宇宙戦艦ヤマト2203 暗黒星団帝国の脅威   作:Brahma

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第9話 盗掘船団、大マゼランに現る!

「島、右に旋回だ。」

「右に旋回。ようそろー。」

 

「波動防壁消失。」

「こちらヤマト、こちらヤマト。緊急事態、援護を願います。」

「右舷パルスレーザー砲塔、1番、4番も損傷、左舷パルスレーザー砲塔、5番、6番、9番も損傷!第一副砲損傷。各兵装に深刻なダメージです。右側揚弾機が機能しません。」

 

「こちら山本新たな敵を発見。アステロイド帯に進入。スロットル閉鎖。速度落します。」

中性子星はかっては太陽の10倍以上もある恒星でかっては明るく輝いていたが爆発を起こし、周囲にあった地球型惑星は粉々になって小惑星帯となってカレル663を公転している。

コスモタイガー隊はその小惑星帯を巧みに飛行して敵編隊の攻撃を試みる。

 

「ガイウス様、敵が包囲網を突破し、干渉装置に接近してきます。」

「空母艦隊に通達。艦載機発進。迎撃隊として展開させろ。干渉装置を死守するのだ。それから敵の艦列のポイントになる座標を全艦に送る。そこを集中砲火し、敵の艦列をつきくずせ!」

 

「全艦主砲、発射!」

ヤマト主砲は敵艦載機隊をのみこんで引き裂いていく。

「回避~」

「間に合わない;。」

その光条はさらに干渉装置を貫いて火球に変えた。

「干渉装置β破壊されました。」

「まだだ、まだ干渉装置は残っている。」

 

「アステロイド帯に進入。艦速をおとすぞ。」

地球艦隊がさらに小惑星帯に侵入し、『しゅんらん』は拡散波動砲をチャージする。

ふたたび『しゅんらん』から放たれたエネルギーの奔流が暗黒星団帝国艦隊に襲いかかる。

ガイウス艦隊はこの一撃で干渉装置をすべて失い、全艦隊の9割近い損害を出していた。

「干渉装置すべて破壊されました。どういたしますか」

「全艦退却だ。われわれの目的はやつらの母星への接近を阻止することだ。干渉装置が破壊された今、これ以上ここで戦うのは無意味だ。戦力をととのえて地球艦隊の進路に待ち受けるのだ。」

「はつ…。ところで司令。」

「なんだ?」

「この先にはわれらの中間補給基地があります。地球艦隊の包囲網突破を連絡しておくべきでは?」

「中間補給基地の司令官はスラ・バツゾークだったな。」

「はつ。」

「連絡は不要だ。」

「し、しかし...それでは…」

「いいか、よく聞け。ヤマトはわたしの獲物なのだ。」

 

「空間歪曲干渉波消失しました。レーダー妨害も解除されました。」

「敵艦隊退却していきます。」

「なんかえらく引き際のいい敵だな。」

「あの干渉装置にすべて頼った作戦だったからな。ここで引き上げなけれは敵の損害はもっと大きいものになったはずだ。作戦の内容といい、戦況の把握振りといい敵の指揮官はかなりやり手だ。」

「うん…。」

「艦長、今回の戦闘ではかなりの損害を受けました。すぐには敵の攻撃もないだろうから修理したいと思いますが。」

「それがよいだろう。ただし監視衛星を打ち上げ、警戒網の構築に怠りがないように。」

「了解。」

 

修理時間は数日を要した。尾崎が今後の打ち合わせのきためにヤマトに『しゅんらん』を接舷させて乗り込む。

 

「我々は、敵本星と地球の中間にあたる小マゼラン雲へ向かう。」

「艦長、艦長」

「どうした?」

「防衛軍司令部からの緊急通信です。」

それは驚くべき内容だった。

 

ガミラス本星は惑星の寿命が迫り、表面の空洞化によってマントルが露出しているが、表面は固形化している。

その橙色を呈する表面に見慣れない船団が降下していたのをガミラスの警備隊が発見した。

「南緯70度、西経30度付近に正体不明の船団を発見」

「なんだ、あれは…。」

「なにやら掘削しているようだな。」

「!!」

「正体不明の船団から攻撃」

「うわああああ…」

 

「南緯70度、西経30度付近に謎の船団だと?」

「はい。ヒス内務長官、これです。」

「見たことのない船団だな。」

「どうやらかって我々が宇宙航行用に使用していたガミラシウムを採掘していたもようです。」

「それはゆゆしきことだな。ガミラシウムの採掘は星の寿命を著しく縮めることが判明して、プレ・ゲシュタム機関が開発された200年前から採掘をやめている。どうにかしてやめさせなければ。」

「話が通じる相手ならよいのですが…それにこの船団の護衛艦の画像と最近地球が戦ったという謎の敵の艦隊の画像をごらんください。」

「そっくりだな。」

 

「警告、警告、こちらはガミラス共和国第一上空巡視隊。そちらの船団の所属を名乗れ。

ガミラシウムの採掘はガミラス共和国資源採掘法によって禁じられている。ただちに所属を名乗るとともに採掘を中止されたし。」

「!!」

円盤型巡洋艦からかすかに緑色がかった光条が放たれる。

「こ、攻撃してきます。」

「仕方ない、応戦だ。」

 

一方天の川銀河オリオン腕太陽系である。

月の大使館がガトランティスの滅びの方舟の主砲によって破壊されたため、ガミラス大使館はサハラ砂漠に置かれている。

「バレル大使」

「ヒス内務長官?」

「現在ガミラス本星は、地球を攻撃しているのと同じ敵暗黒星団帝国から攻撃をうけている。敵のガミラシウム採掘船団に警告したら反撃してきたのだ。」

「天の川銀河オリオン腕周辺でも同じ状況です。ただ…。」

「ただ、どうしたのだ?」

「ヤマトと地球防衛軍第7艦隊が小マゼラン方面に向かっているそうです。敵の中間補給基地があるようで…。」

「そうか…こちらの戦況は苦しい。援軍がほしいところだが…。」

「地球連邦に相談してみましょう。天の川銀河の植民星も厳しい状況ですが、遠方の艦隊を呼び戻すような非効率なことはしないでしょう。場合によっては駆けつけてくれるかもしれません。」

「よろしくたのむ。」

画面からヒスが消えるとバレルはため息をつく。

次にローレン・バレルは地球連邦との間に回線を開いた。

「これは、バレル大使。」

「大統領。」

「貴方の本星も同じ敵の攻撃を受けているようだが…。」

「我々の本星も苦しい状況です。敵はどうやら星間戦争用のエネルギー源になる鉱石のある惑星をみつけると、無人ならばそのまましゃぶりつくし、有人である場合はそれを排除してまで、惑星を掘りつくしては捨てをくりかえすとんでもない連中であることが判明しました。わたしたちのガミラスのガミラシウムのほか、イスカンダルにもイスカンダリウムという鉱石があります。敵はおそらくイスカンダルも狙うでしょう。」

「同盟国と地球の恩人が危機と言うことか。」

「そういうことです。」バレルは、大統領の指摘に同意を示しつつ話を続けた。

 

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