宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威 作:Brahma
近藤と林が敵兵の足元に飛び込んで倒していく。敵兵は剣を振るいながらも後ろの後列は混乱するが、将棋倒しにならないように1.5m程の間隔をあけているので、三列目は無傷で剣を振るってくる。
「近藤、林どいてくれ。」
「おう!」
真田と古代はコスモ手榴弾を投げつける。敵兵が倒れたところを進んでいく。背後の敵兵が10秒ほどで立ち上がったところを近藤と林が白兵戦技で倒す。敵兵の足元を狙って倒しながら進む。足元から安全マージンをとり5列後ろくらいでコスモ手榴弾を爆発させる。
そしてついにドーム球場程もあろうかと思われる広い空間にでた。
「ついについたぞ。」
中央には、インジケーターランプが平行に無数に点滅する縦30m横20mはあろうか卵形の物体があった。配管が四方八方に無数にのびている。「苦しい戦いだった。」古代と真田は顔を見合わせつぶやく。
入り口へ入ろうとすると、上のほうの壁にベランダのようなものが設けられ見張りの兵士が銃撃してくる。
「これじゃあ、とても近づけないな。」
出口通路にも犬走りないし、ベランダのような通路があってそこからダースべーダーのような「兜」をかぶり、目を赤く発光させ、黒光りして武装した兵士が銃剣をもっておしよせてくる。
「古代、技師長はなれてくれ。」近藤が叫ぶ。
林と近藤がコスモ手榴弾を兵士たちの背後に投げ込んで倒す。
しかし、次から次へと兵士が「湧いて」くる。
「きりがないな。」近藤がつぶやき、二度目の手榴弾を投げ込んで、メカが体の随所からのぞく黒い兵士たちの「遺体」を乗り越えて、ようやくのことで入り口から右脇、左脇に続く通路にひしめいている黒光りする兵士たちの後ろにコスモ手榴弾をなげこむ。
爆発が起こって、黒光りする兵士たちの後続部隊は、通路が破壊されたために動力源の空間の数十メートル下のほうへ次々と崩れ落ちるように、しかし叫び声もあげずに落ちていく。しかし近藤と林もただですまなかった。
「ぐわつ。」
押し寄せる黒光りする兵士に串刺しにされる。
「林、はやしいいい」
通常の銃撃が効かないため、コスモガンを高温熱線モードにして至近で打ち込んでようやく倒せることに気がつく。
真田は近藤と古代が戦っている間に、動力源の写真を撮って爆弾に座標データを入力して5~6個の時限爆弾を飛ばした。
爆弾は、ドーム内を飛びながら指定された座標へとんでいく。
古代と近藤は思わずおどろく。
「あれだけの高エネルギー反応があるものだからなんとかできるはずと思ってね。」
「なるほど。これなら近づかなくても済むわけか。」
「じゃあ、引き返そう。」
「近藤、時限爆弾はセットした。7分後に爆発するから引き換えすんだ。もし、速く脱出できたらその時点で爆破させる。」
「了解。」
つり天井のわなを壊しながら、古代と真田はもと来た道を引き返す。
「うえあっつ。」
刃物がついたつり天井の落下をたくみにさけるものの、ついに落ちてくる天井にとじこめられる。
見ると近藤が血まみれになっておさえている。
「古代、技師長。はやくにげてくれ。」
「近藤!。」
「こういった白兵戦のために俺たちはいる。」
「わかった。」
「古代、真田技師長、ヤマトを地球を頼んだぜ。」
巧みに敵の銃撃を避け滑走路のあるところまでたどりつく。
「おお~~い」「古代班長、真田技師長、援護します。」
加藤たちと一緒にきた騎兵隊員たちも生き残りが3割ほどになっていた。
「発進します。」
古代のコスモゼロに続いて次々とコスモタイガーが飛び立っていく。北極からの通路の内部で加藤隊が敵戦闘機隊と交戦中だった。北極の通路を半分ほど進んだところで後方で明るい光が闇を切り裂くように輝く。見ると水晶都市に亀裂が走り、引き裂かれるようにまぶしいほどの光がもれている。
「全機、北極ハッチから脱出!」
水晶都市から北極ハッチまであと2割のところで激しい閃光が水晶都市の位置で輝き、爆発が起こり、すさまじい勢いで爆発の煙と衝撃波がおそってくる。コスモタイガー隊はそれぞれ8割が失われた。
「みんな...。」
古代は後ろを一瞬振りむいた
デザリアム星は大爆発を起こしすさまじい爆発煙を噴出していた。
「山本、コスモタイガー...永倉さん、近藤...空間騎兵隊...大きな、本当に大きな犠牲だった...。」
(これほど大きな犠牲をはらったのだ。今度こそ地球の勝利なんだ...)
古代は辛く悲しい思いを振り切るためにことさらに勝利を半ば意識してつぶやく。
しかし、引きちぎられたデザリアムの爆発の煙がじょじょにはれていくと信じられないものが姿を現した。それは黒光りする巨大な要塞であった。
その要塞は「滅びの方舟」の天守閣ににた突起のようなものが四方八方に突き出し、それぞれの突起に設けられた12の「目玉」が赤黒く光っていた。見る者を圧倒する重量感と威圧感を誇っていた。そしてその突起物の下には、それぞれ直径にして20mはありそうな巨砲がついている。
グレートエンペラーの姿がスクリーンに映し出された。
それは黒々とした牛か竜のような細長い顔で、一回転する二つの角がついていた。
そして赤い眼光が不気味に光る。
「地球の戦艦よ。よく戦った。われこそは、絶対者エサルハドン・バーン・アプリ、全宇宙を統べ治める者、グレートエンペラーだ。お前たちが「滅びの方舟」とガトランティスなどという作り物の人形どもを抹殺したことは知っている。われわれは、全宇宙を支配するのに邪魔な人形どもを滅ぼすつもりだったがやつらが欲をかいて早まってお前たちに手を出したのでお前たちがゴレムを発動させやつらを一掃し手間が省けた。しかし余計なことをしてくれたな。おとなしく従えばいいものをわが帝国の本星デザリアムを破壊するとは。しかしここがお前たちの墓場になる。ガンマ砲発射。」
真田が指をならしヤマトが銀色のかがやきにつつまれる。
しかし、一門の巨砲から発射された光と熱の奔流が空間磁力メッキをつきやぶりヤマトを貫いた。
爆発音がおこった。ズゴーンン...地響きのような音と振動がヤマトを襲い、その振動で船体はゆらぐ。第一艦橋も例外ではなく、激しい振動で乗組員は自席からはじきとばされる。
「うう...。」
「被害報告!」
「機関室!機関室!応答せよ。」
「エンジン出力低下...しかし、航行に支障なし。」
山崎がコンソールにつっぷしてしまう。その額からは出血している。
「山崎さん!、山崎さん!」
ふたたびグレートエンペラーの不気味な姿が映し出される。
「ふはははは。そんなうすっぺらなメッキとやらがこのガンマ砲に通用すると思っているのか。さあヤマトよ。次がお前たちの最後だ。」
グレートエンペラーの哄笑が響いた。