺しになる。即死だった。
「息がないな…。」
その次は刃物のついたつり天井がおちてくるがタイミングを測りながら通り抜けていく。
「こっちだ。」
ジグザクした通路から敵兵が銃撃してくる。騎兵隊員が二人撃たれる。なんとか巧みに倒して行った先には扉があった。
「いやな予感がするな。」真田がいい、永倉はうなづくと、古代と真田へ後ろへもどれと合図する。ジグザグな通路の角に戻って、永倉が扉にコスモ手榴弾を投げる。
するとロボットのスズメバチが襲ってくるが、部屋から3mまでしか飛んでこれないようだった。ふたたび、永倉がコスモ手榴弾を二発投げ込みでロボット・ホーネットの群れを倒す。
そして20mほど進むといきどまりになりまた扉がある。永倉は離れて、またコスモ手榴弾を投げ込む。扉が破壊されると、こんどはロボットのさそりが大量に現れる。しかし、これも部屋から3mしか出れないようだった。これもコスモ手榴弾で倒す。そしてさらに20m進むとまた扉がある。永倉はコスモ手榴弾を投げるが効かない。仕方ないので真田と騎兵隊員がコスモガンの高熱光線モードで穴を開ける。何もない部屋のようなのではいると、隔壁が現れていきなりしまった。空気が抜けていく音がする。その部屋は右側と左側に扉があった。
手持ちの計器を確認すると酸素の量が減っていくのが判る。
酸欠にしようという敵の意図を真田は察して、すぐに
「酸素マスクをしろ」と伝え、古代と騎兵隊員たちは酸素マスクをし、コスモガンを高熱光線モードで左側の穴を開ける。
そしてその扉に穴が開くやいなや、通路の曲がり角の影から敵兵が銃撃してきた。