宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第5話 密かな追跡者

スクリーンに美しく青い球体が映し出される。青い球体には白いまだらがかかっている。地球であった。一同は地球の方向へ向かって敬礼した。

「これよりまもなくワープにはいるが、その前に第一艦橋のメンバーは中央作戦室に集まってくれ。」

 

中央作戦室の床面に棒渦巻き状の天の川銀河が映し出され、地球の位置が某ブラウザのような逆さ涙状の赤いマークで示される。

「これが我々の太陽系。天の川銀河のオリオン腕の一角にある。」

40万光年先に敵本星の推定位置が示される。

「これが40万光年先のダークマターの濃密区域だ。詳細な電波望遠鏡の観測の結果、直径10万光年ほどの渦巻き状になっていると考えられている。敵本星の正確な位置はわからないがこの中にあると考えられる。」

「こんなところまでどうやっていくんですか。」

「連続ワープだ。」

「連続ワープ?」

「そのためのヤマトの改造だ。第一艦橋の操作を最低限にしてスーパーチャージャーで1回5000光年のワープを連続で行うことが可能になった。ボタンを押して一瞬でワープができるような感覚だ。」

機関室の一部が映し出される。

「新しい装備を紹介しておこう。全天球レーダーだ。これまでの5倍の距離までリアルタイムで観測できるようになった。」

「それから波動カートリッジ弾、対消滅カートリッジ弾だ。前者は波動エネルギー、後者は反物質を封入している。後者は君たちも知っているようにガトランティスの対消滅ミサイルにヒントを得たものだ。このカートリッジ弾で波動カートリッジ弾を防ぐ敵であっても正物質であればいかに堅牢なものでも破壊できる。」

一同はうなった。

「小惑星帯を抜けたらためし運転で木製型惑星の影響がすくない、天王星軌道まで小ワープする。各員部署に戻れ。」

 

「ガザン司令、敵の暗号秘匿回線を確認しました。」

「通信の方向は?」

「それが地球上空にリレー衛生が数十基、外惑星方向に同様に数十基あって確定が困難です。」

「つぶして行け。それが手っ取り早い。残ったもので方向がしぼられるはずだ。」

リレー衛星がつぎつぎに破壊される。

 

「ガイウス大佐、判明しました。小惑星イカルス近傍に向けられている模様。」

「よし、行け。」

「ガザン司令に伝えなくてよろしいので…。」

「ガイウスが敵を発見したので向かったと伝えておけ。」

「了解。」

 

「小惑星帯抜けました。」

「よし、ワープ1分前、各自ベルト着用!」

「波動エンジン異常なし、ワープ10秒前,9,8,...2,1,0,ワープ!」

ヤマトは迅速にワープし、その姿は宇宙空間から消えた。

 

「ガイウス大佐、ただいま小惑星イカルス付近に到達。敵はおりません。」

「わずかながら空間歪曲場を確認。外惑星方向へ向かった模様。」

「解析しろ。」

「了解。」

「外惑星方向に17.5ウレム(=17.5au,天文単位)ほど移動した模様。」

「アヌ(天王星)軌道付近だな。よし向かえ!」

 

「ワープ終了!」

「波動エンジン異常なし。」

「雪、現在位置は?」

「天王星軌道付近へ到達。銀緯1度0分0秒、銀経1度0分0秒」

「!!」

「どうした?相原?」

「後方、300宇宙キロに敵艦隊!」

「くっ...もう追っ手が来たのか。」

「総員戦闘はい...。」

「古代!」

「はい。」

「こんなところで戦っているひまはない。地球へ敵発見座標の秘匿暗号メールを送れ。それだけでいい。」

「相原!」

「了解。暗号メールのみ送ります。」

「島!ワープだ。」

「了解。ワープ!」

ヤマトは、ふたたびワープした。

 

ヤマトの小ワープ地点付近には暗黒星団帝国第3遊撃艦隊がいた。

旗艦ガリアデスの艦橋ではオペレーターが中央に座る小柄な司令官に伝える。

「ガイウス大佐、ヤマトを捕捉しました。」

「で、ヤマトはどこへ向かっている?」

「右20°方向、距離1500宇宙デザリオン(=300宇宙キロ)を航行中です。方向から考えるに我が暗黒星雲へ向かっているものと思われます。」

「地球人はつくづく愚かだな。たった一艦で我が母星デザリアムへ向かおうとしている。われわれはガトランティスの艦隊のようにやわではないのだ。」

「どうした?」

「ヤマトが消えました。ワープした模様。」

「うぬ。なんて早いワープだ。ヤマトのワープアウト地点を再度計算しろ。」

「それが...早いワープだったもので、ワープトレースのベクトルが確認不能です。」

「司令、いかがいたしましょうか。」

「追撃しろ!我が母星にむかわせるわけにはいかん。こちらもただちにワープだ。やつらの行く方向はわかっている。我が母星に向かっているならかならず通る場所があるはずだ。先回りしてわなをはるのだ。」

「ははっ。」

 

「ワープ終了。」島がワープ終了を告げると、

「波動エンジン異常なし。」山崎がエンジンの状況を伝える。

「現在位置、大犬座α星シリウスの近傍、4億5000万キロ。約3天文単位です。」

「コスモタイガー、周囲の偵察を行ってくれ。」

「了解。発進します」山本が応える。

 

「コスモレーダー、エネルギースキャナともに異常なし。」

「どうやら周囲に敵はいないようだな。」島がつぶやく。

「このまま長距離ワープも可能だ。ただ、コスモタイガー隊の帰還までは安心できんな。」山崎がつぶやく。

 

「シリウス近傍で方向を変えた後は、大マゼラン雲サレザー太陽系よりはるかかなたの旅になるだろう。太陽系まで敵が来ているわけですから用心にこしたことはない。」

 

「艦長、偵察隊より入電!」

「艦長!、敵艦隊を発見!」

「どのくらいの規模だ?山本?」

「結構な規模の部隊です。戦艦10、空母2、駆逐艦、巡洋艦など30隻。」

「いっちょやったりましょうか。」

「坂本くん。あわてなくてもいいから、敵艦隊の映像と座標を送って。」

「は、はい。」

「雪!」

古代はおもわず咎めるような口調になって、なんとかいってやってくださいよと言わんばかりに渋面をつくって後ろを振り返って山南をみる。

山南は苦笑して軽くうなづく。

雪はてへぺろする。

 

「敵艦隊の座標と画像が送られてきました。」

「かなりの規模だな。敵までの距離は40000宇宙キロか...」

島が画像を見てつぶやく。

「いまのところ敵は気づいていないようです。」

「コスモタイガー隊を発見したり通信が傍受された様子も感じられない。

さすが真田さんだ。」

「これからの方針をきめる。第一艦橋の諸君は第二艦橋の中央作戦室にあつまってくれ。」

山南が告げ、第一艦橋のクルーは半数退出した。




1ウレム=約1億5000万キロ。1ウラリアマイルは、1.495978kmで、1ウレムは、地球と太陽の平均距離=1天文単位とほぼ同じで、そのほか(ウラリ)パッスス=約1.496m、1デザキュビトは、1/3(ウラリ)パッスス、1デザリオン=約200mなどがあるという設定。ちなみに1ローママイルは、1.48km、地球の1スタディオンは、185m
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